シスコシステムズ

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シスコシステムズ
Cisco Systems, Inc
Cisco Systems Logo
種類 公開会社
市場情報
略称 シスコ、Cisco
本社所在地 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
カリフォルニア州サンノゼ
北緯37度24分34秒 西経121度57分11秒 / 北緯37.409381度 西経121.953105度 / 37.409381; -121.953105座標: 北緯37度24分34秒 西経121度57分11秒 / 北緯37.409381度 西経121.953105度 / 37.409381; -121.953105
設立 1984年
業種 情報・通信業
代表者 John Chambers
(Chairman & CEO)
資本金 59,120 Million US$
(2013年6月28日時点)[1]
発行済株式総数 5,290,061,557 株
(2012年9月5日時点)[2]
売上高 連結:48,607 Million US$
(2013年6月期)[3]
営業利益 連結:11,196 Million US$
(2013年6月期)[4]
純利益 連結:9,983 Million US$
(2013年6月期)[5]
総資産 連結:101,191 Million US$
(2013年6月末時点)[6]
従業員数 75,049人
(2013年6月末時点)[7]
決算期 6月末日
外部リンク www.cisco.com
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カリフォルニア州サンノゼのシスコシステムズ本社

シスコシステムズ: Cisco Systems,Inc.)は、アメリカ合衆国カリフォルニア州サンノゼに本社を置く、世界最大のコンピュータネットワーク機器開発会社。Cisco(シスコ)の略称で呼ばれることが多い。

概要

1984年に、当時スタンフォード大学でコンピュータオペレーターとして働いていたレン・ボサック(1990年解雇)とサンディ・ラーナー(1990年退職)の夫妻によりシスコシステムズとして設立された。ネットワーク機器業界のガリバーであり、インターネット関連事業で最も成功している会社のひとつ。創業初期は企業向けルーティング装置のみの取扱いであったが、近年はルータ、スイッチを初め、セキュリティ、ワイヤレスLAN、光伝送路装置、ビデオ会議端末や音声システム、X86サーバ等の様々な装置を販売、その殆どの製品分野で全世界の約50%以上のシェアを占めている。特に中核製品のルータ(約60%)、スイッチ(約70%)は圧倒的な市場支配力を持っており、ルータ、スイッチ、セキュリティ、ワイヤレスLAN、Web会議アプリケーション、テレプレゼンス(ビデオ会議端末)、音声システム(IP電話)は世界のトップブランドとなっている。

キャッチフレーズは "Changing the Way We Work, Live, Play, and Learn -See how Cisco is redefining the scope of the network.-"。日本では"Changing the Way We Work, Live, Play, and Learn -IP ネットワーキングのさらなる未来へ-"。

ルーターを製造販売した最初の会社ではないが、マルチプロトコルルーター(異なるネットワークプロトコルを使用するWANネットワークにおいて、相互通信を行うための装置)をはじめて製品として導入した会社である。2012年現在、インターネットプロトコル(IP)が標準としての重要性を増し、マルチプロトコルルーティングの必要性は失われてきたため、シスコ最大のルータはIPパケットとMPLSフレームにのみ対応している。

M&Aや内部開発、他社との連携により、ルータ以外の多くのネットワーク機器市場にも進出しており、2003年にはコンシューマ向け無線LAN機器の製造販売で米国トップメーカーであったリンクシスを買収した(買収後もリンクシスブランドは存続している)ほか、2006年にセットトップボックスやエンドツーエンドの映像配信ネットワーク、映像システムインテグレーション等を手がけるScientific-Atlanta社、2007年は全世界のWeb会議サービス市場で52%のシェアを占めるビデオ会議用ソフトウエア大手のWebEx Communications社、2009年には全世界のビデオ会議の端末市場で41%のシェアを占めるTANDBERG社を買収した。また、2010年にはCisco UCS(Unified Commputing System)と称した仮想化プラットフォームを発表しサーバ分野に進出、4年後の2014年現在、X86ブレードサーバー市場においてはヒューレット・パッカードに次ぐ世界2位のシェアを占めている。

