オズ はじまりの戦い

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オズ はじまりの戦い
Oz: The Great and Powerful
監督 サム・ライミ
脚本 ミッチェル・カプナー
デヴィッド・リンゼイ=アベアー
原作 ライマン・フランク・ボーム
オズの魔法使い
製作 ジョー・ロス
製作総指揮 グラント・カーティス英語版
パラク・パテル
フィリップ・ステュアー
ジョシュア・ドーネン英語版
出演者 ジェームズ・フランコ
ミシェル・ウィリアムズ
レイチェル・ワイズ
ミラ・キュニス
ザック・ブラフ
ジョーイ・キング
音楽 ダニー・エルフマン
撮影 ピーター・デミング
編集 ボブ・ムラウスキー
製作会社 ロス・フィルムズ
配給 ウォルト・ディズニー・ピクチャーズ
公開 2013年3月8日
上映時間 130分
製作国 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
言語 英語
製作費 $200,000,000[1]
興行収入 日本の旗 17.8億円[2]
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オズ はじまりの戦い』(オズ はじまりのたたかい、原題: Oz: the Great and Powerful)は、2013年公開のサム・ライミ監督のファンタジー映画である。1939年の映画『オズの魔法使』の前日譚として、若き日のオズが描かれる[3]

あらすじ[編集]

時は1905年。小さなサーカス団で働くペテン魔術師のオスカー・ディグズ(ジェームズ・フランコ)には野心があった。「この町カンザスには良い奴が沢山いる。だが俺もそれにならって"良い奴"になるつもりはない。俺は違う。俺がなりたいのは、"偉大な人間"さ」

そんなある時、オスカーが乗った気球が嵐に巻き込まれ、彼はしなびた町カンザスから魅惑の国『オズ』へと飛ばされる。オスカーはそこでグリンダ(ミシェル・ウィリアムズ)、エヴァノラ(レイチェル・ワイズ)、セオドラ(ミラ・キュニス)という3人の魔女と出会い、国の存亡をめぐるトラブルに巻き込まれていく。

ペテン魔術師だったオスカーが、いかにして偉大なる大魔術師オズとなり、また良き人間に生まれ変わってゆくかを描く物語である。

キャスト[編集]

役名 俳優 日本語吹替
オズ(オスカー・ディグス) ジェームズ・フランコ[1][4] 花輪英司
南の魔女グリンダ/アニー ミシェル・ウィリアムズ[4] 園崎未恵
東の魔女エヴァノラ レイチェル・ワイズ[4] 甲斐田裕子
西の魔女セオドラ ミラ・キュニス[4] 小林沙苗
フィンリー(声)/フランク ザック・ブラフ[4] 小森創介
陶器の少女(声)/車いすの少女 ジョーイ・キング 飯野茉優
メイ アビゲイル・スペンサー[4] 石松千恵美
ティンカーの親方 ビル・コッブス 塾一久
ナック トニー・コックス 多田野曜平
疑うティンカー テッド・ライミ 宗矢樹頼
ウィンキーの門番 ブルース・キャンベル[5]

製作[編集]

ディズニーとオズの歴史[編集]

1937年に『白雪姫』が成功すると、ウォルト・ディズニーL・フランク・ボームの児童小説『オズの魔法使い』の第1巻をアニメ映画化する計画を立てた。だがウォルト・ディズニー・スタジオ会長のロイ・O・ディズニーは、映画化権はサミュエル・ゴールドウィンへ売却済みであることを知り、そして彼も1938年にルイス・B・メイヤーへ転売した[6]。そのプロジェクトはメトロ・ゴールドウィン・メイヤーの下で進み、1939年にジュディ・ガーランド主演で『オズの魔法使』として公開された。

1954年、ウォルト・ディズニー・プロデクジョンズは残り13巻分の『オズ』の映画化権を獲得すると[7]、テレビ番組『ディズニーランド』で使用し、さらに実写映画『Rainbow Road to Oz』の企画を進めたが、最終的に中止された[8]。1985年、ディズニーは1939年の映画の非公式続編となる映画『オズ』を公開した[9]

企画[編集]

