UEFA欧州選手権
UEFA欧州選手権 | |
---|---|
開始年 | 1960年 |
主催 | UEFA |
地域 | ヨーロッパ |
参加チーム数 | 16(本大会) |
前回優勝 | スペイン(3回目) |
最多優勝 |
ドイツ(3回) スペイン(3回) |
UEFA欧州選手権(英: UEFA European Football Championship)は、欧州サッカー連盟(UEFA)が主催する、ナショナルチームによるサッカーの大陸選手権大会である。EURO(ユーロ)とも呼称される(大抵は年度を付加して“EURO2012”などのように使われる)。4年に1度、FIFAワールドカップの中間年(夏季五輪の開催年)に開催される。優勝国にはFIFAコンフェデレーションズカップへの出場権が与えられる。
概要
歴史
フランスサッカー連盟のアンリ・ドロネーがUEFAや欧州サッカー界全体に働きかけ、ヨーロッパネイションズカップ(英: European Nations Cup)の名で1960年にフランスで第1回大会が開催された。これを記念し、優勝トロフィーはアンリ・ドロネー杯と名づけられている。
1968年大会より現在の呼称が用いられている。
大会の重要性
欧州において、本大会はFIFAワールドカップに次ぐ重要な大会と考えられている。UEFAにはサッカーにおける強豪国が多数加盟しているのに加え、選手の知名度も高いので、欧州の地域大会といえども本大会には世界中の注目が集まるためである。
また大会前の移動距離が比較的短いため「選手のパフォーマンスはFIFAワールドカップを超える」と評する者もいる[1]。本大会はまず4つのグループリーグに分かれて戦うため必然的に強豪国同士の試合がグループリーグで発生する。そのため強豪国のグループリーグ敗退も珍しくない。また1992年大会のデンマークや2004年大会のギリシャのように、全くノーマークだったチームが優勝したりするなど波乱要素でもFIFAワールドカップを上回っていると言える。
大会の巨大化
1990年代以降、ソ連やユーゴスラビアの崩壊、およびスロバキアの分離独立などにより、UEFAの加盟国数も増加した。それに加えてサッカーという競技そのものの商業主義化により、年々大会規模は大きくなっている。1996年大会から本大会出場国がそれまでの8ヶ国から16ヶ国に増加し、2016年大会からは24ヶ国に増加することが決定している。この拡大構想は、欧州における中堅国へ国際大会に出場する機会を与えようと言うものである。
また、大会の巨大化が進むにつれ、ヨーロッパの中堅国では1ヶ国のみでの大会開催が難しい状況になりつつある。そのため、2000年大会、2008年大会、2012年大会のような共同開催がスタンダード化しつつあった。
分散開催
2012年12月6日のUEFA理事会で2020年大会から欧州3か国以上の複数国家で分散開催する事を決定した。[2]
開催方式
予選大会
FIFAワールドカップ終了後から、約1年2-3か月程度グループ内総当り戦によるH&Aのリーグ戦を行う。リーグ戦終了後、グループ次点同士によるプレーオフを行うこともある。2012年大会についてはこちらを参照されたい。
本大会
1次ラウンドは参加16チームを4チームずつ4組に分けて1回総当りのリーグ戦を行い、各組2位までの8チームが決勝トーナメントに進出する。
結果
回 | 開催年 | 開催国 | 決勝戦 | 3位決定戦 | 出場 国数 | |||||||
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優勝 | 結果 | 準優勝 | 3位 | 結果 | 4位 | |||||||
1 | 1960年 | フランス | ソビエト連邦 | 2 - 1 aet | ユーゴスラビア | チェコスロバキア | 2 - 0 | フランス | 4 | |||
2 | 1964年 | スペイン | スペイン | 2 - 1 | ソビエト連邦 | ハンガリー | 3 - 1 aet | デンマーク | 4 | |||
3 | 1968年 | イタリア | イタリア | 1 - 1 2 - 0 R |
ユーゴスラビア | イングランド | 2 - 0 | ソビエト連邦 | 4 | |||
4 | 1972年 | ベルギー | 西ドイツ | 3 - 0 | ソビエト連邦 | ベルギー | 2 - 1 | ハンガリー | 4 | |||
5 | 1976年 | ユーゴスラビア | チェコスロバキア | 2 - 2 aet (PK 5 - 3) |
西ドイツ | オランダ | 3 - 2 aet | ユーゴスラビア | 4 | |||
