規制改革会議

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規制改革会議(きせいかいかくかいぎ)とは、内閣府設置法に基づく内閣府本府組織令38条にて設置され、同令39条により、「 経済に関する基本的かつ重要な政策に関する施策を推進する観点から、内閣総理大臣の諮問に応じ、経済社会の構造改革を進める上で必要な規制の在り方の改革(国及び地方公共団体の事務及び事業を民間に開放することによる規制の在り方の改革を含む。)に関する基本的事項を総合的に調査審議すること」をつかさどる機関(審議会)である。2010年3月末での任期満了に伴い、行政刷新会議の下に設置された規制・制度改革に関する分科会を受け皿とする形で、規制改革推進本部は廃止され[1]、規制改革会議は終結した。

目次

[編集] 概要

1996年に政府の行政改革推進本部に『規制緩和委員会』が設置され、委員長をオリックス会長の宮内義彦が務めた。その後『規制改革委員会』、『総合規制改革会議』、『規制改革・民間開放推進会議』など改名、改組を繰り返すが、宮内は1995年以来、同種の規制改革会議の議長を10年以上連続して務めた。

小泉内閣での総合規制改革会議で、2002年には、製造業における労働者派遣事業の解禁を内閣に答申した[2]

また郵政民営化なども審議されていたが、後に答申は経済財政諮問会議に一元化されることとなり、規制改革会議の意向は議長の宮内がまとめて経済財政諮問会議に伝えていくことになった[3][4]。なお、この間、内閣府設置法に基づく規則で定められた議事録が3年間にわたって作成されていないことがのちになって判明した[5]。そのため、会議で誰がどのような提案をし、反対をしたかが分からず、全体を要約した「議事概要」としての資料しか残っていない。内閣府設置法の総合規制改革会議令に基づく同会議運営規則は「議長は議事録を作成し、一定の期間を経過した後に公表する」と定めている。しかし、議長の宮内はこの件に関し、一切の説明も責任もとらないまま、同会議は2004年3月末で廃止され、宮内会長が引き続き議長を務める『規制改革・民間開放推進会議』に引き継がれた。

2007年1月に小泉内閣の任期満了とともに「規制改革・民間開放推進会議」(議長宮内義彦)が終了したことを受け、同様の趣旨で安倍晋三内閣が再度設置した。「民間有識者」15名によって構成されている。これを受けて10年以上にわたって同種の委員会を率いてきた宮内は委員長の座を辞したが、草刈隆郎は宮内路線を踏襲することを各種メディアに表明した。

2007年9月には、行き過ぎた経済合理主義に批判が高まり、見直し論が起こった[6]

[編集] 特徴

[編集] 労働分野

労働時間や派遣労働の規制について全面的な撤廃を主張、最低賃金の引き上げに反対するなど、労働法制の根幹を突き崩す内容を提言している。[7][8]

長時間働きたい労働者のために残業代ゼロを提言している。[9]

日本社会の様々な規制の緩和を提言しているが、特に労働分野では「一部に残存する神話のように、労働者の権利を強めれば、その労働者の保護が図られるという考え方は誤っている」という、規制改革推進のための第2次答申の本文中の文言[10]からも解るように、労働者保護の緩和を提案している。また「多様な働き方」を可能にする為にも、派遣労働や請負労働の一層の規制緩和を提言している。

最低賃金については「不用意に最低賃金を引き上げることは、その賃金に見合う生産性を発揮できない労働者の失業をもたらす」と主張している。[11]

女性の労働については「過度に女性労働者の権利を強化すると、かえって最初から雇用を手控える結果になるなどの副作用を生じる可能性もある」と主張している。[12]

派遣労働者直接雇用義務は、労働雇用期限前の雇い止めを誘発するので、逆に派遣労働者の地位を危うくするとしている。[13] 正規労働者の解雇を厳しく規制することは、逆に非正規雇用を増やすとしている。[14]

長時間労働対策として画一的な労働時間の上限規制を設けることは、逆に長時間働きたい労働者の利益を損なうとしている。[15]

[編集] 教育分野

教育分野では、学校選択制の推進を求めており、学校選択制が地域コミュニティを破壊するという批判に対しては「学習者に支持される学校づくりを学校当局と地域が連携して行うことこそ学校選択制の趣旨にかなう」とする。また地域を学校周辺住民のみに限定して考えることは、他地域の私学に通学する人間を排除することになりかねないと反論している。その上で「学校と地域の連携」の為に「学校を選択する権利」を奪うことは許されないと主張している。

教育バウチャー制、児童生徒や保護者による学校や教員の評価制度の導入も求めている。

学校長による児童生徒の懲戒(停学など)には現状よりも厳しい制限を課すよう求めている。

[編集] 保育分野

保育料の値上げ[16]や保育士資格不要を主張するとともに施設の最低基準撤廃、保育水準の切り下げを主張している。これに対しては各地で反対運動が起こった[17]

