一反木綿 (ゲゲゲの鬼太郎)

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境港市ゲゲゲの妖怪楽園に設置された一反木綿の遊具

一反木綿(いったんもめん)は、水木しげる漫画ゲゲゲの鬼太郎』(旧題:『墓場の鬼太郎』)の主人公・鬼太郎の仲間の妖怪のひとり。一反もめん等と表記されている場合もある。

キャスト[編集]

概要[編集]

境港市水木しげるロードに設置された一反木綿のブロンズ像

空を飛ぶ布の妖怪で、全長約10メートル(一。もっと短く目測される場面もあり、ある程度伸縮できる模様)の白い反物に細い目と腕が1対ずつ付いた姿。伝承ではどこからともなく現れて人の顔に巻き付いて窒息させる恐ろしい妖怪だが、本作では鬼太郎の仲間として登場し、彼や仲間達を乗せて飛行する。布であるため火やハサミに弱い。切られると血を流す(アニメではそのような描写はなく、ギャグ的に処理される場合が多いが一方で第5作83話「燃えろ!小豆連合」と94話「沖縄の守り神シーサーの正体!」では吸血樹に「血」を吸われて干からびたり(前者では妖力の可能性も)、吸血妖怪を見て距離を置くなど矛盾のある描写が存在する)。また、弱点として心臓があるらしい(後述の通り、魔女に仕込み針で突かれ死亡した事もある)。再生能力で簡単に元通りになる(後述)。戦闘では、鬼太郎を乗せて空中戦の手助けをすることが多いが、敵に巻き付いて締め上げたり、体の縁を刃物状にして斬ったりといった攻撃も見せる。また、ねずみ男曰く、一反木綿の政治的思想はタカ派だという。清潔に気を遣っている。

鹿児島の大隅地方に出現する妖怪と言われている為、アニメ第3作以降は流暢に鹿児島弁を喋る(第3、6作では博多弁交じりになる)。その影響で原作もしばらくは標準語のままだったが次第に鹿児島弁も混ざるようになる。ゲーム作品などでもこの一反木綿の鹿児島弁を話す設定は定着していく。実写映画版では声を担当した柳沢慎吾のフレーズの「あばよ!」「いい夢見ろよ」も使用されている。

一見細い両目だけの顔で鼻も口も見えないが、鬼太郎達と食卓を囲む場面がある事から口はあるらしく、アニメ第3作オープニング映像では管楽器を吹き同作96話ではジュースを飲む場面で口が出現しており、第6作でもぬりかべと共に酒を飲むシーンがある。好物はチョコレート。酒は芋焼酎が好き。また、アニメでねずみ男が悪臭を放つ場面では、鼻に当たる位置を手で押さえていることがある。

初登場は原作「妖怪大戦争」及びそのアニメ化である第1作・第10話「妖怪大戦争(前編)」。原作と第1作の「妖怪大戦争」では、西洋妖怪との闘いで最初に戦死(空中の魔女に巻きついて捕らえようとしたが心臓に毒針を刺された)したが、その後、第22話「妖怪獣(後編)」で何事もなかったように復活。この時は体がかなり長く描かれていた。以後は準レギュラーとして活躍した。

劇場版『妖怪ウォッチ』で出演した際は台詞はないが、鬼太郎たちを乗せて飛ぶなど活躍していた。

妖術・技[編集]

目玉おやじをしてベテランと言わしめるほどの豊富な戦闘経験を持ち、普段の飛行能力だけでなく一味の戦闘力として頼りにされている。後年の作品では、鬼太郎や砂かけ婆の武器として機能する事もある。

