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聖天宮の主な施設として、本殿、前殿、天門、鼓楼、鐘楼、客庁、行事場、中庭、前庭、寿金亭、外苑・休憩所がある。 |
聖天宮の主な施設として、本殿、前殿、天門、鼓楼、鐘楼、客庁、行事場、中庭、前庭、寿金亭、外苑・休憩所がある。 |
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聖天宮は後述する燕尾脊や藻井といった建築様式から、剪粘や龍柱といった装飾品まで、台湾の寺廟では一般的に見られるものだが<ref>{{ |
聖天宮は後述する燕尾脊や藻井といった建築様式から、剪粘や龍柱といった装飾品まで、台湾の寺廟では一般的に見られるものだが<ref>{{cite journal|和書 |author=張英裕, 宮崎清 |date=2013 |url=https://doi.org/10.11247/jssdj.60.1_1 |title=台湾における伝統建築の装飾に関する研究 : 北港鎮朝天宮の屋根装飾 |journal=デザイン学研究 |ISSN=0910-8173 |publisher=日本デザイン学会 |volume=60 |issue=1 |pages=1_1-1_10 |doi=10.11247/jssdj.60.1_1 |CRID=1390001205410188672 |access-date=2023-08-25}}</ref>、日本においてはほとんど見ることのできない稀少なものばかりである。 |
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;燕尾脊 |
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[[File:Sakado Xientengong Honden 2.jpg|thumb|150px|本殿屋根の燕尾脊]] |
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;屋根飾り |
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:聖天宮の目を引く屋根瓦の黄色は、黄河文明で中心を意味する色であるという。瓦屋根には数々の装飾が施されている。[[竜|龍]]が多く、[[鳳凰]]や[[麒麟]]の彫像もある<ref name="毎日新聞20221101" />。これら屋根飾りの多くは中国南部に発祥し、台湾や[[ベトナム]]など周辺地域に伝わる{{仮リンク|剪粘|zh|剪瓷雕}}という伝統技術によって作られている<ref name="kyoto" />。剪粘では鉄線などを芯に形作った[[石膏]]に、色鮮やかな陶片やガラス片を接着・[[象嵌]]して作られる。剪粘は絵画の色彩と彫刻の立体感を兼ね備え、長年の風雨や潮風に晒されても退色しにくい<ref>{{Cite |
:聖天宮の目を引く屋根瓦の黄色は、黄河文明で中心を意味する色であるという。瓦屋根には数々の装飾が施されている。[[竜|龍]]が多く、[[鳳凰]]や[[麒麟]]の彫像もある<ref name="毎日新聞20221101" />。これら屋根飾りの多くは中国南部に発祥し、台湾や[[ベトナム]]など周辺地域に伝わる{{仮リンク|剪粘|zh|剪瓷雕}}という伝統技術によって作られている<ref name="kyoto" />。剪粘では鉄線などを芯に形作った[[石膏]]に、色鮮やかな陶片やガラス片を接着・[[象嵌]]して作られる。剪粘は絵画の色彩と彫刻の立体感を兼ね備え、長年の風雨や潮風に晒されても退色しにくい<ref>{{Cite journal|和書|author=張英裕, 宮崎清 |date=2001 |url=https://doi.org/10.11247/jssdj.48.63 |title=寺廟装飾「剪黏(ジェンネン)」に関する起源・変遷及び制作過程 : 台湾及び中国大陸南方における現地調査を通して |journal=デザイン学研究 |ISSN=0910-8173 |publisher=日本デザイン学会 |volume=48 |issue=4 |pages=63-72 |doi=10.11247/jssdj.48.63 |CRID=1390001205411094400}}</ref>。聖天宮の屋根飾りはほとんどが剪粘によるが、一部に[[交趾焼]]([[嘉義市|嘉義]]焼)など、他の手法によるものも利用されている。 |
