I

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

これはこのページの過去の版です。Anakabot (会話 | 投稿記録) による 2021年11月5日 (金) 09:20個人設定で未設定ならUTC)時点の版 (セクションリンク変更)であり、現在の版とは大きく異なる場合があります。

Ii Ii
ラテン文字
Aa Bb Cc Dd    
Ee Ff Gg Hh    
Ii Jj Kk Ll Mm Nn
Oo Pp Qq Rr Ss Tt
Uu Vv Ww Xx Yy Zz
  • 太字で表した字は母音である。

Iは、ラテン文字アルファベット)の9番目の文字。小文字は i であるが、トルコ語アゼルバイジャン語では点のない ı がある。

字形

大文字は、一本の縦棒である。しかし、それではLの小文字や数字の 1 など混同し易い(ホモグリフ)せいもあって、手書き文字(ブロック体)であっても通常はセリフを上下に付けて区別する。

この場合、数字の 1 は飾りを上だけにする、数字の 7 は鉤を付ける、小文字の L は筆記体で ℓ と書く、というように区別する。

筆記体では、本体は下部が左に流れるが、ベースラインを超えない。また、右下から左に弧を描いて文字の頂点までの飾りを付ける。フラクトゥールで、書体によっては(J) と区別が付かない(あるいは、もともと異体字であったIとJの区別を設けていない)。このため、記号としては(J) を抜かすことがある((I) の次の記号に(K) を使う)。また、T の筆記体と紛らわしいが、フラクトゥールでTはのようであり、区別が付く。

小文字は、縦棒の上に(トルコ語とアゼルバイジャン語を除き)点を付ける。縦棒はしばしば下部が右に曲がり、折り返すこともある。筆記体で前の文字から続くときは、下部左から、右上に向かって後で書かれる本体に合流する。フラクトゥール。文字の上部に付けるダイアクリティカルマークが付く場合、普通は点を取った上で付ける。

歴史

ギリシャ文字Ι(イオタ)に由来し、キリル文字І, Јと同系の文字である。IとJの2形があったが、I母音を、J半母音を、区別して表すようになった。両者が区別して使われるようになったのは15世紀以降である。

呼称

音素

この文字が表す音素は、/i/ないしその類似音である。

  • ラテン語でしばしばJと同じ発音(/j/)をする。
  • 英語では、大母音推移の結果、短音は/ɪ/, 長音は/aɪ/と発音する。(一部借用語を除いて)語末に現れない。
  • フランス語では、他の母音字の前で半母音/j/)化する。
  • トルコ語、アゼルバイジャン語では唇を丸めず「イ」のようにして「ウ」と発音する音(非円唇後舌狭母音)である。
  • 日本語ローマ字表記では、イ段の母音に使われる。
  • 朝鮮語のローマ字表記では、母音ㅣを示す。また、ㅟ、ㅢもwi,uiとiを含む綴りとなる。
  • 中国語漢語拼音では、介音 /i/ を含む韻母の表記に使われる。ただし、声母(頭子音)が付かない場合は、yになる。「一」「伊」など主母音、尾音無しで介音 /i/ のみの場合、半母音 /j/ が発音されるわけではないが、yi と表記する。そのため i で始まることは無い。
    • また、「四」(si)、「子」(zi)等z,c,s,zh,ch,sh,rに続く場合などは、子音のそのままの舌の構えで出される母音 [z̩] を示す。これはイ段よりもウ段に近い音なので注意を要する。

音声記号としては、[i] は「非円唇前舌狭母音」、小型大文字 [ɪ] は「非円唇前舌広め狭母音」を表す。

Iの意味

商標、作品名等については、I (曖昧さ回避)参照。

数字・数量・単位

分類記号・符号・変数

略称・略表記の一部

  • I - 情報 (Information) - 例:「IT革命」
  • I - 知能 (Intelligence) - 例: IQ=Intelligence Quotient
  • i、 - 案内所 (information)を示す地図記号。
  • I - 鉄道サインシステムにおける路線記号
  • I - 日本の電気業界で、日本アイ・ビー・エムを表す符牒

特殊なI

I ı I ı

符号位置

大文字 Unicode JIS X 0213 文字参照 小文字 Unicode JIS X 0213 文字参照 備考
I U+0049 1-3-41 I
I
i U+0069 1-3-73 i
i
半角
U+FF29 1-3-41 I
I
U+FF49 1-3-73 i
i
全角
U+24BE Ⓘ
Ⓘ
U+24D8 1-12-34 ⓘ
ⓘ
丸囲み
🄘 U+1F118 🄘
🄘
U+24A4 ⒤
⒤
括弧付き
𝐈 U+1D408 𝐈
𝐈
𝐢 U+1D422 𝐢
𝐢
太字
𝐼 U+1D43C 𝐼
𝐼
𝑖 U+1D456 𝑖
𝑖
イタリック体
𝑰 U+1D470 𝑰
𝑰
𝒊 U+1D48A 𝒊
𝒊
イタリック体太字
U+2110 ℐ
ℐ
𝒾 U+1D4BE 𝒾
𝒾
筆記体
𝓘 U+1D4D8 𝓘
𝓘
𝓲 U+1D4F2 𝓲
𝓲
筆記体太字
U+2111 ℑ
ℑ
𝔦 U+1D526 𝔦
𝔦
フラクトゥール
𝕀 U+1D540 𝕀
𝕀
𝕚 U+1D55A 𝕚
𝕚
黒板太字
𝕴 U+1D574 𝕴
𝕴
𝖎 U+1D58E 𝖎
𝖎
フラクトゥール太字
𝖨 U+1D5A8 𝖨
𝖨
𝗂 U+1D5C2 𝗂
𝗂
サンセリフ
𝗜 U+1D5DC 𝗜
𝗜
𝗶 U+1D5F6 𝗶
𝗶
サンセリフ太字
𝘐 U+1D610 𝘐
𝘐
𝘪 U+1D62A 𝘪
𝘪
サンセリフイタリック
𝙄 U+1D644 𝙄
𝙄
𝙞 U+1D65E 𝙞
𝙞
サンセリフイタリック太字
𝙸 U+1D678 𝙸
𝙸
𝚒 U+1D692 𝚒
𝚒
等幅フォント
記号 Unicode JIS X 0213 文字参照 名称
ı U+0131 ı
ı
トルコ語で使用される小文字
ɪ U+026A ɪ
ɪ
LATIN LETTER SMALL CAPITAL I
U+1D35 ᴵ
ᴵ
MODIFIER LETTER CAPITAL I
U+2071 ⁱ
ⁱ
SUPERSCRIPT LATIN SMALL LETTER I
U+1D62 ᵢ
ᵢ
LATIN SUBSCRIPT SMALL LETTER I
U+1DA6 ᶦ
ᶦ
MODIFIER LETTER SMALL CAPITAL I
🄸 U+1F138 🄸
🄸
SQUARED LATIN CAPITAL LETTER I
🅘 U+1F158 🅘
🅘
NEGATIVE CIRCLED LATIN CAPITAL LETTER I
🅸 U+1F178 🅸
🅸
NEGATIVE SQUARED LATIN CAPITAL LETTER I

他の表現法

関連項目