リシャール・ガスケ
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2023年全米オープンでのリシャール・ガスケ | ||||||||||
基本情報 | ||||||||||
フルネーム | Richard Gabriel Cyr Gasquet | |||||||||
国籍 | フランス | |||||||||
出身地 | 同・ベジエ | |||||||||
生年月日 | 1986年6月18日(38歳) | |||||||||
身長 | 183cm | |||||||||
体重 | 79kg | |||||||||
利き手 | 右 | |||||||||
バックハンド | 片手打ち | |||||||||
ツアー経歴 | ||||||||||
デビュー年 | 2002年 | |||||||||
ツアー通算 | 18勝 | |||||||||
シングルス | 16勝 | |||||||||
ダブルス | 2勝 | |||||||||
生涯獲得賞金 | 20,836,604 アメリカ合衆国ドル | |||||||||
4大大会最高成績・シングルス | ||||||||||
全豪 | 4回戦(2007・08・12・13) | |||||||||
全仏 | ベスト8(2016) | |||||||||
全英 | ベスト4(2007・15) | |||||||||
全米 | ベスト4(2013) | |||||||||
4大大会最高成績・ダブルス | ||||||||||
全豪 | 1回戦(2006) | |||||||||
全仏 | 1回戦(2002・03・05・23) | |||||||||
4大大会最高成績・混合ダブルス | ||||||||||
全仏 | 優勝(2004) | |||||||||
優勝回数 | 1(仏1) | |||||||||
国別対抗戦最高成績 | ||||||||||
デビス杯 | 優勝(2017) | |||||||||
ホップマン杯 | 優勝(2017) | |||||||||
キャリア自己最高ランキング | ||||||||||
シングルス | 7位(2007年7月9日) | |||||||||
ダブルス | 45位(2008年4月7日) | |||||||||
獲得メダル | ||||||||||
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2024年9月24日現在 |
リシャール・ガスケ(Richard Gasquet, 1986年6月18日 - )は、フランス・ベジエ出身の男子プロテニス選手。身長183cm、体重79kg。右利き、バックハンド・ストロークは片手打ち。シングルス自己最高ランキングは7位。これまでにATPツアーでシングルス16勝、ダブルス2勝を挙げている。
2004年全仏オープン混合ダブルス優勝者。2012年のロンドン五輪男子ダブルスで、ジュリアン・ベネトーとペアを組んで銅メダルを獲得。ホップマンカップ2017優勝。
シングルスではグランドスラムベスト4が3回、マスターズ1000決勝に3度進出。ATPワールドツアー・ファイナルズに2度出場。2018年現在、フランス出身の選手としてはヤニック・ノアに次ぐ歴代2位の勝利数となっている。
選手経歴
[編集]ジュニア時代
[編集]4歳からテニスを始める。父親はテニスクラブの経営者で、母親もテニスコーチという恵まれた家庭に育ち、早くも9歳の時に「フランス・テニス・マガジン」1996年2月号の表紙に掲載されたことがあった。
2002年 プロ転向
[編集]2002年全仏オープンと全米オープンのジュニア男子シングルス部門で優勝したことがあり、全米ジュニア決勝ではマルコス・バグダティスを破っている。
大会 | 2001 | 2002 | |||||||
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ジュニアグランドスラム | |||||||||
全豪オープン | A | SF | |||||||
全仏オープン | 3R | W | |||||||
ウィンブルドン | A | A | |||||||
全米オープン | A | W |
同年にプロ入り。モンテカルロマスターズではマスターズ1000で勝利を飾った最年少選手となる。年間最終ランキングは166位。
2004年 全仏混合ダブルス初優勝
