プロジェクト:数学

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まず最初に、心に留めておくべき重要な注意事項をひとつ:

数人のウィキペディアンが数学関連の記事でどんな風にデータを整理するかについての提案をするために集まりました。これらは単なる提案であって、記事を書く際の迷いを取り除いて先に進めるようにするためのもので、これに従う義務があるというものではありません。ただ、もしも何を書いていいか、どこから手をつけていいかわからない、といった状態にいる場合には、以下のガイドラインは助けになるかも知れません。つまるところ、われわれはあなたにぜひ記事を書いていただきたいと考えています!

プロジェクト名[編集]

ウィキプロジェクト 数学

範囲[編集]

このプロジェクトの主な目的は、数学、物理学、計算機科学、ならびに他の諸分野における数学的な記述に関する環境を整えることにあります。

このウィキプロジェクトの具体的な目標は:

  • 数学関連の記事の「骨組み」になるようなスタンダード・フォーマット(テンプレート)の提供。
  • 記事の執筆者のための役に立つリンク集の提供
  • ウィキペディアのこの分野の諸問題に関する議論をするための場所の提供
  • ウィキ版の HTML/TeX を用いた数学記述の方式に関する基準の提供

プロジェクトの位置づけ[編集]

  • 上位プロジェクトは今のところありません。
  • 下位プロジェクトは今のところありません。

隣接プロジェクト

数学記事の構造として提案されているもの[編集]

たいていの場合にうまくいっていると考えられる構成を以下に説明します。強制的なものではありませんが、充実した記事を書くためにどんな情報が必要かというヒントになるでしょう。細かなスタイルについてはまだ確定していません。

  • 記事の始めに導入を書く:記事の始め(目次の前)にWikipedia:スタイルマニュアル (導入部)に準拠した簡単な導入を書きます。この段落では一般的な用語で記事の主題を説明し、その用語が用いられる数学の文脈についてはっきりさせます。項目名はボールド体で、そのあとによみがなと英語表記を括弧の中に入れて続けます。例えば:
位相幾何学やそれと関連する数学の諸分野における連続写像(れんぞくしゃぞう、continuous mapping)とは位相空間の間の写像のうちで、より近くにある点同士はより近くなるようにに写されるようなもののことである、現代数学ではこのことが位相構造の引き戻しによって定式化される。連続写像は最も基本的なクラスの位相空間の間の対応を与えていると見なせる。
  • 厳密な定義は節を作る:数学の用語を用いた厳密な定義は、”==定義==”見出しの下に書くとよいでしょう。例えば:
ST とを位相空間とし、fS から T への写像とする。 T の任意の開集合 O について、その逆像 f -1(O) が S の開集合であるとき、f連続写像という。
記事中で必要になるけれどあえて別に記事を立てる必要がないような付随的な概念についてもここで定義するとよいでしょう。
  • 例示:幾つかの例(しばしば ==例== という見出しの下に続く)は、定義についての説明の補強であり、その概念が何故、人々に用いられるのかについての説明でもあります。また、例としてあてはまらないものを挙げるのもいいかも知れません。つまり、定義をほとんど満たすかのように見えて実のところ満たさないようなものについて説明し、読者の直感がより鋭く磨かれるようにするわけです。
  • より一般的な記号を使う:しばしば、何らかの数式を記述する必要がありますが、例えば x^n = x**n = xn だということは必ずしも誰にとっても明かではないということをお忘れなく。できれば、標準的な表記(下にリストします)を使ってみて下さい。もしも標準的なものでない表記を使う場合や、何か新しい表記法を導入する場合には、記事中で定義して下さい。
  • 応用や動機を書く:記事の主題の応用や動機についても記述するとよいでしょう。主題自体の重要性や、他の話題との関連についての理解を助けます。また、記事の主題をより一般化させて得られる概念についても触れるとよいでしょう:例えば「実数は解析学を構成する上で最も基本的な数の範疇であり、自然科学における計測を表現するためにも用いられる。また、実数における加減乗除は一般の体の構造として一般化される」などなど。
  • 歴史について書く:歴史についてのセクションがあると役に立つでしょう。これによって現代的な定式化では覆い隠されてしまうような、記事の主題が発展させられた動機や経緯について更に理解を与えることにもなります。
  • 関連項目にリンクする:最後に、既にウィキペディアの記事がかなりの量書かれているので、「関連項目」節の下にそれらへのリンクを提供するのにもよいでしょう。

考慮すべき問題[編集]

証明について[編集]

