朝鮮半島

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朝鮮半島
面積 220,571 km2
最高標高 2,744 m
最高峰 白頭山
最大都市 ソウル特別市
所属大陸・島 ユーラシア大陸
所属国・地域 朝鮮民主主義人民共和国の旗 北朝鮮
大韓民国の旗 韓国
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朝鮮半島 / 韓半島
各種表記
ハングル 조선반도 / 한반도
漢字 朝鮮半島 / 韓半島
発音 チョソンバンド / ハンバンド
日本語読み: ちょうせんはんとう / かんはんとう
英語表記: Korean peninsula
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衛星写真
1700年の古地図

朝鮮半島(ちょうせんはんとう、朝鮮語: 조선반도)は、ユーラシア大陸の中緯度の東端に位置する半島

陸地の幅が最も狭くなるのは平壌のやや北の平安南道 - 咸鏡南道だが、とくに人文地理学で「朝鮮半島」と言った場合は半島最狭部より北の、豆満江鴨緑江などによって隔てられる伝統的な中朝国境より南を指すのが普通である。また、済州島を含めた朝鮮地域全体を指して用いられることも多い。このように、自然地形の名称というよりは政治的・文化的・歴史的な文脈において、朝鮮の同義語として使われることが少なくない。 大韓民国における呼称は韓半島(かんはんとう、: 한반도)。

地理

ユーラシア大陸から日本列島九州に向かうような形をしている。東側を日本海、西側を黄海、南側の日本とは対馬海峡西水道(朝鮮海峡)にて隔てられている。北端は一般的には朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)と中華人民共和国の境界、すなわち鴨緑江豆満江及び白頭山山頂とされる。

朝鮮半島は中国大陸と同じく中国地塊に属する安定大陸(安定陸塊)で、先カンブリア時代には原型が出来上がっていたと考えられる。非常に古く安定した大地のため、付近に断層などはない。よって日本列島に比べて地震が非常に少なく、また済州島を除いて火山も稀である。西側南部と対馬海峡側の海岸線はリアス式海岸になっている。

朝鮮半島全体の面積は、日本の本州(227,900km²)よりもやや小さく、イギリスのグレートブリテン島(216,800km²)よりもやや大きい219,000km²である[1]

黄海に面した西側は平野が多く農地に適しており、古くから穀倉地帯として重要である。一方、日本海に面した東側は太白山脈をはじめ多くの山地がそびえており、平地は非常に少ない。特に半島北部は海抜1,000mを越える山地が卓越しており、農業には不向きである(白頭山付近は2,000mを上回る)。

朝鮮半島の気候は、南部においては温暖で湿潤な温帯は蒸し暑く、一方で冬は緯度の割りに寒冷である。北部は亜寒帯から寒帯であり、また山地も多いため夏も冷涼で冬の寒さは非常に厳しい。地球上における同緯度の他地域と比較しても、高地を除いて世界で最も亜寒帯が南下している地域である。西部は対馬海流の支流が黄海に流れ込むので比較的暖かいが、東部は対馬海流が日本海北部で冷やされて南下しており(リマン海流)、寒さに拍車を掛ける。朝鮮半島の中で最寒の地とされるのは、鴨緑江上流の中江鎮である。現在は北朝鮮の実効支配地域であるが、韓国の新聞天気予報にも当地の最低気温の予想が掲載される。

朝鮮戦争によって生じた軍事境界線を中心とした幅4kmの非武装地帯地雷原のため、民間人は立ち入ることができない。そのため、渡り鳥などが集まる世界有数の野生生物の生息地となっている。

住民

中国史書によると、3世紀頃には朝鮮半島北部や東北部沿岸には夫余諸族、南部には韓族が住み、西北部はなどのが置かれて移民漢族も住んでいた。4世紀頃には高句麗領に夫余族の高句麗人が、百済に百済人(支配層は夫余族、被支配層は韓族)が、新羅伽耶に韓族の新羅人と伽耶人が住み、7世紀、新羅により統一されると民族統合は進むが、半島北部の鴨緑江南岸と豆満江南岸一帯には高句麗継承を掲げる渤海人(渤海人は夫余系の高句麗遺民と靺鞨人の一派である粟末靺鞨人の混血である)が住んでいた。

10世紀に新羅を滅ぼした高麗は渤海から亡命してきた王族や貴族を受け入れて鴨緑江沿岸と豆満江付近まで勢力を広げ、渤海が滅びると渤海遺民を受け入れて朝鮮半島の大部分が高麗人の住む土地となった。しかしその後、ツングース系女真族金朝の南下とモンゴル帝国の侵攻により、鴨緑江と豆満江一帯は再び民族混住地域となった。

14世紀、高麗はの北走後、鴨緑江と豆満江まで勢力を回復し、高麗に代わって建国した李氏朝鮮の初期の頃までに豆満江一帯のツングース系女真族は朝鮮に同化されたと見られ、これにより朝鮮半島のほぼ全域が朝鮮民族の住む土地となった。

1910年韓国併合により、日本本国(内地)から日本人が朝鮮半島に移り住み、都市部を中心に住んでいた。日本による朝鮮半島の統治は1945年まで続いた。この時期における日本人の朝鮮半島全人口に占める割合は3%ほどであった。

脚注

  1. ^ 木村幹『朝鮮半島をどう見るか』集英社