[編集]2004年全仏オープン混合ダブルス部門で、ガスケは同胞のタチアナ・ゴロビンとペアを組み、ウェイン・ブラック/カーラ・ブラック組を6-3, 6-4で破って初優勝。当時ガスケは18歳、ゴロビンは16歳で、2人の混合ダブルス優勝は地元ファンを大いに喜ばせた。年間最終ランキングは109位。
2005年 ツアー初優勝
[編集]2005年6月、ノッティンガム・オープンの決勝でマックス・ミルヌイを6-2, 6-3で破り、男子ツアー大会のシングルス初優勝を果たす。この後、ガスケはウィンブルドンと全米オープンで4回戦に進出し、全米オープン終了後に世界ランキング12位をマークした。年間最終ランキングは16位。
2006年 ツアー4勝目
[編集]2006年のシーズン前半はやや不調であったが、6月のノッティンガム大会で2連覇を果たし、7月第2週のスイス・オープン・グシュタードと10月第3週の南フランス・オープンでも優勝して、シングルスで年間3勝を記録した。10月初頭のモゼール・オープンでは、同じフランスのファブリス・サントロと組んでダブルス初優勝も果たしている。4大大会では全米オープンで2年連続の4回戦に進出した。年間最終ランキングは18位。
2007年 ウィンブルドンベスト4 ATPファイナルズ初出場 世界7位
[編集]ガスケは2007年ウィンブルドンで初めての準決勝に進出した。準々決勝では第3シードのアンディ・ロディックを4-6, 4-6, 7-6, 7-6, 8-6の逆転で破ったが、準決勝でロジャー・フェデラーに5-7, 3-6, 4-6で敗れた。ガスケとフェデラーは、前年のウィンブルドン1回戦で顔を合わせたこともあった。ウィンブルドン終了後、ガスケは世界ランキングを7位に上げ、初めての世界トップ10入りを果たした。ATPワールドツアー・ファイナルズに初出場。年間最終ランキングは8位。
2008年 ツアー通算150勝
[編集]2008年全豪オープンでは、ガスケは4回戦で同じフランスのジョー=ウィルフリード・ツォンガに2-6, 7-6, 6-7, 3-6で敗退した。ウィンブルドン4回戦では、地元イギリスのアンディ・マリーに7-5, 6-3, 6-7, 2-6, 4-6の逆転負けを喫している。年間最終ランキングは25位。
2009年 出場停止処分
[編集]ガスケは、2009年のソニー・エリクソン・オープンのドーピング検査で、コカインの使用疑惑が浮上した[1]。暫定的に出場停止処分となったが[2]、ガスケは潔白を主張し、スポーツ仲裁裁判所はコカインは極めて微量で、2次摂取の疑いが強いとして、2年間の出場停止処分を求めたITFとWADAの提訴を棄却した[3]。年間最終ランキングは52位。
2010年 ツアー6勝目 トップ10復帰
[編集]2010年5月の地元ニース・オープンの決勝でフェルナンド・ベルダスコを6–3, 5–7, 7–6(5)で破り2年8カ月ぶりのツアー6勝目を挙げた。年間最終ランキングは30位。
2012年 ロンドン五輪銅メダル
[編集]2012年7月のロンドン五輪でオリンピックに初出場した。シングルスでは2回戦でマルコス・バグダティスに4-6, 4-6で敗れた。ジュリアン・ベネトーと組んだダブルスでは準決勝でアメリカのブライアン兄弟組に4-6, 4-6で敗れたが、3位決定戦でスペインのフェレール/F・ロペス組に7-6, 6-2で勝利し銅メダルを獲得した。シーズンでは全てのグランドスラムで4回戦に進出したように安定した結果を残し、年間最終ランキングは10位で、5年ぶりにトップ10でシーズンを終えた。
2013年 全米ベスト4
[編集]2013年1月のカタール・エクソンモービル・オープン決勝でニコライ・ダビデンコを3-6, 7-6, 6-3で下し、ツアー8勝目を挙げた。全米オープンでは4大大会2度目のベスト4に進出したが、準決勝で優勝したラファエル・ナダルに4-6, 6-7(1), 2-6で敗れた。南フランス・オープンとクレムリン・カップでも優勝した。アンディ・マリーが欠場したことにより、ATPワールドツアー・ファイナルズに6年ぶりに出場した。年間最終ランキングは9位。
2014年 デビス杯準優勝
[編集]2014年、全豪オープンは3回戦でトミー・ロブレドに敗れた。ウィンブルドンのニック・キリオスとの2回戦ではグランドスラム記録となる9本のマッチポイントを握りながら6-3, 7-6(4), 4-6, 5-7, 8-10で敗れた[4]。全仏オープンと全米オープンでは3回戦で敗退した。このシーズンは、怪我による離脱もあり、全体的に結果を残せなかった。年間最終ランキングは26位。
2015年 ウィンブルドンベスト4 ツアー通算400勝
