アレクサンドル・グロタンディーク

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アレクサンドル・グロタンディーク
Alexander Grothendieck
人物情報
生誕 1928年3月28日(86歳)
ドイツの旗 ドイツベルリン
居住 フランスの旗 フランスピレネー山脈(推定)
国籍 無国籍
出身校 モンペリエ大学
ナンシー大学
学問
研究分野 数学
研究機関 IHÉS
博士課程
指導教員
ローラン・シュワルツ
博士課程
指導学生
Pierre Berthelot
ピエール・ドリーニュ
Michel Demazure
Jean Giraud
Luc Illusie
Michel Raynaud
Jean-Louis Verdier
主な業績 関数解析学数論代数幾何学
主な受賞歴 フィールズ賞1966年
クラフォード賞1988年、辞退)
プロジェクト:人物伝
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アレクサンドル・グロタンディークAlexander Grothendieck, 1928年3月28日 - )は主にフランスで活躍している(または「していた」)、ドイツ出身のユダヤ系フランス人の数学者である。

父親はロシアで無政府主義革命を起こそうとし処刑された著名で英雄的なアナキストとされる[1]。母親はハンカ・グロタンディークという名のドイツ系ジャーナリストである[2]。日本の数学界では彼は「グロタンディク」、「グロタンディック」、「グロタンディエク」、「グロタンディエック」、「グロテンディーク」、「グローテーンディーク」などと表記されている[3]

業績[編集]

主要な業績にスキームの考案による代数幾何学の大幅な書き直し、l-進コホモロジー(エタール・コホモロジー)、クリスタリンヌ・コホモロジーの発見によるヴェイユ予想への貢献、モチーフおよびモチヴィック・ガロア群の考察、遠アーベル幾何学の提唱、子供のデッサン(Dessins d'enfants)の考察等、基本的かつ深い洞察から多くの新たなる分野を開拓した。他降下理論グロタンディーク群によるK理論への貢献、トポスの理論、アーベル圏によるホモロジー代数の統合、ガロア圏および淡中圏によるガロア理論の一般化などの業績がある。またドリーニュイリュージーベルテロ等多くの有名な数学者を育てた。数論幾何という用語を提案したのもグロタンディークである。

略歴[編集]

母親と共にフランスの収容所で終戦を迎え、モンペリエ大学を卒業後、ナンシー大学に移りデュドネのもとで研究を始めた。初期の業績に関数解析学に関する研究がある。その後、セールらの影響から彼の関心は代数幾何学へ移り、1950年代後半からのスキーム論による代数幾何学の書き換え、ホモロジー代数圏論などへの貢献はそれぞれの分野だけでなく数学全体に決定的な影響を与えた。ヴェイユ予想の解決を目標と定め、そのために代数幾何を根底から書き直し、「代数幾何原論(Éléments de Géométrie Algébrique, ÉGA)」をエウクレイデスの「原論」と同様に13巻刊行しようとした。しかし1巻から4巻まで約1500ページのみが書かれ、5巻以降は未完成。13巻までの内容は弟子たちとともに行われた「マリーの森の代数幾何セミナー (SGA)」という書物となって刊行されている。(1巻から7巻まであり、約6500ページである)。Weil予想に最も貢献したのはGrothendieckの発見した新しいコホモロジー、「エタール・コホモロジー(Cohomologie étale)」であり、Cohomologie l-adique, Cohomologie cristallineなど新しいコホモロジー論を発見。また、Faltings によるMordell予想の解決もGrothendieckのスキーム論を使ったものであった。彼の業績は、数論、代数幾何、位相幾何を統合するものだと評される。ヴェイユ予想そのものは、グロタンディークが切り開いた道具立てを用い、弟子のピエール・ルネ・ドリーニュにより未解決の二つが解決された。ジャン・デュドネとともにIHÉSの最初のパーマネントの数学の教授に選ばれる。1966年フィールズ賞、1988年にクラフォード賞を受賞。

反戦運動と環境問題に熱心だったことから、1970年頃にIHÉSに軍からの資金援助があることを知ると、彼は即座にIHÉSを辞職。その後は、数学から距離を置いた隠遁生活を送るようになった。1985年には自伝的作品"Récoltes et semailles"を執筆しており、これは邦訳が1993年に出版されている(邦題は「収穫と蒔いた種と」)。1988年に彼とドリーニュに対して Crafoord Prize が与えられたが、彼は受賞を固辞した。1991年に彼は家族のもとを去り、その後ピレネー山脈で隠遁生活をしていると思われる。2003年8月現在、「グロタンディークは元気だが、あいかわらずだれにも会いたがらない」と伝えられている[4]

2010年1月、グロタンディークはリュック・イリュージーに手紙を書き、許諾のないすべての著作を削除する依頼をした。 これを受けて、多くのインターネットコンテンツが削除された[5]

12テーマ[編集]

Récoltes et Semaillesにおいてグロタンディークは研究すべき12テーマをあげている。

  1. 位相的テンソル核核型空間
  2. "連続"と"離散"の双対性 (導来圏と六つの演算)
  3. グロタンディーク‐リーマン・ロッホの定理の一般化 (K-理論、交叉理論との関係)
  4. スキーム
  5. トポス
  6. l-進エタール・コホモロジー
  7. モチーフモチヴィック・ガロア群
  8. クリスタルとクリスタリンヌ・コホモロジー
  9. トポロジー代数、∞-、"デリヴァトゥール"("dérivateurs") (新しいホモトピーによるトポスのコホモロジーによる定式化)
  10. 穏和トポロジー
  11. 遠アーベル幾何学、ガロア・タイヒミュラー理論
  12. 正多面体と正規配位図形のスキーム的、数論的な観点からの研究

著作[編集]

  • Éléments de Géométrie Algébrique,1960-67
  • Séminaire de Géométrie Algébrique
  • La Longue Marche à Travers la Théorie de Galois,1981
  • Esquisse d'un Programme
  • Les Dérivateurs
  • Récoltes et Semailles,1983-1985

翻訳書[編集]

  • アレクサンドル・グロタンディーク 『数学者の孤独な冒険―数学と自己の発見への旅』 辻雄一訳、現代数学社1989年ISBN 4-7687-0191-4
  • アレクサンドル・グロタンディーク 『数学と裸の王様―ある夢と数学の埋葬』 辻雄一訳、現代数学社、1990年ISBN 4-7687-0192-2
  • アレクサンドル・グロタンディーク 『ある夢と数学の埋葬―インヤンの鍵』 辻雄一訳、現代数学社、1993年ISBN 4-7687-0186-8

脚注[編集]

  1. ^ 山下(2003), pp.12-13.
  2. ^ 山下(2003), p.11.
  3. ^ 山下(2003), pp.9-10.
  4. ^ 山下(2003), p.173.
  5. ^ Grothendieck’s letter” (2010年2月9日). 2011年6月12日閲覧。

参考文献[編集]

関連項目[編集]

外部リンク[編集]