6 | 1980年 | イタリア | 西ドイツ | 2 - 1 | ベルギー | チェコスロバキア | 1 - 1 aet (PK 9 - 8) |
イタリア | 8 | |||
回 | 開催年 | 開催国 | 決勝戦 | 準決勝敗退国(3位決定戦無し) | 出場 国数 | |||||||
優勝 | 結果 | 準優勝 | ||||||||||
7 | 1984年 | フランス | フランス | 2 - 0 | スペイン | ポルトガル | デンマーク | 8 | ||||
8 | 1988年 | 西ドイツ | オランダ | 2 - 0 | ソビエト連邦 | 西ドイツ | イタリア | 8 | ||||
9 | 1992年 | スウェーデン | デンマーク | 2 - 0 | ドイツ | オランダ | スウェーデン | 8 | ||||
10 | 1996年 | イングランド | ドイツ | 2 - 1 GG | チェコ | イングランド | フランス | 16 | ||||
11 | 2000年 | ベルギー オランダ |
フランス | 2 - 1 GG | イタリア | ポルトガル | オランダ | 16 | ||||
12 | 2004年 | ポルトガル | ギリシャ | 1 - 0 | ポルトガル | チェコ | オランダ | 16 | ||||
13 | 2008年 | オーストリア スイス |
スペイン | 1 - 0 | ドイツ | ロシア | トルコ | 16 | ||||
14 | 2012年 | ポーランド ウクライナ |
スペイン | 4 - 0 | イタリア | ポルトガル | ドイツ | 16 | ||||
15 | 2016年 | フランス | - | 24 | ||||||||
16 | 2020年 | ヨーロッパ[3] | 24 |
統計・記録
代表別通算成績
順 | 国・地域名 | 出 | 優 | 準 | 四 | 試 | 勝 | 分 | 敗 | 点 | 得 | 失 | 差 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | ドイツ | 11 | 3 | 3 | 2 | 43 | 23 | 10 | 10 | 79 | 65 | 45 | +20 |
2 | スペイン | 9 | 3 | 1 | 0 | 36 | 17 | 11 | 8 | 62 | 50 | 32 | +18 |
3 | オランダ | 9 | 1 | 0 | 4 | 35 | 17 | 8 | 10 | 59 | 57 | 37 | +20 |
4 | イタリア | 8 | 1 | 2 | 2 | 33 | 13 | 15 | 5 | 54 | 33 | 25 | +8 |
5 | フランス | 8 | 2 | 0 | 2 | 32 | 15 | 8 | 9 | 53 | 49 | 39 | +10 |
6 | ポルトガル | 6 | 0 | 1 | 3 | 28 | 15 | 5 | 8 | 50 | 40 | 26 | +14 |
7 | チェコ | 8 | 1 | 1 | 3 | 29 | 13 | 5 | 11 | 44 | 40 | 38 | +2 |
8 | ロシア | 10 | 1 | 3 | 2 | 30 | 12 | 6 | 12 | 42 | 36 | 39 | -3 |
9 | イングランド | 8 | 0 | 0 | 2 | 27 | 9 | 9 | 9 | 36 | 36 | 31 | +5 |
10 | デンマーク | 8 | 1 | 0 | 2 | 27 | 7 | 6 | 14 | 27 | 30 | 43 | -13 |
11 | クロアチア | 4 | 0 | 0 | 0 | 14 | 6 | 4 | 4 | 22 | 18 | 16 | +2 |
12 | スウェーデン | 5 | 0 | 0 | 1 | 17 | 5 | 5 | 7 | 20 | 24 | 21 | +3 |
13 | ギリシャ | 4 | 1 | 0 | 0 | 16 | 5 | 3 | 8 | 18 | 14 | 20 | -6 |
14 | ベルギー | 4 | 0 | 1 | 1 | 12 | 4 | 2 | 6 | 14 | 13 | 20 | -7 |
15 | トルコ | 3 | 0 | 0 | 1 | 12 | 3 | 2 | 7 | 11 | 11 | 18 | -7 |
16 | セルビア | 5 | 0 | 2 | 1 | 14 | 3 | 2 | 9 | 11 | 22 | 39 | -17 |
