三菱・デリカスペースギア

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三菱・デリカスペースギア
スペースギア(前期型4WDスーパーエクシード)
Mitsubishi Delica Space Gear 4WD-early.jpg
スペースギア(後期型2WDロング)
Spacegear-fedex.jpg
スペースギア(千葉県柏市消防局仕様)
Kashiwa-DELICA.jpg
販売期間 1994年 - 2007年
乗車定員 7-8人
ボディタイプ 4ドアミニバン
エンジン ・4D56 2.5L 直列4気筒SOHCICターボディーゼル
・4M40 2.8L 直列4気筒SOHCICターボディーゼル(機械式)
・4M40 2.8L 直列4気筒SOHCICターボディーゼル(電制式)
・4G64 2.4L 直列4気筒SOHC16バルブ
・6G72 3.0L V型6気筒SOHC24バルブ
最高出力 ・2.5L 105PS/4,200rpm
・2.8L 125PS/4,000rpm(機械式)
・2.8L 140PS/4,000rpm(電制式)
・2.4L 145PS/5,500rpm
・3.0L 185PS/5,500rpm
最大トルク ・2.5L 24.5kg・m/2,000rpm
・2.8L 30.0kg・m/2,000rpm(機械式)
・2.8L 32.0kg・m/2,000rpm(電制式)
・2.4L 21.0kg・m/2,750rpm
・3.0L 27.0kg・m/4,500rpm
変速機 4AT/5MT
駆動方式 スーパーセレクト4WD
サスペンション ・F ダブルウィッシュボーン式トーションバースプリング
・R 5リンク式コイルスプリング
全長 4,685-5,085mm
全幅 1,695mm(ヴィーナス除く)
全高 1,960-2,070mm
ホイールベース 2,800-3,000mm
車両重量 1,970-2,290kg
別名 L400
先代 三菱・デリカスターワゴン
後継 三菱・デリカD:5
-自動車のスペック表-

デリカ スペースギアDELICA SPACE GEAR)は、かつてスーパー・プレジャー・RVをコンセプトに三菱自動車工業が開発・製造・販売していたミニバン型オフロード4駆の自動車である。通称はスペースギアスペギアスペギSG

概要[編集]

  •  2代目パジェロをベースに開発され、前面衝突の安全性を考慮した日本初のフロントエンジンのトールワゴン[1]であり、現在のミニバンというジャンルを切り開いた車である。パジェロ譲りのスーパーセレクト4WD足回りが搭載され、他のトールワゴンでは類を見ない悪路走破性でアウトドア派には特に人気があった。フレームはパジェロのラダーフレームをベースにモノコックを融合させ、高いボディ剛性と室内のフラットフロアを可能としたが、室内高を稼いだために最も背の高いトールワゴンとなった。

シャーシ・ボディ[編集]

  •  パジェロのフレームを用いたビルトインフレーム構造で、ラダーフレームとモノコックボディを一体化させたものである。トラックや本格オフロード4駆では定番のラダーフレームで剛性を持たせ、モノコックボディでクラッシャブル構造を持たせるという考えであった。後継車のデリカD:5にもビルトインフレーム構造が用いられている。
  •  ボディサイズは標準とロング、ルーフ形状はエアロルーフ(室内高1205mm:標準ボディ)とハイルーフ(室内高1,300mm:標準ボディ)の2種に加え、エアロルーフにはツインサンルーフ、ハイルーフにはクリスタルライトルーフ[2]と呼ばれるサンルーフ付車も設定された。ホイールベースが20cm、ボディが40cm長いロングボディも設定された。

エンジン[編集]

  •  V6-3.0Lガソリン(6G72型)、2.8Lインタークーラーターボディーゼル(4M40型)、直4-2.4Lガソリン(4G64型)、2.5Lインタークーラーターボディーゼル(4D56型)の計4種のエンジンラインアップがあった。特に6G72型と4M40型へ人気が集中する形となったが、6G72型は同社スポーツカーのGTOや、同社上級グレードカーのディアマンテ系のエンジンで、性能と信頼性はともに高かった。パジェロ譲りの4M40型は、4M40型に対して小型のタービンを搭載することにより2,000rpmで最大トルクを発生し、街中でのゴー・ストップやクロカン・オフロード走行に適していた。マイナーチェンジ後の後期モデルでは4M40型に改良が施され、機械式から電子制御式の燃料噴射となった。このことで高速走行時の力強さや不完全燃焼の改善となった。
  •  主流であった6G72型と4M40型のAT車では、3モードELC前進4段フルオートマチックトランスミッションが用いられた。通常走行での変速ショックを抑え滑らかな動きの変速装置である。パワーモード、ノーマルモード、ホールドモードの3モードがあり、走行状況に適した変速タイミングを任意で選択できた。マイナーチェンジ後の後期型ではINVECS-IIが搭載され、ドライバーのアクセルの踏み方により、ベストな変速タイミングを学習するものである。必然的に加速性能や燃費の向上を図るシステムである。マイナーチェンジ後はパワーモードは廃止された。