1990年NASDAQに株式を上場しており、1998年には史上最短の創業14年で株式時価総額1,000億US$を突破、驚異的な成長を遂げITバブル期の2000年3月には5,000億US$に達し、時価総額が世界一になる。その後、ITバブル崩壊により株価は暴落するが、2009年6月8日にはダウ平均株価採用銘柄となった。NASDAQ上場銘柄でダウ採用銘柄となるのは1999年採用のインテル及びマイクロソフトに次いで3銘柄目となる。2015年2月の時価総額は約1,500億US$(約18兆円)である。

日本法人

日本法人は、1992年平成4年)にアメリカ本社の100%子会社の「日本シスコシステムズ株式会社」として設立された。2000年(平成12年)には「シスコシステムズ株式会社」に改称。その後2007年(平成19年)5月に東京都港区赤坂にある東京ミッドタウンへ本社を移転し、同年8月1日には本社の組織再編に伴い「シスコシステムズ合同会社」に改称、同時にシスコシステムズネザーランドホールディングスピーヴィーの100%出資会社となった。2012年(平成24年)には日本経営品質賞(JQA)大規模部門を受賞している。

主力製品類

IP電話
通信事業者向けハイエンドルータ
通信事業者向けルータ
  • ルーター(企業向け、通信業者向け)/MPLSスイッチ
  • イーサネットスイッチ
  • データセンタースイッチ
  • X86サーバー
  • Web会議アプリケーション
  • ビデオ会議システム
  • IPコミュニケーション関連製品(VoIPゲートウェイ, IP電話など)
  • ネットワークセキュリティ製品(ファイアウォール, VPN集線装置など)
  • ストレージエリアネットワーク(SAN)スイッチと関連アプリケーション
  • ワイヤレス製品(無線LAN機器など)
  • メトロオプティカルスイッチ
  • ブロードバンド・ケーブル・モデム終端装置
  • サービスコントロール
  • コンテントネットワーキング
  • ネットワーク管理アプリケーション
  • ユニバーサルゲートウェイ/アクセスサーバ
  • WANスイッチ(ATMスイッチ)
  • IPカメラ(Cisco Video Surveillance)

資格認定

シスコはネットワークフィールドのプロフェッショナル向けに以下の認定を行っている。なかでも、CCIEはコンピュータ業界における最難関試験のひとつとして知られている。

  • CCIE(Cisco Certified Internetwork Expert)
  • CCDE(Cisco Certified Design Expert)
  • CCNP(Cisco Certified Network Professional)
  • CCDP(Cisco Certified Design Professional)
  • CCNA(Cisco Certified Network Associate)
  • CCDA(Cisco Certified Design Associate)
  • CCVP(Cisco Certified Voice Professional)
  • CCIP(Cisco Certified Internetwork Professional)
  • CCSP(Cisco Certified Security Professional)
  • CCENT(Cisco Certified Entry Networking Technician)

シスコは、学生がコンピュータネットワークの設計とメンテナンスの方法を学習する場として、「シスコ・ネットワーキングアカデミー」を立ち上げている。現在161カ国でこのプログラムは採用され、日本国内では180校以上が参加している。

社名の由来

"Cisco"の社名は、サンフランシスコの省略である。John Morgridge、34人の従業員、および初代社長によると、創設者は会社を登録するためにサクラメントまで運転している間に、名前とロゴを決めたとされる。cisco Systems(小文字の"c")という名前をエンジニアコミュニティで一定期間使用した後、公式な社名をCisco Systems, Incとした。ciscoSystemsの文字は、時折バグレポートやIOSメッセージの中に見ることができる。

なお、会社のロゴは、サンフランシスコの名所であるゴールデンゲートブリッジをデザインしたものとなっている。

脚注

関連項目

書籍

  • 『成長を創造する経営―シスコシステムズ・爆発的成長力の秘密』

外部リンク

  • Cisco Systems, Inc.のビジネスデータ: