近鉄2600系電車

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共通事項
基本情報
製造所 近畿車輛
主要諸元
軌間 1,435
電気方式 直流1,500V
架空電車線方式
最高運転速度 110
設計最高速度 110
起動加速度 2両編成 (1M1T) :2.5km/h/s
3両編成 (2M1T) :3.2km/h/s
4両編成 (2M2T) :2.5
減速度(常用) 4.0
減速度(非常) 4.5
車体長 20,720
全高 4,150
車体 普通鋼
駆動方式 WNドライブ
制御装置 抵抗制御
制動装置 電磁直通ブレーキ (HSC-D)
抑速発電制動付)
保安装置 近鉄型ATS列車選別装置列車無線装置
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近鉄2600系電車(きんてつ2600けいでんしゃ)とは、1970年に登場した、近畿日本鉄道大阪線名古屋線電車(一般車両)である。

急行列車用として製造され、通勤形と同じ4扉を装備しながら、固定式クロスシートを採用して長距離利用者の利便に応え、同時に収容力も両立させたグループである[1][2]。当時の大阪線や名古屋線の急行は、2200系2250系などの旧型車が運用されていたが、老朽化が進んでいたこと、特に2200系は戦前製で半鋼製車であることから、長大トンネル区間での保安面を考慮し、新型車を導入することになった[1][2]

いずれも、外観は当時の片側4扉一般ロングシート車と変わらなかったが、クロスシートで新製された2600番台系列については、側窓の天地寸法がロングシートの2800系・2000系よりも80mm大きく、窓框の高さも50mm低い。落成時の化粧板の色は関西私鉄標準の薄茶色である。

2680系電車は、廃車となった特急車10000系「ビスタカーI世」の機器を流用し、近鉄の特急車以外では初めての冷房付きとして1971年に製造されたグループ、2610系電車は、2600系の量産型で冷房装置を搭載し1972年から製造、2800系電車は2610系と同型で客席をロングシートとした通勤用である。2000系電車10100系「ビスタカーII世」の電装機器を流用して、2800系同様の車体を新製した通勤形である。2013系電車は2000系を観光列車「つどい」に改造した形式である。本項では、これらをまとめて紹介する。

2600系

近鉄2600系電車
試運転中の2603F
主要諸元
編成 2両・4両
車体幅 2,739
車体高 4,032
台車 近畿車輛製シュリーレン式空気バネ台車
Tc車・T車:KD-66C
Mc車・M車:KD-66B
主電動機 三菱電機MB-3110-A
主電動機出力 155kW
歯車比 4.61
編成出力 2両編成 620kW
4両編成1,240kW
制御装置 三菱電機製ABFM-214-15-MDH
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2600系は、1970年に4両編成2本と2両編成2本が近畿車輛で製造された[2][* 1]。電算記号(他社でいう編成記号)はQである。

車内インテリア

車内設備は、座席は4人掛け対面式固定クロスシートで、扉間に2ボックスが設置された。4扉とクロスシートの両立のため、ボックス長は1,320mmで国鉄近郊形車両(当時の標準1,400mm)よりも狭く、シートの背摺りもロングシート並みに低い設計であった[2]。座席表地はビニールクロスである。扉部分には団体専用列車として使用した際に使う収納式の補助席も設けられており、補助席使用時には乗降扉は700mmしか開かないようになっていた[3]。冷房装置は搭載せず、ラインデリアを装備した[1]

トイレはク2700形とサ2750形に和式が1箇所ずつ設置された[3]。処理方式は貯蔵タンク式である。また、トイレや運転席のないモ2650形は定員210名[4]と国内最大を誇った。これはモ2660形、モ2680形も同様である[4]

主要機器・性能

駆動装置はWNドライブで、主電動機三菱電機MB-3110-A (155kW) を装備する[1]。これは2400系以来採用されているものである[2]。制御装置は同じ三菱製のABFM-214-15-MDH電動カム軸式抵抗制御(モーター4台制御[3])で各電動車に搭載した[1]台車も同様に近畿車輛シュリーレン式空気バネ台車のKD-66である。集電装置は下枠交差式でモ2650形に2台、モ2600形の連結側に1台装備した[1]。ブレーキ(制動)方式はHSC-D (発電制動抑速制動付き) 電磁直通ブレーキである[3]空気圧縮機電動発電機はク2700形とサ2750形にそれぞれ装備した[1]。起動加速度は2.5km/h/sで営業最高速度は110km/h。大阪線の新青山トンネル22‰上り勾配では94km/h以上の登坂性能を確保し、33‰上り勾配・架線電圧10%減・定員乗車条件でも均衡速度87km/hを確保している。また、前面には12000系以降の特急車同様に排障器が取り付けられた。

編成

 
← 大阪上本町・近鉄名古屋
鳥羽 →
4両編成 Tc
ク2700形
M
モ2650形
T
サ2750形
Mc
モ2600形
2両編成 Tc
ク2700形
Mc
モ2600形
  • ク2700形とサ2750形にはトイレが設けられていた。

改造

1979年に冷房装置の取り付けを行った[2][* 2]。これにともない電動発電機はク2700形に集約された。車内設備では座席の背ずりが低いのを高く改修し、ビニールクロスの座席表地はモケット[* 3]に変更され、一部座席はボックス長を広げている[2]

1989年から車体更新工事を行い[3]、トイレが5200系に準ずるものに改良され、方向幕装置の取り付けも行われた。後述の2680系、2610系はトイレ前の一区画を除いて全座席がロングシート化されたが、本系列はクロスシートのままで残った[3]。その理由は5200系や4両編成の特急車と同様編成2ヶ所にトイレがあることから18200系あおぞらⅡを補完する団体用としてのニーズがあったこと、そして前述の補助席使用時の乗降扉が700mmしか開かないようにする機能があったことが挙げられる。

新造から廃車までの運用

新造から5200系登場までは後述の2610系2680系とともに、大阪・名古屋 - 伊勢間の急行を中心に、1976年3月のダイヤ変更まで設定されていた名阪直通急行などの長距離急行の運用に多用された。1979年に全車両が富吉検車区に転属して以降は名古屋線の急行運用が多くなり、5200系増備車や1997年L/Cカー投入後は2601F・2604Fは再び大阪線高安検車区所属に変更されたが[5]、運用本数が増加するラッシュ時や団体旅行のピーク時以外は予備車として留置されることが多かった[* 4]。名古屋線所属の2602Fも車両不足の代走を除き、大阪線同様に運用が少ない状態が続いたが、2603Fは1810系1200系(現・1201系)など、名古屋線所属の2両編成車を1・2本併結した4・6両編成[* 5]でラッシュ時などの一部の急行・準急や5200系などの代走に引き続き運用された。

廃車

2002年2月から同年3月にかけて2601F・2602F・2604Fが廃車解体、2004年1月の2603Fをもって本系列全車が廃車解体され[2][* 6]、現存しない。同時期に製造されていた2410系、2430系の多く[* 7]が2度目の車体更新(B更新)を受けているにも関わらず、2600系が廃車になったのは、固定クロスシート(ボックスシート)による居住性に難があり、末期は2603F以外は団体運用を除いてあまり使用されていなかったことが理由に挙げられる。廃車後、ク2700形とサ2750形が装備していたKD-66Cは、2250系の廃車発生品であるKD-78Aを装着していた1200系(現・1201系)ク1302 - ク1306の台車更新用に転用されている。

