世宗大王級駆逐艦
| 世宗大王級駆逐艦 | ||
|---|---|---|
| 艦級概観 | ||
| 艦種 | ミサイル駆逐艦 | |
| 建造期間 | 2006年 - 建造中 | |
| 就役期間 | 2008年 - 就役中 | |
| 前級 | 李舜臣級駆逐艦 | |
| 性能要目 | ||
| 排水量 | 基準:未公表 | |
| 満載:10,290t | ||
| 全長 | 165.9m | |
| 全幅 | 21.4m | |
| 吃水 | 6.25m | |
| 機関 | COGAG方式(計105,000hp) 2軸推進 | |
| 三星社製LM2500ガスタービン | 4基 | |
| 速力 | 最大:30ノット以上 | |
| 巡航:16ノット | ||
| 航続距離 | 5,500海里(20ノット) | |
| 電力 | ||
| ロールス・ロイスAG9140RFガスタービン発電機(3,000 kW[1]) | 3基[2] | |
| 乗員 | 300人以上 | |
| 兵装 | Mk.45 mod.4 62口径5インチ単装砲 | 1基 |
| ゴールキーパー 30mm CIWS | 1基 | |
Mk 41 VLS (48+32セル)• SM-2 Block3B SAM |
2基 | |
国産VLS (48セル)• 天竜 CM: 32発 |
1基 | |
| Mk 49 近SAM21連装ミサイル発射機 | 1基 | |
| SSM-700K SSM4連装発射筒 | 4基 | |
| Mk 32 3連装短魚雷発射管 (Mk 46 324mm対潜短魚雷) |
2基 | |
| 艦載機 | スーパーリンクス哨戒ヘリコプター | 2機 |
| C4I | KNTDS (リンク 11) +JTIDS(リンク 16) | |
| Mk 7 AWS+ASWCS-K+SLQ-200 | ||
| レーダー | SPY-1D(V) 多機能レーダー(4面) | 1基 |
| ソナー | DSQS-21 BZ-M 艦首装備 | |
| CAPTAS 曳航式 | ||
| 電子戦・ 対抗手段 |
SLQ-200 ソナタ統合電子戦システム | |
| SLQ-261K デコイ・システム | ||
| 言語 | 表記 | |
| 日本語 | 世宗大王級駆逐艦 | |
| 英語 | King Sejong the Great class destroyer | |
| 計画名 | KDX-III | |
| 韓国語 | 세종대왕급 구축함 | |
世宗大王級駆逐艦(せいそうだいおうきゅうくちくかん・セジョンデワンきゅうくちくかん)は、韓国海軍が保有するイージスシステム搭載のミサイル駆逐艦。計画名の『KDX-III』で呼ばれることもある。
本級を保有することで、大韓民国はアメリカ合衆国、日本、スペイン、ノルウェーに次いで世界で5番目の米国製イージス艦の保有国となる。
目次 |
[編集] 開発
『KDX-I』広開土大王級駆逐艦、『KDX-II』李舜臣級駆逐艦とともに、韓国の機動艦隊創設計画の3本柱の1つとなるイージス艦である。2011年現在、第7機動戦団に2隻配備され、1隻が試験運用中であり、追加導入の予定はない。
アメリカ海軍のアーレイ・バーク級ミサイル駆逐艦をタイプシップとしているため外形はよく似ているが、さらにステルス性が重視されている。艦体長はアーレイ・バーク級ミサイル駆逐艦より一回り長くなり、海上自衛隊のあたご型ミサイル護衛艦とほぼ同大である(幅は全艦とも同じ)。
KDX-IIに付けられた「李舜臣」という型名は本来はKDX-IIIに命名される予定であったが、盧武鉉政権下で反米世論が燻っている事と北朝鮮に対しての太陽政策による米韓の温度差によりイージスシステムが提供されるか不確実であった為、急遽KDX-IIに「忠武公李舜臣」と名づけたとされている。
[編集] 装備
世宗大王級駆逐艦の戦闘システムはイージスシステムを中核としたもので、米ロッキード・マーティン社によって、イージス艦載戦闘システム (AEGIS Shipboard Combat System)として統合されている[3]。
その中核となるイージス武器システム (AWS)は、アメリカ海軍のアーレイ・バーク級ミサイル駆逐艦(44番艦以降)、海上自衛隊のあたご型護衛艦やスペイン海軍のアルバロ・デ・バサン級フリゲートと同じ、最新のベースライン7である。
その一方、イージス武器システムに連接されるいくつかのシステムは、アメリカ海軍の制式品ではなく、代替システムが装備されている。