[編集]南フランス・オープンとエストリル・オープンで優勝した。6月15日、エイゴン選手権シングルスにてツアー通算400勝を達成。フランス人男子での400勝はヤニック・ノア、ファブリス・サントロに次いで3人目[5]。
ウィンブルドン選手権では4回戦まで1セットを落としたのみで勝ち上がり、準々決勝では全仏オープンの優勝者であるスタン・ワウリンカに6-4, 4-6, 3-6, 6-4, 11-9のフルセットの末に勝利し、8年ぶりに準決勝に進出したが、準決勝ではノバク・ジョコビッチに6-7(2), 4-6, 4-6のストレートで敗れた。
全米オープンでは4回戦でトマーシュ・ベルディハを破り、準々決勝に進出。1シーズン2度のグランドスラムベスト8以上進出は自身初。準々決勝でロジャー・フェデラーに敗れたが、1年を通じて好調を持続し、年間最終ランキングは9位。
2016年 全仏ベスト8
[編集]全豪オープンは腰の怪我のため、6年ぶりにグランドスラムを欠場した。復帰戦の南フランス・オープンでは2連覇、4回目の優勝を果たす。これはピート・サンプラスを超えて大会史上最多ともなった[6]。
全仏オープンでは4回戦で錦織圭を破って、地元の全仏で初のベスト8に進出。準々決勝でアンディ・マリーに7-5, 6-7(3), 0-6, 2-6で敗れた。ウィンブルドンの4回戦を腰の故障で途中棄権すると、リオ五輪も棄権した[7]。復帰後の全米オープンは初戦敗退だったが、その後深圳オープンは準優勝、ヨーロピアンオープンでは優勝を果たした。年間最終ランキングは18位。
2017年 ポップマン杯・デビス杯初優勝
[編集]ホップマンカップでクリスティナ・ムラデノビッチと組んで優勝した[8]。全豪オープンでは大会史上最も遅い時間に開始された3回戦でグリゴール・ディミトロフに敗れた[9]。5年連続決勝進出を果たした南フランス・オープンで準優勝した後は、腰の故障と虫垂炎のため[10]、シーズン序盤のマスターズ5大会を含む7大会を欠場した[11]。
復帰後も調子は上がらず、ウィンブルドンと全米オープンでは初戦敗退。ロジャーズカップとシンシナティオープンは2回戦敗退だった。9月にはチャレンジャーツアーのペカオ・シュチェチン・オープンに出場し、優勝した。10月のジャパンオープン、上海マスターズ、エルステ・バンク・オープンは3回戦まで進んだ。
11月に行われたフランス対ベルギーのデビスカップ決勝戦にてダブルスでピエール=ユーグ・エルベールとのペアで出場[12]、勝利し優勝に導いた[13]。年間最終ランキングは31位。
2018年 ツアー15勝目 ツアー通算500勝
[編集]全豪オープンでは3回戦で第2シードのロジャー・フェデラーに2-6, 5-7, 4-6のストレートで敗れ、同カード9連敗となった。南フランス・オープンは2年連続準優勝を飾った。ハサン2世グランプリではベスト4進出。さらにモンテカルロ・マスターズの3回戦でミーシャ・ズベレフに勝利したことでキャリア通算500勝を達成した[11]。
全仏オープンでは3回戦で第1シードのラファエル・ナダルに3-6, 2-6, 2-6のストレートで敗れ、同カード16連敗(通算0-16)を喫した[14]。リベマ・オープンでは決勝でジェレミー・シャルディーを下し、ツアー15勝目を挙げた[15]。
ウィンブルドンではガエル・モンフィスに6-7(6), 5-7, 4-6のストレートで初戦敗退。スウェーデンオープンでは決勝進出したものの、決勝でファビオ・フォニーニに敗れ、準優勝。全米オープンは3回戦では第6シードのノバク・ジョコビッチに2-6, 3-6, 3-6のストレートで敗れた。デビスカップ2018ではフランス代表として決勝出場予定だったが、左鼠径部の負傷により欠場。年間最終ランキングは26位。
2019年 マスターズベスト4
[編集]全豪オープンは昨年に引き続き鼠径部の負傷により欠場した[16]。1月17日にヘルニア手術を受けたことを自身のSNSアカウントで公表した[17]。5月のムチュア・マドリード・オープンで復帰し、1回戦のアレハンドロ・ダビドビッチ・フォキナで復帰初の勝利をする。全仏オープンでは1回戦でミーシャ・ズベレフを3-6, 4-6, 3-3のストレートで破り、2回戦ではフアン・イグナシオ・ロンデロに2-6, 6-3, 3-6, 4-6で敗退。