本系列の代替車両は大阪線用は5820系5851F・5852Fが新造され、名古屋線用は大阪線からの1200系1211F・1212Fの転属で置き換えている。

2680系

近鉄2680系電車
3代目鮮魚列車として運用されている2684F
主要諸元
編成 3両
車体幅 2,739
車体高 4,040
台車 近畿車輛製シュリーレン式空気バネ台車
Tc車:KD-72A
M車・Mc車:KD-72
主電動機 三菱電機MB-3020-C
主電動機出力 125kW
歯車比 5.47
編成出力 1,000kW
制御装置 三菱電機ABF-178-15MDH
備考 電算記号:X
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2680系は、1971年に近鉄一般車では初めての冷房車として[6]、3両2本の計6両が製造された。電算記号はX

車内設備は2600系に準じたものとした。トイレはク2780形に設置している[6][7]。冷房装置は8,500kcal/hの集約分散式ユニットクーラーを1両に5台設置し[6]、これにラインデリアを併設したほか、熱交換型換気装置(ロスナイ)も1台設置されている。また本系列以降、近鉄では通勤車でも新製冷房車に限り室内は平天井構造となっている。

主要機器・性能

駆動装置はWNドライブで、主電動機は三菱電機MB-3020-C (125kW) を装備するが[6]、これは1971年に廃車となった10000系「ビスタカーI世」からの流用である[6]。制御装置も10000系の廃車発生品である三菱電機製ABF-178-15MDH電動カム軸式抵抗制御(モーター8台制御[7])である[6]。直列・並列切り替えを手動で行う特急用制御装置の流用のため、主電動機4個永久直列2群の並列制御に固定されており、直並列制御は行えないようになっている。台車は新造品が用意されており、両抱き式踏面ブレーキの近畿車輛製シュリーレン式空気バネ台車のKD-72系を装着する[4]。ブレーキ(制動)方式はHSC-D発電制動・抑速制動付き電磁直通ブレーキである[7]。集電装置はモ2680形(奇)に菱形式を2台装備する[6]

起動加速度は3.2km/h/sで営業最高速度は110km/h。大阪線の新青山トンネル22‰上り勾配では101km/h以上の登坂性能を確保し、33‰上り勾配・架線電圧10%減・定員乗車条件でも均衡速度94km/hを確保している。

編成

← 大阪上本町・近鉄名古屋

鳥羽 →
Tc
ク2780形
M
モ2680形
(奇数)
Mc
モ2680形
(偶数)
  • 2015年4月1日現在、高安検車区に2684Fの3両編成1本が配置されている[8]
  • ク2780形にはトイレが設けられている[7]

改造

1979年に座席の改良がなされ[9]、2610系と同じ仕様となった。また、方向幕装置の取り付けも行われている[9]。1979年3月に名古屋線富吉検車区に転属した[6][7]1991年には5200系の増備が進んだことで、車体外装材の交換と冷房装置の一部配列変更、座席のロングシート化を中心とした車体更新工事が行われている[7][* 8]

鮮魚列車専用車両化

2684F(第2編成)は2001年1481系の代替として鮮魚列車専用車に改造され[9]、塗装もマルーンレッドをベースに、前面に白帯を入れる塗装として区別されるようになった[9]。内装はつり革とつり革を吊るパイプが全て撤去された以外、ほとんど手を加えられておらず、側面方向幕は撤去されてその部分は埋められたが、正面方向幕は残され、鮮魚列車での運転時には「鮮魚」(漢字表記のみ)の表示を掲出して運行される[9]。2012年10月に転落防止幌および新型ATS設置工事が施工されている[10]

新造から廃車までの運用

新造から名古屋線転属まで大阪 - 伊勢間の快速急行・区間快速急行・急行を中心に運用されていた。名古屋線転属後も急行を中心に運用されていたが5200系の増備が進み、次第に普通列車の運用が主体となった。

後述する2610系2800系改造L/Cカーや新造車両である5800系5812Fの投入後、末期には大半が準急・普通列車の運用のみとなり、検査代走などで本系列の2編成を連結するか、2470系や1000系などと6両編成を組んで長距離急行に充当された。

廃車

2002年8月に2682F(第1編成)が廃車された[9]。製造当初より冷房装置搭載の通勤車が廃車されるのは近鉄ではこれが初めてのケースである。B更新が行われずに廃車となった理由は、この年に行われたダイヤ変更で列車が減便されたことによる余剰であったこと、車体は新造から30年程度であったが、少数派の旧型車から主要機器を流用したため、走行機器の老朽化などが挙げられる。

2610系

近鉄2610系電車
主要諸元
編成 4両
全長 82,880
車体幅 2,740
車体高 4,040
台車 近畿車輛製シュリーレン式空気バネ台車
Tc車・T車:KD-72E/KD-66C/KD-49C→KD-64A
M車・Mc車:KD-72D
主電動機 三菱電機MB-3110-A
主電動機出力 155kW
歯車比 4.61
編成出力 1,240kW
制御装置 三菱電機ABFM-214-15-MDH
備考 電算記号:X
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2610系は、1972年から1976年に4両編成17本68両が近畿車輛で製造された[11]。当時長距離急行に運用していた2200系などの代替車種である[11]。電算記号はX。当初は伊勢方面への観光輸送・長距離乗車、大阪口での通勤輸送、大阪線山間部区間での地域輸送など、多目的な輸送の両立を考慮したクロスシート車として製造された[12]

車内インテリア

車内設備は、座席は2600系と同じく対面式固定クロスシートであるが[12]、扉部の補助席をなくしてボックス長を1,400mmに拡大し、背摺りの高さを当時の一般的な固定クロスシート並みにした他、座席表地はモケットとされた。混雑時の対策として、立席スペースを当時の近鉄標準のロングシート車の5%減に留める設計を行っているが、肘掛は省略された。

トイレはサ2760形に和式が1箇所設置されたが、ク2710形は省略された[13]。処理方式は貯蔵タンク式である。冷房装置は集約分散式ユニットクーラーで他にラインデリア、熱交換型換気装置が装備されている。なお、冷房装置は最初の6編成 (2611F - 2616F) は5台搭載の個別カバーだったが、1973年製以降は容量を10,500kcal/hに増大した新型とし、4台搭載の連続カバーになった。また、新製時から前面方向幕も装備されるようになった。

主要機器・性能

性能は2600系と同一であり、駆動装置や主電動機、制御装置、ブレーキ方式、集電装置の配置 (本形式では菱形式) も2600系に準じている[11]
台車は近畿車輛製のシュリーレン式空気ばね台車であるKD-72系を採用し、電動車はKD-72Dを、付随車はKD-72Eを装着したが[14]、ク2711 - ク2716とサ2761 - サ2766の12両はKD-66Cを装着し[14]、ク2721 - 2724とサ2771 - 2774の8両は2200系が使用していた金属ばね台車の近畿車輛KD-49Cを流用した[14] (後年空気ばね台車に交換) 。2625F以降は電動車をKD-72Fへ、付随車はKD-72Gへ変更された[14]。いずれの台車も両抱き式踏面ブレーキで、現在では全編成が鋳鉄制輪子から合成制輪子に交換されている。
空気圧縮機はク2710形とサ2760形、電動発電機はク2710形に装備した。

