PK戦
PK戦(ぴーけーせん)とは、サッカーにおいて、規定の試合時間を終了して決着がつかなかった際に行うものである。主にノックアウトステージにおいて次のラウンドに進むチームを決定しなければならないとき、またはタイトルマッチにおいてどちらかを必ず勝者にしなければならない場合に行われる。英語では"penalty shootout"(PSO) と呼ぶ。
大会によって異なるが、主にトーナメント戦で行われる。
- (例)
この方式が導入される以前は勝負が決まるまで再延長(再々延長)をくり返したり、後日の再試合またはコイントスなどの抽選で勝ち上がりチームを決定していた。また、後述する方法と異なるシュートアウトと呼ばれる方式があり、キッカーとゴールキーパーの1対1の勝負をPKの代わりに行う。
PK戦は公式記録上は引き分け扱いとなる。
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[編集] 進め方
まず、主審がキックを行うゴールを選ぶ。次に、主審がコインをトスし(コイントス)、トスに勝った主将のチームが先に蹴るか後に蹴るかを決める。主審は行われたキックの記録をつける。下記条件に従って、両チームが5本ずつのキックを行う。
- キックは両チーム交互に行う。
- 通常の試合におけるペナルティ・キックとは違ってインプレーの概念がないため、ゴールキーパーやゴールポストなどに跳ね返されたボールをキッカーがゴールに蹴りこんでも、成功とはみなされない。
- 両チームが5本のキックを行う以前に、他方が5本のキックを蹴っても挙げられない得点を一方のチームが挙げたときには、以後のキックは行わない。
- 5本ずつのキックの後に両チームの得点が同じである場合は、同数のキックで一方のチームが他方より多くの得点を挙げるまで、それまでと同じ順序でキックを続ける(いわゆるサドンデス方式の一種)。
- 一度キックを行った者は、チーム全員(ゴールキーパーを含む)が蹴り終えるまで再び蹴る事ができない。なお、キッカーが一巡しても決着がつかず二巡目に入る場合のキッカーの順番は一巡目と同じでなくてもよい。
- ゴールキーパーがペナルティーマークからのキックの進行中に負傷して、ゴールキーパーとしてプレーが続けられなくなったときには、そのチームが競技会規則に定められた最大数の交代を完了していない場合は、氏名を届けられている交代要員と交代することができる。
- 一方のチームが相手チームより競技者が多い人数で試合が終了したとき、競技者のより多いチームは相手チームの人数と等しくなるように競技者数を減らす。除外するそれぞれの競技者の氏名と、背番号を主審に通知する。チームの主将がこの責任を持つ(例えばAチームが11人全員が揃っているのに対し、Bチームは退場者が出たことで9人しかいない場合はAチームはそのメンバーの中から9人を選ぶ。即ち2名はPK戦に出場できない)。
なお、大会によっては1人目からサドンデス方式のPK戦を行うことがある(1991年のコニカカップや1992年のヤマザキナビスコカップなど)。またビーチサッカーのPK戦はしばしば「1人目からサドンデス方式」で行われる(FIFAビーチサッカーワールドカップなど)。
[編集] 歴史
1970年のワットニー杯、ハル・シティとマンチェスター・ユナイテッドの試合において、初めてPK戦が行われ、マンチェスター・ユナイテッドが勝った。初めてのキッカーはジョージ・ベストであった。
主要な国際大会の決勝戦で優勝チームを決めるために、PK戦が初めて導入されたのは、1976年のEuro 76チェコスロバキアと西ドイツの試合であった。5-3でチェコスロバキアが勝利した(2005年12月31日18:20の英語版より、一部翻訳)。
ちなみに、W杯での初めてのPK戦は1982年 ワールドカップ準決勝、西ドイツとフランスの試合で、西ドイツが勝利を収めている。ワールドカップではドイツ(西ドイツ)がPK戦に4戦4勝している。逆にイングランドは3戦全敗。
ドイツの陰で意外に知られていないが、欧州選手権ではチェコが上記のチェコスロバキア時代も含めてPK戦では3戦3勝している(W杯ではまだPK戦の経験はない)。圧巻なのはうち2戦がサドンデスにもつれているにもかかわらず、PK20本全てを決めていることである。
[編集] 名称の由来
PKという言葉は「ペナルティーキック(Penalty Kick)」の略称である。これは上述のように、ペナルティーキックと同じ位置および方法によってキックを行うことから来ていると考えられるが、PK戦におけるキックは反則によって与えられるものではないため、正確にはサッカーのルールにおけるPKを行っているわけではない。ルール上ではペナルティーマークからのキック(kicks from the penalty mark)と呼ぶ。
[編集] 先攻有利説
イギリスの教育・研究機関ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス(LSE)により、以下のような研究結果が発表されている。
- 1970年から2000年にかけて国内外で行なわれた主要な大会のPK戦2,820件を分析した結果、最初に蹴ったチームの60%が勝利している。
- PKの先攻・後攻を決めるトスに勝った主将は、20人に19人の割合で先攻を選んでいる。
- プロやアマの選手や監督240人を対象に行なったアンケートでも、ほぼ全員が先攻を望む。
研究を主導した教授のイグナシオ・パラシオス・ウエルタは「ポイントを先行されることからくる精神的なプレッシャーが、後に蹴るチームのパフォーマンスに明らかに影響をおよぼしている」と分析している[1]。
[編集] よく似た趣旨の試合方式
- ハンドボール 7mスローコンテスト(トーナメント戦で採用。30分ハーフ→延長戦(最大5分×2)で決着が付かない場合、まず3人ずつ行う。それで決着しない場合は3人ごとに先攻め・後攻めを決めるが、4人目から後はサドンデス。得点は通常の試合方式と7mスローの合計で競う)
- アイスホッケー ゲームウィニングショット合戦(トーナメント戦=冬季オリンピック、NHLのスタンレー・カップや、アジアリーグアイスホッケーでは予選リーグ戦でも適用。20分×3→5分間の延長戦で決着が付かない場合、まず3人ずつ行い、4人目からはサドンデス。勝ったチームに通常の試合方式の得点で得た得点+1点が追加)
[編集] 脚注
- ^ PKは先攻が圧倒的有利、ルール改正を研究機関が提唱(欧州通信) - livedoor スポーツ 欧州通信 2010年12月17日
[編集] 関連項目