ロスマーレン・グラスコート選手権ではベスト4入り。準決勝ではジョーダン・トンプソンに敗れた。ウィンブルドン選手権では第28シードのリュカ・プイユに1-6, 4-6, 6-7(4)のストレートで初戦敗退。ウエスタン・アンド・サザン・オープンでは1回戦でアンディ・マリー、2回戦でフェデリコ・デルボニス、3回戦ではディエゴ・シュワルツマン、4回戦でロベルト・バウティスタ・アグートらを下してマスターズ1000ベスト4入り。準決勝でダビド・ゴファンに3-6, 4-6のストレートで敗れたが、同大会でベスト4という自己最高成績を更新した。全米オープンでは第24シードのマッテオ・ベレッティーニに4-6, 3-6, 6-2, 2-6で初戦敗退。年間最終ランキングは61位。
2020年 不調
[編集]全豪オープンは膝の負傷のため欠場を発表。ウエスタン・アンド・サザン・オープンでは2回戦でロベルト・バウティスタ・アグートに敗れた。全米オープンでは1回戦でイボ・カルロビッチをストレートで破るが、2回戦では第21シードのアレックス・デミノーに敗れた。全仏オープンではロベルト・バウティスタ・アグートに初戦敗退。パリ・マスターズでは1回戦でテイラー・フリッツを破るも、2回戦でディエゴ・シュワルツマンに敗れたが、続くソフィア・オープンではベスト4入り。準決勝でバセク・ポシュピシルに敗れた。年間最終ランキングは47位。
2021年 ツアー通算550勝
[編集]ドバイ・テニス選手権では1回戦でマルコ・チェッキナートを破ったことでツアー通算550勝を飾った。全仏オープンでは1回戦でユーゴ・ガストンに6-1, 6-4, 6-2のストレートで勝利するも、2回戦でクレーキングラファエル・ナダルに6-0, 7-5, 6-2のストレートで敗れた。ウィンブルドン選手権では1回戦で杉田祐一を7-6(4), 4-6, 6-2, 6-1で勝利するも、2回戦でのロジャー・フェデラー戦では6-7(1), 1-6, 4-6のストレートで片手バックハンド戦に敗れた。クロアチア・オープンでは3年ぶりにツアー決勝進出するも、決勝でカルロス・アルカラスに2-6, 2-6のストレートで敗れた。全米オープンでは第2シードのダニール・メドベージェフに4-6, 3-6, 1-6のストレートで初戦敗退。年間最終ランキングは86位。
2022年 グランドスラム3回戦進出
[編集]全豪オープンでは1回戦で同胞のウゴ・アンベールに3-6, 7-6(4), 7-6(3), 6-3で勝利するも、2回戦のボーティック・ファン・デ・ザンスフルプ戦では4-6, 0-6, 0-4の時点で途中棄権。
ジュネーブ・オープン2回戦では世界ランキング2位のダニール・メドベージェフを6-2, 7-6(5)のストレートで勝利し、そのままベスト4入りを決めるも、準決勝ではジョアン・ソウザに2-6, 2-6のストレートで敗退。全仏オープンでは1回戦でロイド・ハリスを6-1, 6-3, 6-4のストレートで破るも、2回戦では第27シードのセバスチャン・コルダに6-7(5), 3-6, 3-6のストレートで敗れた。
ウィンブルドン選手権では1回戦でジョアン・ソウザを7-6(7), 6-2, 4-6, 4-6, 6-3のフルセットで、2回戦でマッケンジー・マクドナルドを6-3, 3-6, 6-4, 6-3で退けるも、3回戦で第21シードのボーティック・ファン・デ・ザンスフルプに5-7, 6-2, 6-7(7), 1-6で敗れた。
全米オープンでは1回戦でダニエル太郎を6-4, 6-7(1), 6-2, 6-2で、2回戦で第32シードのミオミル・キツマノビッチに2-6, 4-6, 6-4, 4-6で下して、今季2度目のグランドスラム3回戦進出。3回戦では第2シードのラファエル・ナダルに0-6, 1-6, 5-7のストレートで敗れた。年間最終ランキングは68位。
2023年 ツアー16勝目 ツアー通算600勝
[編集]1月、ASBクラシックでは決勝でキャメロン・ノーリーを4-6, 6-4, 6-4の逆転で下して、2018年6月以来、4年7ヶ月ぶりのツアー優勝を果たし、ツアー16勝目を挙げた。この勝利により、トップ50位圏内までランキングを回復させた。全豪オープンでは1回戦で同胞のウゴ・アンベールに3-6, 4-6, 3-6のストレートで初戦敗退。
5月、全仏オープンでは1回戦で同胞のアーサー・リンダークネッシュに4-6, 6-2, 2-6, 6-7(4)で初戦敗退。ダブルスはリュカ・プイユと組み、初戦敗退。
6月、ボス・オープンでは2回戦で第1シードのステファノス・チチパスを7-6(8), 2-6, 7-5のフルセットで下し、ベスト8に進出。ツアー通算600勝目を挙げた[18]。
2024年 ツアー1000試合出場達成
