エディ・ジョブソン
エディ・ジョブソン | |
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UKZ - ニューヨーク公演(2009年) | |
基本情報 | |
出生名 | Edwin Jobson |
生誕 | 1955年4月28日(69歳) |
出身地 | イングランド ストックトン=オン=ティーズ ビリンガム |
ジャンル | プログレッシブ・ロック |
職業 | キーボーディスト、ヴァイオリニスト、作曲家 |
担当楽器 | キーボード、ヴァイオリン |
活動期間 | 1972年 - |
共同作業者 |
カーヴド・エア ロキシー・ミュージック フランク・ザッパ UK ジェスロ・タル UKZ |
公式サイト | www.eddiejobson.com |
エディ・ジョブソン(Edwin "Eddie" Jobson、1955年4月28日 - )は、イングランド出身のキーボード奏者、ヴァイオリン奏者。
略歴
[編集]バンド活動期
[編集]1972年、カーヴド・エアにダリル・ウェイの後任として加入し[1]、プロ・ミュージシャンとしてのキャリアを開始する。
1973年、ロキシー・ミュージックにブライアン・イーノの後任として加入し[2]、1976年6月に解散が発表される[3]まで在籍した。
1976年10月から1977年3月までフランク・ザッパのコンサート・ツアーに参加[注釈 1][4][5]。
1977年、スーパーグループ・U.K.を結成。1979年の日本公演で初来日。
1980年、U.K.解散後、ジェスロ・タルで客演。
ソロ活動期
[編集]1983年にエディ・ジョブソン&ズィンク名義のソロ・アルバム『ザ・グリーン・アルバム』、1985年に『テーマ・オブ・シークレッツ』を発表する。同年、Private Music レーベルよりリリースされたコンピレーション・アルバム『ピアノ・ワン(Piano One)』[6]には、彼が10代のときに作曲した「Dark Room」「Ballooning Over Texas」「Disturbance In Vienna」[注釈 2]の計3曲が収録された。
1992年、KORGのシンセサイザーを使ったミュージシャンのコンピレーション・アルバムで「Sketcth For Orchestra#4」を発表した。
U.K.の再始動
[編集]その後はテレビ番組やCMの音楽制作を生業としていたが、1995年ごろU.K.の再始動を計画する。しかし多忙な本業を抱えながらの制作は難航し、やがて再びジョン・ウェットンと仲違いをして計画は頓挫してしまう。このマテリアルは後にジョブソンのソロ・プロジェクトに活かされて、元々アルバムでフィーチャーされる予定だったブルガリアン・ヴォイス アンジェリーテを前面に押し出した形で取り上げられた。
2007年末、元キング・クリムゾンのトレイ・ガンらとUKZを結成し、久々にバンドでの活動を開始。2009年1月24日には、ニューヨークでUKZとしての初のライブを行った。同年6月には、彼にとって30年ぶりとなる日本公演が、東京、名古屋、大阪で行われた。
2010年6月、U-Zプロジェクト(U-Z Project)を率いて再来日。15、16、17日に、大阪、東京で公演。
2013年11月に日本で行われたデビュー40周年記念公演では、初日の8日にウェットンをゲストに迎えてU.K.のアルバム2作を完全再現。9日と10日の公演では、彼のキャリアを俯瞰した選曲で、ウェットンに加えてカーヴド・エアのソーニャ・クリスティーナも客演した[7]。9日の公演の模様は、後にライブ・アルバムおよび映像作品『デビュー40周年記念特別公演 フォー・ディケイズ』としてリリースされている。
ライブ活動引退
[編集]2017年、ライブ活動からの引退を表明。交通事故の怪我や、家族・友人・同僚を相次いで亡くし意欲が低下。ビジネス的な要因もあって決定を下したと語っている[8]。
2019年、ロキシー・ミュージックがロックの殿堂入りを果たした。ジョブソンは8人の受賞者[注釈 3]の一人に選ばれ、授賞式に出席した。ヴァイオリニストの受賞者は、彼が最初である。
備考・補足
[編集]人間的にも創作者としても我の強いタイプと言われており、U.K.やリハーサルのみ参加したイエスでも、音楽性などを巡って他のメンバーと対立したと伝えられている。
1984年、再結成してアルバム『ロンリー・ハート』の録音をほぼ完了していたイエスから、キーボーディストのトニー・ケイがプロデューサーのトレヴァー・ホーンとの関係がうまくいっていなかったことを理由に脱退した。イエスは当時ジョブソンを初めとして様々なキーボーディストを試しており、彼は大ヒットした「ロンリー・ハート」のビデオ・クリップの撮影に参加した。ところがマネージメントが「これはあのイエスの再結成なのだ」というイメージで売る方針を貫いてケイを呼び戻すことに決めた。そこで彼は「イエスにキーボーディストは2人いらない」と言って離脱した[9][注釈 4]。
ディスコグラフィ
[編集]ソロ
[編集]- Yesterday Boulevard b/w On a Still Night (1976年) ※シングル
- 『ザ・グリーン・アルバム』 - The Green Album (1983年) ※エディ・ジョブソン&ズィンク名義
- 『テーマ・オブ・シークレッツ』 - Theme of Secrets (1985年)
- Voices Of Life (2000年) ※The Bulgarian Women's Choir Angelite名義
- U.K.再始動プロジェクトで頓挫した『Legacy』アルバム用の素材を使用。
- 『アルティメット・ゼロ・ツアー-ライヴ』 - Ultimate Zero Tour - Live (2010年)
- 『デビュー40周年記念特別公演 フォー・ディケイズ』 - Four Decades (2015年)
- 1971-1979 The Band Years (2018年) ※コンピレーション
バンド
[編集]カーヴド・エア
[編集]- 『エア・カット』 - Air Cut (1973年)
- プロ活動の最初のアルバム。2004年に初CD化されている。
- 『ラヴ・チャイルド』 - Lovechild(1990年)
ロキシー・ミュージック
[編集]- 『ストランデッド』 - Stranded (1973年)
- 『カントリー・ライフ』 - Country Life (1974年)
- 『サイレン』 - Siren (1975年)
- 『VIVA!ロキシー・ミュージック』 - Viva! (1976年)
フランク・ザッパ
[編集]- 『ズート・アリュアーズ』 - Zoot Allures (1976年)
- ジャケット写真の撮影に参加した。バンドに加入したばかりのジョブソンとパトリック・オハーンはレコーディングには参加していない。
- 『ザッパ・イン・ニューヨーク』 - Zappa in New York (1978年)
- 2枚組ライブ盤。テリー・ボジオやブレッカー・ブラザーズらと共演。
- 『スタジオ・タン』 - Studio Tan (1978年)
- 'Lemme Take You To The Beach'でキーボードとヨーデリングを担当。
- Conceptual Continuity (1992年)[注釈 5]
- Philly '76 (2009年)
U.K.
