トレヴァー・ラビン

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トレヴァー・ラビン
Trevor Rabin
Trevor Rabin July 2017.jpg
アンダーソン、ラビン&ウェイクマン - フランス公演(2017年7月)
基本情報
出生名 Trevor Charles Rabin
生誕 (1954-01-13) 1954年1月13日(65歳)
出身地 南アフリカの旗 南アフリカ連邦
ハウテン州ヨハネスブルグ
ジャンル ハードロック
ポップ・ロック
プログレッシブ・ロック
ジャズ・ロック
フュージョン
映画音楽
職業 ミュージシャンシンガーソングライターギタリスト音楽プロデューサー
担当楽器 ボーカルギターキーボードベース
活動期間 1972年 - 現在
レーベル RPM
クリサリス・レコード
エレクトラ・レコード
Voiceprint Records
ヴァレーズ・サラバンド・レコーズ
共同作業者 ラビット
イエス
アンダーソン、ラビン&ウェイクマン
公式サイト TrevorRabin.net

トレヴァー・ラビンTrevor Rabin1954年1月13日 - )は、南アフリカ共和国出身のロックミュージシャンシンガーソングライターギタリスト

主にソロでの実績をもち、バンド活動ではプログレッシブ・ロック・バンド「イエス」の活動で知られる。マルチプレイヤーとしても才能が開花し、映画音楽プロデューサーなども務める。

経歴[編集]

南アフリカ時代 - ソロ活動(1972年 - 1982年)[編集]

ヨハネスブルグで、シンフォニー第一バイオリン奏者の父親、ピアノ教師の母親の間のユダヤ系の家庭に生まれる。両親が音楽家という環境の中で、自然に音楽に親しみ、5歳でピアノを習い始め、12歳でギターを始めた。

1972年、母国でアイドル性の強いハードロックバンド「ラビット」(Rabbitt)に在籍して活動を始める。2枚のアルバムを発表した後に解散。ラビンはイギリスに渡り、ソロ活動で認知度を広めていく。

1982年エイジアのプロジェクトがキッカケ(詳細は不明)で、プログレッシブ・ロックバンド「イエス」の当時のメンバーだった元バグルズトレヴァー・ホーンハンス・ジマーの知己を得る。

イエス時代(1983年 - 1994年)[編集]

イエス時代(1994年)

1983年、そのトレヴァー・ホーンらの縁で、イエスのメンバー クリス・スクワイアから新しいバンド「シネマ」(Cinema)の結成を打診され参加。このシネマが作り始めたデビュー・アルバムに、イエスの元ボーカル ジョン・アンダーソンが客演し、活動停止していた「イエス」の再始動に発展。11thアルバム『ロンリー・ハート』として発表し、全米で大ヒットを記録する。

12thアルバム『ビッグ・ジェネレイター』発表の後イエスは、ジョン・アンダーソンが脱退して旧メンバーと結成した「アンダーソン・ブルーフォード・ウェイクマン・ハウ」の2派に分裂する。紆余曲折しながらも1990年に両バンドが再統合し、13thアルバム『結晶』を発表。次作『トーク』を発表した1994年まで在籍した。

ソロ活動復帰(1995年 - 2015年)[編集]

ハンス・ジマー率いるメディアベンチャーズに参加し、映画音楽の道に転身、『アルマゲドン』や『ディープ・ブルー』、『タイタンズを忘れない』、『ナショナル・トレジャー』、『スネーク・フライト』、『リベンジ・マッチ』、『ロック・スター』など、数々の作品を手がけている。

2004年11月にウェンブリーで行われたトレヴァー・ホーンの25周年記念コンサート「Produced By Trevor Horn: A Concert For Prince Trust」にイエスとしての活動は、ほぼ10年ぶりに出演。スティーヴ・ハウら旧知のメンバーと共演、「ロンリー・ハート」ではギターと共にボーカルを披露し、健在振りをアピールした。

2012年、23年ぶりとなるソロ・アルバム『Jacaranda』をリリース[1]

アンダーソン、ラビン&ウェイクマン(ARW)時代 - 以降(2016年 - )[編集]

2016年、元イエスのメンバーであるジョン・アンダーソンリック・ウェイクマンと、イエス・フィーチャリング「アンダーソン、ラビン&ウェイクマン」(※以下 ARW 表記)を結成し、イエスの曲を演奏するライブ活動を開始。

2017年、イエス名義で『ロックの殿堂』入り[2]。同年、ARWの来日公演を開催[3]

2018年、イエスの結成50周年に連動して、ARWのワールド・ツアーを開始[4]

