ホバート級駆逐艦

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ホバート級駆逐艦
SPS Alvaro de Bazán (F101).jpg
スペイン海軍「アルバロ・デ・バサン」(F-101)
艦級概観
艦種 ミサイル駆逐艦
艦名 オーストラリアの都市名
就役期間 2016年(予定) -
前級 パース級駆逐艦
性能諸元
排水量 満載: 7,000 トン
全長 146.7メートル (481 ft)
全幅 18.6メートル (61 ft)
喫水 5.14メートル (16.9 ft)
機関 CODOG方式
キャタピラ16Vディーゼルエンジン
(5,650kW / 7,580hp)
2基
LM2500ガスタービンエンジン
(17,500kW / 23,500hp)
2基
推進器 2軸
速力 最大 28 ノット (52 km/h)以上
航続距離 5,000 海里 (9,300 km)(18ノット時)
乗員 180名
兵装 Mk.45 mod.4 5インチ単装砲 1基
Mk.15 20ミリCIWS 1基
Mk.41 VLS(48セル)
SM-2/6 SAM
ESSM 短SAM
等を発射可能
1基
ハープーンSSM 4連装発射筒 2基
Mk.32 mod.9 短魚雷連装発射管 2基
艦載機 SH-2G LAMPSヘリコプター 1機
S-70B-2 LAMPSヘリコプター
C4I インマルサット 衛星通信
NTDSリンク 4A/11/14/16
AN/USG-2 CETPS
Mk.7 AWS ベースライン7.1a
Mk.99 ミサイルFCS (SM-2/6用) 2基
SWG-1 HSCLCS (RGM-84用)
Mk.160 砲FCS (Mk 45 5インチ砲用)
レーダー AN/SPY-1D 多機能(4面) 1基
AN/SPQ-9B 低空警戒/対水上 1基
ソナー ウルトラ・エレクトロニクス社
統合ソナー・システム
(船底装備式+曳航式)
電子戦
対抗手段
ITT ES-3701 電子戦装置
Mk.53 NULKA 装置
Mk.36 SRBOC チャフフレア展開装置

ホバート級駆逐艦英語: Hobart class destroyer)は、オーストラリア海軍が開発・建造中のミサイル駆逐艦イージスシステムを搭載するイージス艦であり、オーストラリア防空駆逐艦(AWD: Australian Air Warfare Destroyer)、SEA 4000号計画艦、F105型駆逐艦としても知られている。

来歴[編集]

オーストラリア海軍は1960年代より、防空艦としてパース級駆逐艦を運用してきた。これは、アメリカ海軍チャールズ・F・アダムズ級ミサイル駆逐艦をもとに、オーストラリア海軍独自の運用要求を加味して改設計したものであり、世界的に見ても、もっとも初期に建造されたミサイル駆逐艦と言えた。1970年代には近代化改修が行なわれ、20世紀末に至るまで就役を継続していたものの、基礎設計が古いこともあり、性能面の限界が指摘されるようになっていた。また、比較的新しい防空艦としてアデレード級フリゲートも整備されていたが、これは運用するミサイルこそパース級と同等ではあるものの、3次元レーダーをもたず、その能力はほぼ僚艦防空に限定されていた。

このことから、1990年代後半より、オーストラリア海軍は次世代防空艦の整備を計画しはじめていた。搭載する防空武器システムとしては、当初、NAAWS (タレス対空戦システム)イージスシステムが検討されたが、ミサイル防衛能力が評価されて、イージスシステムが採用された。その設計としては、アメリカギブス・アンド・コックス社がアーレイ・バーク級ミサイル駆逐艦をもとに開発した案と、スペインナバンティア社がアルバロ・デ・バサン級フリゲートをもとに開発した案が検討された。2005年8月には、性能面で優れる前者が有利であるものの、後者もコスト面で優れることから、依然として検討対象であると発表された。そして、2007年6月20日、後者を採用するという最終決定が下された。

設計と装備[編集]

当初、ナバンティア社が提案していた設計はF104と呼ばれていた。最終的に採用された設計は、これを改良したF105と呼ばれるものである。F105型という名称は、タイプシップであるアルバロ・デ・バサン級フリゲートがF100型と呼ばれていることによるものである。

F105型の設計は、基本的にF100型のものを踏襲しており、中央船楼型の船体に、ゼネラル・エレクトリック 7LM2500-SA-MLG38ガスタービンエンジン×2基およびキャタピラーブラボー16Vディーゼルエンジン×2基によるCODOG方式の主機関を搭載している。ステルス性を考慮して、主船体・上部構造物はともに傾斜が設けられており、艦首から船楼後端にかけてナックルが続いている。

搭載する武器システムも、基本的にはF100型と同様であるが、オーストラリア海軍独自の要求に基づいて、若干の差異が生じている。戦闘システムの中核となるイージスシステム(AWS)は、最新のベースライン7.1aである。イージスシステムの中核となるAN/SPY-1Dフェーズドアレイレーダーは、艦橋構造に連続してその後部に設けられた八面体の塔状構造物に設置される。塔状構造物の前方基部には、Mk.99 FCSのイルミネーターであるAN/SPG-62レーダーが設置されている。AN/SPG-62は計2基を装備しており、もう1基は後部煙突に連続した構造に装備されている。

兵装面では、前甲板にMk.45 5インチ単装砲を1基と48セルのMk.41 VLSを1基、船楼中部にハープーン艦対艦ミサイルの4連装発射筒を2基とMk.32 mod.9 短魚雷連装発射管を2基、船楼後端上に20mm口径CIWSを1基搭載するという基本的な構成はF100型と同様である。ただし、Mk.45は最新のmod.4とされ、またCIWSはオーストラリア海軍が標準的に採用しているファランクスとなっている。Mk.41 VLSから運用されるミサイルとしては、タイプシップと同様のスタンダードSM-2に加え、将来的には、ミサイル防衛能力を備えたスタンダードSM-6の運用にも対応する計画である。

また、船楼後端にはハンガーが設置されている。ここに収容されるのは、現在、オーストラリア海軍が運用しているSH-2GまたはS-70B-2 LAMPSヘリコプターである。

同型艦[編集]

艦番号 艦名 就役(予定)
不明 ホバート
HMAS Hobart
2016年
不明 ブリスベン
HMAS Brisbane
2017年
不明 シドニー
HMAS Sydney
2019年

参考文献[編集]

関連項目[編集]

スペイン海軍のイージス艦。本級のタイプ・シップである。
ノルウェー海軍のイージス艦。本級と同様、アルバロ・デ・バサン級をタイプシップとしている。