買ってはいけない
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『買ってはいけない』(かってはいけない) は、雑誌「週刊金曜日」連載の「商品の安全性」に関するコラムをまとめたブックレットである。
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[編集] シリーズ
2008年2月現在、シリーズで全5冊発行されている。
- 『買ってはいけない』 船瀬俊介・三好基晴・渡辺雄二・山中登志子、「週刊金曜日」編、金曜日、1999年5月。ISBN 4906605036。
- 『買ってはいけない Part2』 『週刊金曜日』編、金曜日、2005年。ISBN 4906605044。
- 『新・買ってはいけない 2006』 境野米子、渡辺雄二 金曜日、2005年12月。ISBN 4906605060。
- 『新・買ってはいけない 4』 垣田達哉、河村宏、境野米子、渡辺雄二 金曜日、2007年1月。ISBN 4906605249。
- 『新・買ってはいけない 5』 垣田達哉、境野米子、渡辺雄二、市川はるみ、坂井敦 金曜日、2008年1月。 ISBN 9784906605347。
[編集] 概要
1999年5月発行。世間で広く流通している食品や日用品などの各種商品を取り上げ、それに含まれる食品添加物その他の化学物質などの毒性や危険性を強調し、「買ってはいけない」と具体的に示唆していたことで話題になり、約200万部を売り上げた。 発刊に当たっては『暮しの手帖』の影響を受けたとされている。
本書刊行後、『借りてはいけない』『乗ってはいけない』など多数の類似する本が刊行された。また、『買ってはいけない』著者の一人である船瀬俊介による『買ってもいい 食卓編』(光文社、1999年11月。ISBN 4334006639)という書籍も刊行された。
『週刊金曜日』は、2000年、『買ってはいけない』の収益を元に「買ってはいけない基金」を設立。食品の安全性を高めるための調査・研究を行なう基金で、これまでにトウモロコシから日本で未承認の遺伝子組み換え体を検出する等している。
2002年にパート2が出版され、その後「新・買ってはいけない」の連載がスタートし2005年には「新・買ってはいけない2006」の連載が単行本化されているが、「買ってはいけない」の売り上げには及んでいない。
『買ってはいけない』の収益で、週刊金曜日は当時の売れ行き不振を解消したとする声がある[要出典]。(発刊当初5万部、現在は3万部といわれている)
[編集] 『買ってはいけない』に対する評価
本書に関しては、各方面から多くの賛否の評価が寄せられている。
[編集] 肯定的な評価
- 大企業から美辞麗句の宣伝文句とともに発売されている商品の危険性に対する問題意識を深めた。日本の消費者が、いかに取り扱い説明や品質表示に目を通していないかを浮き彫りにした。
- 他のマスコミは広告で収入を得ているためスポンサーに遠慮して批判しにくいが本書は広告がないため遠慮なく批判している。
- 化学物質が並ぶ成分表示に目を通していても、内容を理解していなかったり、あるいは理解しようとしていなかったりすることを明らかにした点は評価されるべきである。
- 企業側にも消費者に対して情報提供することの大切さを再認識させている。
[編集] 否定的な評価
- 執筆者、編集者が「取り扱い説明や品質表示の内容」等を知識不足から正しく理解していない。その為後述のように本書自体に欠陥・欠点・問題点が露呈する事となった。また、書籍となった事で「誤った知識」を全国的に広めてしまった責任は大きい。
