Microsoft Azure

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Microsoft Azure
開発元 マイクロソフト
種別 クラウドコンピューティング/(PaaS/IaaS)
公式サイト azure.microsoft.com/ja-jp/
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Microsoft Azure(マイクロソフト・アジュール)は、マイクロソフトクラウド プラットフォーム (PaaS/IaaS) である。

2008年のProfessional Developer Conferenceで発表され[1]2009年末までのサービス開始前の評価期間を経て、2010年1月に世界21ヶ国で正式にサービスを開始した。2014年3月26日に旧称であるWindows Azure(ウィンドウズ・アジュール)からMicrosoft Azureへの名称変更が発表された[2]

概要[編集]

Microsoft Azureはマイクロソフトのデータセンターにあるクラウド プラットフォームで、アプリケーションとデータをホストしている。アプリケーションの動作環境(Microsoft Azure)と、Windows Azure AppFabric(旧名称は.NET Services。クラウドのミドルウェア サービス)、SQL Database(クラウドのRDB)を提供する。

Microsoft Azureは、Compute、Storage、Fabricという3つを核に構成する。Computeは計算資源を提供するサービス、Storageはスケーラブルなストレージ サービス(BLOB、テーブル、キュー)を示唆する。Microsoft Azureのホスティング環境は、Fabric Controllerと呼び、個々のシステムのリソース、ロード バランシング、複製、アプリケーションのライフ サイクルをホストしているアプリケーションが明示的に対処することなく自動的にネットワーク中に共同で使用するようにする。加えて、ストレージ サービスのような大部分のアプリケーションが必要とする他のサービスを提供する様になっている。Fabric上は、Windows Azure Platformの一部のサービスをアプリケーションは利用できる様になっている。商用サービス開始当初は公式機能以外のインストールが必要なコンポーネント(たとえば帳票作成やPDFファイル生成用コンポーネント)を利用することはできなかった。しかし、VMロール(Windows Azure Virtual Machine Role)の提供(2012年現在ベータリリース)や、起動前処理を行えるように機能拡張された為、これまでWindows Server OS上で動作していたアプリケーションの多くをMicrosoft Azure上でも稼働できるようになっている。

開発者はRESTHTTPXMLを組み合わせたAPIを使用して Microsoft Azure が提供するサービスと対話を行う。サービスと対話を行うライブラリはクライアントサイドにもマネージド クラス ライブラリで提供される。Microsoft Azureでホストされるアプリケーションの開発と発行はVisual StudioといったIDEを使用して行う。

Microsoft Azure 実装[編集]

Windows Azure Platformは特化されたオペレーティングシステム Windows Azureを用い"fabric layer"を実行する。"fabric layer"とは、マイクロソフトにてホスティングされたクラスタであり、Microsoft Azure上にて動作するアプリケーションへの計算資源およびストレージの割り当て、および管理を行う。Microsoft Azureは開発中は"Red Dog"というコードネームで知られ、Windows Server 2008とカスタム化されたHyper-VであるWindows Azure Hypervisor上の"cloud layer"として説明されており、サービスの仮想化を行うものである。

Azureサービス一覧[編集]

Compute[編集]

  • Virtual Machines
  • Virtual Machine Scale Sets (VMSS)
  • Azure Container Service
  • Azure Functions
  • Azure Batch
  • Service Fabric
  • Cloud Services

ネットワーク[編集]

  • Virtual Network
  • Load Balancer
  • Application Gateway
  • Azure DNS
  • Traffic Manager
  • ExpressRoute

ストレージ[編集]

  • Azure Storage (Blob / Queue / Table / File / Disk)
  • Data Lake Store
  • StorSimple

Web + Mobile[編集]

  • App Service
    • Web Apps
    • Mobile Apps
    • API Apps
    • Logic Apps
  • Media Services
  • Azure Search

データベース[編集]

  • SQL Database
  • SQL Data Warehouse
  • DocumentDB
  • Azure Redis Cache
  • Data Factory

データ分析[編集]

  • HDInsight
  • Machine Learning
  • Stream Analytics
  • Data Lake Analytics
  • Data Lake Store

IoT[編集]

SQL Database[編集]

SQL Database(旧称SQL Azure)は、SQL Server 2008をベースに開発されたクラウド上の関係データベースエンジンである。SQL Server 2008をベースに開発が行われているため、SQL Serverに対応したアプリケーションやツールとの親和性が高く、SQL Serverで使用していたツールがそのまま使用でき、SQL Databaseへの移行が比較的簡単におこなうことができる。

Microsoft Azure Marketplace[編集]

Microsoft Azure Marketplaceは、多様な商用・非商用データ(人口統計や金融情報など)といったコンテンツを保持しているプロバイダ(パブリッシャ)が容易に販売することができるオンライン上のマーケットプレースである。利用者はMicrosoft Azure Marketplaceを通じ、検索・共有・購入等を行うことができる。また通常データはODataを通じて提供され、アプリケーションからの利用も可能となっている。