ウィキペディアは百科事典であって、数学の教科書の集まりではありません。とはいえ、何かの定理や定義の意味をより明らかにするために証明を含めたくなる時があります。証明を含めることの問題は、それが記事の説明の流れをブロックしてしまうことです。個々人の判断に任されますが、基本的なルールとしては、説明の一環になっているなら証明を含め、証明から導き出される結論が単に「以上からPは真である」になるのであれば、省略するといいでしょう。多くの読者は証明を飛ばして読みたいだろうと思われるので、証明は別のセクションにまとめるなどして分離するのはいいアイディアです。

用語・表記の曖昧さ[編集]

いくつかの用語は専門文献の中でも、分野によってあるいは著者によって異なる意味で使われます。また、いくつかの用語、表記が同じ概念を指しているということも珍しくありません。曖昧(多義的)な用語についてはウィキペディア内の既存の記事をチェックして、どんな使い方が確立されているか、(それを変更したいと思うか)について確認してみることができます。

表記揺れについては、過去に様々な議論が行われていますが、明確な合意には至っておらず、執筆者の裁量に任されているのが現状です。具体的には以下のような例があります。表記を自分の好みのものに変更するだけの編集は好ましくないものとされていますので、御注意ください。

  • 冪乗、べき乗、巾乗、累乗):power の概念を表すのに様々な表記があります。「冪」は最も正式な字と見なされていますが、読みにくいのが難点です。一方「べき」は読みやすく、他の字のような誤用の心配はありませんが、文脈によっては意味がとりづらくなることがあります。「巾」は「冪」の簡略形として使われていますが、この簡略化は数学分野独自のものであり正書法とは見なされていません。また、「羃」は「冪」の異体字なので使用を避けた方がいいでしょう。中等教育では「累乗」もよく使われていますが、高等教育や研究者による文献では、「冪級数」や「冪零」などの用語との兼ね合いから「冪/べき」が優勢のようです。
  • 線型、線形):linear の概念を表すときに線型と線形の二つの表記がありますが、どちらの表記も実際に使用されていますので気にしすぎる必要はありません。ノート:線型代数学用語一覧およびWikipedia‐ノート:ウィキプロジェクト 数学の議論も参考にしてください。準同型、同型などとの兼ね合いから、2009年現在のウィキペディアの数学記事では「線型」が主に用いられています。
  • 函数、関数):function の概念を表すのに函数と関数の二つの表記があります。本来の用法で「函数」を用いるべきとの意見や、学術用語集にしたがって「関数」を用いるべきとの意見があります。詳しくはWikipedia:ウィキプロジェクト 数学/函数と関数をご覧ください。

翻訳時の注意[編集]

他言語版からの翻訳をする場合、分野によって対応する訳語が異なる場合があることにも注意してください。例えば英語の operator は「演算子」と訳されることもあれば「作用素」と訳されることもあります。また、数学用語としての訳が確定している言葉で、一見数学用語には見えないものもあります。例えば、数学用語としての root, leaf, stalk, fiberファイバーと訳すのが普通です。どう訳したらいいか困ったときはプロジェクトの参加者に聞いてみてください。

数式を組む[編集]

数式中では、数学的対象は文字の書体によっても区別されます。変数や一般的な関数名はイタリック体で、固有の関数名などはローマン体で、実数体や複素数体はボールド体でという具合です。また、特殊な数学記号を使うこともあります。このセクションではウィキペディアでこれらを書き分ける方法について解説します。(この方針についてはノートにて議論があります。)

Wikipedia で数式を記述する方法には TeX 記法(<math>...</math>)と HTML による表現の二種類があります。TeX 記法の方が強力な表現能力を持っていますが、この方法には後述するいくつかの欠点があります。一方、簡単な数式なら(後述するように)HTML でも表現できて、テキストだけのブラウザにも向いています。そこで、HTML で表現できる場合(ローマン、ボールド、イタリック書体や、上付きか下付きのどちらか、通常の大きさの演算子記号など)にはなるべく HTML を用いるようにしてください。また文章の可読性が損なわれない範囲で、TeX を用いる必要がある数式は数式だけの行に置くようにしてください。

HTMLを利用する[編集]

TeX(<math> タグ)を利用すれば、書体はある程度自動で選択されますが、TeX を利用しない場合は書体の指定を Wiki 記法または HTML タグによって指定する必要があります。イタリック体にするには <i>...</i> タグを用いるか、強調('' つまり二つのアポストロフィー)を使います。エディットボックスで書きやすく読みやすいので後者がよく使われています。

そういうわけで、「x = (y + 2)2」は「''x'' = (''y'' + 2)<sup>2</sup>」のように書きます。丸かっこや等号やプラスがイタリックになっていないことに注意してください。

sin や cos のように固定された関数の名前についてはイタリックでなく立体を用いますが、f(x) = sin(x) cos(x) によって関数を定義するときには f をイタリックにします。他にも円周率 π などの数学定数や微分・積分における d は、通常の変数との混同を避ける目的で立体で書くことが推奨されています。

