BE FREE!

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BE FREE!』(ビー・フリー)は、江川達也漫画作品、またそれを原作とする映画作品。

本作は江川のデビュー作であるが、『コミックモーニング』(講談社)に1984年7号から1988年29号まで、足掛け5年連載し、単行本12冊になったヒット作品である。高校の若い数学教師笹錦洸(ささにしき あきら)が題名通りに自由奔放豪快破壊的に活躍し、その発想の豊かさから、生徒はおろか民衆の信頼まであつめ、30年後文部大臣になるという、荒唐無稽な話。絵は彼の作風の劇画調である。

あらすじ[編集]

笹錦 洸(ささにしき あきら)は、壱河市立明北高等学校[1]に赴任したばかりの数学担当の教師である。生徒に人気はあるが、授業の内容はお粗末であり、校長達の評価は最低である。

そんな彼を慕う伊福部丘野といった女生徒もいるが、彼は、隣席の同じ数学教師である島本 圭子(しまもと けいこ)に思いを寄せ、朝昼妄想をめぐらし、将来は彼女と結婚したいと願う。

そこに突如登場したのは虎子光 秀一郎(こしひかり しゅういちろう)という大金持ちで二枚目でスポーツも仕事もできるというスーパーマン。虎子光は、校内で目を付けた容姿端麗な美少女生徒達を次々と陵辱し、共依存技能を悪用して和姦に持ち込む事で自分の奴隷とし、校長まで権力で脅迫し学校全体のシステムを、能力主義による管理教育に変えていってしまった。

笹錦は、問題児・不登校児ばかり集めた、学年無しのさくら組の担当にされてしまう。さくら組の生徒はほとんどが不登校なので、笹錦は一人ずつ家庭訪問して出席者を増やす努力をする。しかし、肝心のさくら組の生徒はまわりの生徒に迫害されて、能力主義・差別主義・管理教育のあまりのひどさに不満が爆発した笹錦は虎子光を殴り倒し、オートバイで学校中を走り回って荒らし、ついには建設重機でコンクリート校舎を全壊してしまう。

当然クビになり、行方不明となるが、彼は突然「笹錦洸一」と名乗り生徒として登場し、皆が唖然とする中、さくら組の生徒に納まってしまう。無収入の彼は公園のベンチで寝起きしているが、島本圭子にプロポーズしてついに受け入れられる。

なんとなく平和な日々が戻るが、以前さくら組生徒の敵討ちでひどい目にあわせた暴力団岩尾組が、本格的な復讐を始めた。対象は笹錦・島本・さくら組生徒全員である。こうしてさくら組と岩尾組の全面戦争が始まるが、東大時計台上に追い詰められた笹錦と島本は、なんとヘリコプターからの射撃のなかをかいくぐりセックスをし、笹錦は想いを遂げ、警官と暴力団の大抗争の中をアドバルーンで脱出する。

ほとぼりをさますため、笹錦は島本とさくら組生徒全員(そして、失敗したため屋敷を追い出された虎子光兄妹)を引き連れ、南海の無人島で1か月共同生活をする。ところが笹錦の手違いで食料を持ってきていないことが解かり、一同愕然とするが、何も無いところから始まる生活が皆の才能を活性化させ、団結力も強くなる。

帰国後、笹錦は元の明北高校の校長となってしまう。生徒が一丸となって、世の中を変えようと、笹錦を国会議員にしようと資金集め等の活動をし、学校を楽しい場所とし、地域住民にも解放される。教育委員会も地元警察もこの手腕に脱帽してしまい、岩尾組とも和解し、地元住民の信頼は抜群となり、ついに笹錦は国会議員に当選する。しかし、これに激怒した日本政財界 影の支配者「虎将軍」こと元祖虎子光秀一郎の手によって笹錦は告発され、10年以上の懲役を受ける。

30年後、笹錦と結婚していたのは丘野だった。島本圭子は獄中の笹錦を待つことができず見合いで政治家と結婚し、夫無き後は自分が政治地盤を受け継いで、ついには総理大臣となる。彼女は、笹錦を文部大臣に指名し、笹錦は(第一話からの予告通り)文部大臣になった。皺だらけの老人となった圭子は笹錦と再会する、しかし、彼の外貌は30年前とまるで変わっていなかった。

登場人物[編集]

明北高校[編集]

教師[編集]

