ゴダール・ソシアリスム

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ゴダール・ソシアリスム
Film socialisme
オデッサの階段
監督 ジャン=リュック・ゴダール

《ディレクター・コミティー》
ファブリス・アラーニョ
ポール・グリヴァス
ルーマ・サンバール
アンヌ=マリー・ミエヴィル
ジャン=ポール・バタジア
製作 ルート・ヴァルトブルゲール
アラン・サルド
出演者 パティ・スミス
アラン・バディウ
音楽 ECMレコード
撮影 ファブリス・アラーニョ
ポール・グリヴァス
製作会社 ワイルド・バンチ
ヴェガ・フィルム
ペリフェリア
カナル・プリュス
テレヴィジオン・スイス・ロマンド(TSR)
フォン・レジオ・フィルム
シュイシマージュ
スイス連邦文化局(OFC)
ジュネーヴ市
ヴォー州基金
配給 フランスの旗 ワイルド・バンチ
日本の旗 フランス映画社
公開 フランスの旗 2010年5月12日CIFF
フランスの旗 2010年5月19日
スイスの旗 2010年5月26日 (仏語圏)
日本の旗 2010年12月18日
上映時間 102分
製作国 フランスの旗 フランス
スイスの旗 スイス
言語 フランス語
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ゴダール・ソシアリスム』(原題: Film socialisme[1]、英題: Socialism)は、2009年(平成21年)製作、2010年(平成22年)公開、ジャン=リュック・ゴダール監督によるフランススイス合作の長篇劇映画である[2]

概要[編集]

2004年(平成16年)の長篇劇映画『アワーミュージック』以来のゴダールの長篇映画であるようにうけとめられている[2]。 しかしフランスの製作会社ワイルド・バンチによる本作の公式サイトには、当初、ゴダールのほか、スイスの映画作家ファブリス・アラーニョ、フランスで活動する映画作家ポール・グリヴァス、ジャーナリストのルーマ・サンバーペリフェリア社長で映画監督のアンヌ=マリー・ミエヴィル、撮影監督ピエール・バンジェリ、製作主任ジャン=ポール・バタジアといった人物の名が、「ディレクター」として挙げられた。 カンヌ国際映画祭エントリーのアナウンス後、これらの固有名詞はゴダールとは別に、クレジット欄に引き続き「ディレクター」として挙げられている[3]


公式サイトによれば、物語は3楽章からなる。主人公たちは、真実のあるいは虚偽の神話的土地である、エジプトパレスチナオデッサヘラスギリシア)、ナポリバルセロナの6か所を訪れる[3]。アメリカの女性歌手・パティ・スミス、フランスの哲学者・アラン・バディウの出演がアナウンスされており[3]、公式にリリースされているスチル写真にも写りこんでいる[3]


出演はほかに、『ニノの空』等のフランス人女優のエリザベート・ヴィタリ

アフリカ系フランス人女優のナデージュ・ボーソン=ディアーニュオドレ・エストルーゴ監督の長篇劇映画『ルガルデ・モア』(2006年)に出演したアフリカ系フランス人の舞台女優アイ・アイダラ

テレビアニメーション『シティーハンター』フランス語版やロバート・デ・ニーロの吹替声優として知られるヴェテラン俳優のモーリス・サルファティ

マリー・アントワネット』(2006年)等への出演で俳優として知られるスイス舞台美術家ジャン=マルク・ステーレ

ハーモニー・コリン監督の『MISTER LONELY ミスター・ロンリー』(2007年)に出演した子役のカンタン・グロセ

オムニバス映画『パリ、ジュテーム』(2006年)のコーエン兄弟篇に出演した子役のギュリヴェール・エック

灯台守の恋』(2004年)等の脚本家としても知られる即興演劇の俳優・クリスチャン・シニジェ

パレスチナの歴史学者でパリを拠点にする平和活動家のエリアス・サンバー

サンバーがフランス語訳したマフムード・ダルウィーシュの詩をミュージカルにしたレバノン出身の歌手・演出家のドミニク・ドヴァル

フランスの経済学者のベルナール・マリスパリ政治学院教授でテレビ番組『セー・ダン・レール』への出演で知られる政治学者のドミニク・レニエ

パティ・スミス・グループのギタリストのレニー・ケイ

ロサンゼルスオリンピック(1984年)で銅メダルを獲得した元テニス選手で現在小説家のカトリーヌ・タンヴィエ

ブランパンのダイヴァーウォッチ「フィフティ ファゾムス」の開発で知られ、「フランスのジェームズ・ボンド」と呼ばれた元フランス海軍軍人のロベール・マルビエら多彩な面々が公式サイトでアナウンスされている[3]