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* 五千頭の龍が昇る聖天宮 パンフレット<ref>{{Cite web |url=https://www.seitenkyu.com/guidance.html |title=拝観のご案内 |access-date=2023-8-14 |publisher=宗教法人 聖天宮}}</ref> |
* 五千頭の龍が昇る聖天宮 パンフレット<ref>{{Cite web |url=https://www.seitenkyu.com/guidance.html |title=拝観のご案内 |access-date=2023-8-14 |publisher=宗教法人 聖天宮}}</ref> |
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== 脚注 == |
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== 外部リンク == |
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* [https://www.seitenkyu.com/ 五千頭の龍が昇る聖天宮(オフィシャルページ)] |
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2023年8月25日 (金) 08:40時点における版
座標: 北緯35度57分48.46秒 東経139度25分38.27秒 / 北緯35.9634611度 東経139.4272972度
五千頭の龍が昇る聖天宮(ごせんとうのりゅうがのぼるせいてんきゅう)は、日本の埼玉県坂戸市にある、台湾系道教の宮。道教の最高神格とされる三柱の神、三清道祖をはじめとする道教の神々が祀られている。略称・通称は「聖天宮」[1]。
聖天宮は台湾人個人の大病治癒の記念として、私財を投じて建立された。神託により、建立の地として台湾ではなく日本の坂戸市が選ばれたという。1995年開宮。道教建築として日本最大級。
聖天宮は一般の見学や拝観を受け入れており、来訪者の多くは日本人の観光客であるという。約7000坪ほどの広大な境内は、太極拳大会などの地域のさまざまな催しに利用されている。また、特色ある建築とゆとりある敷地はテレビ番組の各種ロケ撮影やコスプレイヤーの撮影スポットなどとして人気を集めている。
歴史
聖天宮は、台湾人貿易商の康國典(こうこくてん)により、大病治癒の記念として建立された。聖天宮建立の由緒について、境内の案内には次のようにある[2]。
聖天宮は「康國典大法師」が建立されました。大法師は若くして大病を患いましたが、「三清道祖」に祈願し、7年の闘病生活を経て病が完治されました。大法師は感謝の気持ちを抱き、他の多くの人にも「三清道祖」にすがれる様にお宮を建てることにした。建立地を探していたところ、坂戸のこの地にとお告げがありました。
聖天宮建立の経緯については、康の子息への複数紙の取材によると、次のようなものとされる[3][4]。
1920年代に台湾の板橋に生まれた康は、中国大陸とのビジネスで財を成した。康は40代半ばに膵臓関係の大病にかかったが、三清道祖を祀る台北市の指南宮での願掛けにより、七年の闘病生活を経て完治したことから、神へのお礼と、他の人も神の恩賜にあずかれるよう、宮を建てようと思ったという。台湾ではご利益があった際には感謝の気持ちを示すため、廟(小規模な道教の施設)を建てる風習がある。