[編集]- 『憂国の四士』 - U.K. (1978年)
- ジョブソンがクローズ・アップされた最初の作品とされる。
- 『デンジャー・マネー』 - Danger Money (1979年)
- トリオになり、リズムセクションとボーカル以外の演奏は全てジョブソンが担当した。
- 『ナイト・アフター・ナイト』 - Night After Night (1979年)
- 『リユニオン - ライヴ・イン・トーキョー』 - Reunion – Live in Tokyo (2013年) ※CD&DVD
- 『エディ・ジョブソン - U.K.特別公演『憂国の四士』『デンジャー・マネー』完全再現ライヴ カーテン・コール』 - Curtain Call (2015年)
ジェスロ・タル
[編集]- 『A』 - A (1980年)
- イアン・アンダーソンのソロとして制作が開始された為、ジェスロ・タルの従来の作品とは一線を画したアルバムと評される。
UKZ
[編集]- Radiation (2009年)
TV・映画
[編集]- 『ハイテク武装車バイパー』(アメリカ・1994年 - 1999年)
- 『刑事ナッシュ・ブリッジス』(アメリカ・1996年 - 2001年)
その他
[編集]- ライブ盤。収録曲の一部のヴァイオリンとエレクトリック・ピアノの演奏に、ジョブソンがスタジオでオーヴァーダビングした[10]。
日本公演
[編集]脚注
[編集]注釈
[編集]- ^ ジョブソンは、ロキシー・ミュージックが1975年11月のアメリカ・ツアーでザッパ率いるザ・マザーズ・オブ・インヴェンション(MOI)と一緒になった時にザッパと出会った。そしてザッパの音楽への興味を示したところ、セッションに招待され、さらにMOIの12月7日のオンタリオ州ハミルトン公演と8日のモントリオール公演に招かれて客演した。1976年10月にザッパは、自分が率いるバンドの名前をMOIからザッパに変えて、ジョブソンを正式メンバーに迎えて次のツアーを開始した。
- ^ 発表は前後するが、『テーマ・オブ・シークレッツ』に収録された「Memories Of Vienna」の原曲である。
- ^ ジョブソンの他、ブライアン・フェリー、ブライアン・イーノ、フィル・マンザネラ、ジョン・ガスタフソン、アンディ・マッケイ、グラハム・シンプソン、ポール・トンプソン。
- ^ 彼が参加したビデオ・クリップは、そのまま発表された。
- ^ Beat the Boots! IIに含まれて発表された。
出典
[編集]- ^ “Live!”. washingtonpost.com. 2019年2月25日閲覧。
- ^ Buckley (2004), pp. 138–140.
- ^ Buckley (2004), p. 201.
- ^ Miles (2004), pp. 255–256.
- ^ Ulrich (2018), pp. 696–697.
- ^ “Discogs”. 2024年2月10日閲覧。
- ^ “エディ・ジョブソン、40周年記念公演とUK完全再現公演が映像化”. BARKS. Japan Music Network (2013年12月27日). 2021年2月12日閲覧。
- ^ “エディ・ジョブソン ライヴ・コンサート・ツアーからの引退を発表”. amass (2017年10月11日). 2023年11月20日閲覧。
- ^ Innerviews. “Trevor Rabin - Capturing adrenaline” (英語). Innerviews: Music Without Borders. 2019年5月19日閲覧。
- ^ USA - King Crimson : AllMusic
引用文献
[編集]- Buckley, David (2004). The Thrill of It All: The Story of Bryan Ferry & Roxy Music. London: Andre Deutsch. ISBN 0-233-05113-9
- Miles, Barry (2004). Zappa. New York: Grove Press. ISBN 0-8021-4215-X
- Ulrich, Charles (2018). The Big Note: A Guide To The Recordings Of Frank Zappa. Vancouver: New Star. ISBN 978-1-55420-146-4