[編集] 効果

  • 2010年10月5日内閣府は1990年代からの規制改革によって2008年度末までに15の分野の推計した経済効果を25兆1620億円と発表。効果が著しい分野は電力料金、携帯電話事業参入などで消費者に経済的効果をもたらした[18]

[編集] 委員

[編集] 専門委員

[編集] 医療タスクフォース

[編集] 福祉・保育・介護タスクフォース

[編集] 教育・研究タスクフォース

[編集] 住宅・土地タスクフォース

[編集] 農林水産業タスクフォース

[編集] 貿易タスクフォース

[編集] 金融タスクフォース

[編集] 労働タスクフォース

  • 安藤至大-日本大学大学院総合科学研究科准教授
  • 和田一郎-牛嶋・寺前・和田法律事務所 弁護士

[編集] 海外人材タスクフォース

  • 井口泰-関西学院大学大学院経済学研究科・経済学部教授

[編集] ネットワーク産業タスクフォース

[編集] 競争政策・基準認証・法務・資格タスクフォース

  • 阿部泰隆-中央大学総合政策学部教授・弁護士

[編集] 基本ルールタスクフォース

  • 大橋豊彦-尚美学園大学総合政策学部教授
  • 山本隆司-東京大学大学院法学政治学研究科教授

[編集] 官業改革タスクフォース

[編集] 歴史

  • 村山内閣 行政改革委員会規制緩和小委員会 1995年 参与 宮内義彦
  • 橋本内閣 規制緩和小委員会 1996年 座長 宮内義彦
  • 橋本内閣 行政改革推進本部・規制緩和委員会1998年1月26日~1999年4月6日 委員長 宮内義彦
  • 小渕内閣 森内閣 行政改革推進本部・規制改革委員会1999年4月6日~2001年3月27日 委員長 宮内義彦
  • 森内閣 小泉内閣 総合規制改革会議2001年5月11日~2004年3月31日 議長 宮内義彦
  • 小泉内閣 規制改革・民間開放推進会議2004年3月31日~2007年1月25日 議長 宮内義彦
  • 安倍内閣 福田内閣 麻生内閣 規制改革会議2007年1月~2010年3月31日 議長 草刈隆郎

[編集] 規制改革・民間開放推進会議

[編集] 旧委員

[編集] 関連項目

[編集] 外部リンク

[編集] 脚注

  1. ^ 規制改革推進本部(平成22年3月30日廃止)”. 内閣府. 2010年5月10日閲覧。
  2. ^ 「現行労働者派遣法は、附則において、当分の間「物の製造」の業務について派遣事業を禁止しているが、製造業務の派遣事業に係る他国の状況も踏まえながら、これを解禁することも含め検討し、その結論を早急に取りまとめ、次期通常国会に法案の提出等所要の措置を講ずるべきである。」平成14年(2002年)12月12日 総合規制改革会議『規制改革の推進に関する第2次答申 7.雇用労働』
  3. ^ 2003年度 第5回総合規制改革会議 議事概要
  4. ^ 2003年度 第3回総合規制改革会議 議事概要
  5. ^ 総合規制改革会議:設置法で定めた議事録作成せず
  6. ^ 行き過ぎた経済合理性は見直しも=福田元官房長官 ロイター
  7. ^ 規制改革会議:労働ルール撤廃を主張
  8. ^ 規制改革会議公表資料:『規制改革会議「第2次答申」(労働分野の問題意識)に対する厚生労働省の考え方』に対する規制改革会議の見解(平成20年2月22日)
  9. ^ 規制改革会議:残業代ゼロ導入要求,保育・教育の制度改悪も
  10. ^ 規制改革会議公表資料:規制改革推進のための第2次答申(平成19年12月25日)の164ページの上から16~17行目
  11. ^ 規制改革会議公表資料:『規制改革会議「第2次答申」(労働分野の問題意識)に対する厚生労働省の考え方』に対する規制改革会議の見解(平成20年2月22日)
  12. ^ 規制改革会議公表資料:規制改革推進のための第2次答申(平成19年12月25日)の164ページの上から21~23行目
  13. ^ 規制改革会議公表資料:規制改革推進のための第2次答申(平成19年12月25日)の164ページの上から25~28行目
  14. ^ 規制改革会議公表資料:規制改革推進のための第2次答申(平成19年12月25日)の164ページの上から23~25行目
  15. ^ 規制改革会議公表資料:規制改革推進のための第2次答申(平成19年12月25日)の164ページの上から28~31行目
  16. ^ 保育・教育の制度改悪も
  17. ^ 規制改革会議・地方分権改革推進委員会への抗議,保育制度改悪を許さない正念場
  18. ^ 読売新聞2010年10月6日13S版2面規制・制度改革、推計25兆円の経済効果
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