[編集]昨年優勝を飾ったASBクラシックでは同胞かつ10代のアルトゥール・フィスに敗れたことでトップ100位956週という2005年4月以来の最長記録が途絶えた。全豪オープンでは73回目のグランドスラム出場(ジョコビッチと同数)となったが、第2シードのカルロス・アルカラスに6-7(5), 1-6, 2-6のストレートで敗れた。
マナーマ・チャレンジャーでは決勝でミハイル・ククシュキンを7-6(5), 6-4のストレートで破り、チャレンジャー10勝目を挙げた。さらにマドリード・オープンではロレンツォ・ソネゴに6-2, 7-5のストレートで初戦敗退するも、ツアー1000試合出場記録を達成した。全仏オープンではワイルドカードを獲得し、グランドスラム74回目の出場となり、ボルナ・チョリッチを7-6(5), 7-6(2), 6-4のストレートで破り、初戦を突破するが、第2シードのヤニック・シナーに4-6, 2-6, 4-6のストレートで敗れ、2回戦敗退となった。
カシス・チャレンジャーでは決勝でユーリ・ロディオノフを3-6, 6-1, 6-2で破り、チャレンジャー11勝目を挙げた。
プレースタイル
[編集]ガスケの片手バックハンドは安定性とスピード、正確さから、ロビー・コイナ、ジョン・マッケンロー、ブラッド・ギルバートなどの過去の多くのプレーヤーやコメンテーターから高く評価されている。史上最も芸術的で効率的かつ効果的なバックハンドの1つと称賛されている片手バックハンドは[19]、フォアハンドのようにテイクバックが大きいことが特徴で、回外運動や大きなフォロースルーもその要因になっているとされる。多くの片手バックハンドプレーヤーが苦しむ[20]トップスピンのかかった高い球をフラットで返すこともできる[21]。ボレーやドロップショットなどの技術も高いものを備えている。
反対にフォアハンドが弱点とされており、セミウエスタンからイースタンでラケットを長く握り、手首をこねながら打つ動作がぎこちなさとパワーロスの原因になっているのではないかと言われている。また、相手のミスを待つような消極的なプレーを行うことや、ベースラインから大きく下がってプレーすることなどがビッグタイトル獲得や対トップ10勝利が難しい理由とも言及される[22]。
ATPツアー決勝進出結果
[編集]シングルス:33回(16勝17敗)
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結果 | No. | 決勝日 | 大会 | サーフェス | 対戦相手 | スコア |
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準優勝 | 1. | 2004年10月11日 | メス | ハード (室内) | ジェローム・エーネル | 6-7(9-11), 4-6 |
準優勝 | 2. | 2005年5月9日 | ハンブルク | クレー | ロジャー・フェデラー | 3-6, 5-7, 6-7(4-7) |
優勝 | 1. | 2005年6月13日 | ノッティンガム | 芝 | マックス・ミルヌイ | 6-2, 6-3 |
優勝 | 2. | 2006年6月19日 | ノッティンガム | 芝 | ヨナス・ビョルクマン | 6-4, 6-3 |
優勝 | 3. | 2006年7月10日 | グシュタード | クレー | フェリシアーノ・ロペス | 7-6(7-4), 6-7(3-7), 6-3, 6-3 |
準優勝 | 3. | 2006年8月7日 | トロント | ハード | ロジャー・フェデラー | 6-2, 3-6, 2-6 |
優勝 | 4. | 2006年10月23日 | リヨン | カーペット (室内) | マルク・ジケル | 6-3, 6-1 |
準優勝 | 4. | 2007年4月29日 | エストリル | クレー | ノバク・ジョコビッチ | 6-7(7-9), 6-0, 1-6 |
優勝 | 5. | 2007年9月30日 | ムンバイ | ハード | オリビエ・ロクス | 6-3, 6-4 |
準優勝 | 5. | 2007年10月7日 | 東京 | ハード | ダビド・フェレール | 1-6, 2-6 |
準優勝 | 6. | 2008年7月13日 | シュトゥットガルト | クレー | フアン・マルティン・デル・ポトロ | 4-6, 5-7 |
準優勝 | 7. | 2010年1月16日 | シドニー | ハード | マルコス・バグダティス | 4-6, 6-7(2-7) |