編成・配置

← 大阪上本町・近鉄名古屋
鳥羽 →
Tc
ク2710形
M
モ2660形
T
サ2760形
Mc
モ2610形
  • 2015年4月現在、2621F・2626F・2627Fの3編成は富吉検車区、その他の14編成は明星検車区に所属している[8]
  • サ2760形にはトイレが設けられている[13]。ただし、大阪線編成は2009年夏頃に頻発したトイレ放火事件の影響で、防犯のために、青山町以西の一部の運用[* 9]ではトイレが使用出来なくなっている。

新製時の運用

新造から5200系登場までは2600系や2680系と共に大阪線・名古屋線急行車両の主力として大阪・名古屋 - 宇治山田・鳥羽間や1976年3月まで設定されていた名阪直通の急行や区間快速急行、快速急行を中心に運用され、乙特急よりも停車駅の少ない臨時列車「高速・伊勢志摩」号でも運用されていた。基本的には2410系や1810系等、各線の2両編成車を連結した6両編成で運転されていた。

転属

新造配置は全編成明星検車区であったが[11]、1991年に2611F・2622F - 2625Fが富吉検車区へ所属変更されている。大阪線で運用されていた2626F・2627Fは1997年の車体更新時に名古屋線富吉検車区へ転属となった。大阪線で試験運用されていた試作改造L/Cカーの2621Fも同時に富吉検車区へ転属している。

なお、車体更新を受けた後も本系列や後述の2800系改造L/Cカー、5800系の投入まで名古屋線に所属していた2611F・2625Fは明星検車区に、2622F - 2624Fは高安検車区に転属となったが、鮮魚列車の予備編成として高安検車区に配置されていた2612F・2613Fも含めて、2002年までに明星検車区に所属変更されている。

改造

車体更新

本形式を含めた2600系列は大阪線・名古屋線の急行用新型車両として登場したが、本形式においては2600系や2680系より若干改善が図られたとはいえシートピッチ・幅ともに狭く、肘掛が省略されたため構造的に問題のあったクロスシートであった。さらに1988年に3扉転換クロスシートの車内設備を備えた5200系が登場し、快速急行・急行の一部運用を5200系に振り替えることになったため、1991年から1997年にかけて車体更新工事が行われた[13][12]。座席はトイレ前1区画を除いてロングシート化され、トイレ前に残されたクロスシートも僅かながらシートピッチを広げてある[* 8]。初期車が多数在籍していた大阪線所属の14編成から先に着手しており、ロングシートの袖ひじ掛けは最初に車体更新された2611FのみVVVFインバータ制御車と同一品であるが、以降の編成は界磁チョッパ制御車などに近いパイプ式の旧式ひじ掛けとなった。方向幕も前面および側面に装備されるようになった。その他、車内内装材は1430系などと同じデザインに交換され、トイレが5200系(登場時)と同一仕様に改修されている。ク2710型に搭載されていた空気圧縮機はサ2760形に大容量のものを搭載して集約したほか、分散式冷房装置を搭載する2611F - 2616Fは車体更新の際にモ2660形の冷房装置の配列を一部変更している。名古屋線所属の3編成は後述のL/Cカーに改造された。

B更新

2000年から2回目の車体更新(B更新)が開始された。2015年12月時点では2611F - 2625F・2627Fが更新を完了済みで[15][16][17]、車体外装交換と雨樋取付の他に、2621F - 2624Fは付随台車が空気バネのKD-64Aに交換された[15][16]。2611F - 2623F・2626Fのサ2760形は従来の和式トイレで存置されているが、2014年以降にB更新を受けた2624F・2625F・2627Fはサ2760に設置されているトイレが洋式化された[* 10]
最初に更新された2611Fでは従来仕様の内装で、車内乗降扉付近床面のノンスリップ化に留められたが、2001年から2003年までに更新された2612F - 2616F・2618FはL/Cカーと同様の内装材に交換された。初期のB更新では2611F - 2615Fが乗降扉窓の複層ガラス化されたが、座席モケットは交換されずに従来のままで存置されていたが、2013年以降に検査された一部編成は座席モケットが5200系更新車と同様のデザインにそれぞれ交換された。
以降は21000系7000系の車体更新を中心に施工されたため、2006年までにB更新が一旦中断している[* 11]

2006年からはB更新が再開され、同年以降に更新された2617F・2619F - 2625Fは内装更新の仕様変更が行われ、床材とブラインドカーテンが7020系と同様のタイプに交換された。2006年に更新された2619F・2620Fでは客室側窓の一部が大型の固定1枚窓に交換され、2008年以降の更新車ではク2710形連結側車端部に車椅子スペースが設置されている[15][16][18][* 12]。座席モケットの更新も行われたが、2010年3月までの更新車は7020系と同様のデザインで、2014年の更新車は5200系更新車と同様のデザインとなっている。

その他

2002年から2012年1月にかけて全編成に転落防止幌が設置され、2008年から2013年にかけて全編成が新型ATS(ATS-SP)・デッドマン装置設置工事を受けている。2013年以降、2621F・2625F - 2627Fのパンタグラフが下枠交差型に交換されている[19]

L/Cカーへの改造

1996年に2621F[13]、1997年に2626F・2627F[13]の4両編成3本が車体更新の際にL/Cカーに改造された[13]。座席を昼間時はクロスシート、ラッシュ時はロングシートに切り替えできる画期的な座席を導入したもので、2621Fでの試用を経て、新造された5800系および量産改造車を導入することになった。名古屋線所属の3編成がL/Cカーに改造された理由は、名古屋線には競合する東海旅客鉄道(JR東海)の関西本線紀勢本線が存在し、名伊特急や3扉転換クロスシート車の5200系とともに快速「みえ」と対抗する役割も担っているためである[* 13]。所要時間は「みえ」より長いが車内設備は同等(増結車を除く)で編成両数も「みえ」よりも長く[* 14]、特急料金がかからないため運賃の面でも対抗しており、また松阪駅以北では特急同様運転本数の面でも優位に立っている。試作車の2621Fとは異なり、2626F・2627Fは仕切り壁の幅が広げられ、客室側窓のロールカーテンはフリーストップ式に変更し、側面二枚窓中央のサッシの車体側は黒く塗装されている。

B更新

2008年には試作車の2621Fに2回目の車体更新(B更新)が施工された。更新内容は以下の通り。

  • L/Cシートと転換装置を5820系と同一の新品に交換
  • 車端部ロングシート部分のヘッドレスト撤去
  • 側面二枚窓中央の車体側サッシの黒塗装化

ただし、フリーストップ式ロールカーテンへの交換や、側面窓の一部固定化、乗降扉の複層ガラス化およびトイレの洋式化は行われていない。

2015年12月には量産改造車の2627FにB更新が施工され[17]、2015年12月21日に高安検修センターを出場した後、同年12月23日には営業運転に復帰した[17]。更新内容は以下の通り。

  • 車内側面窓側は明るめのグレーを基調とした化粧板に、車内妻面と乗降扉、扉付近仕切り壁は黒色を基調にした化粧板に交換[17]
  • 車内床面は茶色を基調にしたデザインに変更[17]
  • デュアルシートと優先席を除いた車端部ロングシートのモケットを、22000系更新車に準じたグレー系に、優先席部分はオレンジ系に、仕切り壁のモケットは黒色系に交換[17]
  • 優先席部分の床面表示と6人掛けとなるモ2677にスタンションポールの設置、優先席部分のつり革と仕切り壁握り棒をオレンジ色に交換[17]
  • 車端部ロングシートのヘッドレストを撤去[17]
  • ブラインドカーテンのデザイン変更[17]