- 内容に科学的な見識の不足から生じる事実誤認、著しく正確性・妥当性を欠く誤りが散見される。例えば「正露丸」批判の際、その成分日局クレオソートを名称の類似する工業用クレオソート油と混同し、工業用クレオソート油のもつ毒性で「正露丸」批判を行った。両者は異なる物質であり、正露丸に工業用クレオソート油は含まれておらず、これは事実誤認である。また、「ソルビン酸カリウムの毒性はソルビン酸にカリウムの毒性が加わったもの」との指摘も行っているが、物性・毒性学の観点からは完全に議論に値しない内容である。(これは「食塩(塩化ナトリウム)の毒性は塩化水素にナトリウムの毒性が加わったもの」という批判にほぼ等しい)。
- 取り上げられている物質の毒性を検証する際に、動物実験の結果のみを挙げ、人体に対する量論的な考察をほとんど行わず批判を行っている。このような検証方法は薬学、生理生化学的に有効でない(例えば「買ってはいけない」文中では、マウスに何mg投与したというような形で提示されることが多いが、これを人間にあてはめると、通常摂取する量を大きく超えた量を摂取させていることになる。栄養素の多くは、大量に摂取すれば有毒になる。毒性学を参照)。
- 「味の素」や「マクドナルド」の項など、根拠が不明な情報や都市伝説を記している箇所がある。
- 本書では何の断りもなく、『週刊金曜日』本誌で告知しただけで、後の版で内容が改訂(修正)されている。
- ある製品をあげて、買ってはいけない理由として「私はこの匂い(含有されている香料)をかぐだけで気分が悪くなる」など個人の感情的な批評が目立ち、正当な根拠で批評しているものは皆無に等しい。
- 「アトピーの方は純石鹸を使うべき」との記述があるが、これは個人差があり純石鹸で悪化したという事例も少なくないため正しくない。(※石鹸は弱塩基性(弱アルカリ性)である為) このような著者の私見での記述が多く見られるため、信憑性は疑わしい。
- 無農薬栽培の作物を強く勧め、農薬栽培の野菜を批判している記述が度々見られるが、無農薬栽培の作物は、数代に渡って無農薬で栽培されている場合、作物の自己防衛本能が強まり(虫食いの頻度が必然的に増えるため)生体毒(主に発がん性物質)が多くなるため、どちらが健康に良いと言う事はいえない。このような著者の基本的な知識が無いと見受けられる記述が驚くほど多い。
- 特定の会社の商品を批判する際に、同業他社の同一価格帯の競合商品も同じような原料で作られているという記述が少ないか記述されていないことが多い。
- 具体的な商品を不当な根拠で健康を害する恐れがあると批判しており、営業妨害にあたる。
- 誤った情報をさも正当であるかのように伝えることは、ジャーナリズムの倫理に悖る。
[編集] 参考文献
- 夏目書房編集部編 『「買ってはいけない」は買ってはいけない』 夏目書房、1999年10月。ISBN 4931391656
- タイトルも装丁も、内容の体裁も『買ってはいけない』にそっくり合わせ、その不正確さを批判している。
- 日垣隆 『「買ってはいけない」は嘘である』文藝春秋、1999年10月。ISBN 4163557709
- 最も注目された批判書。
- 鹿砦社『買ってはいけない』特別研究班 『「買ってはいけない」大論争―ほめる人、けなす人』鹿砦社、1999年11月。ISBN 4846303624
- 当事者である『週刊金曜日』編集長や夏目書房編集部代表を含む様々な人々の寄稿をまとめたもの。
- 『決定版! 本当に「買ってはいけない」か!?』 ビジネス社、1999年11月。ISBN 4828408436
- KIBA BOOK編集部編 『週刊金曜日対月刊文藝春秋「買ってはいけない」喧嘩』KIBA BOOK、1999年11月。ISBN 4916158350
- 『「買ってはいけない」は嘘である』 との比較検討。
- 中川晶監修 『「買ってはいけない」論争 解決篇』データハウス、1999年12月。ISBN 4887185561
- 『「買ってはいけない」は買ってはいけない』 との比較検討。
- 松永和紀『メディア・バイアス - あやしい健康情報とニセ科学』光文社〈光文社新書〉、2007年4月。 ISBN 978-4-334-03398-9
- 『買ってはいけない』の科学論理の誤りや統計データの取り扱い方の不備などを指摘。

