モンパルナスとルヴァロア

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モンパルナスとルヴァロア
Montparnasse et Levallois
監督 ジャン=リュック・ゴダール
脚本 ジャン=リュック・ゴダール
原案 ジャン・ジロドゥー[1]
ジャン=ポール・ベルモンド
製作総指揮 バルベ・シュレデール
パトリック・ボーショー
出演者 ジョアンナ・シムカス
フィリップ・イキリ
セルジュ・ダヴリ
音楽 フィリップ・アルチュイス[1]
撮影 アルバート・メイスルズ
編集 ジャクリーヌ・レナル
製作会社 レ・フィルム・デュ・ローザンジュ
配給 日本の旗 日本ヘラルド映画
日本の旗 ザジフィルムズ 再映
公開 フランスの旗 1965年5月19日
第18回カンヌ国際映画祭[1]
フランスの旗 1965年10月13日[1]
日本の旗 1993年6月5日
日本の旗 2005年10月8日 再映
上映時間 18分[1]
製作国 フランスの旗 フランス
言語 フランス語
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モンパルナスとルヴァロア』(Montparnasse et Levallois)は、1964年(昭和39年)製作、1965年(昭和40年)公開、フランスオムニバス映画パリところどころ』の一篇として、ジャン=リュック・ゴダールが監督した短篇映画である。

概要[編集]

オムニバス全体についてはパリところどころを参照。
14区にあるモンパルナス
ルヴァロワは、17区の北西に隣接。

本作『モンパルナスとルヴァロア』は、ジャン・ジロドゥーの『月曜物語』でのストーリーと、ジャン=ポール・ベルモンドが『女は女である』(1961年)のなかで発言したことをもとに、ゴダールが脚本を書いた[1]。1963年(昭和38年)12月 - 1964年(昭和39年)1月、14区モンパルナスにある彫刻家フィリップ・イキリの工房と、17区の北西に隣接したパリ郊外オー=ド=セーヌ県ルヴァロワで撮影した[1]

モニカを演じるジョアンナ・シムカスは、カナダ生まれの女優で、1964年12月29日公開のジャン・オーレル監督の『スタンダールの恋愛論』でデビューしている。撮影は本作のほうが早い。彫刻家ロジェを演じるフィリップ・イキリは、実際にもパリ生まれの彫刻家で、工房を撮影用ロケセットに提供している。本作以降に映画の出演はない。イヴァンを演じるセルジュ・ダヴリは、純粋な俳優で、フランソワ・トリュフォー監督の『ピアニストを撃て』(1960年)や、トリュフォーの共同脚本家として知られるクロード・ド・ジヴレーの監督デビュー作『のらくら兵62』(1960年)、第2作『すごい野郎』(1961年)に顔を出している役者である。

本作のカメラマンは、ダイレクト・シネマの最初の映画とされるロバート・デュー監督の『プライマリー』(1960年)に、リチャード・リーコックとともに撮影監督としてクレジットされているアルバート・メイスルズである。この人脈とのこの時点での接続が、やがて1968年(昭和43年)、D・A・ペネベイカー、リチャード・リーコックとともに製作する『ワン・アメリカン・ムービー』へ結実する。

ゴダールは、「監督」クレジットを「réalisation」等ではなく、「film organisé」(作品組織化[2])とクレジットした[1]

本作を織り込んだ『パリところどころ』は、1965年5月19日第18回カンヌ国際映画祭で上映され[1]、同年10月13日にフランスで一般公開された[1]

スタッフ[編集]

キャスト[編集]

ストーリー[編集]

モニカ(ジョアンナ・シムクス)は、モンパルナスに住むロジェ(フィリップ・イキリ)にも、ルヴァロワに住む(イヴァン)にも、両方に速達で手紙を出した。しかし、あて先を逆に送ってしまい、結局、両方から振られてしまう。

関連事項[編集]

関連書籍[編集]

桜田佐訳、岩波文庫、1959年1月 ISBN 4003254236
大久保和郎訳、旺文社文庫、1968年1月 ISBN 4010620579

[編集]

  1. ^ a b c d e f g h i j k l m n Colin MacCabe, Godard, Macmillan, 2005. p.347.
  2. ^ キネマ旬報DBサイトの「パリところどころ」の項の記述を参照。

外部リンク[編集]