サスペンション[編集]

  •  パジェロ譲りの足回りで、フロントにはダブルウィッシュボーン、リアには5リンク式コイルスプリング[3]を用いた。このサスペンション構成で、外観からは想像できない横風安定性を実現したとされる。ダブルウィッシュボーンを用いることで、オンロードやダートでの路面追従性を高め、リアに5リンク式コイルスプリングを用いることで、モーグルなどオフロード走行では車軸式ならではのストローク量を稼ぎつつ、5リンク式でダブルウィッシュボーンに近い繊細な動きを求めたと言える。近年の自動車は、生産コストを下げるサスペンション作りが主流であるが、スペースギアはコストの掛かるサスペンションであったことが分かる。
  •  ファジィ電子制御サスペンションECSの設定があった。この種のサスペンションは一般的にアクティブサスペンションと呼ばれることが多い。ファジィ電子制御サスペンションECSでは、上下Gセンサー、スロットルポジションセンサー、車速センサー、舵角速度センサーが主なセンサーであり、加減速時のノーズダイブやテールダイブ、コーナリング時のロールの抑制。路面が荒れている時などの上下Gを感知しファジィ推論して減衰力をコントロールするというサスペンションである。ノーマルモードとスポーツモードの2段階があり、ノーマルモードはソフト~ハードまで、スポーツモードはミディアム~ハードまでのセッティングであった。

四輪駆動システム[編集]

  •  先代スターワゴンと同様にサブトランスファーを持ち、パジェロ譲りのスーパーセレクト4WDが搭載された。レバー1つで、経済的な2輪駆動、走行安定性を高める4輪駆動、悪路走行のためのセンターデフロック・ハイ、センターデフロック・ローと4段階の選択をできるものである。他の4WDは乾燥路や雨天走行の出来ない直結4WDか、悪路走行のできないフルタイム4WDであったため、これらを両立した先進的なシステムであった。

歴史[編集]

1994年5月12日
1995年2月
  •  特別仕様車「ジャスパー」を発売。2.8L ICターボディーゼル(エアロルーフ=EXCEED-I/ハイルーフ=EXCEED-II)をベースに春・夏シーズン用に、 特にオートキャンプ等のフィールドレジャー用に適した内外装、機能を充実させ、ボディー色にピレネーブラック/カイザーシルバーを設定した特別仕様車である。
1995年5月
  •  特別仕様車「グリーンフィールド」を発売。2.8L ICターボディーゼル(エアロルーフ=EXCEED-I/ハイルーフ=EXCEED-II)をベースにサマーレジャーシーズン向用に、アウトドアレジャー用の装備を採用し、ボディー色にアストリアグリーン/ラガーディアンシルバーを設定した特別仕様車である。
1996年9月
  •  特別仕様車「シャモニー」を発売。スペースギア4WD 2.8L ICターボディーゼルXG(エアロルーフ/ハイルーフ)をベースにスキーキャリア、 ラゲッジトレーなどウィンターシーズン用の装備を採用し、ボディー色にムーンライトブルー/ラガーディアンシルバーを設定した特別仕様車である。
1997年1月
  •  特別仕様車「ジャスパー」を発売。2.8L ICターボディーゼルXG(エアロルーフ/ハイルーフ)をベースに、アウトドアレジャーを楽しむユーザー用に最適な装備を装備し、内外装・機能を充実させた。エクステリアには、225/80R15タイヤ、15インチアルミホイール、カラーバンパー、フロントグリルガード(クロムメッキ)&フロントグリルガードパッド、ベースキャリア+スタイルドルーフアタッチメント、マルチモードABS、リヤアンダーガード&ガードバー、寒冷地仕様、専用ボディストライプ、大型フォグランプなど。インテリアでは、3連メーター(傾斜、外気温、電圧)、AM/FMフルロジックカセットステレオ&6スピーカー、キーレスエントリーシステム、プライバシーガラス、専用シート生地(刺繍文字入り)など多彩な装備を採用。
1997年6月21日
  •  マイナーチェンジ。フェイスリフトを受け、AT車全車はファジィ電子制御のINVECS-IIに進化。4WD車では特徴的なグリルガード風のアクセサリーがなくなり、フォグランプの装着位置が変わった。4WD車の後席への乗り降りのしづらさが指摘されていたため、電動サイドステップをスライドドアに採用。4WDのガソリン車はV6-3.0Lガソリンに集約し2.8Lインタークーラーターボディーゼルは燃料噴射を電子制御化して140馬力にパワーアップ。
1997年9月
  •  特別仕様車「シャモニー」を発売。2.8L ICターボディーゼルに加え、新たにV6 3Lガソリン仕様を追加。ボディー色に、ピレネーブラック/シンフォニックシルバーの専用2トーン。専用大型サイドストライプを装備し、テールゲートに「CHAMONIX」のデカール、メッキタイプ「DELICA」マーク、アルミホイール+225/80 R15タイヤ(スペアタイヤを含む)を装備。リヤサイドとリヤクォーターウインドにハーフミラータイプのプライバシーガラス、サイドステップ、リヤアンダーガードをメッキに、ビルトインツインフォグランプ、フォグランプストーンガード(メッキ)、フロントアンダーガード、スキッドプレートを装備した。
1998年6月
  •  2WD車の販売対策の一環として8人乗りXRにエアロパーツを装備した「ヴィーナス」を追加。
1999年6月
  •  両側スライドドア装着車を追加と同時に4WDにも「ヴィーナス」を追加。車種整理で4WDのMT車/2WDのディーゼル車の廃止。スキーヤー向けの特別仕様車であった4WDのシャモニーがこれまでのエクシードとXRを統合する形でカタログモデルに昇格。
2002年8月
  •  ディーゼルエンジン搭載車・2WD車を廃止し、平成12年排出ガス規制が施されたV6・3Lガソリンの4WD車に集中。
2005年10月
  •  ロングボディ車が廃止され、標準ボディのスーパーエクシード・シャモニー・特別仕様車のアクティブフィールドエディションのみに整理。
2006年11月
  •  生産終了。後継は、デリカD:5。モデルライフも12年8ヶ月と今日の国産乗用車としては異例の長寿モデルだった。

