RAM (ミサイル)
| 種類 | 近接防空ミサイル |
|---|---|
| 製造国 | |
| 設計 | ジェネラル・ダイナミクス |
| 製造 | レイセオン |
| 性能諸元 | |
| ミサイル直径 | 12.7 cm |
| ミサイル全長 | 2.79 m |
| ミサイル全幅 | 43.4 cm |
| ミサイル重量 | 73.5 kg |
| 弾頭 | 11.3 kg |
| 信管 | 着発・近接信管 |
| 射程 | 9.6キロメートル (5.2 nmi) |
| 推進方式 | 固体燃料ロケット |
| 誘導方式 | パッシブ・レーダー・ホーミング(PRH) および赤外線ホーミング(IRH) |
| 飛翔速度 | M2.5 |
RIM-116 RAM(Rolling Airframe Missile)とは、アメリカ合衆国とドイツが共同開発した近接防空ミサイル。短射程であるが、その分簡素なシステムであり、近接防空用として、戦闘艦以外にも広く搭載されつつある。
目次 |
概要 [編集]
RIM-116 RAMは、いわばファランクスCIWSのミサイル版である。従来、個艦防空ミサイルの最小射程よりも近距離での対空射撃は、CIWSや艦砲によって行われてきたが、これらは射程が短く、1回か2回の射撃でしとめなければ、艦に被害が出ることは避けられなかった。このことから、従来のCIWSよりも遠距離で交戦できる一方、従来の個艦防空ミサイルよりも簡素で軽量な、近接防空用艦対空ミサイルとして開発されたのが、RIM-116 RAMである。
ミサイルの胴体部はAIM-9サイドワインダー空対空ミサイル、シーカーはFIM-92スティンガー携帯型地対空ミサイルを基として開発されている。誘導方式はパッシブ・レーダー誘導と赤外線誘導方式で、ミサイル本体が回転する事によりシーカーの捜索範囲に目標を捕捉、誘導が行われる。このような誘導方式を採用していることから、RAMは射撃指揮レーダーを必要とせず、より簡素な設備で運用できる。
ミサイル本体は、コンテナ(Mk.44 Guided Missile Round Pack, GMRP)内に密閉された状態で、艦上に設置された専用の21連装の発射機(Mk.49 Guided Missile Launching System, GMLS)に収容される。Mk.44 GMRPと Mk.49 GMLSで RAM Mk 31 GMWS (Guided Missile Weapon System) を構成する。RAM Mk 31 GMWSは、揚陸艦や航空母艦などの大型艦船に搭載されつつある新開発の戦闘システムである艦艇自衛システム(SSDS)に連接されて、その主要な防空火力として期待されているほか、新世代の個艦防空ミサイルであるESSMを搭載する余地のない沿海域戦闘艦においても、最有力の防空火器として搭載されることとなっている。
また、ファランクスのMk.72マウントを11連装のRAM発射機に取り替えたSeaRAMもあり、独立・完結したシステムである事から対空FCSを持たない艦への簡易的な防空兵器として導入が進められている。
開発の経緯 [編集]
冷戦期にソ連海軍の対艦ミサイルは超音速で飛翔することにより迎撃までの時間を与えない方向へ進化し、ファランクスの20 mm機関砲では有効射程・対応時間・威力等の理由より能力不足ではないかという懸念が生まれた。機関砲では同時に複数目標に対処することが困難なうえ、ファランクスBlock0は毎分3,000発の発射速度に対して、装填数の989発は20秒足らずで全弾薬を撃ち尽くしてしまう。
このため、ミサイルを2~3発程度迎撃すると人力による再装填が必要になる。これでは多数のミサイルを一斉に発射する飽和攻撃によりファランクスの防御を突破するというロシア軍の戦法に対抗できない。また、超音速で飛来する対艦ミサイルに対し、有効射程1,500 mの20 mm砲弾では機関砲が命中するまでに接近を許し、命中後もミサイルの残骸が慣性で突入する事態が考えられる。このような場合、外部に晒されたレーダーやセンサー類の損傷が予想され、以降の戦闘に支障をきたすことになるなど、機関砲のCIWSでは能力不足が明らかになってきた。このような経緯から、開発がスタートする事となった。
RAMは撃ちっ放しが可能で、多目標を同時に機関砲より遠距離で迎撃することが可能なため、万が一初弾が迎撃に失敗しても再度対処できる事が期待されたが、高い即応性や命中精度は技術的に難易度が高く、1974年に始まった開発は途中度々中断・遅延が発生、開発費高騰により幾度も中止の危機に見舞われた。これら危機を乗り越え、1990年に配備開始、1992年にようやく作戦状態にこぎつけた。
現在では、アメリカ海軍のニミッツ級航空母艦やワスプ級強襲揚陸艦、ドイツ海軍のザクセン級フリゲート、韓国海軍の世宗大王級駆逐艦や独島級揚陸艦等に採用されている。
海上自衛隊のあぶくま型護衛艦に後日搭載予定と伝えられていたが、未だに装備は行われていない。尚、19500トン型護衛艦(通称22DDH)には新造時よりSeaRAMが搭載予定と伝えられている。
機構と性能 [編集]
艦載レーダーから得られた目標データを入力後発射、以降は対艦ミサイルの発するレーダー電波をパッシブ・ホーミングし、自律飛翔して目標に接近、赤外線シーカーに目標を捕捉した後は赤外線ホーミングにより飛翔後、近接・着発信管を起爆する。赤外線シーカーはスティンガー・ミサイルのもの、ロケット・モーターはサイドワインダー・ミサイルのものを使い、開発コストを抑えながら信頼性を確保している。
後部フィンは4枚、前部操舵フィンは2枚。長軸を中心に弾体を回転させて安定させ、センサーや操舵を簡略化している。
初期型Block0(RIM-116A)は中間誘導にパッシブ・レーダー・ホーミングを用いているが、Block1(RIM-116B)はセンサーを改良し、全行程を赤外線ホーミング(IR-all-the-way guidance)とすることができる。Block1は2000年より量産されている。さらに推進装置などに改良を加えたBlock2が開発中であり、2013年頃に開発完了予定。
RAMの問題点は、一斉射(Salvo)時に同一発射機から放たれた1発目のロケットモーターが、すぐ後方の同一軌道を飛翔する2発目以降に対してジャミング源(ノイズ)となってしまう事であるが、これは性能上というより赤外線ホーミングミサイルの根本的な欠点であり解決には至っていない。
運用国と装備艦艇 [編集]
- キティホーク級航空母艦(CV-63、CV-67のみ後日装備)
- 原子力空母「エンタープライズ」(後日装備)
- ニミッツ級航空母艦(後日装備)
- タラワ級強襲揚陸艦(後日装備)
- ホイッドビー・アイランド級ドック型揚陸艦(後日装備)
- ワスプ級強襲揚陸艦(後日装備)
- ハーパーズ・フェリー級ドック型揚陸艦
- サン・アントニオ級ドック型輸送揚陸艦
- 沿海域戦闘艦「フリーダム」
- 沿海域戦闘艦「インディペンデンス」SeaRAM
- アメリカ級強襲揚陸艦
- ジェラルド・R・フォード級航空母艦
- リュッチェンス級駆逐艦(後日装備)
- ブレーメン級フリゲート(後日装備)
- ブランデンブルク級フリゲート
- ザクセン級フリゲート
- ブラウンシュヴァイク級コルベット
- ゲパルト級ミサイル艇(後日装備)
- 19500トン型ヘリコプター護衛艦(SeaRAM予定)