タンポポ

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タンポポ属 Taraxacum
セイヨウタンポポ
セイヨウタンポポ Taraxacum officinale
分類
: 植物界 Plantae
: 被子植物門 Magnoliophyta
: 双子葉植物綱 Magnoliopsida
: キク目 Asterales
: キク科 Asteraceae
: タンポポ属 Taraxacum
学名
Taraxacum
Cass.
和名
タンポポ(蒲公英)
英名
Dandelion
本文参照

タンポポ(蒲公英)は、キク科タンポポ属 (Taraxacum) の総称である。多年生

多くはユーラシア大陸に自然分布する。

(動画) タンポポの種 (スロービデオ)

名称[編集]

古くはフヂナ、タナと呼ばれた[1]。タンポポはもと鼓を意味する小児語であった[1]。江戸時代にはタンポポはツヅミグサ(鼓草)と呼ばれていたことから、転じて植物もタンポポと呼ばれるようになったのが通説であるが、その他にも諸説ある[1]

英語名のダンディライオン(dandelion)はフランス語で「ライオン」を意味するダン=ド=リオン(dent-de-lion)に由来し、これはギザギザしたがライオンのを連想させることによる。現代のフランス語ではピサンリ(pissenlit)というが、piss-en-litで「ベッドの中のおしっこ」という意味である。これはタンポポに利尿作用があると考えられているためである。

特徴[編集]

多くのでは黄色いを咲かせ、綿毛(冠毛)のついた種子を作る。生命力の強い植物で、アスファルトの裂目から生えることもある。50センチ以上もの長いを持ち、最大で1メートル程度まで伸びる個体も珍しくない。

成長点が地面近くに位置するロゼット型の生育型で、茎が非常に短く葉が水平に広がっている。このため、表面の花や茎を刈っても容易に再び生え始める。撹乱の頻発する、他の植物が生きていけないような厳しい環境下で生えていることが多い。

古典園芸植物の1つで、江戸時代幕末には園芸化され、数十の品種があった。

朝花が開き、夕方花が閉じる。

花の特徴[編集]

舌状花と呼ばれる小さな花が円盤状に集まり、頭花を形成している。そのため、頭花が一つの花であるかのように見える(これは、キク科植物共通の特徴である)。舌状花1つに計5つの花びらをつけるが、1つに合着した合弁花冠であるため1つの花びらをつけているように見える。舌状花の中央部は雌蕊が伸び、雄蕊が計5本合着している。舌状花の下端には子房があり、その上部から白い冠毛が生えている。この冠毛は後に発達し、風によって種子を飛散させる役割を担う。

日本における在来種と外来種[編集]

大きく分けると古来から日本に生育していた在来種と、近世に海外から持ち込まれた外来種がある。(現在は帰化種と言われている。)在来種は外来種に比べ、開花時期が春の短い期間に限られ、種の数も少ない。また、在来種は概ね茎の高さが外来種に比べ低いため、生育場所がより限定される。夏場でも見られるタンポポは概ね外来種のセイヨウタンポポである。

見分け方としては花期に総苞片が反り返っているのが外来種(写真左)で、反り返っていないのが在来種(写真右)。在来種は総苞の大きさや形で区別できる。しかし交雑(後述)の結果、単純に外見から判断できない個体が存在することが確認されている。

より個体数が多く目に付きやすいことから、「セイヨウタンポポが日本古来のタンポポを駆逐してしまった」というような記述が見られるが、これは正確には誤りである。セイヨウタンポポは在来種よりも生育可能場所が多く、かつ繁殖力が高いが、その反面で多くの在来種よりも低温に弱く、初春から初夏にかけての寒暖差が激しい条件下では生育できない場合も多い。セイヨウタンポポの個体数が多いために相対的に在来種の割合が減っただけで、在来種も一定の個数で存在している。また、茎を大きく伸ばさないため、かえって都市部で在来種が見られる場合もままある。

交雑[編集]

在来種の各種とセイヨウタンポポは基本的に別種ではあるが、細胞中の酵素の性質の違い(アイソザイム)を用いた解析では交雑が起こっていることが報告されている。以下の特徴を持つものが見られる。

  • 総苞片が一部のみ反り返っている。ただし、シロバナタンポポは元よりこの特徴を持っている。
  • 茎の背が低い(在来種の特徴)にもかかわらず、総苞片が反り返っている(外来種の特徴)。
  • 開花時までは在来種相当に茎の背が低く、種子を綿毛として飛ばす段階になってセイヨウタンポポ相当まで茎を伸ばす。
  • 舌状花に白と黄色が交じり合う(シロバナタンポポとセイヨウタンポポの交雑)。
外来種の総苞
在来種の総苞


利用[編集]

セイヨウタンポポの葉は古くからヨーロッパ中東で食用に供されており、多少の苦味があるがサラダなどにする。また、を乾燥させて炒ったものがコーヒーの代用品(たんぽぽコーヒー)として知られている。アメリカ合衆国の一部では、花弁を自家製醸造酒(タンポポワイン)の原料として用いる。全草を乾燥したものは蒲公英(ほこうえい)という生薬として用いられ、解熱・発汗・健胃・利尿などの作用がある。さらに、ロシアンタンポポなどの品種のに含まれる乳液からゴムを採集する所もあり、ブリヂストンがタイヤの主原料となる天然ゴムを取り出し実用化を目指している。

主な種[編集]

タンポポ属の分類は非常に複雑で、学説によって60種からそれ以上に分類される。グレートブリテン島アイルランドでは、アポミクシス倍数性の変異により約235種が確認された[2]

タンポポの画像[編集]

文化[編集]

花言葉は「真心の愛」、「思わせぶり」など。

参考文献[編集]

  1. ^ a b c 和泉 晃一. “タンポポの語源 小鼓の音階名「タ」と「ポ」に由来する”. 別府街角ウオッチング. 2013年6月28日閲覧。
  2. ^ Richards, A.J. (1997). Dandelions of Great Britain and Ireland (Handbooks for Field Identification). BSBI Publications. p. 330. ISBN 978-0901158253. 

外部リンク[編集]