優勝 | 6. | 2010年5月22日 | ニース | クレー | フェルナンド・ベルダスコ | 6-3, 5-7, 7-6(7-5) |
準優勝 | 8. | 2010年8月1日 | グシュタード | クレー | ニコラス・アルマグロ | 5-7, 1-6 |
準優勝 | 9. | 2012年5月6日 | エストリル | クレー | フアン・マルティン・デル・ポトロ | 4-6, 2-6 |
準優勝 | 10. | 2012年8月12日 | トロント | ハード | ノバク・ジョコビッチ | 3-6, 2-6 |
優勝 | 7. | 2012年9月30日 | バンコク | ハード (室内) | ジル・シモン | 6-2, 6-1 |
優勝 | 8. | 2013年1月5日 | ドーハ | ハード | ニコライ・ダビデンコ | 3-6, 7-6(7-4), 6-3 |
優勝 | 9. | 2013年2月10日 | モンペリエ | ハード (室内) | ブノワ・ペール | 6-2, 6-3 |
優勝 | 10. | 2013年10月20日 | モスクワ | ハード (室内) | ミハイル・ククシュキン | 4-6, 6-4, 6-4 |
準優勝 | 11. | 2014年2月9日 | モンペリエ | ハード (室内) | ガエル・モンフィス | 4-6, 4-6 |
準優勝 | 12. | 2014年6月21日 | イーストボーン | 芝 | フェリシアーノ・ロペス | 3-6, 7-6(7-5), 5-7 |
優勝 | 11. | 2015年2月10日 | モンペリエ | ハード (室内) | イェジ・ヤノヴィッツ | 4-0 途中棄権 |
優勝 | 12. | 2015年5月3日 | エストリル | クレー | ニック・キリオス | 6-3, 6-2 |
優勝 | 13. | 2016年2月7日 | モンペリエ | ハード (室内) | ポール=アンリ・マチュー | 7-5, 6-4 |
準優勝 | 13. | 2016年9月25日 | 深圳 | ハード | トマーシュ・ベルディハ | 6-7(5-7), 7-6(7-2), 3-6 |
優勝 | 14. | 2016年10月23日 | アントワープ | ハード (室内) | ディエゴ・シュワルツマン | 7-6(7-4), 6-1 |
準優勝 | 14. | 2017年2月12日 | モンペリエ | ハード (室内) | アレクサンダー・ズベレフ | 6-7(4-7), 3-6 |
準優勝 | 15. | 2018年2月11日 | モンペリエ | ハード (室内) | リュカ・プイユ | 6-7(2-7), 4-6 |
優勝 | 15. | 2018年6月17日 | スヘルトーヘンボス | 芝 | ジェレミー・シャルディー | 6-3, 7-6(7-5) |
準優勝 | 16. | 2018年7月22日 | ボースタード | クレー | ファビオ・フォニーニ | 3-6, 6-3, 1-6 |
準優勝 | 17. | 2021年7月25日 | ウマグ | クレー | カルロス・アルカラス | 2-6, 2-6 |
優勝 | 16. | 2023年1月14日 | オークランド | ハード | キャメロン・ノリー | 4-6, 6-4, 6-4 |
ダブルス:4回(2勝2敗)
[編集]結果 | No. | 決勝日 | 大会 | サーフェス | パートナー | 対戦相手 | スコア |
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優勝 | 1. | 2006年10月2日 | メス | ハード (室内) |
ファブリス・サントロ | ユリアン・ノール ユルゲン・メルツァー |
3-6, 6-1, [11-9] |
準優勝 | 1. | 2007年4月22日 | モンテカルロ | クレー | ジュリアン・ベネトー | ボブ・ブライアン マイク・ブライアン |
2-6, 1-6 |
優勝 | 2. | 2008年1月7日 | シドニー | ハード | ジョー=ウィルフリード・ツォンガ | ボブ・ブライアン マイク・ブライアン |
4-6, 6-4, [11-9] |
準優勝 | 2. | 2009年11月1日 | サンクトペテルブルク | ハード (室内) |
ジェレミー・シャルディー | コリン・フレミング ケン・スクプスキ |
6-2, 5-7, [4-10] |
ホップマンカップ:2回(1勝1敗)