17 | スコットランド | 2 | 0 | 0 | 0 | 6 | 2 | 1 | 3 | 7 | 4 | 5 | -1 |
18 | ルーマニア | 4 | 0 | 0 | 0 | 13 | 1 | 4 | 8 | 7 | 8 | 17 | -9 |
19 | スイス | 3 | 0 | 0 | 0 | 9 | 1 | 2 | 6 | 5 | 5 | 13 | -8 |
20 | ノルウェー | 1 | 0 | 0 | 0 | 3 | 1 | 1 | 1 | 4 | 1 | 1 | 0 |
21 | アイルランド | 2 | 0 | 0 | 0 | 6 | 1 | 1 | 4 | 4 | 3 | 11 | -8 |
22 | ブルガリア | 2 | 0 | 0 | 0 | 6 | 1 | 1 | 4 | 4 | 4 | 13 | -9 |
23 | ハンガリー | 2 | 0 | 0 | 2 | 4 | 1 | 0 | 3 | 3 | 5 | 6 | -1 |
24 | ウクライナ | 1 | 0 | 0 | 0 | 3 | 1 | 0 | 2 | 3 | 2 | 4 | -2 |
25 | ポーランド | 2 | 0 | 0 | 0 | 6 | 0 | 3 | 3 | 3 | 3 | 7 | -4 |
26 | スロベニア | 1 | 0 | 0 | 0 | 3 | 0 | 2 | 1 | 2 | 4 | 5 | -1 |
27 | オーストリア | 1 | 0 | 0 | 0 | 3 | 0 | 1 | 2 | 1 | 1 | 3 | -2 |
28 | ラトビア | 1 | 0 | 0 | 0 | 3 | 0 | 1 | 2 | 1 | 1 | 5 | -4 |
- データは2012年大会終了時点
- 太字は優勝経験のある国・地域で、太数字は最多記録
- 国・地域名は現在の名称で統一した(西ドイツはドイツに、チェコスロバキアはチェコに、ソビエト連邦はロシアに、ユーゴスラビアはセルビアに、それぞれ含まれる)
- 順位は通算勝点の多い順で、通算勝点が同数の場合は得失点差の優れた方を、得失点差も同数の場合は総得点の多い方を上にした
- 1992年大会までの勝点は<勝=2、分=1、敗=0>であったが、通算成績では現行と同じ<勝=3、分=1、敗=0>で統一した
- PK戦で決着がついた試合は記録上引分となる
優勝回数
回数 | 国名 | 年 |
---|---|---|
3回 | ドイツ | 1972,1980,1996 |
スペイン | 1964,2008,2012 | |
2回 | フランス | 1984,2000 |
1回 | ソビエト連邦 | 1960 |
イタリア | 1968 | |
チェコスロバキア | 1976 | |
オランダ | 1988 | |
デンマーク | 1992 | |
ギリシャ | 2004 |
個人通算得点
順位 | 選手名 | 得点数 |
---|---|---|
1 | ミシェル・プラティニ | 9 |
2 | アラン・シアラー | 7 |
3 | パトリック・クライファート | 6 |
ルート・ファン・ニステルローイ | ||
ヌーノ・ゴメス | ||
ティエリ・アンリ | ||
ズラタン・イブラヒモビッチ | ||
クリスティアーノ・ロナウド | ||
9 | ユルゲン・クリンスマン | 5 |
マルコ・ファン・バステン | ||
ジネディーヌ・ジダン | ||
サボ・ミロシェビッチ | ||
ミラン・バロシュ | ||
フェルナンド・トーレス | ||
ウェイン・ルーニー |
個人通算出場試合
順位 | 選手名 | 試合数 |
---|---|---|
1 | エトヴィン・ファン・デル・サール | 16 |
リリアン・テュラム | ||
3 | カレル・ポボルスキー | 14 |
ジネディーヌ・ジダン | ||
ルイス・フィーゴ | ||
ヌーノ・ゴメス | ||
イケル・カシージャス | ||
フィリップ・ラーム | ||
クリスティアーノ・ロナウド |
表彰
試合中継
- 日本
- 1988年大会の決勝戦がライブでテレビ東京系より中継された。
- 1996年大会よりWOWOWが5大会連続で中継している。2008年大会は予選から中継。予選はフジテレビONEでも放送している。
- 2004年大会から2012年大会まではTBSで注目カードを中継していた。
- 2016年大会はテレビ朝日系で放送される予定。
脚注
関連項目
外部リンク
- 大会公式サイト - UEFA.com(英語)
- 大会公式サイト - UEFA.com(日本語)
- RSSSFによる記録