笹錦洸(ささにしき あきら)
本編の主人公。しかし、本当に人間かどうかはよくわからない。作者自身も「そいつがいつ生まれたのか誰も知らない」と、物語の終わりに書いている。
新卒の数学担当教員として赴任したばかりの若者。彼の主な行動は上記のあらすじで書かれている。
連載当初は島本圭子に片思いする好色な一青年教師として描かれていたが、しだいに行動が人間離れしてくる。オートバイ通勤をしており、曲芸のように乗り回すことが出来る。学校で大暴れした時オートバイは大破したが、ホームレスになってからもなぜかオートバイは所有している。
好色さにかけては人後に落ちるものではなく、「全身性器」と例えられている。多くの女生徒には「スケベ大王」呼ばわりされ嫌悪されているが、彼を熱烈に慕ってくれる女生徒もいる。着任したばかりの時、隣席の美人数学教師島本圭子に一目惚れし、学校のトイレでオナニーして、ティッシュの付いた陰茎を露出したまま廊下を歩いて大騒ぎとなり、「おなにぃ野郎」とあだ名を付けられた。島本圭子は、それを嫌がらず、むしろ生徒に慕われている印だと言ってくれて、これで彼女への思慕は絶対的なものとなる。その後も、毎日のように島本圭子を妄想して毎晩オナニーをしているようだが、「オナニーは1日3回まで」と禁じたくらいだから、自然状態では1日何回しているのか見当も付かない。彼の本命は島本なのだが、相手が美人だと見境無くセックスする(ただし、18歳未満は対象外のようである)。精力絶倫で回復力抜群。一晩に53回して、相手の女をして「バケモンだなこいつ」と言わしめている。なお、伊福部や冴子の発言から種無しと思われる。
彼の戦闘能力は超人的であり、学校を破壊した時、最初はオートバイで学校中走り回ったが、階段を駆け上がり、手すりの上を走り、窓から飛び出し向かいの校舎に飛び移りといった特撮レベルのアクロバットを披露した。岩尾組との抗争などでは、どこから持ってきたのか、特殊な機械・兵器を繰り出し、手品を見ているようであった。初期には、相手の体力を10分の1にするガスという恐るべき秘密兵器を愛用していた。変装術も得意で、まるで別人に化けられる。後述する虎子光秀一郎・冴子・島本圭子(後二者は女性)に化けて、まるでばれなかった。常に人の予想の二枚も三枚も上を行く、突拍子も無い男である。
苗字のネーミングはコメの品種ササニシキに由来。
島本圭子(しまもと けいこ)
本編のヒロイン。
笹錦より少し年上で、眼がねをかけ、ストレートのセミロングの黒髪を品良く左右に分けている。(前髪は分けていない。)生徒の人望も厚く、美人なので男子生徒の人気も高い。そのため、一度生徒に強姦されかかったこともある。品行方正でセックスに関してはかなり保守的な思想の持ち主で、笹錦に惹かれながらも、彼のあまりに乱れた性生活にショックを受ける。笹錦がクビになったあと、さくら組の担任となるが、そこへ笹錦が生徒として現れ、混乱してしまう。彼のプロポーズを受け、家族に紹介し、東大の時計台の上で性交するも、笹錦が懲役刑に服することになったため両親の勧めた縁談で結婚することとなり、刑務所の面会室で泣きながらそれを詫びる。結婚相手が政治家だったため、夫の死後地盤を受け継ぎ政治家になり、30年後になんと総理大臣となり、笹錦を文部大臣に指名する。南海の孤島で、女性が次々服を脱ぎ捨てオールヌードで生活し始める中、最後まで服を脱がなかった。
虎子光秀一郎(こしひかり しゅういちろう)
明北高校に赴任してきた若い数学教師。笹錦より1年後輩になる。虎子光グループの御曹司。
二枚目で運動神経抜群で東大卒と来ているので、たちまち女生徒の人気者になるが、彼は可愛い女生徒を次々と毒牙にかけ、自分の言いなりになるグループ(虎の子親衛隊)を作っていく。だが、彼の本来の目的は将来行おうとしている民衆の管理システム構築のひな形として教職を選んだのだった。彼の手によって、明北高校は完全な管理システムにおかれ、虎子光は得意の絶頂だったが、笹錦の暴走であえなくそのシステムは崩壊する。本人も知らぬ間に笹錦にマインドコントロールされていて、最終的に自分自身の精神はおろか肉体すらコントロールできなくなってしまう。支離滅裂になってしまった彼を救ったのは、笹錦とさくら組だった。彼の作ったコンピューターシステムは、その後笹錦が改造・発展させ、より人間性の有るシステムへと変えられてしまうが、彼はそれに礼を言っている。
彼と妹の冴子は実は異父兄妹の孤児であったが、虎子光グループ総帥元祖虎子光秀一郎の後継者候補の一人となり、彼が明北高校に来た段階では、後継者となるか影武者となるかの試験段階であった。結局、彼は大失敗をしたため、影武者にもなれず、妹とともに屋敷を追い出されるが、笹錦とさくら組に支えられ、南海の島へ妹と一緒につれていってもらえ、妹の膝枕で平和な眠りの日々を過ごせた。
苗字のネーミングはコメの品種コシヒカリに由来。
虎子光冴子(こしひかり さえこ)
虎子光秀一郎の妹。そうとは知らず笹錦が海辺のテントで一晩中セックスをする。兄が赴任した年に教育実習生として明北高校に来て笹錦を仰天させる。島本圭子の前で性交したことをほのめかされ、潔癖な島本の逆鱗に触れるが、知恵を働かせ窮地を脱する。翌年正式に同校の教員となり、笹錦とはセックスフレンドの関係をずるずる続ける。
美人だが冷淡そうな容貌なので、性格が悪いように取られてしまうが、結構思いやりがある。髪が金髪なのは、外国人の母親の遺伝らしく幼い時から金髪であった。孤児院でも金髪であることを理由にいじめられ、兄の秀一郎はそれを必死で庇った。
カオリ
冴子の親友。いつも二人で一緒にいるが、レスビアンというわけではないらしい。冴子とセットの出演ばかりで、単独出演は第64話くらいである。冴子より大人しめの性格で、人柄も穏やかである。
如月(きさらぎ)
もと全共闘の闘士。生徒を理解しようと努めている、教育者の鏡のような人。虎子光の管理教育に対して、ファシズムだと反対し、管理されない教育を取り戻そうと考え、笹錦を共闘にさそうが、自分自身が田舎の分校に飛ばされてしまう。数ヵ月後笹錦が校長になったとき、教頭として戻ってくる。
歯車比呂志(はぐるま ひろし)
男性教師。悪人ではないが、ガチガチの保守思想の持ち主。島本圭子にプロポーズをするが、これがきっかけで、圭子はかねてからされていた笹錦のプロポーズを受ける決心をする。
校長
ことなかれ主義の権化。笹錦や虎子光など、過激な教師が赴任してきて心が休まることが無い。最後は、如月先生と入れ替わりに田舎の分校へ飛ばされてしまう。
教頭
校長の腰ぎんちゃく。

