アレクサンドル・グロタンディーク

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アレクサンドル・グロタンディーク
アレクサンドル・グロタンディーク

アレクサンドル・グロタンディーク(Alexander Grothendieck, 1928年3月28日 - )は主にフランスで活躍している(または「していた」)、ドイツ出身のユダヤ系フランス人の数学者である。父親はロシアで無政府主義革命を起こそうとし処刑された著名で英雄的なアナキストとされる。母親はハンカ・グロタンディークという名のドイツ系ジャーナリストである。日本の数学界では彼は「グロタンディク」、「グロタンディック」、「グロタンディエク」、「グロタンディエック」、「グロテンディーク」、「グローテーンディーク」などと表記されている。

主要な業績にスキームの考案による代数幾何学の大幅な書き直し、l-進コホモロジー(エタール・コホモロジー)、クリスタリンヌ・コホモロジーの発見によるヴュイユ予想への貢献、モチーフおよびモチヴィック・ガロア群の考察、遠アーベル幾何学の提唱、子供のデッサン(Dessins d'enfants)の考察等、基本的かつ深い洞察から多くの新たなる分野を開拓した。他降下理論グロタンディーク群によるK理論への貢献、トポスの理論、アーベル圏によるホモロジー代数の統合、ガロア圏および淡中圏によるガロア理論の一般化などの業績がある。またドリーニュイリュージーベルテロ等多くの有名な数学者を育てた。数論幾何という用語を提案したのもグロタンディークである。

目次

[編集] 略歴

母親と共にフランスの収容所で終戦を迎え、モンペリエ大学を卒業後、ナンシー大学に移りデュドネのもとで研究を始めた。初期の業績に関数解析学に関する研究がある。その後、セールらの影響から彼の関心は代数幾何学へ移り、1950年代後半からのスキーム論による代数幾何学の書き換え、ホモロジー代数圏論などへの貢献はそれぞれの分野だけでなく数学全体に決定的な影響を与えた。ヴェイユ予想の解決を目標と定め、そのために代数幾何を根底から書き直し、「代数幾何原論(Éléments de Géomtrie Algébrique, ÉGA)」をエウクレイデスの「原論」と同様に13巻刊行しようとした。しかし1巻から4巻まで約1500ページのみが書かれ、5巻以降は未完成。13巻までの内容は弟子たちとともに行われた「マリーの森の代数幾何セミナー (SGA)」という書物となって刊行されている。(1巻から7巻まであり、約6500ページである)。Weil予想に最も貢献したのはGrothendieckの発見した新しいコホモロジー、「エタール・コホモロジー(Cohomologie étale)」であり、Cohomologie l-adique, Cohomologie cristallineなど新しいコホモロジー論を発見。また、Faltings によるMordell予想の解決もGrothendieckのスキーム論を使ったものであった。彼の業績は、数論、代数幾何、位相幾何を統合するものだと評される。ヴェイユ予想そのものは、グロタンディークが切り開いた道具立てを用い、弟子のピエール・ルネ・ドリーニュにより未解決の二つが解決された。ジャン・デュドネとともにIHÉSを設立。1966年フィールズ賞、1988年にクラフォード賞を受賞。

反戦運動と環境問題に熱心だったことから、1970年頃にIHÉSに軍からの資金援助があることを知ると、彼は即座にIHÉSを辞職。その後は、数学から距離を置いた隠遁生活を送るようになった。1988年に彼とドリーニュに対して Crafoord Prize が与えられたが、彼は受賞を固辞した。1991年に彼は家族のもとを去り、その後ピレネー山脈で隠遁生活をしていると思われる。2003年8月現在、「グロタンディークは元気だが、あいかわらずだれにも会いたがらない」と伝えられている[1]

[編集] 12テーマ

Récoltes et Semaillesにおいてグロタンディークは研究すべき12テーマをあげている。

  1. 位相的テンソル核核型空間
  2. "連続"と"離散"の双対性 (導来圏と六つの演算)
  3. グロタンディーク‐リーマン・ロッホの定理の一般化 (K-理論、交叉理論との関係)
  4. スキーム
  5. トポス
  6. l-進エタール・コホモロジー
  7. モチーフモチヴィック・ガロア群
  8. クリスタルとクリスタリンヌ・コホモロジー
  9. トポロジー代数、∞-スタック、"デリヴァトゥール"("dérivateurs") (新しいホモトピーによるトポスのコホモロジーによる定式化)
  10. 穏和トポロジー
  11. 遠アーベル幾何学、ガロア・タイヒミュラー理論
  12. 正多面体と正規配位図形のスキーム的、数論的な観点からの研究

[編集] 著作

  • Éléments de Géométrie Algébrique,1960-67
  • Séminaire de Géométrie Algébrique
  • La Longue Marche à Travers la Théorie de Galois,1981
  • Esquisse d'un Programme
  • Les Dérivateurs
  • Récoltes et Semailles,1983-1985

[編集] 翻訳書

[編集] 参照

  1. ^ 山下純一『グロタンディーク 数学を超えて』日本評論社2003年ISBN 4-535-78394-2、173頁参照。

[編集] 参考文献

[編集] 関連項目

[編集] 外部リンク