エレファント・マン (映画)

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エレファント・マン
The Elephant Man
監督 デヴィッド・リンチ
脚本 クリストファー・デヴォア
エリック・バーグレン
デヴィッド・リンチ
製作 ジョナサン・サンガー
製作総指揮 スチュアート・コーンフェルド
メル・ブルックス
出演者 ジョン・ハート
アンソニー・ホプキンス
ジョン・ギールグッド
アン・バンクロフト
音楽 ジョン・モリス
撮影 フレディ・フランシス
編集 アン・V・コーツ
配給 アメリカ合衆国の旗 パラマウント映画
日本の旗 東宝東和
公開 アメリカ合衆国の旗 1980年10月10日
日本の旗 1981年5月23日
上映時間 124分
製作国 イギリスの旗 イギリス
アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
言語 英語
製作費 $5,000,000
興行収入 $26,010,864[1]
配給収入 23億1000万円[2] 日本の旗
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エレファント・マン』(The Elephant Man)は、1980年制作のイギリスアメリカ合作映画 。19世紀のイギリスで「エレファント・マン」と呼ばれた青年ジョゼフ・メリックの半生を描く。デヴィッド・リンチ監督、脚本。メル・ブルックスがプロデューサーとして参加している。

1981年アボリアッツ国際ファンタスティック映画祭グランプリ受賞[3]アカデミー賞では最優秀作品賞、主演男優賞など8部門にノミネートされた。

メリックを発見し研究したトリーヴス医師英語版を大叔父とする俳優フレデリック・ウィリアム・トリーヴス英語版が、市会議員役で登場する。

映画ではジョゼフ・メリックのファーストネームが「ジョン」に改変されている。

1981年の日本での興行収入一位を記録。

月曜ロードショーで放送された際、26パーセントの数字を記録した。これは1982年の洋画放送視聴率の一位である。解説をした荻昌弘は「接するすべての人が、みなどんな地金で生きているのか、どんな人間の本音で生きているのか、それをむき出しにされてしまう、そういった力を持っていた人だったのだと思います。この映画はつくづくそれを教えてくれます」と語っている。

2020年7月10日より、4K修復版が東京新宿ピカデリーほか全国で公開[4]

ストーリー[編集]

19世紀ロンドン。生まれつき身体の強度の奇形により、稀にみる外観のため「エレファント・マン」として見世物小屋に立たされていた青年、ジョン・メリック(ジョン・ハート)。肥大した頭蓋骨は額から突き出、体の至るところに腫瘍があり、歪んだ唇からは明瞭な発音はされず、歩行も杖が無ければ困難という悲惨な状態だった。

ある日、彼を見世物小屋で見かけた外科医、フレデリック・トリーヴス(アンソニー・ホプキンス)は興味を覚え、研究したいという理由で持ち主のバイツ(フレディ・ジョーンズ)から引き取り、病院の屋根裏部屋で彼の様子を見ることになる。

当初、トリーヴス医師はジョンには知能にも遅れがあると判断していた。それでもトリーブスはジョンに聖書の何節かを聞かせるなどの対応をしていた。あるときジョンがまだ教わっていないはずの聖書の説を暗唱していることに気づく。それによりジョンの知能には遅れがなかったこと、さらに芸術を愛する美しい心の持ち主だということに気付く。当初は他人に対し怯えたような素振りを見せるジョンだったが、トリーヴスや舞台女優のケンドール夫人(アン・バンクロフト)と接するうちに心を開いていく。

やがてジョンの存在がマスコミによって広く世間に知られることとなる。トリーヴスや病院長、師長などの加護により病院内で平穏に暮らしていたが、外出先で悲劇が起きることとなる。

キャスト[編集]

役名 俳優 日本語吹替
TBS
ジョン・メリック ジョン・ハート 国広富之
フレデリック・トリーヴス英語版 アンソニー・ホプキンス 田中信夫
カー・ゴム院長 ジョン・ギールグッド 渥美国泰
ケンドール夫人英語版 アン・バンクロフト 阿部寿美子
バイツ(モデルはトム・ノーマン英語版 フレディ・ジョーンズ 熊倉一雄
寮母 ウェンディ・ヒラー 文野朋子
夜警のジム マイケル・エルフィック英語版 渡部猛
トリーヴス夫人 ハンナ・ゴードン英語版 榊原良子
アレクサンドラ妃 ヘレン・ライアン英語版 山田礼子
フォックス ジョン・スタンディング英語版 宮田光
バイツの連れている少年 デクスター・フレッチャー
メリックの看護師ノーラ レスリー・ダンロップ英語版 玉川砂記子
メリックの母 フィービー・ニコルズ英語版 吉田理保子
辻馬車御者 ロイ・エヴァンス英語版 仲木隆司
牛乳配達 アルフィ・カーティス英語版 幹本雄之
ブロードネック ヒュー・マニング英語版 平林尚三
ウォディントンの貴婦人 キャスリーン・バイロン英語版 竹口安芸子
ウォディントンの領主 ジェラルド・ケース英語版 長堀芳夫
見世物小屋の小人 ケニー・ベイカー
不明
その他
楠正道
福士秀樹
菊池英博
池田真
演出 中野寛次
翻訳 木原たけし
効果 TFCグループ
調整 前田仁信
制作 東北新社
解説 荻昌弘
初回放送 1982年10月1日
月曜ロードショー

KADOKAWA発売の新盤Blu-ray Discに日本語吹替収録。

関連項目[編集]

出典[編集]

  1. ^ The Elephant Man - Box Office Mojo(英語) 2022年3月20日閲覧。
  2. ^ 『キネマ旬報ベスト・テン85回全史 1924-2011』(キネマ旬報社、2012年)400頁
  3. ^ 株式会社スティングレイallcinema1981年 第9回 アボリアッツ・ファンタスティック映画祭。2020年2月1日閲覧。
  4. ^ 不朽の名作『エレファント・マン』4K修復版が“緊急”公開ORICON NEWS

外部リンク[編集]