飛行能力
先述の様に鬼太郎や仲間を乗せて飛び、事件現場へ赴く交通手段や空中戦のサポートとして活躍する。体積が少ないはずだが、風圧にも負けず非常に高速で飛べる。成層圏でも活動可能(第5作74話「一反もめん!鹿児島決戦!!」)だが、冬の上空にある雪雲などでは寒がって凍ってしまうことも(第4作56話「水変化!妖怪水虎」)。人間大の仲間なら4〜5人程度は乗せる事が可能。ぬりかべは大き過ぎて乗せられないが、水上スキー式に引く事は可能(第3作劇場版第1弾)。
「鬼太郎大百科」では風に乗って飛ぶと説明されているが、それでは不可能なはずの大気圏外まで飛んでいる描写がある(原作「UFO宇宙突撃隊」「月の妖怪桂男」、アニメ第5作74話)。
水に濡れたり(特にアニメ第5作)、食べ過ぎたり(第5作40話)すると体が重くなり飛べなくなる事がある。第5作までは多人数が乗っても重たがっていなかったが、第6作では乗る人数に限りがあり、猫娘、砂かけ婆、子泣き爺の3名を境港まで乗せた時は重たがっていた。
しめつけ
伝承からの得意技。帯状の体を敵に巻き付け締め上げる。第1作22話「妖怪獣(後編)」では、八百八狸の幹部狸(団三郎)を締め殺し、狸妖怪でも屈指の大物である親玉の刑部狸を締めあげて素早く失神させたことも。また第3作第1話では、鬼太郎たちに襲い掛かるかまいたちを締め上げ、妖怪城を元のように戻す方法を白状させた。第6作第12話では団三郎を締め付けて人質にするが、引き裂かれそのまま団三郎のふんどしにされてしまった。その後、団三郎が敗れた後、刑部狸の首を締め上げてまなを呪いから助けるのに一役買った。
もめん切り
薄い体の縁を刃物状にして敵を切り裂く。
「鬼太郎大百科」では「頭の先端が骨質であり鋭いので刃物の様に切れる」とあるが、鬼太郎達が頭に手を掛けて平気な事や、尾の部分なども刃物化している事(後述の「刺殺」)から、自身の意志で縁の硬軟を変化させられる模様。また、第5作第74話の「一反もめん!鹿児島決戦!!」では、辻神に切り裂かれて失った部分を補ったちゃんちゃんこの部分で辻神を真っ二つに切り裂いており、自分の身体と一体化した部分であれば硬化させることができることがわかる。
劇中での初使用は原作では「吸血鬼ラ・セーヌ(後編)」、アニメでは第3作13話「おりたたみ入道」。第6期第3話では、かまいたちに使用した。
刺殺
尾の先端を尖った刃にして突き刺す。アニメ第3作40話で缶切り代わりに使用。技名はゲーム「異聞妖怪奇譚」より。
『妖怪千物語』においては、目玉おやじの作った薬で強化され、以下の様な鬼太郎との合体技が使用できるようになった。
一反もめん旋風斬(せんぷうざん)
鬼太郎の腕に巻きつき、鋼の様に強靭な刃の鞭となる。磯女の水の槍も砕く威力。
一反もめん螺旋槍(らせんそう)
鬼太郎の腕に巻きつき、体を縦方向に絞って鋭い槍となる。牛鬼の眉間を貫いた。
再生能力
布だけに刃物などで切り裂かれやすいが、水を含む(膨らんで徐々に繋がっていく)か糸で縫合する(砂かけ婆など他者に縫って貰う場面が多く見られるが、アニメ第5作88話で「針に糸を通すのはいつもやっているから得意」との発言から、自分で縫うこともある模様)事で再生する。妖怪獣(アニメ第1作22話)で初使用。
再生粉末
死んだ者を生き返らせる粉状の薬。妖怪獣とともに胃液で溶けた鬼太郎を不完全ながらも蘇らせた。第4作では鬼太郎が自力で完全に復活したため使用されなかった。なお、砂かけ婆の砂とは違い、かける量には限りがあるらしい。