そのほかにも、「勝手にしやがれ」の大プロデューサー、ジョルジュ・ド・ボールガールの孫娘アガタ・クーチュールが初出演。全編を通じてカギを握る少女アリッサを演じる。

また、ジャン=ポール・バタジアの娘のマリーヌ・バタジアも出演しており、第2楽章のマルタン一家の長女を演じている。


ウェブサイト Film de Cult 上で2010年1月20日の公開がアナウンスされていたが実際には公開されておらず[2] 、同年5月12日 - 同月23日にフランスのカンヌで開かれた第63回カンヌ国際映画祭ある視点部門にエントリーされ、ワールドプレミア上映が行なった[1]。 同時に仏語タイトルが Film Socialisme, 英語タイトルが Film Socialism に改められた[1][3]。 フランスでの劇場公開は同年5月19日である[4]。 フランス国内では、公開に先行し、同年同月17日 - 18日、Filmo TVにおいて、同国内に住所を持つユーザに対し、7ユーロでインターネット上でビデオオンデマンド公開を行なった[5]。同月25日、本作のダイアローグと画像キャプチャー等で構成される書籍 Film Socialisme - Dialogues avec visages auteurs を、フランスの出版社P.O.L.が刊行した[6]

予告篇[編集]

ティザー[編集]

画像外部リンク
公式スチル写真
JPG Image 1 - 212.50 Kb
- パティ・スミスレニー・ケイ
JPG Image 2 - 189.35 Kb
- ナデージュ・ボーソン=ディアーニュ
JPG Image 3 - 224.21 Kb
- 老賢人
JPG Image 4 - 208.42 Kb
- 少女と少年(カンタン・グロセ
JPG Image 5 - 218.14 Kb
- 写真機を提げた青年
JPG Image 6 - 310.46 Kb
- タクトを振る金髪の少年(ギュリヴェール・エック

JPG Image 7 - 407.15 Kb
- 工房にいる若い娘

  • リンク先はいずれもワイルド・バンチによる公式サイト[3]

ゴダール演出・編集による4分の予告篇の字幕構成は下記の通り。映像は、新撮のほかセルゲイ・エイゼンシュテイン監督の『戦艦ポチョムキン』(1925年)や絵画、写真が引用されている。

ヴェガ Vega
フィルム ソシアリスム Film Socialisme
ものごとの des choses
黄金の de l'or
ばかものたちの des salauds
物語/歴史たちの des histoires
エジプト Egypte
パレスチナ Palestine
オデッサ Odessa
としての地獄(ヘラス/ギリシア) Hell as
ナポリ Napoli
バルセロナ Barcelona
ことばたちの des paroles
動物たちの des animaux
子どもたちの des enfants
伝説たちの des légendes
フィルム ソシアリスム Film Socialisme
JL・ゴダール JL.Godard

本告[編集]

102分ある本篇全篇を4分30秒、および2分の高速で再生する形式の予告篇を公式ウェブサイト等でインターネット公開した[4]

スタッフ・データ[編集]

キャスト[編集]

第1楽章【こんな事ども】

第2楽章【どこへ行く、ヨーロッパ】

第3楽章【われら人類】

関連書籍[編集]

関連項目[編集]

参考文献[編集]

  1. ^ a b c 63rd FESTIVAL DE CANNES PRESS CONFERENCE April 15th, 2010 (英語), カンヌ国際映画祭、2010年4月26日閲覧。
  2. ^ a b c Socialisme (フランス語), Filmdeculte, 2010年4月26日閲覧。
  3. ^ a b c d e f g Film Socialism (英語), ワイルド・バンチ、2010年4月26日閲覧。
  4. ^ a b filmsocialisme.com (フランス語)、公式ウェブサイト、2010年4月26日閲覧。
  5. ^ Film Socialisme, Filmo TV (フランス語), 2010年5月18日閲覧。
  6. ^ Film Socialisme - Dialogues avec visages auteurs, P.O.L. (フランス語), 2010年5月18日閲覧。

外部リンク[編集]