田中泯
たなか みん 田中 泯 | |||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
生年月日 | 1945年3月10日(79歳) | ||||||||
出生地 | 日本 東京都 | ||||||||
身長 | 170 cm | ||||||||
職業 | 舞踊家 | ||||||||
ジャンル | 映画・舞台・オペラ | ||||||||
公式サイト | 田中泯公式サイト | ||||||||
|
田中 泯(たなか みん、1945年3月10日 - )は、日本のダンサー・舞踊家である。
独特のダンス活動を行い世界的な評価を持つダンサー。本人曰く、「ダンスとはその場で体感しなければ感じることができない。言葉によって知識としての分類をすることはできない。物事をひとくくりにすることで、わかったような気になる安定した思考は、本来のダンスからは最も程遠いものである。」と語る。「舞踏家」や「俳優」などと肩書きがつくのを「間違い」「誤解」としている。
略歴・人物
クラシックバレエを学び、その後モダンダンスを学ぶ。1966年よりモダンダンサーとして活躍。1974年より独自の踊りを開始する。「ハイパーダンス」と称した踊りは、ゆるやかで微細な動きで身体の潜在性を掘り起こすパフォーマンスとし、ダンスをはるかに越えて、新しい芸術表現として衝撃をもたらした。当時は、松岡正剛が設立した出版社工作舎の活動にも多くかかわっている。
1978年に、海外での最初のデビューとして、パリ秋季芸術祭「日本の間」展に招待参加(磯崎新・武満徹プロデュース、ルーブル装飾美術館)。1980年代には、山梨県を拠点に自然農法による農作業を続け、農業とともにある身体性を真剣に追求していく。「舞塾」「桃花村舞踊団」など自身の舞踊団での公演も多数発表、現在では「場踊り」と称し、一貫したダンスへの取り組みは通底して変わらず継続している。国内外で多くの受賞歴を持つ。土方巽に私淑しているが、後に世界中でジャンル化された総称としての「舞踏」を認めていない。現在においては「舞踏はもう終わった」と公言もしている。
映像活動としては、映画『たそがれ清兵衛』(山田洋次監督作品)で初映像出演。第48回キネマ旬報賞新人男優賞、第26回日本アカデミー賞最優秀助演男優賞・新人俳優賞を受賞した。 テレビドラマへの出演、ナレーションを行うこともある。また映画出演以前には伊丹十三監督の『あげまん』や、NHK大河ドラマ『独眼竜政宗』でシーンへの振付を行っている。
1970年代より世界中で国籍を問わず数々の身体ワークショップなどを行ってきたため、「田中泯の弟子」を名のる者、自称する人が多数いるが、本人が語る唯一の弟子は石原淋一人としている。
年譜
- 1945年 東京に生まれる。
- 1963年 東京都立武蔵高等学校卒業。
- 1965年 東京教育大学を中退。
- 1978年 身体気象研究所を創設。
- 1979年 舞踊批評家協会賞受賞。
- 1981年 舞踊団「舞塾(まいじゅく)」結成。(解散1997年)
- 1982年 西独・ミュンヘン演劇祭最優秀パフォーマンス賞受賞。
- 1984年土方巽 構成・演出 「田中泯1501回独舞公演『恋愛舞踏派』定礎」 第一生命ホール(日比谷)
- 1985年 山梨県北杜市に身体気象農場開設。
- 1990年 フランス政府より芸術文化騎士章受勲。
- 1995年 舞踊批評家協会賞、サントリー地域文化賞受賞。
- 1996年 日本税理士会地域文化賞受賞。
- 1997年 山梨県甲斐市にて舞踊資源研究所設立。国際共同制作シリーズ日本で6作上演。
- 1998年 舞踊批評家協会賞受賞。
- 2000年 共同生活を共にする若者で組織された「桃花村舞踊団」(解散2010年)、「農事組合法人桃花村」を同時に設立(解散2011年)。
- 2001年 日本現代藝術振興賞受賞。
- 2006年 2005年独舞作品[赤光]と[透体脱落]により朝日舞台芸術賞受賞、同時にキリンダンスサポート ダブル受賞
- 2011年 第一回吉阪隆正賞 受賞
- 2012年 第6回円空賞 円空賞受賞
- 2013年 豊田市美術館フランシス・ベーコン展 献上
出演
映画
- たそがれ清兵衛(2002年、松竹) - 余吾善右衛門 役
- 隠し剣 鬼の爪(2004年、松竹) - 戸田寛斎 役
- メゾン・ド・ヒミコ(2005年、アスミック・エース) - 卑弥呼(吉田照男)役
- 地下鉄に乗って(2006年、松竹) - 野平先生 役
- 鉄コン筋クリート(2006年、アスミック・エース) - ネズミ(鈴木)役(声の出演)
