K理論

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数学における K-理論(Kりろん、: K-theory)は、位相空間またはスキーム上で定義されたベクトル束によって生成される環の研究に端を発する。代数的位相幾何学における K-理論は位相的 K-理論と呼ばれるある種の超常コホモロジー論英語版であり、代数学および代数幾何学における K-理論は代数的 K-理論と呼ばれる。また K-理論は作用素環論においてもいくらか応用を持つ。K-理論とは、K-函手の族の構成を導くことであり、それが持つ情報は有用だがそれを計算するのは困難であることが多い。

物理学において、K-理論、特に捻られた K-理論英語版は、D-ブレーンラモン-ラモン場の強度英語版および一般化された複素多様体上のスピノルを分類すると予想されているII-型弦理論に現れる。詳細はK理論 (物理学)英語版の項を参照。

黎明期[編集]

この主題は グロタンディーク-リーマンロッホの定理英語版を定式化するのにこれを用いた Grothendieck (1957) に始まるということができる。名称は「類」を意味するドイツ語 "Klasse" の頭文字をとったものである[1]。グロタンディークは代数多様体 X 上の連接をうまく扱う必要に駆られて、層それ自体を扱うのではなくて、層(の同型類)たちを生成系とし、それらの和を備える二つの層の任意の拡大を同一視する基本関係によって一つの群を定義した。こうして得られた群は、局所自由層のみを用いて考えるときは K(X), 任意の連接層を用いるときは G(X) と書き、何れもグロタンディーク群と呼ばれる。K(X) はコホモロジー的、G(X) はホモロジー的に振る舞う。

X が滑らかな代数多様体のとき、この二つのグロタンディーク群は一致する。X が滑らかなアフィン代数多様体ならば、局所自由層の任意の拡大は分裂するから、別な仕方でグロタンディーク群を定めることもできる。

位相幾何学において、ベクトル束に同じ構成を適用することにより、Atiyah & Hirzebruch (1959)位相空間 X に対する K(X) を定義し、ボット周期性定理を用いてある超常コホモロジー論の基底を与えた。これは指数定理の別証明 (circa 1962) において重要な役割を果たす。さらにこのアプローチはC*-環に対する非可換 K-理論を導く。

1955年にはすでにジャン=ピエール・セールは、ベクトル束のアナロジーとして射影加群を用いて「多項式環上の任意の有限生成射影加群が自由加群である」ことを言うセール予想を定式化していたが、これが肯定的に解かれたのは20年を経た後のことであった(スワンの定理は個のアナロジーの別の側面である)。1959年にセールは、環に対するグロタンディーク群を定式化して、それを用いてセール予想の弱い形に関しては証明しており、この応用を以って代数的 K-理論の始まりの一つとなった。

理論の展開[編集]

代数的 K-理論の他の歴史的な起源はホワイトヘッドらによる業績で、後にホワイトヘッドねじれ英語版と呼ばれるようになるものに関するものである。

その後「高次 K-理論函手」の断片的な定義がさまざまに提唱されてほどなく、最終的にダニエル・キレンによって1969年と1972年にホモトピー論を用いた互いに同値な二つの有力な定義が与えられた。また、擬同位 (pseudo-isotopy) の研究とも関連する「空間の代数的 K-理論」を調べるための変種がフリードヘルム・ヴァルトハウゼンによっても与えられた。より現代的な高次 K-理論の研究は、代数幾何学およびモチーフ的コホモロジー英語版と関連する。

付帯二次形式を伴う対応する構成は一般にL-理論英語版と名付けられ、手術論英語版の主な道具立てとなっている。

弦理論においてラモン-ラモン場の強度や安定 D-ブレーンK-理論分類が初めて提唱されたのは1997年のことである[2]

注釈[編集]

参考文献[編集]

関連項目[編集]

外部リンク[編集]