2011年から2012年1月にかけて車体側面窓下に貼られていたL/Cマークが検査時の車体再塗装の際に撤去されているが、車体前面のエンブレムは存置されている。

廃車

2015年4月現在のところ、本系列の廃車は発生しておらず、製造された全17編成が現存している[8]

アートライナー

X27L/Cカー
L/C車内装(B更新後)
ロングシート化車内
トイレ前に残るクロスシート

2800系

近鉄2800系電車
主要諸元
編成 2両・3両・4両
車体幅 2,740
全高 4,150
車体高 4,040
台車 近畿車輛製シュリーレン式空気バネ台車
Tc車:KD-72C/KD-87A
M車:KD-72B/KD-87
T車:KD-72C/KD-72E/KD-87A
Mc車:KD-72B/KD-87
主電動機 三菱電機MB-3110-A
主電動機出力 155kW
歯車比 4.61
編成出力 2両編成:620kW
3両編成:1,240kW
4両編成:1,240kW
制御装置 三菱電機ABFM-214-15-MDH
備考 電算記号:AX
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2800系は、旧型車の1400形の代替を目的に1972年から1979年にかけて近畿車輛で製造された2610系のロングシート版である[20][21]。電算記号はAX

大阪線2430系に落成当初から冷房装置を搭載したもので、座席はロングシートである。本系列以前の大阪線・名古屋線用通勤型車両では走行機器の差異[* 15]で形式と運用が区別されていたが、本系列の登場以降は大阪線と名古屋線の通勤型車両は共通設計で投入されるようになった。

冷房装置は集約分散式ユニットクーラーで他にラインデリア、熱交換型換気装置が装備されている。なお、冷房装置は最初の4編成 (2801F - 2804F) は5台搭載だったが[20]、1973年製2805F以降は容量を増大した新型とし、4台搭載になった[20]

増備途中から設計変更が行われており、製造当初は行先表示器を装備していなかったが、1973年製の2805F以降からは同時期製造の奈良線向け8600系や南大阪線向け6200系と同様に前面方向幕も装備されている。この関係で1977年製の2814Fまでの車両では大型運行標識板取付ステーが省略された(1978年から1979年に増備された2815F - 2817Fでは設置)。1976年製造の2812F以降は座席のひじ掛けが湾曲したものに変更され、座面を低く、奥行きを広くして座り心地を良くした。1977年製の2814F以降はロールカーテンが一段階ストップ式から三段階ストップ式に変更されている。

主要機器・性能

性能は2610系と同一である。主電動機や制御装置、ブレーキ方式もこれらに準じている[21]。台車は2610系と同じくKD-72を採用しており、電動車はKD-72Bを、付随車はKD-72Cを装着した[22]。サ2963以降のT車台車はKD-72Eに、最終増備車の2816F・2817FはM車・Mc車をKD-87へ、T車・Tc車をKD-87Aへそれぞれ変更された[22]
空気圧縮機はク2900形とサ2950形、電動発電機はク2900型に装備した[20]。集電装置は菱形式で、2両編成はモ2800形に2台[20]、3両編成がモ2800形の運転席側に1台とモ2850形に2台[20]、4両編成はモ2800形のパンタグラフが連結側にあり、モ2850形は2台装備する[20]

1975年製の2809Fのみ他の4両編成と若干仕様が異なっており、南大阪線6200系と同様にT車を抜いた3両編成運用も考慮しているため、サ2959形には空気圧縮機を搭載しておらず、3両編成時にパンタグラフが接近し過ぎないようにモ2809形のパンタグラフが運転席側に搭載されている。1979年製の2816F・2817Fは一部仕様変更が行われ、パンタグラフが下枠交差式に変更された[* 16]

改造

車体更新

1993年から1998年にかけて全編成に車体更新工事が実施され、車体外装材と車内内装材の交換の他、側面方向幕も全車に装備された[21]。1998年に施工された2816F・2817Fは雨樋取付および車内乗降扉床面のノンスリップ加工が行われている。分散式冷房装置を搭載する2801F - 2804Fは車体更新の際にモ2850形の冷房装置の配列を一部変更している。一部の4両編成は後述のL/Cカーに改造された。

B更新

2008年3月から2回目の車体更新工事(B更新)が開始され、2015年4月までに2801F - 2814F・2816Fが更新を完了している[23][19][16]。更新工事は車体外装材の交換と化粧板・床材・ブラインドカーテンを7020系と同一仕様に交換、ク2900形連結側の車椅子スペース設置を中心とした更新内容となっている。座席モケットは2009年までの更新車は7020系と同一仕様で、2012年以降の更新車は5200系更新車と同様のデザインとなっている。

その他

2008年から2012年12月にかけて全編成に転落防止幌が設置され、2008年から2013年にかけて全編成が新型ATS(ATS-SP)・デッドマン装置設置工事を受けている。2013年以降、従来ひし形パンタグラフを装備していた2811F・2813Fのパンタグラフが下枠交差型に交換されている[19]。本系列の3両編成車へのワンマン対応改造は、既に先行してB更新・ワンマン対応改造が行われた2444系と1010系で5編成在籍しているため行われていない。

トイレの設置

1989年に2817F、1997年から1998年3月にかけて後述のL/Cカーに改造された3編成のサ2950形に急行での運用を考慮してトイレ[* 17]が設置されている[21][* 18]

その他の13編成には2015年現在でもトイレが設置されていない。

L/Cカーへの改造

1997年から1998年3月にかけて2811F・2813F・2815Fの4両編成3本がL/Cカーに改造された[21]。座席だけでなく、中間車の連結面の窓が埋められ、フリーストップ式のカーテンが採用され、2610系改造L/Cカーと外見上・内装上は差異が殆どない[* 19]。2610系の大多数がロングシートに改造されたにもかかわらず、2800系にもL/Cカーへの改造車が登場しているが、5800系の初期車が落成した1997年当時は2610系の初期車両がロングシートに改造されて間もなかったことや、4両編成では既に2805F - 2810Fと2610系2611F - 2625Fが車体更新を完了しており、4両編成の新製冷房車で未更新の編成は2610系2626F・2627F以外に2811F・2813F・2815F - 2817Fのみであったこと、そして車体更新の時期がちょうど1997年に当たっていた2811F・2813F・2815Fの車内設備以外が2610系と変わらなかったことが挙げられる。

2010年7月から2011年12月にかけて車体側面窓下に貼られていたL/Cマークが検査時の車体再塗装の際に撤去されているが、車体前面のエンブレムは存置されている。

B更新

2014年5月から同年9月にかけて2811F・2813FにB更新が施工された[16]。 内容は2610系2621Fと同様の内装更新が施工されているが、座席そのものは従来のままであり、モケットとヘッドレストの交換のみ行われ、ロングシート部分のヘッドレスト撤去は行われていない。2621Fとは異なり、サ2950形のトイレは5200系後期更新車と同一の洋式トイレに交換された[* 10]

転属・組成変更

3両編成の2801F - 2804Fは1480系の置き換え目的で1998年までに高安検車区から明星検車区に転属している。

2006年7月には9200系の大阪線転属に伴い、T車を抜いた3両編成化が可能であった2809Fはサ2959を抜いて3連化され、高安検車区から明星検車区に移籍した。