[編集]結果 | No. | 決勝日 | 大会 | サーフェス | パートナー | 対戦相手 | スコア |
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準優勝 | 1. | 2012年1月7日 | ホップマンカップ2012 | ハード | マリオン・バルトリ | ペトラ・クビトバ トマーシュ・ベルディハ |
0-2 |
優勝 | 1. | 2017年1月7日 | ホップマンカップ2017 | ハード | クリスティナ・ムラデノビッチ | ココ・バンダウェイ ジャック・ソック |
2-1 |
オリンピックメダル
[編集]ダブルス:1(1銅メダル)
[編集]結果 | 年 | 大会 | サーフェス | パートナー | 対戦相手 | スコア |
---|---|---|---|---|---|---|
3位 | 2012年 | ロンドン五輪 | 芝 | ジュリアン・ベネトー | ダビド・フェレール フェリシアーノ・ロペス |
7-6(7-4), 6-2 |
成績
[編集]4大大会シングルス
[編集]- 略語の説明
W | F | SF | QF | #R | RR | Q# | LQ | A | Z# | PO | G | S | B | NMS | P | NH |
W=優勝, F=準優勝, SF=ベスト4, QF=ベスト8, #R=#回戦敗退, RR=ラウンドロビン敗退, Q#=予選#回戦敗退, LQ=予選敗退, A=大会不参加, Z#=デビスカップ/BJKカップ地域ゾーン, PO=デビスカップ/BJKカッププレーオフ, G=オリンピック金メダル, S=オリンピック銀メダル, B=オリンピック銅メダル, NMS=マスターズシリーズから降格, P=開催延期, NH=開催なし.
大会 | 2002 | 2003 | 2004 | 2005 | 2006 | 2007 | 2008 | 2009 | 2010 | 2011 | 2012 | 2013 | 2014 | 2015 | 2016 | 2017 | 2018 | 2019 | 2020 | 2021 | 2022 | 2023 | 2024 | 通算成績 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
全豪オープン | A | 1R | 1R | A | 1R | 4R | 4R | 3R | 1R | 3R | 4R | 4R | 3R | 3R | A | 3R | 3R | A | A | A | 2R | 1R | 1R | 25–17 |
全仏オープン | 1R | 1R | 1R | 3R | 2R | 2R | A | A | 1R | 4R | 4R | 4R | 3R | 4R | QF | 3R | 3R | 2R | 1R | 2R | 2R | 1R | 2R | 30–21 |
ウィンブルドン | A | A | 1R | 4R | 1R | SF | 4R | A | A | 4R | 4R | 3R | 2R | SF | 4R | 1R | 1R | 1R | NH | 2R | 3R | 1R | 31–17 | |
全米オープン | LQ | A | LQ | 4R | 4R | 2R | 1R | 1R | 4R | 2R | 4R | SF | 3R | QF | 1R | 1R | 3R | 1R | 2R | 1R | 3R | 1R | 30–18 |
※: 2007年全米の不戦敗は通算成績に含まない
大会最高成績
[編集]大会 | 成績 | 年 |
---|---|---|
ATPファイナルズ | RR | 2007, 2013 |
インディアンウェルズ | QF | 2011 |
マイアミ | SF | 2013 |
モンテカルロ | SF | 2005 |
マドリード | F | 2005 |
ローマ | SF | 2011 |
カナダ | F | 2006, 2012 |
シンシナティ | SF | 2019 |
上海 | QF | 2017 |
パリ | SF | 2007 |
ハンブルク | F | 2005 |
オリンピック | 2R | 2012 |
デビスカップ | W | 2017 |
世界ランキング
