フランクフルト・ブックフェア

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動: 案内検索
メッセ・フランクフルト(見本市会場)
フランクフルト・ブックフェア会場風景(2008年)

フランクフルト・ブックフェアフランクフルト書籍見本市Frankfurt Book Fairドイツ語: Frankfurter Buchmesse)は毎年10月半ばにドイツフランクフルト・アム・マインで開催される世界最大の書籍見本市

世界中からの出版社マルチメディア業者が集まり書籍やソフトウェアを展示し、業者間で各国での版権やライセンスなどの取引が行われる。また国別ブースも出され、各国の出版文化についての紹介も行われる。このフェアはドイツ出版社・書籍販売店協会の子会社により主催されている。イタリアトリノの書籍見本市など他の書籍見本市の猛追も受けているが、フランクフルトは 「世界最大の書籍見本市」を称し、5日間の会期で会場の「メッセ・フランクフルト」に7,000の展示者と 300,000人近い入場者を集めている。

重要性[編集]

フランクフルト・ブックフェアは出版社や著者が書籍の発売発表などを行うマーケティング上の重要イベントであるが、一方で世界中の出版社が版権の販売交渉を行う機会としても重要である。入場者は出版業界の動向を知り、世界中の出版業者と名刺交換をしネットワークをつくり、取引を行うことができる。参加者は出版社、代理店、書店、図書館、学術研究機関、作家、イラストレーター、翻訳者、映画製作会社、出版協会、印刷業者、古書販売店、ソフトウェア制作・販売業者など多数の業種にわたる。

2004年には92の国から12,000人のジャーナリストが来場しフェアの報道を行ったほか、6.691の展示業者、79カ国のブース展示、180,000人の取引来場者があった。

開会式には欧州連合やドイツはじめ各国の政治家や文学者、芸術家が式典に参加する。また1988年から毎年(それ以前にも隔年などで不定期に)テーマ国が決められており、その国の文学者・出版社が参加するシンポジウム、文化紹介イベント、展覧会などが開催される。例えば2004年アラブ諸国2005年は「ドイツにおける韓国年」にちなみ大韓民国が、2006年は経済発展の著しいインドがテーマ国となった。2007年カタルーニャの文化がテーマとなっている。2008年のテーマ国はトルコ2009年のテーマ国は中国

会期中には市内のパウルス教会ドイツ・ブックトレード平和賞Friedenspreis des Deutschen Buchhandels)が開催され、世界の傑出した小説家・学者・著述家・芸術家らから委員会が毎年一名を選出し、ドイツ連邦大統領から授賞される。「ドイツ児童文学賞」や「ドイツ書籍賞」の授賞式もこの会期中に行われている。

ドイツ系児童文学ブース、日系出版社ブースにおいて、マンガが展示されることから、マンガファンも多数訪れている。同会場では、「ドイツ・コスプレ・マイスターシャフト」(de:Deutsche Cosplaymeisterschaft)の最終決勝戦も開催されている。

歴史[編集]

1573年のフランクフルト書籍見本市のカタログ

フランクフルト・ブックフェアは500年以上の歴史を有する見本市である。15世紀半ばにヨハネス・グーテンベルクマインツ活版印刷を発明したさほど経たない時期に、すぐ近くのフランクフルトで地元の書籍商らによって最初の本の市が開かれた。

この市は17世紀末までヨーロッパでもっとも重要な本の見本市となってきた。しかし、神聖ローマ帝国が出版の中心地フランクフルトに反カトリック的書物に対する検閲機関(Kaiserliche Bücherkommission)を置き、出版への統制を強めたため、統制を嫌った出版業者はフランクフルトから検閲の緩いザクセン選帝侯領ライプツィヒへと続々と移転していった。18世紀啓蒙時代にはライプツィヒの書籍見本市がフランクフルト書籍見本市の地位を奪った。

第二次世界大戦後、1949年にパウルス教会で戦後最初の書籍見本市が再開された。その後、出版都市ライプツィヒが東ドイツ側になったこともあり、西ドイツ側のフランクフルトがヨーロッパ最大の書籍見本市の地位に返り咲いている。

ドイツ・ブックトレード平和賞[編集]