脚本のミッチェル・カプナーは、魔法使いオズの起源を探ることに興味をそそられた。プロデューサーのジョー・ロスも同様に考え、さらに「...ウォルト・ディズニー・スタジオが企画に費した数年間、私は善良で強い男主人公のおとぎ話を見つけることがいかに難しいかを学んだ。あなたにはあなたの眠れる森の美女シンデレラシンデレラアリスがある。だけど男主人公のおとぎ話を手に入れるのは非常に困難だ。でもオズの魔法使いの起源の物語によって、自然な男主人公のおとぎ話が登場する。これが、純粋に追求する価値があった映画のためのアイデアだったと考えた理由だ」と述べた[10]。カプナーと共同脚本のパラク・パテルはソニー・ピクチャーズにアイデアを提示したが、断られた[11]。2009年、ウォルト・ディズニー・ピクチャーズの下でプロジェクトが進むこととなった[11]。脚本書き直しにはデヴィッド・リンゼイ=アベアーが雇われ、パテルは製作総指揮としてクレジットされた。

プリプロダクション[編集]

2010年4月時点でロスはオズ役にはロバート・ダウニー・Jrを考えていた[12]。同年夏までにサム・ライミが監督に決まった。他にはサム・メンデスアダム・シャンクマンが候補に挙がっていた[12]。2011年1月、ライミはダウニーとの交渉を再開しようと考えていたが、後に彼はダウニーが既に興味を失っていることに気づいた[11]。その後、以前に『パイレーツ・オブ・カリビアン』シリーズや『アリス・イン・ワンダーランド』でディズニーとコラボレーションしたジョニー・デップへ話が持ちかけられた[13]。デップは役柄を気に入ったが、同じくディズニー映画の『ローン・レンジャー』の契約も抱えているために断った[11]。撮影開始予定日まで5ヶ月に迫った2月に入っても未だ主役は決まらず、そしてジェームズ・フランコへ700万ドルの出演料で交渉された[11]。フランコとライミは以前に『スパイダーマン』三部作でも組んでいた[14]。フランコは役作りのためにマジシャンのランス・バートンから訓練を受けた[11]

配給側は映画の製作費を2億ドルと希望した[14]

ライミはグリンダ役にヒラリー・スワンクを推していたが、スタジオ側と意見が対立し、最終的にミシェル・ウィリアムズに決定した[15]

2011年6月、ダニー・エルフマンが作曲者に選ばれた。これは、『スパイダーマン2』(2004年)によりライミとエルフマンが仲違いし、2度と一緒に働くことはないというエルフマンの宣言を打ち崩すこととなった[16][17]

キャスト募集はミシガン州の地元俳優に対して行われた[18]

撮影[編集]

主要撮影は2011年7月25日よりミシガン州ポンティアックのローリー・ミシガン・スタジオで3Dカメラを用いて行われた[19]

ライミは撮影の際にCGIと同時に物理的なセットを使う方式を選んだ[20]。物理的なセットを組むことにより、俳優は視覚的に参照しつつ演技をすることができた。クロマキー合成は背景部分だけで使われた[19]。CGキャラクターの声を務めるザック・ブラフジョーイ・キングも現場を訪れ、その場面になると他の俳優と実際に会話をした。陶磁器の少女もまた本物の人形が現場に持ち込まれた[21]

音楽[編集]

映画音楽はダニー・エルフマンが手がけた[22]

シンガーソングライターのマライア・キャリーは本作のサウンドトラックに楽曲「オールモスト・ホーム英語版」を提供した。シングルは2013年2月19日のアイランド・レコードより発売された[23]

サウンドトラック[編集]

オズ はじまりの戦い オリジナル・サウンドトラック
ダニー・エルフマン映画音楽
リリース 2013年03月05日 (2013-03-05)
録音 2012
ジャンル Classical
時間 1:06:19
レーベル ウォルト・ディズニー・レコーズ英語版
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『オズ はじまりの戦い オリジナル・サウンドトラック』は2013年3月5日にウォルト・ディズニー・レコーズ英語版より発売された[24]