特装車・限定仕様車[編集]

  •  2WDモデルが販売されていた頃は幼稚園バス仕様や冷凍車なども販売された。また10人乗り・Gをベースに後部座席をヘッドレスト付きリクライニングシートに変更したジャンボタクシー仕様の「ワゴンテン」も特装モデルとしてラインナップされていた。
  •  ヴィーナスという名称でエアロパーツを装着したモデルも販売された。フロントエアダム、フロント&リヤブリスターフェンダー、サイドエアダム、リヤアンダースポイラー、マフラーカッターを装着していた。
  •  ネストという名称で簡易キャンパー仕様のモデルも販売された。シート生地と同素材を使用した収納式2段ベッドを搭載。(就寝定員は大人2名と子供3名)2,200kcal/h(≒9.2MJ≒25.6kWh)のカセットコンロ、給排水各10リットルのタンクを装備した流し台を搭載。すべての窓を覆うプライバシーカーテンとスライドドア、バックドアに防虫のために取り付けるモスキートネットセットを専用オプションとして設定していた。
  •  スターワゴン時代からの冬季限定車でのちに常設グレードに昇格した「シャモニー」に対応するように、夏期限定車に「ジャスパー」が設定され、同様の限定車に「グリーンフィールド」もあった。マイナーチェンジ後ではお買い得感から限定車が大半を占めた。

備考[編集]

  •  海外での名称は国や地域によって異なり、L400、スペースギア、スターワゴンなど。
  •  韓国現代自動車が生産販売している「スタレックス」のベース車となっている。現代自動車ではトラック仕様の「リベロ」もラインナップされている。
  •  フィリピンでは現在も生産されているが、東南アジア仕様は日本仕様とは前後ライトの意匠が若干違う。

車名の由来[編集]

  •  スペースギアは、英語の「車内空間の活用性に富んだ車」という意味。類似するネーミングでは同社が発売する一部のSUV・ステーションワゴンなどなどに設定されているスポーツギアがある。
  •  特別仕様車「シャモニー」はシャモニーに、「ジャスパー」はジャスパー国立公園に由来。

脚注[編集]

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  1. ^ トールワゴンはキャブオーバーが主流であった
  2. ^ 大面積サンルーフ付きのハイルーフ
  3. ^ 車軸式を5リンク化したサス
  4. ^ ただし、スターワゴンも1999年まで併売された。

参考文献[編集]

  •  フォーバイフォーマガジン増刊「デリカスペースギア特集号」

関連項目[編集]

外部リンク[編集]