Microsoft Azure Marketplaceにはデータを提供するMicrosoft Azure Marketplace Dataセクションと、Windows Azure Platformに関連する多様なカテゴリのサービスやアプリケーションを提供するWindows Azure Marketplace Applicationsセクションの2つが存在する。Windows Azure Marketplace Dataは2010年に米国で開催されたMicrosoft PDC2010にて正式リリースされた。またWindows Azure Marketplace Applicationsは、2011年7月10日に米国で開催されたMicrosoft Worldwide Partner Conference 2011にて正式リリースがアナウンスされた。

セキュリティについて[編集]

サービス開始当初、Microsoft Azureのデータはアメリカ合衆国など海外のデータセンターに置かれる事になり、情報漏えいや、海外にデータを置くことによる問題などが指摘されていた(当然のことながら、Amazon EC2Google App Engineなどの競合サービスも同様である)。海外にデータを置く問題とは、例えば何らかの事件があってFBI(=米国の連邦捜査局)にデータをすべて押収される可能性などである。 2010年7月には、富士通がMicrosoft Azureの技術を用いた自社ブランドのクラウドサービスを提供している[3][4]

マイクロソフトによると、Microsoft Azure は アプリケーション開発者およびサービス管理者向けのセキュリティを強化する仕組みがあるとしており、公式サイト[5]にて関連情報を公開している。

2014年2月26日からはマイクロソフト自身が埼玉県に日本(東)リージョン、大阪府に日本(西)リージョンを開設し運用している[6]

その他[編集]

  • 日本マイクロソフトでは、Microsoft Azureをマンガ形式で紹介する「クラウドガール -窓と雲と碧い空-」を、2011年5月23日から公開している[7]
  • マイクロソフトでは同サービスを基幹系システムのバックエンドにも採用されるプラットフォームとして普及することを目指している[8]が、過去に大規模な障害が複数発生しており各種メディアでも取り上げられたことがある。2012年7月26日にはネットワークの設定ミスで欧州リージョンで大規模障害が発生。[9] 2014年8月15日および18日には世界規模で障害が発生。[10] 2014年11月19日では性能改善のバグと運用のミスにより再び世界規模でサービスが停止した。[11] 2016年9月15日にはネットワーク機器の障害により大規模障害が発生した。[12][13] また、2017年3月8日には自己修復機能のバグが原因で東日本リージョンで顧客の一部がサービスを利用不能になるなどの影響が出た。[14][15] 2017年3月28日には西日本リージョンで[16]、2017年3月31日には空冷システム向け電源装置の故障に伴い再び東日本リージョンで大規模障害が発生した。[17][18] 尚、同社からはこれらの事象について再発防止のための対応策が発表されている。[11][13][15]

出典[編集]

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  1. ^ マイクロソフト、Professional Developers ConferenceにおいてWindows(R) Azure(TM) を発表”. マイクロソフト (2008年10月28日). 2008年11月15日閲覧。
  2. ^ Upcoming Name Change for Windows Azure
  3. ^ 富士通とマイクロソフト 戦略的協業により、クラウドの世界戦略を強化
  4. ^ FGCP/A5 Powered by Windows Azure
  5. ^ Windows Azure のトラスト センター
  6. ^ Windows Azureの日本データセンターがオープン、遅延を改善 2014/2/25、日経コンピュータ
  7. ^ Windows Azureを萌えキャラが紹介する「クラウドガール -窓と雲と碧い空-」、第1話を公開 クラウドWatch(インプレス)、2011年5月24日
  8. ^ Microsoft Azure の日本データセンター基盤を拡張、基幹業務システムのクラウド化を促進
  9. ^ Windows Azureの欧州リージョンがダウンした原因は、ネットワークの設定ミスとバグだったとマイクロソフトが報告
  10. ^ マイクロソフト「Azure」、サービス障害が一時発生
  11. ^ a b Microsoft Azureが10時間を超える障害。原因はストレージの性能改善のバグと運用のミスとの報
  12. ^ Azureで世界規模の障害が発生し2~3時間後にはほぼ復旧
  13. ^ a b Azureの大規模障害、原因は「ネットワーク機器のバグ」:MSが改善策を発表
  14. ^ Azure東日本リージョンで約2時間にわたり障害発生
  15. ^ a b Azure東日本リージョンの障害、原因は自己修復機能のバグ
  16. ^ Azure西日本リージョンで約3時間にわたり障害発生
  17. ^ Azure東日本リージョンでまたも大規模障害、3月だけで2度目
  18. ^ Azure東日本リージョンの障害、原因は空冷システム向け電源故障

関連項目[編集]

外部リンク[編集]