アレックスキッド

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アレックスキッドAlex Kidd)は、セガ(後のセガゲームス並びに後のセガ・インタラクティブ)のビデオゲームに登場するキャラクター。を擬人化したような姿を持つキャラクターで、『ファンタジーゾーン』の「オパオパ」と並び、ソニック・ザ・ヘッジホッグが登場するまでの1980年代にセガのマスコットキャラクターを担当していた[1][2]。略称は「アレク」。フルネームは「アレックス・キッド・オサール」で、これは「オサール家の王子」を意味している。

設定[編集]

アリエス星という惑星に住んでおり、マウンテン山で「ブロッ拳」という奥義の鍛錬に励んでいた。好きなものはおにぎり(日本国外版ではハンバーガーに変更されている)。

アレックスキッドのデビュー作である『アレックスキッドのミラクルワールド』は、公式には「セガ・マークIIIにおいて『スーパーマリオブラザーズ』のように売れるアクションゲーム」として企画され、『ミラクルワールド』の左ボタンジャンプや、パンチによる攻撃(マリオはジャンプで上に攻撃するのに対し、アレクはパンチで横に攻撃)、乗り物、ボス戦のジャンケンなどはその一環として作られたものであるとされている[3]

しかし、『ミラクルワールド』の企画設計に携わった林田浩太郎によると、同作は元々は漫画ドラゴンボール』のゲーム化作品として開発がスタートしていたが、セガ本社がドラゴンボールの版権取得に失敗した為に、やむなくキャラクターデザインを全面的に変更してリリースに漕ぎ着けたという経緯があった事が証言されている。元々の企画では「主人公(孫悟空)は如意棒でザコ敵を攻撃し、ボス戦では悟空の最初期の必殺技であるジャン拳で決着を付ける」という設定であったという[4]

2001年発売の『セガガガ』では、既にゲームキャラクターとしての一線を退いたゲーム販売店の店長という、アレックスキッドの実際の境遇の揶揄とも取れる設定をもって登場し、プロジェクト「セガガガ」から解任されてセガをクビになった主人公を店員として雇い、悩む主人公を叱咤激励、再起を促す。声は井上喜久子が担当。『ソニック&オールスターレーシング トランスフォームド』に登場した際も井上が担当している[5]

セガグループ再編に伴い、2015年4月1日付で知的財産権はセガ(後のセガゲームス)からセガホールディングスへ移動した。

小玉理恵子によると、日本では1990年代以降アレックスキッドは忘れられた存在になり、2001年の『セガガガ』で初めて存在を知ったファンも多かったというが、マスターシステムの廉価版である「マスターシステムII」にバンドルされる形で販売された欧州では、アレックスキッドはソニックに劣らない知名度があり、現在でもファンが数多くいる為にセガのレトロゲームの海外展開の上で無視できない程であると述べられている[6]

登場するゲーム[編集]

