らんぽう

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らんぽう』は、内崎まさとしによる日本ギャグ漫画作品。またそれを原作としたテレビアニメ、および作中の主人公の名前。『週刊少年チャンピオン』(秋田書店)にて、1978年26号から1987年22号にかけて連載された[1]。単行本は全37巻。

『週刊少年チャンピオン』2009年29号に、創刊40周年記念企画として新作読み切りが掲載された。

ストーリー

らんぽう、カラ太郎、むつみ、角丸先生、チュー太郎などのレギュラーが、ハルク、ワッペン、みゆき、ゴルゴ()、ヒマ犬、補佐望医師などの準レギュラーまたは一話きりのゲストと絡んだ珍騒動を繰り広げる。

一話完結の物語群であり、一貫したストーリーはない。

登場人物

らんぽう
- 坂本千夏
主人公たる奇っ怪少年。空手着か忍者服のような赤い装束(アニメ版ではピンク)をまとい、空を飛ぶ、火を吹く、怪力、走れば下手な乗り物よりよっぽど速く、大食漢な上に悪食と人間離れした能力を持つ。穴を掘らせれば日本一とも言われ、温泉を掘り当てる強運の持ち主。
もともとはやや優秀なごく普通の少年だったが、富士山の形をしたUFOを目撃し好奇心を出して近づいたところUFO内にさらわれてしまい、現在のらんぽうの姿になってチュー太郎と共にUFOから吐き出されてきた。むつみが「宇宙人かもしれない」との疑念を抱くが、第1話以降そのことに関する話題は出てこない。
むつみ
声 - 及川ひとみ
らんぽうのクラスメート兼ガールフレンド。もともとのらんぽうとともにUFOを目撃し、らんぽうがさらわれて変貌するまでの一部始終を目撃する。「宇宙人かもしれない」とのことで現在のらんぽうに興味を持ち行動をともにすることが多い。
チュー太郎
声 - 田中真弓
天才ネズミでありらんぽうの友人兼相棒兼軍師IQ1200とされる能力はすさまじく、ジェット機タイムマシン、若返りの薬、生物縮小薬、らんぽうの身代わりロボットなどのさまざまな発明を行う。原作では人語は喋ることが出来ず筆談にて人間と意思の疎通を行っていたが、アニメでは普通に喋っていた。
カラ太郎
声 - 亀山助清
らんぽうたちが通う中学番長サングラスカラスのくちばしのようにとがった口元が特徴。停学留年少年院への入退院を繰り返していた(後に放浪癖も追加された)ため、実年齢は23歳である。番長のはずだが、らんぽうにはかなわなかった。以後らんぽうが天敵兼悪友となる。
宇宙SF物の番外編では腕利きと評判の賞金稼ぎであり、本人も賞金首。
角丸 ひろし
声 - 田中秀幸
らんぽうたちの担任教師兼らんぽうの保護者。担当は現国。空手部の顧問。アパートの自分の部屋におしかけてきてしまったらんぽうを帰そうとらんぽうの住まいを電話帳で探すが、その連絡先は角丸の部屋ということになっており、そのままらんぽうに住み着かれる。岩崎先生との結婚を夢見て資金を貯めていたが、らんぽうに食いつぶされてしまう。食事の際にはらんぽうとの熾烈な奪い合いとなるが、それでも毎食ちゃんと準備したり、誕生日にはプレゼントを用意したりと家族同然の付き合い。
岩崎 ひろみ
