三冠ヘビー級王座

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三冠ヘビー級王座
詳細
現王者 ジョー・ドーリング
獲得日 2014年7月27日
管理団体 全日本プロレス
創立 1989年4月18日

三冠ヘビー級王座(さんかんヘビーきゅうおうざ)は、PWFが管理する全日本プロレスフラッグシップタイトル。初期は三冠統一王座と称していた。

概要[編集]

三冠ヘビー級王座とはPWFヘビー級王座インターナショナル・ヘビー級王座ユナイテッド・ナショナル・ヘビー級王座(UN王座)の統一王座。全日本プロレスを象徴する、同団体で最も権威のあるタイトルとされている。

インターナショナル・ヘビー級王座は力道山が創設した日本プロレスに於いて、力道山とジャイアント馬場が保持し、ユナイテッド・ナショナル・ヘビー級王座はアントニオ猪木坂口征二が保持してそれぞれ腰に巻いた歴史的なチャンピオンベルトである。日本プロレスが崩壊したことを受け、紆余曲折を経てインター王座とUN王座のベルトは全日本が受け継ぐ事となった。

一方、PWFヘビー級王座は馬場が全日本を旗揚げした際に、力道山(百田)家から初代インターナショナルヘビー級王座チャンピオンベルト(通称力道山ベルト)の寄贈を受けたことを契機に、世界ヘビー級王座として新設されたもので、全日本のシンボル王座としてその名を高めた。これら歴史的経緯の違う三つのタイトルを、全日本プロレスでの管理上からまとめた統一王座である。

統一後は、「三冠王座」と言うものの、三つの王座それぞれでタイトル戦が行われることはなく、新日本プロレスIWGPヘビー級王座プロレスリング・ノアGHCヘビー級王座と同様に、全日本の象徴のタイトルとして位置づけられている。見方を変えればひとつのベルトだとも言える。

統一直後には、選手権試合宣言にて「NWAが認可し、PWFが認定する三冠統一選手権試合」としていたが、1990年代前半からは、NWAの衰退に伴い馬場がNWA第一副会長を辞任したことによって認可が解け、「PWFが認定する三冠ヘビー級選手権試合」に変更された。

三冠ヘビー級チャンピオンは三冠王者とも呼ばれ、これに加え世界タッグ王座インターナショナル・タッグ王座PWF世界タッグ王座)を獲得した者は五冠王者と呼ばれる。ちなみに三沢光晴1999年アジアタッグ王座を含め六冠王に輝いている。また、2005年に小島聡が三冠王座とともに新日本プロレスの至宝であるIWGPヘビー級王座を獲得した際にも、合わせて四冠王者と呼ばれていた。

歴史[編集]

1988年4月15日大阪大会でインターナショナル・ヘビー級王者であるブルーザー・ブロディとUNヘビー級・PWFヘビー級の二冠王者である天龍源一郎との間で史上初の三冠ヘビー級王座統一戦が行われたが、両者リングアウトで王座の統一は実現しなかった。

ブロディを退けて第18代インターナショナル・ヘビー級王者となったジャンボ鶴田と、天龍を退けて第27代UNヘビー級と第14代PWFヘビー級の二冠王者となったスタン・ハンセンの間で同年10月17日広島大会で2度目の王座統一戦が行われたが、引き分けで王座統一は実現せず、翌1989年4月16日後楽園ホール大会において再戦が行われたが、またしても決着はつかなかった。長く引っ張った挙句の不透明決着にファンが激怒し、会場が騒然となる事態にまで発展した(これがきっかけで、全日本の試合からリングアウト・反則決着が消えていくことになる)。

二日後の4月18日大田区体育館で鶴田とハンセンの間で満を持して再々戦が行われた。ウエスタン・ラリアットを避けられロープに激突し、一瞬の隙ができたハンセンを、鶴田が片エビ固めで丸め込みフォール勝ち。かみ合わない試合展開で完全決着とは言えない勝利であったが、初代三冠統一王者となった鶴田は満面の笑みでファンに応えた。

以降、鶴田・ハンセン・天龍などの世代とプロレス四天王世代との抗争を中心に激闘を展開。プロレスリング・ノア設立に伴う選手大量離脱以降は、他団体所属選手とのタイトルマッチも行われるようになり、現在まで全日本プロレスの至宝として継承されている。

2006年10月14日、チャンピオンベルトを管理する全日本が三本のベルトが老朽化したことなどを理由として、三冠王座のベルトを一本にまとめた上で新調することを明らかにし、それまでのベルトは2006年10月29日の福岡大会後に回収して新しいベルトは2007年2月の両国国技館大会でお披露目となる予定であったが、何らかの事情があってかこれが延期され現行の三本のベルトを使用し続けていた。1987年制定のIWGPヘビー級のベルトが既に4代目なのとは対照的に三冠王座の三本のベルトはレプリカを使用する場合が多いとはいえいずれも40 - 50年も更新されず経過していた。

2013年、全日本プロレスは8月25日に(三冠王座生誕の地でもある)東京・大田区総合体育館にて開催される諏訪魔vs潮崎豪の三冠ヘビー級王座選手権試合を最後に、三本のチャンピオンベルトを創業者の馬場家へ返還することを決定し[1]、8月25日のタイトル戦で諏訪間が防衛した翌日(8月26日)、改めて全日本から三冠ヘビー級王座チャンピオンベルトを一本化して新製し、10月27日に開催された両国国技館大会にて新装した三冠ヘビー級王座チャンピオンベルトを公開した[2]。尚、今までの三本のベルトは修繕作業を行った後に馬場家に返還される[2]。新しいベルトは中央部分にPWFヘビー級王座(「GIANT BABA」の刻印は「TRIPLE CROWN」に変更)、その左右にインターナショナルヘビー級王座・UNヘビー級王座のバックルをモチーフとしたプレートが配置され、ベルト後部には初代三冠ヘビー級王座であるジャンボ鶴田の名前が刻印されている。