「鬼太郎大百科」によるとトンボの様な複眼で高い視力を持つとされる。但しアニメ第5作27話では最近老眼気味と言って眼鏡をかける場面がある(薄い体で衣類やバッグ等を身に着けている様子もないのに、どこに眼鏡をしまっているかは不明)。
アニメ第4作15話で枕返しに眠り砂を撒かれた時、彼だけは「目が細過ぎて砂が入らない」理由で眠らなかった(第3、5作では他の仲間同様に砂が効いて眠った)。
「千年呪い歌」ではサーチライトの様に光を発する。
先述の様に複眼で基本的に単一の色の目であるが(アニメ第2,3,4,6作では青系、第5作や50周年のロゴでは赤系)、原作「妖怪獣」や月曜ドラマランド版、及びアニメ第3作での驚いた表情では白目と黒目がある。
擬態・道具化
帯状の布でできた品物に成りすます事を得意とする。
  • マフラー(アニメ第3作9話で、水虎に狙われた少年を護衛する為。色も黄色に変化し、本来の白と瞬時に切り替わる)
  • 包帯(アニメ第3作69話で、医者に変装した鬼太郎が又三郎天狗の傷に巻いて偵察させた)
また「妖怪獣」ではねずみ男の服の下にサラシの様に入り込んで、刑部狸暗殺を謀った事もある。
通常は布製ではない道具になったこともある。
  • ホースとノズル(アニメ第3作61話での消火作業の際、消防ポンプの水の勢いが弱いのでホース先端に巻き付いた。)
  • スコップ(アニメ第3作71話で妖花の親株の根元を掘る際、ねずみ男に使われた。)
反面、その体質ならではの「虜囚の辱め」を受けた事も多い。
  • 「妖怪獣」で八百八狸に囚われた際は、団三郎狸の(アニメ第1作ではマフラー)にされた。この後、団三郎の首を絞める形で逆襲している。
  • 「妖怪反物」では中国妖怪に囚われ、捩られてにされた(他の囚われた日本妖怪はチーの秘薬で妖怪反物にされたが、彼はアニメ第3作にて猫娘や当人曰く「元から反物」であるため)。
  • アニメ第3作劇場版「妖怪大戦争」ではドラキュラに一部を破り取られ、テーブルクロス代わりにされた。
  • アニメ第5作71話では南方妖怪に囚われ、ポの腰巻にされる。
  • アニメ第6作17話では子泣き爺の日光浴中に褌になっていたが、途中で嫌になり飛び去ってしまった。続けて曰く「どうせならおなごの水着になりたい」。
目隠し
第3作劇場版第1弾で蛟龍、第49話で陰摩羅鬼、「国盗り物語」で毒娘の車に対して使用。鬼太郎に攻撃のチャンスを与えた。
スクリュー攻撃
空中で尾を螺旋状に回転させ、つかまる仲間に錐揉み回転を加え肉弾攻撃(鬼太郎の下駄キックなど。この場合「スクリューキック」と言う)を強化。アニメ第5作から頻繁に使う様になる。傘化けとのコンビでは彼を独楽、自身を紐に見立てて投げゴマ式に回転を加える。嫌がるねずみ男に無理やり行ったこともある(第5作29話「猫娘の妖怪バスツアー」の作中で、狂骨に向かってねずみ男を投げ飛ばした。)。
旋風
空中で回転して旋風を起こす。アニメ第5作71話「南方妖怪日本上陸」で使用の他、第33話「大逆襲!日本妖怪」でも砂かけ婆との合わせ技で砂塵を巻き込んだ暴風を起こしている。
潮田弘子の二次創作「無明童子」では「一反トルネード」と呼称。
投げ飛ばし
祭りなどでよく売られている、吹き戻し(巻いた紙をストローに付けて息を吹き込むと伸びるおもちゃ)のように敵に巻き付き、投げ飛ばす(第5作の「猫娘の妖怪バスツアー」の作中で、猫娘が切り裂いた狂骨の頭を投げ飛ばした)。
パチンコ
体を木と木に巻き付けて、中央に物や人を置いて引っ張って投げる。
第6作第3話では、石化した子泣き爺をかまいたちに投げるために使用した。