声 - 梨羽由記子
らんぽうたちの中学の教師。担当は生物。良家の令嬢で角丸と交際している。連載が進むにつれ、らんぽうにスカートをまくられる、角丸にエロ妄想されるなどのお色気担当キャラになっていった。
岩崎 かおり
声 - 花咲きよみ
ひろみの妹。岩崎ひろみと仲が良く、彼女の顔をよく見ると、既婚女性かと思ったら実は未婚女性。
あけみ
声 - 室井深雪(現・深雪さなえ
らんぽうのクラスメイトでむつみの友人。非常に気が強くスポーツも得意。らんぽうのイタズラにもちょくちょく鉄拳制裁を加える。
みゆき
声 - 小粥よう子
らんぽうに一方的に想いを寄せる小学生の女の子。その想いは過激なもので、らんぽうからは疎んじられている。実家は魚屋。
みゆきの弟
声 - 田中真弓
らんぽうと敵対する小学生集団「チャイルド7」の1人。故にいつも姉からは過激な制裁を受けている。
ラン青柳
声 - 津島瑞穂
ゴルゴ(ネコ)、ヒマ犬、他多数
らんぽうを兄貴と慕う動物たち。上記二名や近所の子供等を集め、野球チーム「アニマル軍団」やサッカーチーム「らんぽう少年団」、SF番外編では『宇宙海賊』を結成している。
補佐望(ほさもち)
声 - 増岡弘
名前のごとく持病の発作が起こると暴れまくる癖を持った医師。初登場時は腹を下したらんぽうを診た名もない医師だったが、発作により無理やりオチをつける、など、キャラとしての扱いやすさからか、それ以降ちょくちょく登場する。
「高名な医師」という肩書で登場したり、度々「世界征服」を企んだりしている。コミックス20巻で自らの肉体をサイボーグ化する。
経営する病院は「死人でも生き返る」と評判だが、手遅れな患者はみんなサイボーグにしてしまう為、入院患者は増え続けている。
ハルク
声 - 沢木郁也
本名・春来砲丸(はるく ほうがん)、らんぽうのクラスメイトの1人。最初は図体のデカいモブキャラの1人だったがメインキャラの1人となる。登場するたびに体より頭がデカくなり、最終的には「200kgの体重の80%が頭部に集中している」「バットスイングでタイムスリップを起こす」と言うネタキャラになった。
ワッペン
声 - 二又一成
本名不明。学校の名物人間の1人で「どこにでもくっつくワッペン小僧」と呼ばれていた。らんぽうのクラスメイトの1人。最初は奇妙なモブキャラの1人だったがメインキャラの1人となる。
青葉 ハナ
らんぽうたちの暮らすアパート「青葉荘」の大家で御歳150歳。霊能者でもあり「青葉宗」と言う相談所も催している。過去4回結婚しており、132歳になるまでに総勢56人の子どもを産んだスーパーばあさん(夫とは全て死別、一番下の子は18歳で本人曰く、相手さえいればまだ産めるとの事)。現在年下(78歳)の彼氏がいる。
姫川 真一(ひめかわ しんいち)
連載後期に登場。将来的な世界征服を企む中学生。登場回に散髪通り魔に頭を刈られてスキンヘッドがトレードマークとなる。サッカー部に所属し、その才能は自他共に認められている。
レズビアンの少女・まりもに惚れた事を切っ掛けに補佐望博士謹製の薬で性転換を敢行。結果として自分の意志とは関係なく性転換してしまう副作用を克服し、自己意思による性転換を可能とする変態キャラとなる。