集合は普通、上の場合のように書かれ、イタリックにします;例えば、「A = {x : x > 0}」(このように表示するためには「''A'' = {''x'' : ''x'' > 0}」と記述します)

実数の集合を R とするように、いつも使われる数の集合はボールドにします;使えるタイプについてはBlackboard boldを見てください。これもまた、ボールドにするときは普通は <b>...</b> タグよりも 3 つのアポストロフ ''' を使います。他にも、ベクトルを表すためにボールドの立体またはイタリック体が利用されます。

TeX の \boldsymbol に対応して、ボールドイタリックを使う場合にはアポストロフィ 5 つで囲みます。つまり、2 つのアポストロフィで囲まれた文章を更に 3 つのアポストロフィで囲むことで、ボールド体の文章をイタリック体にすることができます。

個別の文字を Wiki 記法でイタリックやボールド体にすることは可能ですが(たとえば ''x''<sub>''i''</sub>, '''''v'''''<sup>''k''</sup>)、まとめて書体を指定できる場合には全体を囲んでしまう方が編集が容易になります(たとえば ''x<sub>i</sub>'', '''''v'''<sup>k</sup>'')。

行中の簡単な数式に対しては、<math> タグを利用して表現するよりも HTML テキストで表現することが好まれます。この HTML による数式表現を補助する目的で、いくつかのテンプレートが用意されています。代表的なものが {{math}} と {{mvar}} です。このテンプレートは、数式や変数を示す文を適切なフォントフェイスとフォントサイズで表示するために用いられ、テンプレート中の数式表現は途中で折り返されないようになります。たとえば、

{{math|1=''f''&thinsp;(''x'') = &int; e<sup>&minus;''xt''<sup>2</sup></sup>d''t''}}

と書けば f (x) = ∫ ext2dt という風に出力されます。テンプレートがない場合の出力は f (x) = ∫ ext2dt です。{{mvar}} は変数に対して、{{mvar|x}} という風に使用します。この出力は {{math|''x''}} と同じ結果 x を与えます。

その他に注意すべき点として、不等号 <, > は HTML タグの囲みと混同されないように、文字参照を利用して &lt;, &gt; と書くことが推奨されます。 また、マイナスにはハイフン - ではなく − (&minus;) を使用します。

TeXを利用する[編集]

ウィキペディアの記事中では、<math> タグを使うことで TeX の組版機能を利用して数式を表現することが出来ます;その場合、記述された数式表現は標準の設定では PNG 画像に変換されて、テキストの中に埋め込まれます。この技術についての詳細は、m:ヘルプ:数式の書き方を見てください。 使用例:

\int_0^\infty e^{-x^2}\,dx

この方法で数式を使う場合、数式を地の文の一部とすることもできますし、別行立てにすることもできます。ただし、 <math> を用いた数式表現は画像に変換される分だけ負荷が大きく、またレイアウトを壊しやすいため、基本的には重要性の高い数式のみに、別行立てで用いることが推奨されています。

数式を別行立てで表示するときには、行頭にコロンを用いることで行頭をコロンの数に応じて右寄せします(インデントします)。上記の使用例は実際には以下のように組まれています。

:<math>\int_0^\infty e^{-x^2}\,dx</math>

もし数式のレイアウトの効果のために、行頭をスペース(&nbsp;, &emsp;, &ensp; なども含む)で行頭位置を調整している記事を見つけた場合には、書き直してください。 数式が連続する記事や、主題となる重要な数式が存在する場合には、{{numBlk}} および {{equationRef}}, {{equationNote}} テンプレートの利用を検討して下さい。{{numBlk}} は数式をブロックで囲むためのテンプレートで、{{equationRef}} は数式に対するリンクのアンカー、{{equationNote}} は数式リンクの参照点を作るテンプレートです。たとえば、

{{numBlk|:|<math>\int_0^\infty e^{-x^2}\,dx</math>|{{equationRef|refName|eq.name/num}}}}

と記述すると、

\int_0^\infty e^{-x^2}\,dx

 

 

 

 

(eq.name/num)

という形で出力され、この数式は {{equationNote|refName|ここからジャンプ}} という形でリンクをつくることができます。

ここからジャンプ

自身の編集で <math> を利用したい場合には、他の利用者にどう見えるかという点に注意を払ってください。大半の利用者は、個人の環境設定の 表示 にある 数式 の項目を変更していないため、省略時設定の 常に PNG のままになっています。あなたもそのように設定する事でほかの利用者と同じように見ることができます(このページの右上の、あなたの利用者名のすぐ下のところにある“個人設定”というリンクで環境設定ができます)。