全作曲: ダニー・エルフマン

# タイトル 時間
1. 「メイン・タイトル」   2:57
2. 「シリアス・トーク」   2:23
3. 「オズの誓い」   1:58
4. 「不思議な世界」   1:48
5. 「ここはどこ?/魔女とおしゃべり」   2:05
6. 「焚き火での踊り」   1:19
7. 「フィンリーとの出会い」   1:57
8. 「エメラルド・パレス」   0:47
9. 「王の財宝/サルの考え」   2:56
10. 「陶器の町」   3:07
11. 「ウソ泣き」   1:47
12. 「グリンダと遭遇」   1:43
13. 「マンチキンたちの歓迎の歌」   0:41
14. 「邪悪な魔女」   4:32
15. 「泡に乗って」   2:48
16. 「過剰な期待/青いリンゴ」   4:58
17. 「兵士たちと対面」   1:18
18. 「軍からの攻撃?」   0:29
19. 「セオドラの侵入/操られたワルツ」   1:51
20. 「脅威」   2:07
21. 「おやすみの時間/戦いの用意」   7:00
22. 「シュプレヒコール」   2:13
23. 「破壊」   2:38
24. 「偉大なるオズ」   1:25
25. 「花火/魔女の戦い」   1:39
26. 「贈り物」   5:54
27. 「エンド・クレジット・フロム・オズ」   1:59
合計時間:
1:06:19

公開[編集]

撮影開始前の2011年5月、配給のウォルト・ディズニー・ピクチャーズはアメリカ公開日を2013年3月8日と発表した[25]Moviefoneによると、ディズニー側は『オズ』にはティム・バートンの『アリス・イン・ワンダーランド』(2010年)に匹敵する商業的成功を望んでいる[26]

余談ではあるが、公開日の3月8日にpixivでは「魔法使い」のタグが付いた画像の閲覧数が急増した。

興行収入[編集]

アメリカでは2週連続1位となり、制作費の2億ドルを越える興行収入を記録するなど大ヒットした。日本では、初登場二位を記録し、6週連続で週末興行収入ベスト10入りしている。

評価[編集]

2013年3月8日時点でRotten Tomatoesでの支持率は113件の批評家レビューで56%、平均点は5.9/10となっている[27]Metacriticでは33媒体のレビューで加重平均値は44/100となっている[28]

参考文献[編集]