康は当初、台湾に宮を建てようとしていたが、日本の坂戸に建てなさいという神のお告げを授かった。お告げでは具体的に建立地の地名、聖天宮という名称、社殿の形や方角も告げられたという。当時、康は坂戸には縁もゆかりもなかったという。創建開始当時の坂戸の当地は、雑木林と桑畑で、最寄りの若葉駅もなく、宮の前の公道もなく、農道だけであったとされる。建築資金については、康が建て始めたのち、台湾人や日本人から協賛があったという。
聖天宮は宗教法人としては昭和55年(1980)に設立された[5]。社殿は昭和56年(1981)に着工し、15年の歳月を費やして、平成7年(1995)に開宮した。
現在、康國典法師は亡くなり、子息の康嘉文(こうかぶん)法師が聖天宮を管理している。また近年、聖天宮は正式名称を「五千頭の龍が昇る聖天宮」へと改めた。
道教
道教は、古代の中国の民間信仰に端を発する宗教であり、中華圏で信仰者の多い三つの宗教(三教:仏教・道教・儒教)の一つとされている。道教の源流の一つには、神仙を信じ、仙人のような不老長生を希求する神仙思想が根底にあるとされ、不老長生を求める神仙術や、符籙(おふだを用いた呪術)・斎醮(亡魂の救済と災厄の除去)、仏教の影響を受けて作られた経典・儀礼など、時代の経過とともに様々な要素が積み重なった宗教とされ[6]、その概念規定は確立していない。道教は長い歴史の中で、火薬、中華料理などを生み出し、中国内外の文明に多くの影響を与えたとされる。
道教と日本
道教の日本への伝来は、儒教・仏教が総合的な文化体系として日本に大きな影響を与えたのに比べると、組織的な形で流入したわけではなく、道教が体系的な構造をもって日本に定着したとはいえない[7]。しかし、思想面では道教の影響を多大に受けており、日本の人々の基本的思惟の形成に関わってきたとされる[7]。道教を構成するさまざまな要素は日本に伝わっており、特に神仙術・養生思想は早くから日本に流入していた[6]。聖天宮では道教の日本への影響の例として、奈良のキトラ古墳に描かれた四神や、平安時代に盛んとなった陰陽道を挙げている[8]。
現代の道教
現在、全世界に道教の信徒を自認する人は3000万人ほどおり、台湾や東南アジアの華僑・華人の間で信仰されている。シンガポールでは総人口の3割ほどが道教信者であるほか、香港でも熱心に信仰されている。道教施設の最大の拠点は台湾に置かれている[9]。中国本国においては宗教禁止政策などにより信徒が激減したが、近年徐々に復興している。西洋において道教は仏教・儒教ほど普及したわけではないが、華人の住む地区には道教信徒コミュニティが多く存在するほか、道教の技術や実践に対する関心は高いという[9]。日本国内における道教の祭祀施設は、歴史的に華僑が多い長崎市や神奈川県横浜市などに見られるが、埼玉県では珍しい[10]。
祭神
道教は典型的な多神教であり、無数ともいえる神々が神話に織り込まれている[11]。それら神々のうち、聖天宮では三清道祖、南斗星君、北斗星君、四聖大元帥を祀っている[12]。
三清道祖
聖天宮では主神として、道教における最高神格の三柱の神、三清道祖(元始天尊、道徳天尊、霊寶天尊)を祀っている。
道教の宇宙観において、神仙が住まう世界は幾重にも積み重なる「天(中国語版)」であるとされ、元始天尊、道徳天尊、霊寶天尊はそれぞれ天の最も高い境地、「玉清境」「上清境」「太清境」に住まうとされることから、三柱を総称して「三清」、また、三柱は道教における全ての始まりであることから「道祖」と称される。なお、ここで言う「道祖」は、日本における「道祖神」と意味合いが異なる[3]。
三清は道教の世界において、強い信仰を集めている。
- 元始天尊
- 道徳天尊
- 霊宝天尊
星君
道教においては、空の星々にはそれぞれ神が宿っていると考えられており、この神を星君という[13]。聖天宮では北斗七星を神格化した北斗星君、南斗六星を神格化した南斗星君を祀っている。
四聖大元帥
四聖大元帥(しせいだいげんすい)は、東西南北の災いを封じるとされる四柱の神。
ご利益:国泰民安、護国保法、豊作大漁、五穀豊穣
台湾の道教の施設は道教の神と一緒に観音菩薩も祀られるなど仏教の要素と習合しているところが多いが、聖天宮は道教の神だけを祀っているという[4]。