評価[編集]

ギタリストとして極めて優秀で、変拍子をものともせず、卓越したテクニックで弾きこなす華麗なソロが特徴的である。また、マルチプレーヤーであり、サンプリングなどの当時の最新機器に関しても明るく、さらにボーカリストとしても声量、音程、個性とも申し分ないものを持っており、イエスのアルバムでも数多くリード・ボーカルを取っている(『イエス・イヤーズ』に収録されたインタヴューによると、アリスタ・レコードから「その声ならTop 40を狙う歌手に転進するべきだ」と薦められたことがある)。作曲家としても数多くの曲を書いている。アメリカや日本でも大ヒットした『ロンリー・ハート』は、実質的にはラビンの作品である。 しかし、こうした従来のイエスと比べるとエンターテイメントに向かっている音楽性は、芸術性をより重視するジョン・アンダーソンとの深刻な対立を引き起こし、ABWHを初め多くのトラブルが発生した。

使用機材[編集]

ギターは改造を施した60年代のフェンダー・ストラトキャスター。イエス時代にはウェストーンとの共同開発でパンテラというモデルのシグネイチャーモデルを使用していたことがある。 エフェクトはコルグのA-1。A-1についてはメインで使用していたアンプの電気的な特性をオシロスコープで解析し、その波形をA-1にプログラムするなどしていた。(アンプの特性をエフェクトに書きこむことで当時のレコーディングではアンプを用いないレコーディングなどに用いていたらしい。)

アップル・コンピューターのマッキントッシュ(Macintosh)を愛用し、イエスのアルバム「トーク」では彼の所有する4台のマッキントッシュを使い、当時としてはまだ珍しいハードディスク・レコーディングが行われた。

エピソード[編集]

イエスのアルバム『ロンリー・ハート』が大ヒットした1984年、イエスのワールド・ツアーが計画されていたが、彼の怪我によりツアーが大幅に延期されて、ヒット曲を持参してのツアーの時期を逸してしまった。その怪我とは、プールで泳いでいたところ、大柄な人物が飛び込みをしてきて激突。その結果、彼は脾臓を摘出する手術を受けている。

また、その時期に日本での公演も予定されていたが、南アフリカ共和国の国籍である彼に対して、アパルトヘイト問題で日本の外務省が入国拒否をしたために、日本での公演は実現しなかった。(1988年になって来日が実現)

ディスコグラフィ[編集]

アルバム[編集]

ラビット
  • 『青春の悪戯』 - Boys Will Be Boys (1975年)
  • 『裸の青春』 - A Croak and A Grunt in the Night (1977年)
  • Morning Light (1977年) ※マキシ・シングル
  • 1972–1978: Limited Souvenir Edition (1978年) ※EP
イエス
ソロ・アルバム
  • 『ビギニングス』 - Beginnings (1977年) ※1978年に『誘惑の貴公子』 - Trevor Rabinとして再発
  • 『フェイス・トゥ・フェイス』 - Face to Face (1979年)
  • 『ウルフ』 - Wolf (1981年)
  • 『キャント・ルック・アウェイ』 - Can't Look Away (1989年)
  • Live in LA (2003年) ※ライブ・アルバム
  • 『90124』 - 90124 (2003年) ※コンピレーション・アルバム
  • Jacaranda (2012年)

映画音楽[編集]

