アスパルテーム
| アスパルテーム[1] | |
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N-(L-α-アスパルチル)-L-フェニルアラニン 1-メチルエステル |
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| 識別情報 | |
| CAS登録番号 | 22839-47-0 |
| ChemSpider | 118630 |
| KEGG | C11045 |
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| 特性 | |
| 化学式 | C14H18N2O5 |
| 融点 |
246–247 °C |
| 沸点 |
分解 |
| 危険性 | |
| NFPA 704 | |
| 特記なき場合、データは常温(25 °C)・常圧(100 kPa)におけるものである。 | |
アスパルテーム(aspartame)とは、人工甘味料の一つである。ショ糖の100~200倍の甘味を持つ[2]。
目次 |
[編集] 概要
アスパルテームは1965年にアメリカ合衆国のサール薬品が開発した。日本の味の素株式会社が製法を開発し、日本、アメリカ、カナダ、およびヨーロッパで特許を有している[3]。日本およびアメリカでは1983年に使用が認可されている。
主にローカロリー、ノンカロリーの飲料、また食品に添加される。特有の後味を持つ。砂糖、アセスルファムカリウム、ソルビトールなど他の甘味料と合わせて使用されることがある。
日本では、旧厚生省が天然に存在しない添加物に分類している[4]。味の素の製品である「パルスイート®」などに含まれている。アスパルテームを使用した食品や添加物には「L-フェニルアラニン化合物である旨又はこれを含む旨の表示」義務がある。
日本生活協同組合連合会などは安全性への懸念などからアスパルテームを含む食品の取り扱いを行ってこなかったが、2002年3月に留意使用添加物から除外することに決め、取り扱い制限を解除した。
[編集] 化学的性質
アミノ酸由来であり、フェニルアラニンのメチルエステルと、アスパラギン酸とがペプチド結合した構造を持つジペプチドのメチルエステルである。常温では白い結晶性の粉末である。CAS登録番号は[22839-47-0]。
[編集] 安全性
米国食品医薬品局 (FDA) の審査では、経口摂取されたアスパルテームの大部分が分解も代謝も受けずに体外に排泄されるという結果が出ている。従って生理的熱量は極めて小さく、また調味料として普通に使う量では急性毒性や慢性毒性の問題が起こらないと解釈されている[要出典]。
一方、ヒトやサルの腸においてメタノール、アスパラギン酸、およびフェニルアラニンに代謝され、吸収された後に体内たんぱく質に併合されたり二酸化炭素として排出されることが報告されている[5][6]。メタノールは失明や致死などの人体への毒性が知られている。なおメタノールは果物、野菜、酒類に含まれる物質である。アスパルテームの代謝で摂取することになるメタノールはアスパルテームの重量の約10%である。一方アルコール飲料については、FDAが定めるメタノール含有基準値は体積比で0.1%であり、日本の食品衛生法でのメタノール含有基準値は1cm³ (1ml) 当たり1mg以下である。[要出典]アスパラギン酸はアスパラガスに多く含まれるアミノ酸であり、また一部のスポーツドリンクなどに配合されている。フェニルアラニンは食品に含まれる必須アミノ酸である。FDAは後年になってから[いつ?]「健常人ではアスパルテームにはアレルギー性はないが、フェニルケトン尿症患者では危険性があるかもしれない」という見解を示している[7]。これはフェニルアラニンが同患者に悪影響を与えるためである。
脳腫瘍との関連を指摘する報告はあったものの、再試験では否定されている[8]。また、科学的に有効性が確認されている発がん性試験ガイドラインに沿った試験法では、アスパルテームに発がん性は認められていない[9]ため、IARCはアスパルテームを発癌性物質として区分していない。
一方、2007年のCBS NEWSの報道によると、Ramazzini財団委託のマウントサイナイ医科大学Morando Soffritti博士は、ラットに対して胎児の段階から死ぬまでの間FDAの一日許容消費量(約2g;ダイエットソーダで7.5缶/日)の二倍のアスパルテームを投与し続けた結果、癌の発病率の上昇が統計的に認められるという研究結果を出した[10]。ヨーロッパ食品安全審査局(EFSA)はこの報告について検討し、用量反応性が無いこと、対照群と死亡率に差が無いことなどを挙げ、データとして不適当で再考するための根拠としては不十分であると結論付けた。FDAはRamazzini財団の結果について、「われわれの結論(アスパルテーム承認)は百例を超える毒性試験あるいは臨床試験に基づいたものである」と述べている[11]。イタリアで7000人以上を対象に行われた2007年の症例対照研究では、アスパルテームを含む人工甘味料に発がん性は認められなかった[12]。自身の見解と異なるこれらの結果について、Soffrittiらは言及していない[13]。