- ウミヒコヤマヒコマイヒコ(2007年)
- ヘブンズ・ドア(2009年、アスミック・エース) - 辺見 役
- ナイト・トーキョー・デイ(2009年、ディンゴ、スペイン映画) - 録音技師役
- ヤノマミ 奥アマゾン・原始の森に生きる(2009年、NHKエンタープライズ / ティ・ジョイ) - ナレーション
- 八日目の蝉(2011年、松竹) - タキ写真館・滝 役
- ほかいびと(2012年、ヴィジュアル・フォークロア) - 俳人・井上井月 役
- 外事警察 その男に騙されるな(2012年、東映 / スターダストピクチャーズ) - 徐昌義 役
- RETURN(2013年、アークエンタテインメント) - 御殿川会長 役
- 47RONIN(2013年、東宝東和) - 浅野内匠頭 役
- 永遠の0(2013年、東宝) - 景浦介山 役
- 祖谷物語 おくのひと(2014年、映画「祖谷物語」製作実行委員会) - お爺 役
- るろうに剣心 京都大火編 / 伝説の最期編(2014年、ワーナー・ブラザース映画) - 柏崎念至 / 翁 役
- ソ満国境 15歳の夏(2015年) - 金成義(ジンツンイ) 役
- 蜃気楼の舟(2016年) - 老 役
テレビドラマ
- ハゲタカ(2007年、NHK) - 加藤幸夫 役
- 大河ドラマ 龍馬伝(2010年、NHK) - 吉田東洋 役[1]
- ETV特集『トルストイの家出』(2010年12月5日、NHK教育テレビジョン)- 朗読(トルストイ 役)
- NHK盛岡放送局地域発ドラマ 続・遠野物語「ずぶぬれ」(2010年12月10日、NHK・東北六県放送 / 12月21日、NHK全国放送) - 菊池健司 役
- BS時代劇 妻は、くノ一(2013年、NHK BSプレミアム) - 松浦静山 役
- 妻は、くノ一 〜最終章〜(2014年)
- プレミアムドラマ 人生、成り行き 天才落語家・立川談志 ここにあり(2013年8月11日・8月18日、NHK BSプレミアム) - 立川談志 役
- グーグーだって猫である(2014年10月18日 - 11月8日、WOWOW) - ホームレス 役[2]
- 連続テレビ小説 まれ(NHK、2015年) - 桶作元治 役
- 夢を与える(2015年5月 - 6月、WOWOW) - 社長 役
- リスクの神様(2015年7月 - 9月、フジテレビ) - 関口孝雄 役
- いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう(フジテレビ、2016年1月18日 - 3月放送予定) - 曽田健二 役[3]
その他のテレビ番組
- 1億人の富士山スペシャル「いつになったら 詩人 金子光晴」(2006年、山梨放送) - 朗読・出演
- NHKスペシャル
- ヤノマミ 〜奥アマゾン・原初の森に生きる〜(2009年)- ナレーション
- 貧者の兵器とロボット兵器〜自爆将軍ハッカーニの戦争〜(2010年)- ナレーション
- 謎の古代ピラミッド〜発掘・メキシコ地下トンネル〜(2014年)- ナレーション
- 太宰治短編小説集『走れメロス』(2010年、NHK衛星第2テレビジョン)
- ETV特集 人を動かす絵 田中泯 画家ベーコンを踊る(2013年8月3日、NHK)
- 大人のためのサイエンスファンタジー「トナリのウチュウ」(2015年10月17日、NHK BSプレミアム)
CM
- ソフトバンクモバイル 「中華飯店」篇(2015年)
写真集
- 写真集 田中泯『海やまのあひだ』(工作舎、2007年、ISBN 978-4-87502-400-2)[4]
著書
- 田中泯 著『僕はずっと裸だった』(工作舎、2011年、ISBN 978-4-87502-440-8)
- 田中泯+松岡正剛 著『意身伝心』(春秋社、2013年、ISBN 978-4-393-33321-1)
脚注
- ^ “大河ドラマ『龍馬伝』新キャストにリリー・フランキー、谷原章介、生瀬勝久ら”. オリコン. (2009年11月2日) 2011年2月15日閲覧。
- ^ “グーグーだって猫である”. 連続ドラマW. WOWOWオリジナルドラマ公式サイト. 2014年10月17日閲覧。
- ^ “有村架純&高良健吾主演“月9ドラマ”、主題歌&追加キャスト発表”. シネマカフェ. (2015年12月14日) 2015年12月17日閲覧。
- ^ 田中泯と写真家岡田正人の30年におよぶコラボレーションの記録。宇野邦一、松岡正剛、木幡和枝が寄稿している。