| 米艦のシステム | 代替システム |
|---|---|
| AN/SQQ-89対潜システム | LM社製 ASWCS-K対潜システム[4] |
| AN/SLQ-32電子戦システム | SLQ-200 ソナタ 電子戦システム |
| Mk 36 SRBOC デコイシステム | SLQ-261K デコイシステム |
| AN/WSN-7 慣性航法装置 | 不明 |
| AN/SQQ-121 推測航法装置 |
これらのうち、ASWCS-K対潜システムは、ノルウェー海軍のイージス艦であるフリチョフ・ナンセン級フリゲートに搭載されたMSI-2005F対潜システムを中核として、AWSに適合化してLM社が開発したものである[5]。
日本初のイージス艦であるこんごう型ミサイル護衛艦にアメリカがイージスシステムを提供した際にも、対潜システムと電子戦システム等が提供されず、国産の機器を搭載した経緯が有る。但し、あたご型においては、SQQ-89など、上記システムのうちのいくつかについては、アーレイ・バーク級ミサイル駆逐艦と同等の装置が提供されている。
世宗大王級駆逐艦は上記機能を省略した事により、1隻当たり209億円程あたご型より安くなったとされていたが、別途代替装置を発注したり、電子戦システムの国産開発を行った分を合計した建造費は1,400億円を超えるとも噂され、韓国国内でもイージス艦の保有に疑問視する声も出ている。
[編集] C4Iシステム
「韓国軍のC4Iシステム」も参照
[編集] 戦術データ・リンク
上記のとおり、本級のC4Iシステムの中核はベースライン7のAWSとなっている。AWSはベースライン5以降、海軍戦術情報システムをモデル5に更新しており、これは北大西洋条約機構の新しい標準データ・リンクであるリンク 16に対応する。ただし、韓国海軍軍艦でリンク 16に対応しているのは、2012年現在では本型のみであるため、それ以外の艦とは、やや旧式のリンク 11を使用することになる。
なお海軍以外では、空軍の中央防空統制所(MCRC)およびボーイング737 AEW&C、F-15Kのみが、リンク 16での通信に対応している。
[編集] 衛星通信
本級は、就役当初、アメリカ軍の衛星通信システムに連接する能力を持っていないことが指摘されていた[6]。しかしその後、Mini-DAMAとして知られるAN/USC-42衛星通信端末用のAV2099衛星通信アンテナを搭載していることが確認されており、またアメリカ側も対外有償軍事援助により同端末を韓国に対して輸出したことを発表している[7]。
また、韓国軍自身の通信基盤として、ムグンファ3号・5号によるANASIS衛星通信システムも導入されている。このほか、民間の商用衛星通信として、有名なインマルサットや、アメリカのKVHインダストリーズ社と日本のスカパーJSAT社によるローミング・サービスも搭載している[8]。これらは、アメリカ軍が同盟国との統合作戦に使用するために整備しているCENTRIXSなどに接続するために用いられる。
[編集] 武器システム
日米のイージス艦に比較して重兵装でトップヘビーの傾向がある。
タイコンデロガ級ミサイル巡洋艦をも上回る128セル[脚注 1]のVLSに加え、16発(日米は8発)の国産艦対艦ミサイル「海星(ヘ・ソン)」を搭載する。CIWSとしては、RAM近接防空ミサイルとゴールキーパーを併用している。兵装は国産化が進んでおり、射程500km前後と推定されている国産の艦対地ミサイル「天竜(チョニョン)」と、同じく対潜ミサイル「紅鮫」を専用の国産VLS内に搭載する。これほどまでに重武装した背景には、韓国の国力上多数の大型艦艇の配備が行えないことが大きく影響している。
なお、アーレイ・バーク級ミサイル駆逐艦のようにメインマストの左右にある支柱は後から追加されたものであり、当初の構想図にも1番艦の進水時にもなかったものである。強度上の問題が後から発覚して補強したのではないかという見方もある。
[編集] 配備予定
1番艦は現代重工業に2004年8月25日に発注され、2004年11月に1番艦の建造着工。2008年12月実戦配備。
当初、安龍福とし、池徳七、尹永夏が艦名候補として検討されたが、2007年に世宗大王と名付けられた。また、同年6月28日には尹永夏が犬鷲型ミサイル艇に命名され、艦名候補から外れた。
韓国海軍は当初イージス艦6隻の建造を計画していたが、李明博政権が実施した国防改革2020により、着工済みの3隻で建造終了となることが決定した。