受賞者 国籍
1950年 Max Tau ノルウェーの旗 ノルウェー
1951年 アルベルト・シュバイツァー フランスの旗 フランス
1952年 Romano Guardini ドイツの旗 ドイツ
1953年 マルティン・ブーバー イスラエルの旗 イスラエル
1954年 Carl Jacob Burckhardt スイスの旗 スイス
1955年 ヘルマン・ヘッセ ドイツの旗 ドイツ
1956年 Reinhold Schneider ドイツの旗 ドイツ
1957年 ソーントン・ワイルダー アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
1958年 カール・ヤスパース ドイツの旗 ドイツ
1959年 テオドール・ホイス ドイツの旗 ドイツ
1960年 ヴィクター・ゴランツ イギリスの旗 イギリス
1961年 サルヴパッリー・ラーダークリシュナン インドの旗 インド
1962年 パウル・ティリッヒ アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
1963年 カール・フリードリヒ・フォン・ヴァイツゼッカー ドイツの旗 ドイツ
1964年 ガブリエル・マルセル フランスの旗 フランス
1965年 ネリー・ザックス ドイツの旗 ドイツ
1966年 Augustin Bea
W. A. Visser 't Hooft
ドイツの旗 ドイツ
オランダの旗 オランダ
1967年 エルンスト・ブロッホ ドイツの旗 ドイツ
1968年 レオポール・セダール・サンゴール セネガルの旗 セネガル
1969年 Alexander Mitscherlich ドイツの旗 ドイツ
1970年 アルバ・ライマル・ミュルダール
グンナー・ミュルダール
スウェーデンの旗 スウェーデン
スウェーデンの旗 スウェーデン
1971年 Marion Gräfin Dönhoff ドイツの旗 ドイツ
1972年 ヤヌシュ・コルチャック ポーランドの旗 ポーランド
1973年 ローマクラブ スイスの旗 スイス
1974年 ブラザー・ロジェテゼ共同体 スイスの旗 スイス
1975年 Alfred Grosser ドイツの旗 ドイツ
1976年 マックス・フリッシュ スイスの旗 スイス
1977年 レシェク・コワコフスキ ポーランドの旗 ポーランド
1978年 アストリッド・リンドグレーン スウェーデンの旗 スウェーデン
1979年 ユーディ・メニューイン アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
1980年 Ernesto Cardenal ニカラグアの旗 ニカラグア
1981年 Lev Kopelev ソビエト連邦の旗 ソビエト連邦
1982年 ジョージ・ケナン アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
1983年 Manès Sperber オーストリアの旗 オーストリア
1984年 オクタビオ・パス メキシコの旗 メキシコ
1985年 Teddy Kollek イスラエルの旗 イスラエル
1986年 ヴワディスワフ・バルトシェフスキ ポーランドの旗 ポーランド
1987年 ハンス・ヨナス ドイツの旗 ドイツ
1988年 ジークフリート・レンツ ドイツの旗 ドイツ
1989年 ヴァーツラフ・ハヴェル チェコスロバキアの旗 チェコスロバキア
1990年 Karl Dedecius ドイツの旗 ドイツ
1991年 György Konrád ハンガリーの旗 ハンガリー
1992年 アモス・オズ イスラエルの旗 イスラエル
1993年 Friedrich Schorlemmer ドイツの旗 ドイツ
1994年 Jorge Semprún スペインの旗 スペイン
1995年 Annemarie Schimmel ドイツの旗 ドイツ
1996年 マリオ・バルガス・リョサ ペルーの旗 ペルー
1997年 ヤシャル・ケマル トルコの旗 トルコ
1998年 マルティン・ヴァルザー ドイツの旗 ドイツ
1999年 Fritz Stern アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
2000年 アシア・ジェバール アルジェリアの旗 アルジェリア
2001年 ユルゲン・ハーバーマス ドイツの旗 ドイツ
2002年 チヌア・アチェベ ナイジェリアの旗 ナイジェリア
2003年 スーザン・ソンタグ アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
2004年 エステルハージ・ペーテル ハンガリーの旗 ハンガリー
2005年 オルハン・パムク トルコの旗 トルコ
2006年 Wolf Lepenies ドイツの旗 ドイツ
2007年 Saul Friedländer イスラエルの旗 イスラエル
2008年 アンゼルム・キーファー ドイツの旗 ドイツ
2009年 クラウディオ・マグリス イタリアの旗 イタリア
2010年 デイヴィッド・グロスマン イスラエルの旗 イスラエル
2011年 Boualem Sansal アルジェリアの旗 アルジェリア
2012年 廖亦武 中華人民共和国の旗 中国
2013年 スヴェトラーナ・アレクシエーヴィッチ ベラルーシの旗 ベラルーシ
2014年 Jaron Lanier アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国

外部リンク[編集]

関連項目[編集]