2811Fは当初高安検車区に配置されていたが、1997年から1998年にかけて先述の車体更新・L/Cカー改造を施工後、富吉検車区へ転属している。

2813F・2815F・2816F・2817Fは当初名古屋線所属だった[20]ものの、5200系の増備に伴って1990年に高安検車区へ転属したが、2813F・2815Fは先述の車体更新・L/Cカー改造を完了後に高安検車区から富吉検車区へ、2817Fは2002年に明星検車区へ所属変更された後、2004年3月に1000系1002Fの廃車代替として明星検車区から富吉検車区にそれぞれ再度転属した。

2013年6月には2両編成の2812F・2814Fが1810系1822F・1823Fの廃車代替のために、大阪線高安検車区から名古屋線富吉検車区に転属となった[24][19]。これにより、大阪線所属の本系列は4両編成のみになった。

2014年9月のダイヤ変更で名古屋線所属編成の急行運用が1運用を大阪線所属編成の運用に変更され、その補充扱いで2817Fが富吉検車区から明星検車区に転属した[16]

廃車

2006年7月に先述の2809Fの3連化・名古屋線転属により、編成から外されたサ2959は2800系では初の廃車・除籍となり、塩浜工場で解体された。このため、近鉄車両全体における新製冷房車の廃車解体は同年5月に廃車解体された奈良線8000系8076F・8077Fのモ8276・モ8277(界磁位相制御化の際に組み込まれた新製冷房車)以来5度目の解体である[* 20]。実際には1810系中間T車と編成を組んでいた2430系2443F - 2445Fも3両編成化が可能であったが、2443Fはサ1961形を抜いて2444Fに組み込まれていたサ1976形と交換されたため、4両編成のままであったことや、サ1970を組み込んだ2433F・2443Fは既に2回目の車体更新 (B更新) を完了しており、2000系や養老鉄道600系で行われた車体改造を伴うワンマン対応改造が不可能であったこと、サ1970形が1979年製であったため、2809Fより車齢が4年程度若く[25]、廃車とするには時期がやや早かったため、2809Fが3連化の対象になったことが挙げられる。

2015年4月現在、サ2959形以外に廃車となった車両は発生していない[8]

編成・配置

 
← 大阪上本町・近鉄名古屋
鳥羽 →
2両編成 Tc
ク2900形
Mc
モ2800形
3両編成 Tc
ク2900形
M
モ2850形
Mc
モ2800形
4両編成 Tc
ク2900形
M
モ2850形
T
サ2950形
Mc
モ2800形

2015年4月1日現在、高安検車区に2805F - 2808F・2810F・2816Fの6編成、富吉検車区に2811F - 2815Fの5編成、明星検車区に2801F - 2804F・2809F・2817Fの6編成が配置されている[8]。2両編成は2本、3両編成は5本、4両編成は10本の計59両が在籍する。なお、モ2862・2864とサ2951 - 2954・2962・2964は当初から欠番である。

アートライナー

  • 2809F:名泗コンサルタント(2016年3月1日[26] - )
  • 2811F:赤塚「FFCパイロゲン」(2006年3月 - 2007年12月)
  • 2817F:志摩スペイン村「ピエロ・ザ・サーカス」(2008年5月 - 2009年8月)
2811F L/Cカー(通常塗装)※画像は、2010年9月の定期検査前
前面に飾られたL/Cカーのエンブレム
車体更新後の車内
車体更新後に設けられた車椅子スペース
改造L/Cカー2811Fの車内 (改造当時)
改造L/Cカー2811Fのトイレ前の座席
改造L/Cカー2811Fの車端部。ロングシートが3席設置されている。
改造L/Cカー2811Fの車端部。ロングシートが6席設置されている。

2000系

近鉄2000系電車
主要諸元
編成 3両
全長 62,160
車体幅 2,740
車体高 4,040
台車 近畿車輛製シュリーレン式空気バネ台車
Tc車:KD-41J/KD-64A
M車:KD-41L/KD-85A
Mc車:KD-41L/KD-85
主電動機 三菱電機MB-3020-E
主電動機出力 132kW
歯車比 5.47
編成出力 1,056kW
制御装置 日立製作所製MMC-HTB-20E
備考 電算記号:XT
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1978年に名古屋線旧性能車の代替用として製造された[27][28]。1C8M制御・2M1Tの3両編成で[27][28]、全車名古屋線所属。車体は同時期に製造されていた2800系後期車2815F以降と同一である[29]。電算記号はXT。本系列と同様の機器流用車である2470系および1000系の新製時から冷房装置を搭載した車両または2680系のロングシート仕様と言える[28]。なお、2000形という形式番号は過去に1930年製の参急デニ2000形、次に1948年製の大阪線用・運輸省規格型20m3扉車で使用されており、本系列は3代目ということになる[* 21]

主要機器

主電動機は廃車になった10100系「ビスタカーII世」から流用しているが[28]、電動機出力は10100系時代の125kWから132kWに増強されている[28]。一方、主制御器は日立製作所MMC-HTB-20E型が新製されM車に搭載[28]。集電装置はM車に[28]、10100系から流用した東洋電機製造PT-4203が2基搭載されたが、1979年に増備された車両は新造された下枠交差形の東洋電機製造PT-48に変更されている。

台車は流用品、新造品を問わずにいずれも空気バネ台車であるが、2101F・2102Fでは電動車も10100系の近畿車輛KD-41Jを最小限の改造と整備の上でそのまま流用[27][29][28]、第3編成以降では、制御車のみKD-41Lを流用され[27][28][29]、電動車は近畿車輛KD-85が新造された[28]。2103F以降のク2100に装備されていたKD‐41L台車は、後に廃車となった8000系60番台のサ8710等から流用したKD‐64Aに2003年から2004年にかけて全て交換された[29]。なお、2101F・2102Fの台車は2015年現在も交換されていない。

全車名古屋線用として製造された[29]が、抑速制動と発電制動を装備している[27]ことから、一部編成は当初大阪線所属の1480系・2470系、2430系3両編成の冷房改造に際しての車両不足の代走として大阪線の各列車に運用されたこともあった。性能は1480系・2470系や2680系とほぼ同一である。

改造

車体更新・ワンマン対応改造

1996年から1999年にかけて全編成に車体更新工事が施工され、側面方向幕も全車に装備された[27]。第1・2・7編成以外の編成は湯の山・鈴鹿線用ワンマン運転対応改造も施工され[29]、乗務員室仕切窓の小型化、客室内の乗務員室仕切扉のガラスが22000系と同様の黄土色のガラスに取り替えられている。ワンマン列車の表示は、専用の行先表示幕による表示と、通常の行先表示幕を併用した電光表示器によるものが混在している。

B更新

2014年からは本形式のB更新が開始され、2015年4月現在、2103F・2104Fが更新を完了している[16]。内容は2800系の後期更新車と同一で、ク2100形には車椅子スペースも整備されている。

その他

2007年から2013年にかけて全編成の車体連結部に転落防止幌設置、2011年から2013年にかけて全編成が新型ATS設置・デッドマン装置更新・戸締灯増設の各工事を受けている。2013年からは一部編成の中間連結部の通路板が5800系に準じた3枚板のものに交換されている。

