タカ派
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タカ派(タカは、英語:War Hawk, hawk, bellicist)とは、政治思想の傾向の分類であり、好戦的で戦争など武力を辞さない姿勢を持つ集団や人物を指す政治用語である。強硬派(きょうこうは、Hard liner)ともいう。対義語はハト派である。また金融用語でも「タカ派」が使用される。
鷹が猛禽類であることから、その持つ雰囲気や習性などを政治的傾向の分類にも使用したことが語源である。なお、議会に議席を持たない少数セクトで、暴力によりクーデター、革命を目指す勢力に対しては、タカ派という用語を使用せず「過激派」「テロリスト」などの用語を使用する。
概要[編集]
政治学や国際政治では、軍事力増強や行使に肯定的であったり、軍備拡張に熱心な人物がタカ派に分類される。党派だけでなく、その党派に所属する議員や、シンパの政治評論家、学者などもタカ派に分類されることがある。日本の政治においては、特定の政党や派閥で分類されることもあるが、基本的にどの政党や派閥にもタカ派とハト派の議員が存在している。首相経験者ではタカ派の代表格として安倍晋三が挙げられ、その他に中曽根康弘もタカ派の面はあった。一方、金融用語のおけるタカ派は、金融引き締めを重視し、金利を上げることに積極的な財政担当者や政治家を指している[1]
右派とタカ派のイメージは同一視される場合が多いが、左派においてもハト派・タカ派が存在することはあり得る。ハト派・タカ派の区分は、マスメディアや学者・評論家によって区分が曖昧で、毀誉褒貶も考えられる。たとえば、1960年代以降は暴力革命を否定している日本共産党も、かつては軍事革命路線の所感派(タカ派)と平和革命路線の国際派(ハト派)で別れていた時代がある。日本共産党は第六回全国協議会で暴力革命を放棄し、一方これを否定して革命にこだわった勢力は新左翼セクトを結成した。
世界に目を転じると、アメリカの共和党は、ジョセフ・マッカーシー、リチャード・ニクソン、ロナルド・レーガン[2]、ジョージ・W・ブッシュ、ドナルド・トランプなどタカ派が多い政党である。共和党政権は、湾岸戦争(ジョージ・H・W・ブッシュ政権)、イラク戦争、アフガン戦争(ジョージ・W・ブッシュ政権)などを主導した。一方、民主党の大統領リンドン・ジョンソンもベトナム戦争において、50万人の大軍を派遣し、戦争を泥沼に陥らせた元凶だった。またソ連においては、スターリン、ブレジネフといった共産主義の原則原則に忠実な政権がタカ派・保守派であり、改革開放を推進したゴルバチョフがハト派的であった。
政党のタカ派[編集]
個人のタカ派[編集]
- ジョセフ・マッカーシー
- バリー・ゴールドウォーター
- リチャード・ニクソン
- ロナルド・レーガン
- ドナルド・トランプ
- 岸信介
- 中曽根康弘
- 石原慎太郎
- 渡部昇一
- 安倍晋三
- 小泉純一郎
- 麻生太郎
- 橋下徹
- 松井一郎
- 吉村洋文
- 高市早苗
- ウラジミール・プーチン