歴代王者[編集]

王者が王座返上した場合は、次のシリーズで王座決定戦によりタイトル移動が行われる。
それ以外は、すべて前王者に勝利してのタイトル移動。

レスラー 戴冠回数 防衛回数 獲得日付 獲得した場所(対戦相手・その他)
初代 ジャンボ鶴田 1 1 1989年4月18日 大田区体育館スタン・ハンセン
第2代 天龍源一郎 1 2 6月5日 日本武道館
第3代 ジャンボ鶴田 2 2 10月11日 横浜文化体育館
第4代 テリー・ゴディ 1 0 1990年6月5日 千葉公園体育館
第5代 スタン・ハンセン 1 0 6月8日 日本武道館
第6代 テリー・ゴディ 2 0 7月17日 石川県産業展示館、王座返上
第7代 スタン・ハンセン 2 1 7月27日 松戸市運動公園体育館三沢光晴
第8代 ジャンボ鶴田 3 3 1991年1月19日 松本市総合体育館
第9代 スタン・ハンセン 3 3 1992年1月28日 千葉公園体育館
第10代 三沢光晴 1 7 8月22日 日本武道館
第11代 スティーブ・ウィリアムス 1 1 1994年7月28日 日本武道館
第12代 川田利明 1 1 10月22日 日本武道館
第13代 スタン・ハンセン 4 0 1995年3月4日 日本武道館
第14代 三沢光晴 2 4 5月26日 札幌中島体育センター
第15代 田上明 1 1 1996年5月24日 札幌中島体育センター
第16代 小橋健太 1 2 7月24日 日本武道館
第17代 三沢光晴 3 8 1997年1月20日 大阪府立体育会館
第18代 川田利明 2 0 1998年5月1日 東京ドーム
第19代 小橋健太 2 2 6月12日 日本武道館
第20代 三沢光晴 4 0 10月31日 日本武道館
第21代 川田利明 3 0 1999年1月22日 大阪府立体育会館、王座返上
第22代 ベイダー 1 0 3月6日 日本武道館、田上明
第23代 三沢光晴 5 2 5月2日 東京ドーム
第24代 ベイダー 2 1 10月30日 日本武道館
第25代 小橋健太 3 1 2000年2月27日 日本武道館、王座返上
第26代 天龍源一郎 2 1 10月28日 日本武道館、川田利明
第27代 武藤敬司新日本プロレス 1 4 2001年6月8日 日本武道館
第28代 川田利明 4 0 2002年2月24日 日本武道館、王座返上
第29代 天龍源一郎 3 1 4月13日 日本武道館、武藤敬司
第30代 グレート・ムタ 2 1 10月27日 日本武道館
第31代 橋本真也ZERO-ONE 1 2 2003年2月23日 日本武道館、王座返上
第32代 川田利明 5 10 9月6日 日本武道館、大谷晋二郎
第33代 小島聡 1 8 2005年2月16日 国立代々木競技場第二体育館
第34代 太陽ケア 1 1 2006年7月3日 大田区体育館
第35代 鈴木みのる 1 5 9月3日 札幌メディアパーク・スピカ
第36代 佐々木健介健介office 1 2 2007年8月26日 両国国技館
第37代 諏訪魔 1 2 2008年4月29日 愛知県体育館
第38代 グレート・ムタ 3 1 9月28日 横浜文化体育館
第39代 高山善廣 1 2 2009年3月14日 両国国技館
第40代 小島聡 2 1 9月26日 横浜文化体育館
第41代 浜亮太 1 0 2010年3月21日 両国国技館
第42代 鈴木みのる 2 1 5月2日 愛知県体育館
第43代 諏訪魔 2 5 8月29日 両国国技館
第44代 秋山準プロレスリング・ノア 1 4 2011年10月23日 両国国技館
第45代 船木誠勝 1 4 2012年8月26日 大田区総合体育館
第46代 諏訪魔 3 2 2013年3月17日 両国国技館
第47代 1 4 10月27日 両国国技館、王座返上
第48代 大森隆男 1 0 2014年6月15日 後楽園ホール、秋山準
第49代 諏訪魔 4 0 6月29日 札幌テイセンホール
第50代 ジョー・ドーリング 1 3 7月27日 後楽園ホール


主な記録[編集]

  • 最多戴冠記録:5回 … 三沢光晴(10, 14, 17, 20, 23代)、川田利明(12, 18, 21, 28, 32代)
  • 最多連続防衛:10回 … 川田利明(第32代王者時代)
  • 最多通算防衛:21回 … 三沢光晴
  • 最長保持期間:529日 … 川田利明(第32代王者時代)
  • デビュー最短戴冠記録:1年4ヶ月 … 浜亮太(第41代王者時代)
  • デビュー最長初戴冠記録:27年5ヶ月 … 船木誠勝(第45代王者時代)
  • 最年少戴冠記録:29歳2ヶ月 … テリー・ゴディ(第4代王者時代)
  • 最年長戴冠記録:52歳2ヶ月 … 天龍源一郎(第29代王者時代)

脚注[編集]

  1. ^ 東京スポーツ 2013年8月7日付最終面記事参照
  2. ^ a b 3冠の統一新ベルト10・27両国で披露 デイリースポーツ 2013年8月27日閲覧

外部リンク[編集]