見学・参拝
聖天宮は開宮当初から一般公開され、一般客の見学・参拝を受け入れている[3]。境内では神意を尋ねるための道具「シンプエー(ポエ)」を使ったポエ占いや、35センチメートルと長い線香[1]を使った祈願、神に捧げるための模擬紙幣「寿金」の焚き上げなど、道教式の参拝を体験できる。聖天宮では道教の様式に沿って参拝することを推奨しており[14]、希望すれば常駐する説明員から、道教式の参拝作法について説明を受けることができる。日本の一般的な神社仏閣の参拝との違いには、次のようなものがある。
- 願掛の際には火のついた線香を掲げ神前に跪き、住所・生年月日・氏名の自己紹介に始まり、願い事を具体的に事細かく伝える。線香が長いのは、願掛けの途中で火が消えないためである[1]。
- 供物を受け付けているが、台湾での習慣に従って参拝後に持ち帰り、食べることによってご利益があるとされる[15]。
- おみくじは半月形の木板「シンプエー」2枚を床に落とし、木板の表・裏(陰・陽)が対になるとおみくじを引くことができる(陰・陰は「引き直し」、陽・陽は「許可待ち」)[1][15]。引き終わったくじは台湾では持ち帰って読み直すものとされるが、聖天宮では境内の柱に結びつけても良い。
- 御朱印は無い(参拝記念のスタンプがある)。
聖天宮の来訪者のほとんどは、珍しい道教の建築物を見たり参拝を体験したりするために訪れる日本人で占められている[4]。聖天宮としては、地域に根づいて、憩いの場として一般の人が多く来てくれるように活動していきたいと考えているという[3]。一方、聖天宮は個人的な理由で建てられた宮であり、また宣教・布教を目的にしているわけではないとして[3]、道教の布教活動等は行っておらず、檀家もないという[16]。
聖天宮では台湾出身者たちの拠り所になることは目指しておらず、近辺には台湾関係の店や台湾人コミュニティもない[1]。管理人の法師曰く、台湾から日本に来たのなら日本の観光地に行くだろうという[17]。境内には中国語の案内は無く、公式ウェブサイトも日本語のみ。
境内には飲食店はないが自動販売機があり[15]、タピオカミルクティーや豆漿、皮蛋、鳳梨酥などの台湾の軽飲食類と、お守りなどが販売されている。
建築
聖天宮は道教建築・台湾建築として日本で最も規模が大きいものの一つ。聖天宮の敷地は約7,000坪あり[17]、社殿の大きさは幅50メートル、高さ25メートルある[18]。管理人によると、関帝廟や媽祖廟などの日本にある道教の施設の中では、聖天宮が一番大きいという[3]。
聖天宮の社殿は台湾にて着想・設計され、装飾品や調度品の多くは台湾で製造し、建材とともに日本へ海運された。「本場の人でないと色とか形が全然違いますから」として、台湾から日本の宮大工に相当する職人を呼び寄せ、15年の歳月を費やして建立された[1][15]。現在も修繕作業には台湾から宮大工を呼んでいるという[4]
康嘉文法師によると、台湾の宮大工はそれぞれ専門分野が特化していて、石は石だけ、木は木だけ、金箔は金箔師だけと、全部役割分担されており、各分野で一流の大工を探して、日本に連れてきて建立したという[3]。
建築費については非公開とされるが、建材の運搬費のみでも数億円がかかったという[19]。
台湾のメディアの記者は聖天宮を取材し、「どの観点から見ても台湾の廟であり、社殿や神像、おみくじの筒から屋根の宝塔に至るまで日本建築らしさは少しも見られず、台湾のどこかの廟をそのまま日本へ移築したように感じられる」と記している[20]。
聖天宮の主な施設として、本殿、前殿、天門、鼓楼、鐘楼、客庁、行事場、中庭、前庭、寿金亭、外苑・休憩所がある。
聖天宮は後述する燕尾脊や藻井といった建築様式から、剪粘や龍柱といった装飾品まで、台湾の寺廟では一般的に見られるものだが[21]、日本においてはほとんど見ることのできない稀少なものばかりである。
- 燕尾脊
- 燕尾脊とは、建築物の主稜線がやや上向きに湾曲し、両端が盛り上がってフォーク状になった、燕の尾のような形状の屋根の妻側の造形。燕尾脊は閩南、台湾、ベトナムなどの建築物によく見られ、国内では長崎孔子廟、新宿御苑の台湾閣などで使われている。聖天宮では天門、前殿、本殿のいずれの屋根も燕尾脊になっている。
