7月4日に生まれて
7月4日に生まれて | |
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Born on the Fourth of July | |
監督 | オリバー・ストーン |
脚本 |
オリバー・ストーン ロン・コーヴィック |
原作 | ロン・コーヴィック |
製作 |
A・キットマン・ホー オリバー・ストーン |
出演者 |
トム・クルーズ キーラ・セジウィック レイモンド・J・バリー ジェリー・レヴィン フランク・ホエーリー ウィレム・デフォー |
音楽 | ジョン・ウィリアムズ |
撮影 | ロバート・リチャードソン |
編集 |
デヴィッド・ブレナー ジョー・ハッシング |
製作会社 | Ixtlan |
配給 |
ユニバーサル映画 UIP |
公開 |
1989年12月20日 1990年2月17日 |
上映時間 | 145分 |
製作国 | アメリカ合衆国 |
言語 | 英語 |
興行収入 | $161,001,698[1] |
『7月4日に生まれて』(原題: Born on the Fourth of July)は、1989年制作のアメリカ映画。
概要
ロン・コーヴィックの同名の自伝的小説を映画化した作品で、ベトナム戦争を扱った戦争映画。
オリバー・ストーン監督。トム・クルーズ主演。1989年のアカデミー賞において、監督・編集の2部門を受賞している。トム・クルーズは役作りのため、約1年間車椅子に乗って生活した。
あらすじ
7月4日の独立記念日に生まれ、第二次世界大戦の勇士である父を誇りに思うロン・コーヴィック(トム・クルーズ)は、高校卒業後に海兵隊に入隊し、13週間の訓練の後にベトナム戦争に従軍する。
そこでの戦いは熾烈であり、ベトコンの攻撃にパニックになったロンは部下のウィルソンを誤射して死なせてしまい、遂にロン自身も銃弾に倒れ脊髄を損傷、下半身不随となる。
故郷に戻るロンだが、アメリカで彼を待っていたものは、国を守る英雄としての賞賛の言葉ではなく、非難と嘲笑の嵐だった。
ベトナム帰還兵をゴミ屑のように扱う世間に、絶望の日々を過ごすロン。ロンは次第に酒浸りの日々を送ることで精神を病み、遂に家族からも孤立し、メキシコへと旅立った。
メキシコでの生活も自堕落なものだったが、帰還兵仲間との衝突から、ロンは意を決してウィルソンの遺族に真実を伝えに行った。ロンは遺族との対話の後、仲間と共に車椅子を操って反戦運動に立ち上がり、「今すぐ和平を」「ベトナムの兄弟を殺すな」「北爆を中止しろ」―仲間と共に、シュプレヒコールを叫びながら1972年の共和党大会に向けてデモ行進をする。
キャスト
役名 | 俳優 | 日本語吹き替え | ||
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DVD版 | VHS版 | テレビ朝日版 | ||
ロン・コーヴィック | トム・クルーズ | 森川智之 | 鈴置洋孝 | 山寺宏一 |
ロンの父 | レイモンド・J・バリー | 伊藤和晃 | 内田稔 | 池田勝 |
ロンの母 | キャロライン・カヴァ | 竹村叔子 | 谷育子 | |
ドナ | キーラ・セジウィック | 大坂史子 | 土井美加 | 小林優子 |
ティミー | フランク・ホエーリー | 大塚芳忠 | 古田信幸 | |
スティーヴ・ボイエル | ジェリー・レヴィン | 江原正士 | 安原義人 | |
チャーリー | ウィレム・デフォー | 世古陽丸 | 江角英明 | 千田光男 |
ヘイズ軍曹 | トム・ベレンジャー | 水内清光 | 石塚運昇 | 大塚明夫 |
ビリー・ヴォルソヴィッチ | スティーヴン・ボールドウィン | |||
若き日のロン | ブライアン・ラーキン | 山下亜矢香 | ||
調査員 | トム・サイズモア | |||
調査員 | マイケル・ウィンコット | |||
軍団長 | エド・ローター | |||
歩兵大佐 | デイル・ダイ | |||
ニュースレポーター | オリバー・ストーン | |||
海兵隊少佐 | ジョン・ゲッツ | |||
副官 | デヴィッド・ウォーショフスキー | |||
マルティネス | ジェイソン・ゲドリック | |||
兵士 | ウィリアム・ボールドウィン | |||
医者 | ボブ・ガントン | |||
売春婦 | ヴィヴィカ・A・フォックス | |||
ジェイミー・ウィルソン | リリ・テイラー | 安達忍 | ||
職員 | ジョン・C・マッギンリー | |||
職員 | ウェイン・ナイト | |||
パレードの退役軍人 | ロン・コーヴィック (クレジットなし) |
- テレビ朝日版吹き替え - 初回放送1993年12月5日『日曜洋画劇場』
主な受賞歴
- アカデミー賞(1989年)
- ゴールデングローブ賞(1989年)
- 男優賞(ドラマ部門):トム・クルーズ
- 監督賞:オリバー・ストーン
- 脚本賞:オリバー・ストーン、ロン・コーヴィック
- 作品賞
批評
全米の映画評論は本作品を絶賛した。映画評論のウェブサイト「ロッテン・トマト」は37のレビューのうち90%が本作品に好意的な評価を下していると発表した[2]。
その一方、批判も存在する。著名な映画評論家のジョナサン・ローゼンバウムは本作品に対する批評において、「B級映画につきものの陳腐な結末、至る所にちりばめられたわざとらしい盛り上げシーン、障害者となり人生に絶望したベトナム帰還兵のトラウマが自伝を著し有名人になっただけで克服できるという嘘くさいメッセージ」について指摘している[3]。『ワシントンポスト紙』のハル・ヒンソンは本作品を「非理性的で、高圧的で、共感を覚えることの出来ない作品」としている[4]。 『ロザンゼルス・タイムズ紙』のシーラ・ベンソンは「オリバー・ストーンは『プラトーン』を監督したときの感性を失ってしまったのだろう」と評し、そして同記事で「誇張」、「過剰殺戮」、「弱者いじめ」という用語を用いている[5]。