アニメにおける変遷[編集]

1作目・2作目
第1作の出番は7回と少なく、21・22話で喋った他は極めて無口だった。
第2作は飛行手段として出番は急増したものの、無口なのは相変わらず。
3作目
無口だった過去作品とは打って変わって、博多弁を話す饒舌かつひょうきんなキャラクターに。特にねずみ男とは漫才のような掛け合いになる事がある。鬼太郎を背に乗せて現場へ赴く他、鬼太郎や目玉おやじの要請で他の妖怪を背に乗せて連れて来る事も多くなった(串刺し入道との一戦で電気妖怪を連れて来た際は「しびれるのに弱いから電撃はお手柔らかに頼む」などの弱気な発言も)。枕返しが見せた悪夢では巨大ハサミに追い回される。天童ユメコに対して少々デレデレした口調で話すなど、第6作で設定に明記される女好きな面は当時からも現れている。「世界妖怪ラリー」では「恋人を紹介してもらう」条件でねずみ男の中継ヘリ役を引き受けており、その際の想像図からするとどこかに「女性の一反木綿」も存在するらしい。劇場版『最強妖怪軍団!日本上陸!!』では自分が反物であることをすっかり忘れており、猫娘から「あんたは元から反物でしょ」と言われた。
4作目
体が長くスマートになり、表面の微妙なしわなどが描き込まれた造形。九州弁を話す。「~でごわす」「わかりもした」が口癖。よくねずみ男を締め上げで懲らしめる。ハエが嫌い。自ら体を切って窮地を脱することもあった。鬼太郎を背に乗せて現場に赴く描写は相変わらずだが、砂かけ婆や子泣き爺を含む多人数の妖怪が乗ったり、現場が遠方だったりすると「定員オーバーだ」「妖怪使いが荒すぎる」と不平を言う事もある。登場人物が冷汗をかいた際に、一反木綿の尻尾をハンカチと勘違いしてそれで汗を拭ったりする描写もあった。また、吸血鬼ピーとの対決の時は、人間の振りをして鬼太郎に近付いたモンローを目前に「俄然やる気が出てきた」と発言し、目玉おやじに「ねずみ男に似てきた」とたしなめられる一幕も。一番会いたいと思っている者は霞の着物。
5作目
体の手入れは手洗いと自然乾燥(これは洗濯機の回転と衣類乾燥機の熱風が嫌いだかららしいが)、尾の先の回転などにこだわりを持つ性格になる。水に濡れると動きが鈍ると言う弱点が加わり、雨天の出動には傘や専用の雨合羽を使用。古都の風情を好み、猫娘の荷物に紛れてバスツアーに付いて行った事がある(下着類に紛れたので怒った猫娘にぼろぼろにされ、「自分で飛んで帰れ」と言われた)。妖怪に狙われた子供を叱ったり励ましたりする事もあり、彼自身も「わしな、子供好きなんよ」と74話で言っている。本の読み聞かせが上手く、98話で文車妖妃に懐かれる。73話で妖怪四十七士の鹿児島県代表に覚醒し、また二度目の紋章発現は最も早かった(74話)。74話では辻神と間違えられて天狗ポリスに誤認逮捕されたことも(蛇手錠はかけられなかったので、腕自体を蝶結びにされた)。
6作目
女の子が大好きですぐ口説きに行くという設定が加えられた。犬山まなとの初対面時にも、彼女に握手を求めしきりに手をさすり、砂かけから「色ボケふんどし」と罵られる。4話で裕太が森に来た時も、女の子でなくて残念がっていた。第17話ではホタテガイの殻で猫娘の水着を作ると言うなどセクハラじみた面も(当の猫娘は最初は身を御馳走してくれるのかと喜んでいたが、本当の目的を知ると化け猫顔で「ぶっ飛ばす」と怒った)。但しいざという時は真面目であり、第24話でねずみ男に結婚詐欺を働き酷い目に遭わせた石妖には、美女であることから子泣き爺が戦闘時も色ボケしていたのとは対照的に、そうした態度は一切取らず「ねずみ男の純情ば弄んでから」と怒りを露わにしていた。「合点承知」と「コットン(cotton、木綿を指す英語)」を掛けた「コットン承知」が口癖(声を担当した山口のアドリブ[要出典])。また、声を担当した山口勝平が福岡出身ということもあり、福岡弁に近い話し方となった。

他作品におけるキャラクター[編集]

ドラマ「ゲゲゲの女房」では、ヒロイン・村井布美枝のイメージで夫・茂が描いた(鬼太郎作品の一反木綿は男性だが)キャラクターの額縁が自宅に飾られ、布美枝のセリフに対し表情を変化させている。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]