単行本

少年チャンピオンコミックスから全37巻で発売。現在[いつ?]オンデマンド出版で販売されている。

テレビアニメ版

1984年4月5日から同年9月27日まで、フジテレビ系で放送された。放送枠は、毎週木曜日19:00~19:30。全21回。

元々はテレビ東京系列で前年の1983年より放送される予定で制作がスタートしていた。しかし、テレビ東京側の編成方針変更により、急遽本作品ではなく『キャプテン翼』を放送することになったため一旦制作が中止[2]。その後、フジテレビ系列に放送局を変えて、アニメ化企画が復活することとなった。

なお、フジテレビでの上記の枠はローカルセールス枠となっていたため遅れネットで放送した系列局や、放送しなかった局もある。また、視聴率が振るわず、結局第20回で打ち切られ、第21回は一部の地域のみで放送された。

広島県域では本放送時、地元系列局のテレビ新広島が一度雑誌などでネット局として発表されながら、諸事情によりネットしなかった。その後、1998年にテレビ朝日系列広島ホームテレビが新番組扱いで放送している。中京広域圏でも同様に、本放送当時は系列局の東海テレビが放送せず、その後、フィルムネットで放送した。

その後、CSのキッズステーションにて全国放送扱いで再放送された。

スタッフ

主題歌

オープニングテーマ:『ワープボーイ』
作詞 - 三浦晃嗣 / 作曲編曲 - ケーシー・ランキン / 歌 - 坂本千夏 / レーベル - ビクター音楽産業
エンディングテーマ:『気まぐれムーンライト』
作詞 - 恩田久義 / 作曲 - 東郷昌和 / 編曲 - 幾見雅博 / 歌 - 東郷昌和 / レーベル - ビクター音楽産業

なお主題歌の作詞・作曲のオファーが、当時ザ・コーツを結成していた甲本ヒロトの元に来た、と後に本人が語っている。その時に甲本が作ったのは『わからない』という歌だったが、デモテープの段階で却下されている。

各話リスト

放送日 サブタイトル 脚本 コンテ 演出 作画監督
1 1984年
4月5日
突然!! 笑撃ワープボーイ 平野靖士 山田雄三 金沢比呂司
影番長タモリ!? 竹内大三 山田雄三
2 4月19日 クェ~ッ!! 黒コゲの大決闘 まるおけいこ 福原悠一 三沢伸
チュー太郎の珍チン大発明 浦沢義雄 野田作樹 中村憲由 四谷三
3 5月3日 恐怖のミステリーゾーン まるおけいこ 福原悠一 三沢伸 本多敏行
パニック!! らんぽう菌大発生 平野靖士 竹内大三 中村憲由 金沢比呂司
4 5月17日 ギェーッ! 超人ドクトルマン 寺田憲史 福原悠一 三沢伸 小川かおる
百発百中パンチラ大予言 戸田博史 竹内大三 中村憲由 摩砂雪
5 5月24日 美少女ぶりっこニャーゴ 寺田憲史 三沢伸 金沢比呂司
必殺! 仁義なき猫のゴルゴ登場 まるおけいこ 小華和ためお 中村憲由 本多敏行
6 5月31日 思わずチビるナワトビ怪人 平野靖士 竹内大三 三沢伸 金沢比呂司
むつみSOS! 救出大作戦 寺田憲史 福本潔 中村憲由 摩砂雪
7 6月14日 燃えよ! ヘコヘコテニス 八木良一 八角哲夫 三沢伸 金沢比呂司
ルンルンデートは大混乱!! 寺田憲史 竹内大三 中村憲由
8 6月21日 美人大すきドラキュラ親子 生頼昭憲 三沢伸 本多敏行
ドヘー!! がり勉ワープじゃ 戸田博史 福原悠一 中村憲由 金沢比呂司
9 6月28日 チャイルドロボ発進せよ 八木良一 藤原鉄太郎 三沢伸 摩砂雪
激突!! 東大一直線VS.IQゼロ 平野靖士 生頼昭憲 中村憲由 谷口守泰
10 7月12日 さがせ! ボクのタマタマ 八木良一 藤原鉄太郎 三沢伸 摩砂雪
あばれていいとも! 虫歯菌 平野靖士 生頼昭憲 中村憲由 谷口守泰
11 7月19日 みゆきのプロポーズ大作戦 園田英樹 藤原鉄太郎 奈須川充
妖怪ベトベトヌラヌラ!? 八木良一 八角哲夫 三沢伸 金沢比呂司
12 7月26日 水着を返せ! プール大騒動 寺田憲史 竹内大三
超能力少女とめくれっぴ 園田英樹 小華和ためお 山寺昭夫
13 8月2日 大乱戦!! キャベツ畑の機農戦士 平野靖士 三沢伸 毛利和昭
野生にかえれ! ヒマ犬 まるおけいこ 白土武 山寺昭夫 金沢比呂司
14 8月9日 天国デスマッチ! 仏と鬼 園田英樹 藤原鉄太郎 佐々木皓一 摩砂雪
両手にボイン! ほっぺにパンチ まるおけいこ 小華和ためお 中村憲由 金沢比呂司
15 8月16日 タンタンたぬきの宝物 寺田憲史 竹内大三
ドリームマシン!! ㊙大奥絵物語 八木良一 小華和ためお 三沢伸 奈須川充
16 8月30日 身がわりロボは大天才!? 寺田憲史 藤原鉄太郎 一川孝久
地球を救え! 炎のバレー戦争 竹内大三 山寺昭夫 金沢比呂司
17 9月6日 急がば回れ! 地底トンネル 園田英樹 小華和ためお 中村憲由 毛利和昭
疑惑のフォーカス殺人事件 寺田憲史 三沢伸 一川孝久
18 9月13日 宇宙海賊らんぽう大暴れ 園田英樹 藤原鉄太郎 山田雄三 摩砂雪
むつみのシンデレラドリーム まるおけいこ 小華和ためお 高林久弥 奈須川充
19 9月20日 男カラ太郎の愛情物語 八木良一 竹内大三 三沢伸 一川孝久
史上最大のスパイ大作戦!! 中村憲由 毛利和昭
20 9月27日 サンセットキッスの伝説 園田英樹 三沢伸 奈須川充
突然さよならワープボーイ 寺田憲史 山田雄三 一川孝久
21 未放送(一部の局でのみ放送) らんぽうグラフィティ 山田雄三 中村憲由
チュー太郎の泉ヶ丘㊙レポート 榎本歩光