[編集] 承認に関する疑惑
FDAによる承認において最初にアスパルテームを承認しなかったJere E. Goyan(FDA長官在任期間1979/10/21 - 1981/1/20)はロナルド・レーガン大統領が就任した直後にFDA長官を解任され、後任のアーサー・ヘイズ(FDA長官在任期間1981/4/13 - 1983/9/11)[14]が翌年にアスパルテームを承認している。ヘイズは直後の1983年に辞任、人工甘味料製造会社「G. D. Searle & Company」に就職した。「G. D. Searle & Company」はNeutraSweetの商品名でアスパルテームを販売し、同社CEOのドナルド・ラムズフェルドと共に莫大な利益を得ている。このため、利益のために人体への悪影響を無視し承認に踏み込んだのではないかという疑惑や批判があった[15][16]。
[編集] 他の人工甘味料との比較
サッカリンナトリウムはアスパルテームに比べ、ショ糖に似た甘みを持つ。キシリトールなどの糖アルコールと同じ用途であるが、構造は全く異なる。なお、アスパルテームはエステルであり加水分解されるため、水分のある状態での長期安定性に劣る点が食品添加物としての欠点である。
アスパルテームよりもショ糖に近い味を持つとされるスクラロース(商品名:スプレンダ、Splenda)やアセスルファムカリウムも利用される。
[編集] アスパルテームが使用される主な飲料
日本コカコーラ
- コカコーラゼロ
- コカコーラプラス
- コカコーラプラスファイバー
- ファンタゼロサイダー
- コカ・コーラ ゼロフリー(2010年出荷)
サントリー
- ペプシネックス
- ダイエツトペプシ
- CCレモンゼロ
カルピス
- ウェルチ
- カルピスソーダ
- フルーツカルピス
- カルピス酸乳 ビフィズスライフ
- カルピス酸乳 アミールS
AGF
- ブレンディ ボトルコーヒー カロリーハーフ
タマノイ酢
- はちみつ黒酢ダイエット
味の素
- ノ・ミカタ
[編集] 脚注
- ^ Merck Index, 11th Edition, 861.
- ^ 「代用甘味料の利用法」『e-ヘルスネット』 厚生労働省、2010年10月31日閲覧。
- ^ 「甘味料、発明対価1億8900万円 味の素特許訴訟判決」 京都新聞、2004年2月24日。
- ^ 厚生省「表5 食品添加物の年齢別摂取量」マーケットバスケット方式による年齢層別食品添加物の一日摂取量の調査 (平成12年12月14日 厚生省) (日本食品化学研究振興財団)
- ^ Opperman JA et al; J NUTR 103 (10): 1460-6 (1973)
- ^ Trefz F et al; Human Genetics 93 (4): 369-74 (1994)
- ^ FOOD ALLERGIES RARE BUT RISKY
- ^ FDA Statement on Aspartame, November 18, 1996.; —FDAによるアスパルテームと腫瘍に関する声明では、'70年代の脳腫瘍と関連を指摘した報告についてはPBOIのラットでの再試験では再現しなかったこと、それとともに日本での追加試験でも再現しなかったことを踏まえて承認したと説明している。またアスパルテームが上市されてからアメリカにおける脳腫瘍の疫学調査に有意な変化が見られないことも説明している。
- ^ BRYAN,GT; ARTIFICIAL SWEETENERS AND BLADDER CANCER: ASSESSMENT OF POTENTIAL URINARY BLADDER CARCINOGENICITY OF ASPARTAME AND IS DIKETOPIPERAZINE DERIVATIVE IN MICE; FOOD SCI. TECHNOL. 12(ASPARTAME):321-348, 1984
- ^ Aspartame's Safety Questioned Again
- ^ [1]
- ^ S Gallus, Artificial sweeteners and cancer risk in a network of case–control studies; Annals of Oncology 2007 18(1):40-44; doi:10.1093/annonc/mdl346
- ^ Environ Health Perspect. doi:10.1289/ehp.10881
- ^ FDA長官在任期間の平均は3.5年である。
- ^ Sound and Fury - Sick From Aspartame? Meet Donald Rumsfeld(英語)
- ^ aspartamekills.com(英語)
[編集] 参考文献
- Perfect Guide パルスイート・カロリーゼロ - 味の素; 安全性試験結果の参考文献あり。
- アスパルテーム(横浜市衛生研究所 - 食品衛生情報)
- 渡辺雄二『食品添加物危険度事典』KKベストセラーズ、1999年。
- 「スイート・ミゼリィ−−毒された世界」-アスパルテームの毒性についての動画(英語版)
- コカコーラ 商品情報
- サントリー 商品情報