TeX による数式表記には次のような問題点があることに注意してください:

  • 数式環境中には日本語を書き込めない(\mbox\text を使ったとしても無理)。
→ 地の文や数式の横など <math> の外で可能な限り分かりやすく表現して下さい。<math> を多用することであたかも数式中に日本語やそれに準ずる文字列を書き込むことは可能ですが(たとえば \langleこの|ように!\rangle=\langleこの|\int|あんな\rangle\langleあんな|ように!\rangle)、編集者にとっても閲覧者にとっても見通しの悪い記事になってしまうので、無理をせず別の方法を検討して下さい。日常的な言葉や記事内で示されている言葉であれば、英語など <math> が変換可能な文字を使う言語で置き換えてもよいでしょう。
  • 数式部分と地の文とでフォントが異なってしまうので読みにくい(数式以外の部分のフォントは読者が自由に選べるのに対して、画像化された数式内のフォントは読者が制御できないため)。
→ 数式の行を独立させるか、テキスト形式で数式を書いて下さい(#HTMLを利用する を参照)。
  • 数式が多いと、ページのダウンロードに時間がかかってしまう(数式環境は画像データとして取り扱われる為)。
→ 些細な数式は HTML テキストで表現するか、消去して下さい。
  • サーバの不具合によって TeX で記述された部分の画像が表示されなくなることがある。
キャッシュを破棄することで問題が解決する場合があります。
  • 画像を表示できないブラウザ(lynx など)では数式が読めない(数式環境は画像データとして取り扱われる為)。
  • 「上付きの上付き」の処理に関するバグがあり、<math>a^{b^c}</math> は不正な HTML コードに変換されてしまうことがあります。
→ これを避けるため、PNG 出力を強制する \,\! をつけて <math>a^{b^c}\,\!</math> としてください。

特別な記号を使う[編集]

数学記号の表をちょっと見てみるといいかもしれません。全てのブラウザでこれらの全ての記号が正しく表示されるわけではありません;多くの人に見てもらうためには、HTML の文字参照を用いて特殊記号を使うことは控えめになった方が良いでしょう。たとえば量子力学で広く用いられるディラック定数 ℏ (&#x210F;) や山括弧 〈 〉 (&#x3008; &#x3009;), 〈 〉 (&lang; &rang;) などは環境によっては表示できません。

一般的な注意[編集]

おそらく、数学関連の記事を(実際のところどんな記事でも)執筆する際に一番難しい問題は数学の知識をどのくらい読者に期待するかでしょう。たとえば、「」について書く際に、読者が「群論」を知っていることを前提にするべきでしょうか? 一般的なアプローチは、できる限り簡単な説明から始めて、記事が進むに従ってより抽象的で一般的な命題に移っていく、というものです。

リンクは用語が最初に登場した時にだけ使って下さい。「その集合自身を要素として含むような全ての集合集合」よりも「その集合自身を要素として含むような全ての集合の集合」の方が読みやすいです。

また、新しい記事を作成する前に、ウィキペディア内に既にどんな記事が書かれているか少し調べてみるとよいでしょう。これはどんな情報が既にあり、どの程度詳細な情報を提供する必要があるかについて知る手がかりになります。記事を書くにあたって、ウィキペディアがつねに成長し続けていることを念頭においてください。そこで、記事内で使われている用語がそれほど従属的なものでなく、他の記事内でも使われることになるなら、その場で定義・証明しないでリンクを張ってリンク先に優れた書きかけ記事を作成して下さい。もしその記事をCategory:数学に関する記事に入れておけば、おそらく誰かが加筆してくれるでしょう。

役に立つリンクと資源[編集]

図式はしばしば、数学的な概念を説明するのに大変役に立つものです。en:User:Chas_zzz_brown, User:Makotoyは喜んでそれを作ってくれるそうです(時間と能力その他が与えられれば)。

数学に関する記事の一覧 は、ウィキペディアに数学関連のすべての記事の変更の後を追うのに使われます。これは一般的な"最近変更したページ"のやり方に似ています。数学に少しでも関係する記事(数学者の伝記的記事など)が新しく付け加わったときには、それを一覧に加えてください。そうすることで誰もがあなたの投稿を査読したり、内容を付け加えたり、容赦なく批評したり出来ます。

記事の一覧はまた、すでにウィキペディアに存在する題材で、あなたの題材にリンクできるものをチェックするのにも役立ちます。これは用語を定義したり記述を修正したりする労力を減らすことを助けます;また定義や証明の重複を減らすことにも役立つでしょう。

参加者[編集]

数学の記事を執筆されている方はぜひチルダ3つ~~~でご記名ください。執筆を呼びかけるときなど参加者間での質問や協力に役立ちます。