トイレの設置

1989年に2107Fのク2107に急行での運用を考慮して5200系(登場時)と同一仕様の和式トイレが設置されていた[29][27]。主要駅間の区間乗車が多い普通列車での運用が大半となっていたが、大阪線所属の2610系同様に名古屋線急行車の予備編成にもなっており、かつては2680系と共に大阪 - 伊勢志摩間の快速急行にも運用された時期があった。名古屋線急行車の代走を務める際は、抑速ブレーキ未装備の編成と連結する場合もあるために大阪線の間合い運用には充当されなかった。また、団体貸切列車や臨時列車などで湯の山線[30]や志摩線などの通常は運転されない線区で運用された場合もあり、2013年に後述のイベント用列車に改造・2013系に形式変更されるまで[19]、その状態で使用されていた。

その他の11編成には2015年現在でもトイレが設置されていない。

編成・配置

← 近鉄名古屋
鳥羽 →
Tc
ク2100形
M
モ2000形
(奇数)
Mc
モ2000形
(偶数)

2015年4月現在、全車が富吉検車区に配置されている[8]

アートライナー

  • 2104F:シー・ティー・ワイ(2015年8月[31] - )
  • 2108F:名泗コンサルタント(2008年8月 - 2012年5月)
  • 2109F:名泗コンサルタント(2005年6月 - 2008年8月)
  • 2111F:シー・ティー・ワイ(2008年6月 - 2011年10月、2011年12月 - 運転終了)
  • 2112F:シー・ティー・ワイ(2005年4月 - 2008年5月)
2109F 名泗コンサルタントのラッピング(のちにラッピング撤去)
2108F 名泗コンサルタントのラッピング
2111F シー・ティー・ワイのラッピング(写真は2011年10月以前のデザイン。)

2013系「つどい」

近鉄2013系電車
主要諸元
編成 3両
起動加速度 2.2km/h/s (通常)
2.5km/h/s (高加速)
編成定員 88名
車両定員 Tc車:24名
M車:12名
Mc車:52名
自重 Tc車:34.0t
M車:40.0t
Mc車:40.5t
編成重量 114.5t
全長 62,160
車体幅 2,740
全高 4,150
車体高 4,040
台車 近畿車輛製シュリーレン式空気バネ台車
Tc車:KD-64A
M・Mc車:KD-85A
主電動機 三菱電機MB-3020-E
主電動機出力 132kW × 4
歯車比 15/82 (5.47)
編成出力 1,056kW
制御装置 日立製作所製MMC-HTB-20M
テンプレートを表示

前述の2000系電車の中で、トイレが設置されている2107Fが2013年に観光用列車へ改造された際に、内外装が大幅に変更され、形式を2013系に変更した事から生じた系列[32]。大阪・名古屋寄りからク2107 (Tc) ー モ2013 (M) ー モ2014 (Mc) の編成を組む[32]。2015年4月1日現在の配置検車区は明星検車区である[8]

改造までの経緯

2013年10月に開催される第62回伊勢神宮式年遷宮に合わせ、同年3月に50000系「しまかぜ」の新造投入、および2012年8月から2013年7月にかけて23000系伊勢志摩ライナーのリニューアルが行われたが、これと並行して式年遷宮の多客期に伊勢市駅 - 賢島駅で専用列車を運行する計画が持ち上がり、開発プロジェクトが2012年末にスタートした[32]

プロジェクトのメンバーは近鉄グループの総力を結集し、近鉄の企画統括部営業企画部と技術管理部が企画を、大阪輸送統括部工機部検修課が工事図面の作成から施工管理を担当、デザインはアド近鉄株式会社、内装品の設計や製作は株式会社近創、車両改造は近鉄車両エンジニアリング株式会社が担当した[32]。検討段階では各地の輸送統括部事業課などの現業部門からも意見を幅広く集約し、計画からおよそ9ヶ月という短期間で企画・設計・材料手配・施工を進め、式年遷宮の時期である2013年10月には営業運転開始にこぎつけている[32]

開発プロジェクトでは、志摩地域の魅力を再確認することから始まり、地元自治体の志摩市関係者と共に志摩市の見所を回り、豊かな自然や海の幸などを楽しみ議論を重ね、開発コンセプトは次のようになった[32]

  • 明るく楽しい雰囲気の列車
  • 伊勢志摩地域の見所をご紹介する列車

愛称は、にぎやかで楽しい多彩な車両空間かな、自然と人が集まり、わいわい賑やかに楽しんでいただくと言うコンセプトにふさわしい名称として「つどい」に決定した[32]

改造種車

開発コンセプトと使用条件から、改造方針が次のようになった[32]

  • 標準軌全線を走行可能な車両性能[32]
  • 定員は団体バス2台分のお客様を収容可能な88名[32]
  • 飲食を楽しめるテーブルを備えた腰掛[32]
  • 飲食物をご提供できるバー・カウンター[32]
  • 各種催しが出来る広いイベントスペース[32]
  • 自然の風を感じるオープンスペース[32]
  • 車内での飲食に備えたトイレ付き車両[32]

これらの仕様を満たす車両として、3両編成でトイレを備えた車両である2000系2107Fが選定された[32]。 

本系列は大阪線・名古屋線共通仕様の通勤車を改造種車としており、起動加速度切り替え機能の追加を除き主要機器には2000系時代からほとんど手を加えられていないことから、車両性能も全く同一であり、全線のホーム有効長が3両編成以上であれば難波線信貴線を除く標準軌全線で運用可能な性能を有している[32]

車体外見

車体構造は車内設備の関係や定員80名を確保するために、各車の乗降扉を片側4ヶ所から1ヶ所とされたが、中間車のモ2013形は機材搬入時の業務用扉として片側1ヶ所が残されている[32]。側扉を撤去した部分のうち、座席スペースとなる部分には固定窓が新設されている[32]。方向幕装置は前面・側面共に全て撤去された[32]。車体連結部には棒状の転落防止幌を装備する[32]

外観の塗装はシルキーホワイト1色塗装を基調とし、伊勢神宮や海の幸など、伊勢・鳥羽・志摩の魅力をイラストで表現したものとしている[32]

車内設備

共通事項

車内は天井をオレンジとグリーン、側壁の化粧板を木目調とされ、床面は伊勢エビやフグなどの伊勢志摩の特産品をモチーフとした柄や色鮮やかなカーペットを敷きつめて、キュートかつ賑やかな雰囲気とした[32]
乗務員室についても、ブルーの濃淡3種の化粧板を使い分け、観光列車らしい雰囲気とされた[32]

座席スペース
1号車の半室24席、2号車の賢島方車端部8席、3号車の48席を合わせて座席数は80席となっている[32]。座席は窓向きに配置され、景色を見ながら飲食を楽しめるようにテーブルを設けた[32]

ク2107形

1両目は半室を座席スペースとして客室中央部をガラスで仕切り、「風のあそびば」と名付けられたフリースペースを設置[32]。扉部分には、スリットと床面までの大型ガラス (高さ約1700mm、幅約600mm) を設置した。スリットから入る爽やかな風を感じながら景色を楽しめるようにしている[32]。側扉は残されており、車庫の入庫時や悪天候時には完全に締め切る事が出来る[32]
車内はカラフルかつユニークな形状の座席を配置し、天井は空をイメージしたブルーで、側壁の化粧板は木目調とされた[32]。床面には色鮮やかなカーペットが敷かれ、明るく楽しい空間を演出した[32]。各部には波形手すり「クネット」を配して安全面にも配慮し、アクセントとした[32]
トイレは従来の和式から、5200系更新車と同等の洋式に改造され、青色の濃淡3種の化粧板を用いて海中をイメージした「うみのトイレ」とされた[32][* 10]