タイトル 監督 スタジオ 備考
1976 Death of a Snowman Christopher Rowley Martin Wragge Production
1995 フェア・ゲーム
Fair Game
アンドリュー・サイプス ワーナー・ブラザース 追加の音楽のみ
1996 グリマーマン
The Glimmer Man
ジョン・グレイ ワーナー・ブラザース
1997 コン・エアー
Con Air
サイモン・ウェスト タッチストーン・ピクチャーズ マーク・マンシーナと共同で担当
1998 ワイルド・スモーカーズ
Homegrown
スティーヴン・ギレンホール トライスター・ピクチャーズ
アルマゲドン
Armageddon
マイケル・ベイ タッチストーン・ピクチャーズ ハリー・グレッグソン=ウィリアムズと共同で担当
エネミー・オブ・アメリカ
Enemy of the State
トニー・スコット タッチストーン・ピクチャーズ ハリー・グレッグソン=ウィリアムズと共同で担当
ジャック・フロスト/パパは雪だるま
Jack Frost
トロイ・ミラー ワーナー・ブラザース
1999 ディープ・ブルー
Deep Blue Sea
レニー・ハーリン ワーナー・ブラザース
2000 Whispers: An Elephant's Tale デレック・ジュベール ウォルト・ディズニー・ピクチャーズ
60セカンズ
Gone in 60 Seconds
ドミニク・セナ タッチストーン・ピクチャーズ
タイタンズを忘れない
Remember the Titans
ボアズ・イェーキン ウォルト・ディズニー・ピクチャーズ
シックス・デイ
The 6th Day
ロジャー・スポティスウッド コロンビア映画
2001 アメリカン・アウトロー
American Outlaws
レス・メイフィールド ワーナー・ブラザース
ロック・スター
Rock Star
スティーヴン・ヘレク ワーナー・ブラザース
ザ・ワン
The One
ジェームス・ウォン コロンビア映画
テキサス・レンジャーズ
Texas Rangers
スティーヴ・マイナー ミラマックス
ディメンション・フィルムズ
2002 9デイズ
Bad Company
ジョエル・シュマッカー タッチストーン・ピクチャーズ
バンガー・シスターズ
The Banger Sisters
ボブ・ドルマン フォックス・サーチライト・ピクチャーズ
2003 カンガルー・ジャック
Kangaroo Jack
デヴィッド・マクナリー ワーナー・ブラザース
バッドボーイズ2バッド
Bad Boys II
マイケル・ベイ コロンビア映画 ドクター・ドレー、ポール・リンフォード、スティーブ・ジャブロンスキー参加
2004 トルク
Torque
ジョセフ・カーン ワーナー・ブラザース
エクソシスト ビギニング
Exorcist: The Beginning
レニー・ハーリン ワーナー・ブラザース
ナショナル・トレジャー
National Treasure
ジョン・タートルトーブ ウォルト・ディズニー・ピクチャーズ
2005 コーチ・カーター
Coach Carter
トーマス・カーター パラマウント映画
Dominion: Prequel to the Exorcist ポール・シュレイダー ワーナー・ブラザース
グレート・レイド 史上最大の作戦
The Great Raid
ジョン・ダール ミラマックス
2006 グローリー・ロード
Glory Road
ジェームズ・ガートナー ウォルト・ディズニー・ピクチャーズ
スネーク・フライト
Snakes on a Plane
デヴィッド・エリス ニュー・ライン・シネマ
ギャングスターズ 明日へのタッチダウン
Gridiron Gang
フィル・ジョアノー コロンビア映画
フライボーイズ
Flyboys
トニー・ビル メトロ・ゴールドウィン・メイヤー
守護神
The Guardian
アンドリュー・デイヴィス タッチストーン・ピクチャーズ
2007 ホット・ロッド/めざせ!不死身のスタントマン
Hot Rod
アキヴァ・シェイファー パラマウント映画
ナショナル・トレジャー リンカーン暗殺者の日記
National Treasure: Book of Secrets
ジョン・タートルトーブ ウォルト・ディズニー・ピクチャーズ
2008 ゲット スマート
Get Smart
ピーター・シーガル ワーナー・ブラザース
2009 12 ラウンド
12 Rounds
レニー・ハーリン 20世紀フォックス
ウィッチマウンテン/地図から消された山
Race to Witch Mountain
アンディ・フィックマン ウォルト・ディズニー・ピクチャーズ
スパイアニマル・Gフォース
G-Force
ホイト・イェットマン ウォルト・ディズニー・ピクチャーズ
2010 魔法使いの弟子
The Sorcerer's Apprentice
ジョン・タートルトーブ ウォルト・ディズニー・ピクチャーズ
2011 アイ・アム・ナンバー4
I Am Number Four
D・J・カルーソー ウォルト・ディズニー・ピクチャーズ
5デイズ
5 Days of War
レニー・ハーリン Anchor Bay Films
The Movement: One Man Joins an Uprising Greg Hamilton, Kurt Miller Adaptive Adventures
2013 リベンジ・マッチ
Grudge Match
ピーター・シーガル ワーナー・ブラザース
2015 マックス
Max
ボアズ・イェーキン ワーナー・ブラザース

脚注[編集]

  1. ^ Vol.11 Trevor Rabin / May 2012”. MUSE ON MUSE (2012年5月20日). 2019年1月4日閲覧。
  2. ^ イエス、ロックの殿堂で『結晶』ラインナップが再結成”. BARKS (2017年4月9日). 2019年1月4日閲覧。
  3. ^ ARW、本物のイエス・ミュージックを堪能した”. BARKS (2017年4月19日). 2019年1月4日閲覧。
  4. ^ イエス50周年、アンダーソン、ラビン、ウェイクマンも世界ツアー開催”. BARKS (2018年4月11日). 2019年1月4日閲覧。

外部リンク[編集]