  • 『アレックスキッド』シリーズ
    • 1986年11月1日発売 - アレックスキッドのミラクルワールドセガ・マークIII
      • シリーズ初にして現在でも最高峰との評が高い作品。欧米での評価は今日でも極めて高く、2017年[7]から2019年[8]に掛けてリリースされた複数の同人ゲームでも本作のシステムが踏襲されており、ファンの間では公式シリーズを越えた続編作品として受け入れられた経緯がある。
    • 1986年12月稼働 - アレックスキッド・ウィズ・ステラ ザ・ロストスターズ (アーケードセガ・システム16
      • ミラクルワールドと同時期にアーケード部門の第1AM研で開発されていた作品[9]。「ウィズ・ステラ」のタイトルにもある通り、2P同時プレイが可能な事が最大の特徴で、1Pプレイヤーはアレク王子、2Pプレイヤーは長髪で黄色いリボンと青いトラックスーツを身に付けた女性キャラクターである「ステラ姫[10]」を操作することになる。攻撃手段はパンチではなく、アイテムの取得により一定時間発射可能なショットによるもので、Hiro師匠作曲のBGMや二重スクロールするパステルカラー調の背景、インストラクションカードの可愛らしいキャラクターデザイン[11]などで一定のギャルゲーファンの獲得に貢献した。パンチ攻撃やジャンケンの要素がなくなったものの、非常に難易度が高かった事から純然たるジャンプアクションとしてやり込み要素も十分にあったと評価されている[12]
    • 1987年11月15日発売 - BMXトライアル アレックスキッド英語版(セガ・マークIII)
      • パドルコントローラを必須とする作品で、アレックスキッドが登場し、ラダクシャンが舞台である事以外はミラクルワールドとの共通点が無い。セガは同時期にミラクルワールドのボードゲーム(後述)もリリースしており、「セガ自身はミラクルワールドが何故大きな成功を収めたか」についての本質を正確に理解していなかったため、本作のようなシリーズの展開の迷走を伺わせる作品が登場する事になったとされている[13]
    • 1988年3月10日発売 - アレックスキッド ザ・ロストスターズ英語版(セガ・マークIII)
      • 86年のアーケードの同名作品の移植作。マスターシステム初の音声合成を導入した作品として話題となったが、アーケード版が稼働していなかった欧米では[9]、本作はミラクルワールドと比較してパンチ攻撃やジャンケンの要素がなくなった為にゲーム性が大幅に低下し、シリーズの評価を却って落としてしまったとも評されている[14]。アーケード版が好評であった日本市場でも、本作はアーケード版の美麗なグラフィックが再現できず、2Pキャラのステラ姫が削除されてしまった事や、ショットが時間制限制から残弾制に、残機制がライフ制に変更されるなどゲーム自体の難易度が過度に低められてしまった事から移植作としての評価は高くなく、失敗作であったと認知されている[12]
    • 1989年 - アレックスキッド ハイテクワールド英語版(日本国外版マスターシステム)
      • タイトルにある「ハイテクワールド」とは、本作でアレックスキッドが向かうゲームセンターの名前。日本では『あんみつ姫』としてリリースされた作品で、元々は原作漫画のプロットに沿って謎解きをしていくシステムであった為、欧米のファンは謎解きに苦労することになり、また操作キャラクターのみを無理矢理アレックスキッドに置き換えたゲームデザインの為、唐突に日本人の両親が登場するなど、ミラクルワールドや後発の天空魔城との致命的な設定矛盾を抱え込むことになり、シリーズのファンを失望させたとの評価がある[13]
    • 1989年2月10日発売 - アレックスキッド 天空魔城メガドライブ
      • パンチ攻撃やジャンケン(実際には野球拳である)の要素を復活させたが、癖のあるジャンプアクションやパンチ攻撃の当たり判定の厳しさなど、全体の操作性の悪さから良い評価は得られなかった[15]。シリーズ中の失敗作であり、これを機に国内ではシリーズ後発作のリリースが途絶えた。ソニック・ザ・ヘッジホッグの登場はこの失敗によるアレックスキッドのセガのマスコットキャラとしてのブランド力低下が影響したという見方もある[1]
    • 1990年 - アレックスキッドのシノビワールド英語版(日本国外版マスターシステム)
      • アレックスキッドの世界観にマークIII版『忍 -SHINOBI-』のゲームシステムを融合させたアクションゲーム。一部の音楽は『忍』のものがアレンジされて使われている。コンピュータ・アンド・ビデオゲーム英語版誌や[16]セガ・プロ英語版誌など[17]で欧米のレビュアーから非常に高い評価が与えられていたが、セガは翌1991年のソニックの大成功を受けてアレックスキッドに見切りを付け、次回作の開発を行わない決定をしたとされている[13]
  • ビデオゲーム以外
    • 1987年 - アレックスキッド ゲーム ミラクルワールド大冒険(ボードゲーム

ゲスト出演したゲーム[編集]

脚注[編集]

  1. ^ a b 株式会社QBQ編 『懐かしのメガドライブ 蘇れメガドライバー !!』マイウェイ出版発行、2018年。ISBN 9784865118704 p24
  2. ^ Remembering Sega's Exiled Mascot - Kotaku Australia
  3. ^ 名作アルバム VOL.4 アレックスキッドのミラクルワールド”. セガ. 2012年6月16日閲覧。
  4. ^ Alex Kidd In Miracle World Was Supposed To Be A Dragon Ball Game - Nintendo Lifeスペイン語版
  5. ^ 「ソニック&オールスターレーシング TRANSFORMED」アレックスキッド参戦”. 4Gamer.net (2014年6月3日). 2019年2月21日閲覧。
  6. ^ 【インタビュー】「SEGA AGES アレックスキッドのミラクルワールド」インタビュー - GAME Watch
  7. ^ Alex Kidd in Miracle World 2 - Sega8bit.com
  8. ^ Alex Kidd 3 Curse In Miracle World - High grade SMS fan game is coming soon - Indie Retro News
  9. ^ a b Alex Kidd: The Lost Stars - Sega Retro
  10. ^ Stella - Alex Kidd Wiki
  11. ^ インストカード(その3) - 198X-02
  12. ^ a b マークⅢ→アーケード→そしてマークⅢへ!「アレックスキッド」 - ABSYMBEL~移植ゲーム研究所~
  13. ^ a b c Alex Kidd - Sega8bit.com
  14. ^ Alex Kidd: The Lost Stars Review - IGN、2008年10月24日
  15. ^ Alex Kidd in the Enchanted Castle Review - IGN、2007年4月19日
  16. ^ “Alex Kidd in Shinobi World: By Sega”. Computer and Video Games (106). (September 1990). http://www.smspower.org/Reviews/AlexKiddInShinobiWorld-SMS-CVG-106 2012年2月9日閲覧。. 
  17. ^ “Sega Software Showdown”. Sega Pro (1): 19. (November 1991). 
  18. ^ 「SEGA AGES アレックスキッドのミラクルワールド」インタビュー”. GAME Watch (2019年2月21日). 2019年2月21日閲覧。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]