[編集] 韓国内の評価
世宗大王級では1隻に多数の要素を詰め込んだ重武装艦となっている事から、アーレイ・バーク級やあたご型と比べ設計にゆとりが無いとの指摘もある。
運用維持及び補修などに必要な予算確保などの問題があるとの声もある[9]。
[編集] 同型艦
| 艦名 | 艦番号 | 建造 | 起工 | 進水 | 竣工 |
|---|---|---|---|---|---|
| 世宗大王 (せそうだいおう、セジョンデワン) |
DDG-991 | 現代重工業 | 2006年 5月20日 |
2007年 5月25日 |
2008年 12月22日 |
| 栗谷李珥 (りっこくりじ、ユルゴク・イ・イ) |
DDG-992 | 大宇造船海洋 | 2008年 11月14日 |
2010年 8月31日 |
|
| 西厓柳成龍 (せいがいりゅうせいりゅう、ソエ・リュ・ソンリョン) |
DDG-993 | 現代重工業 | 2011年 3月24日 |
2012年 8月(予定) |
[編集] 脚注
- ^ ただし、このうちMk 41は80セルのみであり、残る48セルは国産の独自仕様の機種である。
[編集] 出典
- ^ http://www.rolls-royce.com/Images/MMS%20FS%2053%2008%201%20Allison%20AG9140%20and%20AG9140RF%20_tcm92-9324.pdf rolls-royce.com
- ^ http://www.rolls-royce.com/marine/news/2004/041129_korea.jsp Rolls-Royce wins Republic of Korea Navy order and strengthens regional presence
- ^ Defense Security Cooperation Agency (2002年3月18日). “Defense Security Cooperation Agency NEWS RELEASE - Republic of Korea – AEGIS Shipboard Combat Systems (PDF)” (英語). 2011年11月27日閲覧。
- ^ U.S. Department of Defense Office of the Assistant Secretary of Defense (Public Affairs) (2004年3月5日). “Defense.gov: Contracts for Friday, March 05, 2004” (英語). 2011年11月27日閲覧。
- ^ BUREAU OF POLITICAL-MILITARY AFFAIRS (2008年1月31日). “2008 Foreign Military Training: V. Course Descriptions--Part 1” (英語). 2011年11月27日閲覧。
- ^ 久保田るり子 (2007年5月20日). “韓国、5番目のイージス艦保有国に 「世宗大王艦」進水式へ”. 2007年5月23日閲覧。
- ^ U.S. Department of Defense Office of the Assistant Secretary of Defense (Public Affairs) (2001年2月26日). “Defense.gov: Contracts for Friday, February 26, 2001”. 2011年11月27日閲覧。
- ^ milsatmagazine.com (2011年7月). “Close Support - Crucial Communications For Countering Piracy” (英語). 2011年10月30日閲覧。
- ^ “「イージス艦を浮かべたが…」 後の課題が多数”. 東亜日報(韓国語). 2007年5月25日閲覧。
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
- 日本周辺国の軍事兵器(日本語)
- 구축함(DDH) - 세종대왕함급(朝鮮語)
- DDH-III(DDH-Aegis, Sejongdaewang class)(英語)
- AEGIS Class Destroyer(現代重工業による要目)(英語)
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