モ2013形

2両目はバーカウンターや物販テーブルがあるイベントスペースになっている。各種催しが出来るように、車端部の座席を全て撤去し、広いイベントスペースを確保した[32]。イベントスペースには側壁のスペース全体に受け金具を設け、着脱式テーブルを装備し、催しに応じて自在に変更する事が可能で、使用しない場合は折りたたんでバックヤードに収納する事も出来る[32]。バー・カウンターでは志摩市、志摩市観光協会、志摩市商工会が志摩地域の食材や特産品を販売し、その場で飲食できるようになっている[32]。一部の日程で海女、ご当地キャラクターとの記念撮影会、トークショーなどの特別イベントも開催している。座席スペースはバー・カウンターの両端に配置した[32]
車内の天井は太陽をイメージしたオレンジ色で、側壁の化粧板は木目調とされた。床材は海をイメージした青色の床敷物であり、中央部にはスペイン割タイル調のデザインシートを貼りつけた[32]
放送とAV関係はバー・カウンターに3両一括の車内放送用マイクを追加で設置し、2号車専用のイベント用放送装着であるワイヤレスマイクシステムを既存の放送回路と独立させた4個のスピーカーと共に新設し、映像視聴を可能とする32インチの液晶ディスプレイを車内中央部に新設した[32]
大阪・名古屋方車端部には車椅子スペースが設置され、非常通報装置 (通話式) を併設した[32]

モ2014形

3両目は全て座席スペースとされた。乗務員後方には「こども運転台」を設置し、運転士気分が味わえるようにしている。運転台機器は廃車となった1810系1823Fのモ1823形からマスコンと制動弁が流用された[32]

現在の運用

名古屋線所属車両
  • 2両編成車両
  • 2800系2812F・2814F
名古屋線の準急・普通に編成単独および他編成と併結した2両 - 5両で使用されるほか、急行の増結編成にも使用されている。また、早朝・深夜の1往復のみ片側4扉のトイレ付き4両編成車と併結した急行・快速急行として、大阪上本町駅まで乗り入れる。併結車両は特に限定されないが、大阪線乗り入れの関係から片側4扉の4両編成車との併結が多く、1233系・1430系のワンマン非対応車と共通で運用されている。
大阪線時代は2410系と共通で運用され、名古屋線には早朝・深夜の1往復のみ急行・準急の増結編成として乗り入れていた。編成単独による名張駅 - 伊勢中川駅間の普通列車、信貴線ではほとんど運用されていなかった。
  • 3両編成車両
  • 2800系2801F - 2804F・2809F
  • 2000系2101F - 2106F・2108F - 2112F
主に名古屋線の準急・普通を中心に、近鉄四日市駅発着急行[* 22]でも運用されている。
ワンマン運転には対応していない編成は湯の山線鈴鹿線、土休日昼間の近鉄名古屋駅 - 近鉄四日市駅間の急行には運用されないが、平日の名古屋線近鉄四日市始発平田町行き急行と折り返しの鈴鹿線内列車 (車掌乗務) で入線することもある。朝・夜間には山田線 (車掌乗務) でも運用される。
ワンマン編成は上記運用の他に湯の山・鈴鹿線のワンマン列車[29]、深夜の下り最終を除いた近鉄名古屋駅 - 近鉄四日市駅間の急行でも運用されている。
  • 4両編成車両
  • 2610系2621F・2626F・2627F
  • 2800系2811F・2813F・2815F
通常の定期運用ではL/Cカーの5800系5812F、ロングシート車の1200系1211F・1212Fと共通運用で、1201系9000系1230系などの2両編成を増結した6両編成で近鉄名古屋駅 - 松阪駅五十鈴川駅鳥羽駅間の急行を中心に、間合い運用で近鉄名古屋駅 - 富吉駅間の準急、朝の宇治山田発白塚行き普通、夜間の上りと翌朝下りの1往復で大阪線快速急行・急行でも運用される。トイレが設置されている関係上、団体貸切列車等に使用される場合もあり、その際は志摩線天理線などの通常運用されない線区にも入線する事がある。特に、2009年以降は志摩線活性化の一環として、「ペンギン列車」[33]、「サイクルトレイン」[34]といった臨時・団体列車での志摩線へ乗り入れる機会が多くなっている。名古屋線では短距離運用に入る場合でもトイレの利用が可能である。
大阪線所属車両
  • 4両編成車両
  • 2610系2611F - 2620F・2622F - 2625F
  • 2800系2805F - 2808F・2810F・2816F・2817F
大阪線大阪上本町駅 - 名張駅・青山町駅では快速急行から普通列車まで種別を問わずに運用され、単独編成の他に2本併結の8両編成や1430系などを増結した6 - 10両編成でも運用されている。トイレの有無で運用区間が区別されており、トイレを装備していない2805F - 2808F・2810F・2816Fは1620系4両編成車などと、トイレを装備する2610系や2817Fは1400系1407Fとそれぞれ共通で運用されている。トイレ無しの編成は混乱時以外は、新青山トンネル越え運用に充当されない。
トイレを装備しない編成は青山町駅以西の運用を中心に、トイレを装備する編成は上記運用の他に大阪線急行の主力車両として運転距離を問わずに青山町駅以東に直通する急行・快速急行でも運用されているほか、1日2 - 4編成(2・3編成乗り入れる場合、残る1本は1400系1407F)が間合い運用として夜間上りと早朝下りの名古屋線急行で3編成ずつ、朝の名張発近鉄名古屋行き急行とその折り返しの名古屋線急行1往復半で1編成が運用されている。
2610系および2800系2817Fはトイレを装備する関係で大阪線・名古屋線急行車、2680系鮮魚専用車両[35]の共通予備車にもなっているため、5200系やL/Cカーおよび2680系などが検査や団体運用などで定期運用を離脱した場合は2610系が代走することがあるが、2817Fは鮮魚列車の代走に起用された実績はない。
その他
  • 3両編成車両
  • 2013系2013F
運行区間は伊勢市駅 - 賢島駅間1日2往復[32]。特別料金は大人300円、子供150円であり、運賃とは別途必要となる[32]。運転期間は2013年10月5日(土)から2014年3月30日(日)までの土休日運行。運休日には標準軌全線での団体運用も可能とし[32]、奈良・京都線[36]、名古屋線[37]の団体貸切列車として運行された実績もある。
  • 2680系2684F
日曜日を除き、早朝と夕方の決まったダイヤで大阪上本町駅 - 松阪駅・宇治山田駅を鮮魚列車として運行する。団体列車の扱いであるため他形式との併結や他線区への入線はほとんど無いが、車両不具合の際に5211系5211Fと併結して高安駅 - 明星駅間を走行したことがあり[38]、2016年3月6日には団体貸切列車で近鉄名古屋駅 - 湯の山温泉駅 - 賢島駅を走行した実績がある[37][39]