- 屋根飾り
- 聖天宮の目を引く屋根瓦の黄色は、黄河文明で中心を意味する色であるという。瓦屋根には数々の装飾が施されている。龍が多く、鳳凰や麒麟の彫像もある[15]。これら屋根飾りの多くは中国南部に発祥し、台湾やベトナムなど周辺地域に伝わる剪粘という伝統技術によって作られている[17]。剪粘では鉄線などを芯に形作った石膏に、色鮮やかな陶片やガラス片を接着・象嵌して作られる。剪粘は絵画の色彩と彫刻の立体感を兼ね備え、長年の風雨や潮風に晒されても退色しにくい[22]。聖天宮の屋根飾りはほとんどが剪粘によるが、一部に交趾焼(嘉義焼)など、他の手法によるものも利用されている。
- 石細工
- 聖天宮では、台湾新北市の観音山の観音石からなる石材が壁や柱、石獅子などにふんだんに使われ、そのいずれにも緻密な透かし彫りが施されている。特徴的なものの一つが龍柱であり、高さ5メートルにもなる一塊の石材から柱が切り出され深い透かし彫りがされている。聖天宮には計8本の龍柱があり、いずれもデザインが異なる。多数の龍をあしらったもの、龍と鳳凰を配したもの、滝登りをする鯉、梅や牡丹などの吉祥物を彫ったものなど。
- 組物
- 組物とは中国由来の伝統的な木造建築において、屋根を支えるために柱頭に設ける部材の一群であり、寺社建築の見どころともされている。聖天宮では随所に日本では見られない木組みを見ることができる。「組物」も参照
- 藻井
- 聖天宮の組物において大きなの見どころの一つはドーム天井(藻井)である。藻井とは古代中国建築で屋根として使われていた木造の装飾建築物であり、宮殿の玉座や神殿の祭壇の上に建てられるドーム状の構造物。起源は洞窟時代の住居の構造とされ、後代に中国文化圏の宗教建築に見られるようになった。藻井は宗教建築において、もっとも技術を要する場所の一つとされる[23][24]。聖天宮には前殿と本殿で二つの藻井があり、前殿の八角形の藻井では八卦を、本殿の螺旋の藻井では太極を表現している。
- 前殿の八卦天井では、一万点以上の部品に金箔による彩色を施し、釘を使わずに組み上げられているという。聖天宮によると、「当たるも八卦当たらぬも八卦」というように、八卦の下でおみくじをするのが正式であるとしており、八卦の下でおみくじをするとよく当たるという。本殿の太極天井の太極はすべての始まり、宇宙の始まりを表し、その下に神が鎮座していることで、本殿全体の構図として神の世界より全ての始まりである「太極」が渦を巻き、やがて「陰陽」、「八卦」、「森羅万象」へと移り行く伝説を立体的に表しているという[3][17]。
-
前殿の内部
-
九龍網(きゅうりゅうもう)
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天公炉と前殿
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天門の石獅子
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中庭と本殿
年間祭事
祭事の日には線香での参拝や寿金(神紙)の焚きあげをする行事があり、一部の祭事では一般客も参加できる[25][26]。なお、聖天宮には門前町がないため、中華街で見られるようなパレードは行われない[27]。
- 元始天尊生誕日 - 1月1日 (旧暦)
- 道徳天尊生誕日 - 2月15日 (旧暦)
- 霊賽天尊生誕日 - 8月15日 (旧暦)
- 端午節 - 5月5日 (旧暦)
- 慰霊祭 開鬼門 - 7月1日 (旧暦)
- 慰霊祭 閑鬼門 - 旧暦7月末日
催し
定期的な催事として、聖天宮では毎週土曜日、朝7時半から8時、天門広場にて有志による早朝太極拳が開催される。参加自由。雨天中止[28]。
その他、不定期に開催されるイベントや過去に開催されたイベントには下記のようなものがある[29]。
- あおぞら武術太極拳まつり