放送局

放送系列は放送当時のものとする[3]。なお、テレビ新広島も同時ネット局として記述されている資料もある[4]が、急遽取り止めとなり、『チックンタックン』の遅れネットに変更された。

放送地域 放送局 放送日時 放送系列 備考
関東広域圏 フジテレビ 木曜 19:00 - 19:30 フジテレビ系列 制作局
北海道 北海道文化放送
宮城県 仙台放送
福島県 福島テレビ
長野県 長野放送
福井県 福井テレビ
近畿広域圏 関西テレビ
岡山県・香川県 岡山放送
福岡県 テレビ西日本
佐賀県 サガテレビ
熊本県 テレビ熊本 フジテレビ系列
テレビ朝日系列
青森県 青森テレビ 日曜 6:00 - 6:30 TBS系列 本放送終了後、1988年頃に放映[5]
山形県 山形テレビ 金曜 16:30 - 17:00 フジテレビ系列
新潟県 新潟総合テレビ 木曜 17:30 - 18:00
富山県 富山テレビ 水曜 17:20 - 17:50
石川県 石川テレビ 水曜 16:00 - 16:30
中京広域圏 東海テレビ 日曜 9:00 - 9:30 本放送終了後、1986年頃に放映[6]
沖縄県 沖縄テレビ 土曜 18:30 - 19:00
上記以外の遅れネット局
  • 広島ホームテレビ広島県・テレビ朝日系列) - 本放送終了後の1998年に、平日夕方のローカルネット枠にて放送。ただし、予告編とエンディング映像はカットされていた。

その他

内容は
  1. 画面中央にらんぽうとチュー太郎が立ち、らんぽうの台詞「おいららんぽう。得意は光線ピストルだぞ」
  2. 実写にて「光線ピッピー」シリーズの作動中の動画と商品紹介のナレーション。
  3. 画面が再びらんぽうとチュー太郎に戻り、らんぽうの台詞「そうなんだー!」 直後らんぽうとチュー太郎がにらみ合う。
というもの。
なお、このCM中のらんぽうは原作どおりの赤い装束を着ており、声は山本圭子が演じていた。
  • テレビアニメ版の映像ソフト化は2015年現在、1度も行われていない。

脚注

  1. ^ 『週刊少年チャンピオン』2009年29号 202頁
  2. ^ 「東京12チャンネルの挑戦」(金子明雄著、三一書房、1998年)pp.121 - 127
  3. ^ アニメディア 1984年10月号』 1984年、学研パブリッシング、テレビ局ネットワーク p.92 - 94。
  4. ^ 『アニメディア 1984年4月号』
  5. ^ 『アニメディア 1988年10月号』 1988年、学研パブリッシング、テレビ局ネットワーク p.79。
  6. ^ 『アニメディア 1986年6月号』 1986年、学研パブリッシング、テレビ局ネットワーク p.59。
フジテレビ 木曜19時台前半枠
【当番組より再びアニメ枠】
前番組 番組名 次番組
らんぽう