[編集]大会 | 2002 | 2003 | 2004 | 2005 | 2006 | 2007 | 2008 | 2009 | 2010 | 2011 | 2012 | 2013 | 2014 | 2015 | 2016 | 2017 | 2018 | 2019 | 2020 | 2021 | 2022 | 2023 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
年間最終ランキング | 166 | 93 | 109 | 16 | 18 | 8 | 24 | 52 | 29 | 19 | 10 | 9 | 26 | 9 | 18 | 31 | 26 | 61 | 47 | 86 | 68 | 76 |
脚注
[編集]- ^ “ガスケにコカイン使用疑惑が浮上”. tennis365.net. (2009年5月10日) 2021年9月28日閲覧。
- ^ “コカイン陽性反応のガスケ 暫定出場停止に”. AFP通信. (2009年5月12日) 2021年9月28日閲覧。
- ^ Capella, Peter (2009年12月18日). “CAS ガスケの出場停止処分を棄却”. AFP通信 2021年9月28日閲覧。
- ^ “【動画】ガスケ、1ポイントに泣く!計9本のマッチポイントを活かせず、まさかの2回戦敗退[ウインブルドン]”. HOT SHOT. (2014年6月27日). オリジナルの2019年2月16日時点におけるアーカイブ。 2019年2月15日閲覧。
- ^ “ガスケがキャリア通算400勝を達成!エイゴン選手権”. AFP通信. (2015年6月16日) 2021年9月28日閲覧。
- ^ 前身のリヨン・グランプリを含む。
- ^ “ガスケが背中の故障でリオ五輪欠場、ペールが繰り上げ出場”. AFP通信. (2016年7月19日) 2021年9月28日閲覧。
- ^ “フランスが2度目の優勝、ホップマン杯”. AFP通信. (2017年1月8日) 2021年9月28日閲覧。
- ^ “ディミトロフ、ガスケとの深夜の一戦制して16強 全豪オープン”. AFP通信. (2017年1月22日) 2021年9月28日閲覧。
- ^ “「手術」でBNPとマイアミ欠場”. tennis365.net. (2017年3月9日) 2021年9月28日閲覧。
- ^ a b “ガスケ500勝 現役8人目”. tennis365.net. (2018年4月20日) 2021年9月28日閲覧。
- ^ “フランスがデ杯制覇に王手、初ペアが起用に応えて白星挙げる”. AFP通信. (2017年11月26日) 2021年9月28日閲覧。
- ^ LUPPINO, Ludovic (2017年11月27日). “仏が16年ぶり10度目のデ杯制覇! ベルギーは惜しくも初Vならず”. AFP通信 2021年9月28日閲覧。
- ^ Court, Jed (2018年6月3日). “ナダルが全仏4回戦へ、16連敗のガスケは「怪物的」とお手上げ”. AFP通信 2021年9月28日閲覧。
- ^ “ガスケがリベマOP優勝、2016年10月以来キャリア15勝目”. AFP通信. (2018年6月18日) 2021年9月28日閲覧。
- ^ “ガスケが全豪オープンを欠場、2月の復帰を目指す”. テニスネットPro. (2018年12月26日) 2021年9月28日閲覧。
- ^ “The surgery went well !...”. Instagram. 2019年5月8日閲覧。
- ^ “ガスケ BIG4に続く600勝達成”. news.tennis365.net (2023年6月16日). 2023年6月16日閲覧。
- ^ Broadbent, Rick (2015年7月4日). “Gasquet the flawed genius must find his ruthless touch” (英語). The Times 2021年9月27日閲覧。
- ^ Cooper, Jeff (2019年6月21日). “Fix Problems With Your Tennis Forehand Swing” (英語). LiveAbout 2021年9月28日閲覧。
- ^ White, Jim (2015年7月9日). “Wimbledon 2015: Richard Gasquet's one-handed backhand is a thing of beauty. It is simply balletic” (英語). デイリー・テレグラフ 2021年9月28日閲覧。
- ^ “Fed reaches Dubai final”. Eurosport. 2011年2月25日閲覧。