- あおぞら武術太極拳まつりは2008年に第1回が坂戸市観光協会主催で開催され、第3回より坂戸あおぞら武術太極拳まつり実行委員会が引き継ぎ毎年開催されている。当初は100人前後の参加者だったが、現在は400人を超す参加者のある大きな催しとなった。主催者は「本場同様の雰囲気万点の会場で競技ができる」として、会場の雰囲気をイベントの売りの一つとしている[30]。
- ライチ種とばし大会
- 野菜即売会
- YOSAKOI(龍季祭、天空よさこい、ファイナルよさこい等)
-
さいたま竜神まつり会による龍舞
-
キッズダンス
-
龍舞と和太鼓、YOSAKOI
-
YOSAKOIの旗振り
ロケーション撮影
聖天宮はその独特な景観から、ロケーション撮影のスポットとしてテレビドラマやミュージック・ビデオ、コスプレイヤーなどの撮影場所に利用されている。なお、聖天宮では境内の撮影について、「個人観賞の範囲を超える撮影や取材を行う場合は必ず許可が必要」としている。以下は聖天宮で撮影された作品の一部[32]。
テレビドラマ
- フジテレビ『西遊記』『ハニートラップ』
- NHK『金魚姫』『伝説のお母さん』『オリバーな犬、 (Gosh!!) このヤロウ』
- テレビ朝日『手裏剣戦隊ニンニンジャー』『仮面ライダードライブ』『ビーロボカブタック』等
ミュージック・ビデオ
- 西川貴教 / Crescent Cutlass
- a flood of circle / KIDS
- Czecho No Republic / Oh Yeah!!!!!!!
- TrySail / Sunset カンフー
- Do As Infinity / 化身の獣
- luz / FANATIC
- EXILE ATSUSHI / 我願意
- GRANRODEO / move on! イバラミチ
等
コスプレ
聖天宮はコスプレイヤー向けの写真撮影場所としても人気がある。東京新聞の取材によると、2007年頃からコスプレイヤーの来訪者が目立つようになり、2012年のコスプレ目的での来場者はのべ約500人にのぼったという[16]。近年のコスプレイヤーの来訪の増加に対し、聖天宮側もルールを設けながらこれに応じており[17]、聖天宮を建立した康法師は生前、「多くの日本人に台湾の文化に触れてほしい」として、コスプレ撮影に快く応じてきたという[16]。聖天宮は、ルールを守ってもらえれば「道教の教えは来る者拒まず」という理由でコスプレ撮影を受け入れていると説明している[10]。
コスプレ撮影の受付は1日2組、計10名までに限定されており、事前予約が必要[33]。境内での撮影には、寝転び撮影禁止といった一般的な諸注意に加え、宗教施設であるため露出度の高い服装や、キョンシーなどのアンデッド系の動き・服装は禁止といった独自のルールがある[34]。
台湾では、日本にある台湾の宗教施設がコスプレの名所になっていることが珍しがられ、大手紙の中国時報や、おたく向けネットニュースの宅宅新聞などで報じられた[35][36][37]。
交通アクセス等
運営及び所在地等
- 運営:宗教法人 聖天宮
- 所在地:埼玉県坂戸市塚越51-1
- 拝観時間:10 - 16時 年中無休
- 拝観料:高校生以上500円[1](各種割引有)、中学生250円、小学生以下無料
- 障がい者250円(写真付き手帳提示)、障がい者付き添い250円(1名まで)
参考文献
- 五千頭の龍が昇る聖天宮 パンフレット[38]
脚注
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関連項目
- 大應慈天后宮 - 群馬県高崎市にある、台湾人個人が建てた媽祖廟。日本人配偶者は、日本では珍しいタンキーであるという。
- 仏光山法水寺 - 群馬県渋川市伊香保町にある、台湾仏教の寺院。台湾建築として日本最大級。
- 横浜媽祖廟 - 神奈川県横浜市にある媽祖廟。台湾台南市の大天后宮より分霊され建立された。
- 横浜関帝廟 - 神奈川県横浜市にある関帝廟。横浜媽祖廟と並び、道教建築の粋とされる。
- 東京媽祖廟 - 東京都新宿区にある媽祖廟。台湾人が多く住む新宿区大久保の近くに建てられた。
- 新宿御苑台湾閣 - 東京都の新宿御苑内にある建築「台湾閣」は、台湾様式で建てられたことで知られる。