その他

ここまでの大阪線名古屋線用抵抗制御通勤車(1470系以前を除く)の基本性能は、主電動機出力の差に関わらず起動加速度(高加速時)=2.5km/h/s(MT比1:1)・3.2km/h/s(MT比2:1)、常用減速度=4.0km/h/s、営業最高速度=110km/hとされている。ただし、大阪線の急勾配区間を走行可能なのは、155kWモーター車はMT比1:1、125kWまたは132kWモーター車はMT比2:1以上の、全車抑速ブレーキ付き編成に限られる。歯車比は155kW(MB-3110系)が4.61、125kWまたは132kW(MB-3020系)が5.47と差があるが、155kWモーターは低回転高トルク型なので、定格速度(全界磁で各々49.0km/hと46.5km/h)や走行特性は類似している。また、155kWモーターは弱め界磁制御領域が広く、これによってもMT比1:1で高速域は125kW車の2M1T編成と同等になっている。詳細は各形式の33.3‰勾配均衡速度を参照のこと。

参考文献

  • カラーブックス「日本の私鉄 近鉄2」p39・p40・p49 - p51(著者・編者 諸河久・山辺誠、出版・発行 保育社 1998年) ISBN 4586509058
  • 日本の私鉄「近畿日本鉄道」p76 - p82・p139・p140(著者・編者 広岡友紀、出版・発行 毎日新聞社 2012年) ISBN 978-4-620-32003-8
  • 『近畿日本鉄道完全データ』 p.56 - p58・p65・p.68・p.69 (発行 メディアックス 2012年) ISBN 9784862013934
  • 「近鉄時刻表 各号」(著者・編者 近畿日本鉄道、出版・発行 同左)
  • 近畿日本鉄道のひみつ p126・p127(発行者 小林成彦、編者・発行所 PHP研究所 2013年)ISBN 978-4-569-81142-0
  • ネコ・パブリッシング 復刻版 私鉄の車両13 近畿日本鉄道Ⅱ (通勤車他) p4・p5・p22 - p29・p84・p85・p92・p93・p96・p97・p164・p182 - p184(著者:飯島厳・藤井信夫・井上広和 編集者:名取紀之 発行人:笹本健次 発行所:ネコ・パブリッシング 2002年)ISBN 4-87366-296-6
  • 鉄道ファン』2014年1月号 {第633号} p.56 - p61

脚注

注釈

  1. ^ それまで2600という形式番号を使用する車両に新2200系の貴賓車を出自とするサ2600号1両が存在したが、1964年にサ3018へと改番されており、形式、個体番号ともに重複したことはない。
  2. ^ 2603F・2604Fは将来のパンタグラフ増設を考慮してクーラーキセのカバーが中央に寄せて設置されている。
  3. ^ モケットは、当時一般的なエンジ色である。
  4. ^ 走行機器や車体は通勤型の2410系や2430系とほとんど同一で、保守面に問題は無かったが、車内設備では補助席を装備する関係上、立席スペースが若干狭く、ラッシュ時の運用には不向きであった。
  5. ^ 2両編成に限らず、4両固定編成の2602Fや当時の名古屋線唯一のロングシート4連車である1000系1002F、5800系等4両編成L/Cカーや5200系と組んだこともあった。
  6. ^ 2601F・2603F・2604Fは高安へ回送の後に高安検修センターで、2602Fは五位堂へ回送の後に五位堂検修車庫で解体された。
  7. ^ B更新を受けなかったのは2410系ク2591形のみである。
  8. ^ a b ロングシート改造された車両は前述のように元々クロスシート車として製造されたことから、ロングシートの背面高さは本車両群の窓框の寸法に合わせて低めに取られた。座席配置も固定クロスシートの位置に合わせてあるため、車端部のロングシートは3人掛けと5人掛けとされ、乗降扉付近の一部には僅かながらデッドスペースが生じている。
  9. ^ 以前から、大阪上本町 - 高安・河内国分間の準急と普通列車では運行距離が短かったことから、乗客の少ない列車によるトイレでの喫煙やいたずら防止のため、5800系や5820系などトイレ付きのクロスシート車両はトイレを使用不可とする処置がとられていた。
  10. ^ a b c 洋式化の際にドア部へのピクトグラム貼り付けも行われている。
  11. ^ 当時は本系列以外にもB更新工事の施工途中であった2430系8600系6020系12200系のB更新も一旦中断されている。
  12. ^ 本形式では同時期にB更新が施工された2800系とは反対側の位置に車椅子スペースが設置されている。
  13. ^ 1990年3月に快速みえの運行が開始され、1993年8月からは5200系と同様の3扉転換クロスシート車両のキハ75形気動車が投入されている。
  14. ^ 快速「みえ」は2両編成を基本に一部列車を4両編成(2011年3月12日ダイヤ改正以降と2014年12月まで定期列車は全列車4両編成で運転されていた。)として運転されているが、近鉄名古屋線の急行では早朝と夜間の一部に4両編成で運転される列車を除いて2両編成のロングシート車両を増結した6両編成を基本としている。
  15. ^ 名古屋線標準軌化の後に投入された1600系および1480系以降の通勤型車両は車体や主電動機、台車はほぼ同一設計であるが、制御装置のメーカー (大阪線用は三菱電機製、名古屋線用は日立製作所製) と抑速制動の有無 (大阪線用は宇陀山地や青山峠を跨ぐ運用を考慮して抑速制動を装備していたが名古屋線用は省略) で別々の車両形式で投入されていた。
  16. ^ この2編成のみ、パンタグラフ搭載位置が車端寄りに変更された関係でヒューズボックス位置も若干変更されている。
  17. ^ 処理方式は貯蔵タンク式であるが、室内の配色はサ2967のみ5200系(登場時)と同一仕様で、L/Cカーに改造された3編成は5800系に合わせて落ち着いた仕様となっている。
  18. ^ サ2967は1200系1211F・1212Fと反対側の車端部の側面窓が一枚の部分に設置されているが、L/Cカーに改造された3編成は2610系に合わせて車端部の側面窓が二枚のところに設置されている。
  19. ^ 差異を挙げると、乗務員室仕切窓の高さ(2610系は固定クロスシートの寸法に、本形式はロングシートの寸法に合わせてあるため)と大型運行標識板取付ステーの有無(2815Fのみ取付ステー付き)、トイレの内装(前述のように本形式の改造車はトイレが後付けであり、設備上は同一)である。
  20. ^ 大阪線・名古屋線所属に限定すれば、新製冷房車の廃車解体は2002年8月の2680系2682F、2003年8月の1810系1825Fのク1925(新製時から冷房装置搭載で製造された1000系1002Fのク1102と交換した車両)、2004年3月の1000系1002F以来4度目の解体であるが、大阪線・名古屋線の機器流用車ではない完全新製車両では本系列のサ2959が初の廃車解体である。
  21. ^ 初代は近鉄モニ6251形となり名古屋線に転属、1974年廃車。2代目は3両編成(モ2000形10両・ク1550形5両)であったことが現行との共通点として挙げられるが、3代目登場より5年前の1973年に廃車。
  22. ^ 9:38発および平日7:24発名古屋行き、平日7:50発鈴鹿線平田町行きの3本のみ

出典

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  7. ^ a b c d e f カラーブックス「日本の私鉄 近鉄2」p.50(著者・編者 諸河久・山辺誠、出版・発行 保育社 1998年) ISBN 4586509058
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関連項目

他社のデュアルシート車両

外部リンク