  1. ^ a b Oz The Great and Powerful”. Box Office Mojo. Amazon.com. 2013年3月8日閲覧。
  2. ^ 2013年(平成25年)全国映画概況日本映画製作者連盟 2014年1月28日
  3. ^ http://www.cinematoday.jp/page/N0031276
  4. ^ a b c d e f Jagernauth, Kevin (2011年7月6日). “‘Mad Men’ Star Abigail Spencer Joins ‘Oz The Great And Powerful’”. indieWIRE. Snagfilms. 2011年7月25日閲覧。
  5. ^ https://twitter.com/#!/GroovyBruce/status/99224622716813313
  6. ^ The Wonderful Wizard of Oz, the Making of a Movie Classic (1990). CBS Television, narrated by Angela Lansbury. Co-produced by John Fricke and Aljean Harmetz.
  7. ^ Chambers, Bill. “A Conversation: FFC Interviews Academy Award-winning editor Walter Murch”. Film Freak Central. オリジナル2013年2月18日時点によるアーカイブ。. http://www.webcitation.org/6EXGYCKkE 2010年1月13日閲覧。 
  8. ^ Hill, Jim. “Disney's long, long journey to Oz”. Jim Hill Media. 2012年7月13日閲覧。
  9. ^ Maslin, Janet (1985年6月21日). “Film: A New 'Oz' Gives Dorothy New Friends”. The New York Times. 2012年1月14日閲覧。 “Instead of the Wizard of Oz sequel that its title suggests, Return to Oz ...is more of a grim variation. This time, in a story derived largely from L. Frank Baum's The Land of Oz [sic] and Ozma of Oz, a pint-sized Dorothy has been brought to the screen with a different set of sidekicks; for instance, instead of traveling to Oz with Toto, Dorothy is this time accompanied by a different Baum creation, Billina the Chicken. Once there, she meets a whole new set of friends....”
  10. ^ Hill, Jim (2013年3月4日). “Joe Roth Reflects on Oz The Great and Powerful, Looks Forward to Maleficent in 2014”. The Huffington Post. http://www.huffingtonpost.com/jim-hill/joe-roth-reflects-on-oz-t_b_2806542.html 2013年3月5日閲覧。 
  11. ^ a b c d e f Galloway, Stephen (2013年2月27日). “'Oz's' Journey: 3 Studio Chiefs, Multi-Ethnic Munchkins, James Franco Scores $7 Million”. The Hollywood Reporter. http://www.hollywoodreporter.com/news/oz-great-powerful-disneys-200-424526?page=show 2013年3月7日閲覧。 
  12. ^ a b Robert Downey Jr. as the Wizard of Oz?”. The Los Angeles Times. Tribune Company (2010年4月20日). 2011年7月15日閲覧。
  13. ^ Kit, Borys (2011年1月19日). “Exclusive: Robert Downey Jr. Out of 'Oz,' Johnny Depp to Take Over?”. The Hollywood Reporter. 2011年1月21日時点のオリジナルよりアーカイブ。2011年7月15日閲覧。
  14. ^ a b Fleming, Mike (2011年2月25日). “James Franco Closing Disney Deal For 'Oz: The Great And Powerful'”. Deadline.com. 2013年2月18日時点のオリジナルよりアーカイブ。2011年7月15日閲覧。
  15. ^ サム・ライミ監督、『オズの魔法使』前日譚の魔女役にヒラリー・スワンクを猛プッシュしてディズニーと対立” (2011年4月25日). 2013年3月8日閲覧。
  16. ^ Lyttelton, Olivia (2011年6月20日). “Danny Elfman Makes Peace With Sam Raimi To Score ‘Oz The Great and Powerful’”. indieWIRE. Snagfilm. 2011年7月25日閲覧。
  17. ^ Grammy Museum Audience Questions Take Elfman Back to Boingo & Forward Into the Future”. Buzzine (2011年6月14日). 2011年6月27日閲覧。
  18. ^ Casting Call For Disney’s 'Oz: The Great & Powerful'”. Detroit, Michigan: WWJ-TV (2011年6月10日). 2013年2月18日時点のオリジナルよりアーカイブ。2011年7月15日閲覧。
  19. ^ a b Sciretta, Peter (2013年1月31日). “35 Things We Learned on the Set of Sam Raimi’s ‘Oz: The Great And Powerful’”. /Film. 2013年2月18日時点のオリジナルよりアーカイブ。2013年1月31日閲覧。
  20. ^ Zeitchik, Steven (2011年7月27日). “'Wizard of Oz' prequel will win over skeptics, star says”. Los Angeles Times. オリジナル2013年2月18日時点によるアーカイブ。. http://www.webcitation.org/6EXKHbqKW 2013年1月31日閲覧。 
  21. ^ Sciretta, p. 2. Archived from the original on 18 February 2013.
  22. ^ McIntyre, Gina (2013年1月29日). “‘Oz’: Teaser, character posters hint at Sam Raimi’s lavish vision”. Los Angeles Times. オリジナル2013年2月18日時点によるアーカイブ。. http://www.webcitation.org/6EXK8rfk5 2013年1月31日閲覧。 
  23. ^ “Updated Release: Global Superstar Mariah Carey Records 'Almost Home' For Disney's 'Oz The Great and Powerful'” (プレスリリース), Walt Disney Pictures via Reuters, (2013年2月6日), オリジナルの18 February 2013時点によるアーカイブ。, http://www.reuters.com/article/2013/02/06/updated-disneys-oz-idUSnPnNY55543+160+PRN20130206 2013年2月18日閲覧。 
  24. ^ Oz the Great and Powerful: Soundtrack”. Amazon.com. 2013年2月22日閲覧。
  25. ^ Semigran, Aly (2011年5月25日). “'Oz: The Great and Powerful' gets release date: March 8... 2013”. Entertainment Weekly. Time Warner Inc. 2011年7月15日閲覧。
  26. ^ Mitchell, John (2011年5月25日). “'Oz: The Great and Powerful' Gets a Release Date”. Moviefone. AOL. 2011年7月15日閲覧。
  27. ^ Oz the Great and Powerful (2013)”. Rotten Tomatoes. 2013年3月8日閲覧。
  28. ^ Oz the Great and Powerful”. Metacritic. 2013年3月8日閲覧。

外部リンク[編集]