生徒[編集]

伊福部昭子(いふくべ あきこ)
女生徒。第1話から最終話まで登場した。ある意味笹錦の最大の理解者であり、波長も似ている。物語のキーパーソンで活躍することが多い。
美人で少しポッチャリ目。セミロングのウェーブヘアを右上でポニーテールのように結んだ、ちょっと変わった髪形。成績優秀だが、セックス経験も豊富で、万引きなどもしていた。笹錦に抱いて欲しいと考え、18歳未満のため何回アタックしても相手にしてもらえず、18歳の誕生日に、めでたく抱いてもらえる。場所は例の南海の無人島。その後二人はひたすらセックス三昧。母は離婚して不在で、父は愛人宅に入り浸りと家庭環境は良くないが、そんな暗さはまるで見せない。弟がいるが、後に友人の有川祐子が居候することになる。
ネーミングは作曲家伊福部昭に由来。
丘野ひろみ(おかの ひろみ)
女生徒。第4話から最終話まで登場した。
ボサボサ髪をポニーテールで結んでいる。笹錦にひたすら恋焦がれるが、あまりに純真であるため声をかけることすら出来なかった。それどころか、初めは声をかけられると逃げ出す始末だった。それでも正月に笹錦のアパートに挨拶に行き、すごろくをしようとさそう積極さを発揮するも、その場にはすでに島本先生と伊福部が来ており、彼女はショックを受け逃げ帰ろうとするが、笹錦に止められ皆ですごろくをすることとなる。(なお、この「すごろく」という言葉には何か想い入れがあるらしい。)虎子光に2度も犯されそうになり、危機一髪のところを笹錦に助けられる。もちろん処女であるが、最終的に笹錦と結婚するのは彼女で、それまで処女は守ったらしい。笹錦との結婚写真は丘野が笹錦を抱っこしている。
柔道部所属で実力は超高校級だが、主将の意地悪のため3年まで試合に出ることが出来なかった(卒業後はオリンピックで金メダルを取ったらしい)。怪力の持ち主で、コンクリートも破壊する。笹錦に抱きつくと、背後のブロック塀が破壊されてしまい、自転車をこがせると、ママチャリカウンタックを追い抜かすほどのスピードが出るほど。また、肉体は度外れて頑強で、ビルの屋上から転落したり車に撥ねられたりしても、直後に起き上がり前述の如き怪力を発揮していた。食欲も旺盛で、泣きながらラーメン30杯くらい平らげたこともある。笹錦を慕う者の中で最も腕が立ち、自転車も早いので彼女は笹錦が戦う時の最も役立つ戦力である。
長谷川まみ(はせがわ まみ)
女生徒。あどけない顔をして自分のことを「まみちゃん」と言い、口癖は「わかんなーい」と「SEXしよーっ」。実は処女であり、彼女のいうセックスとはキスでも何でも、愛情表現一般を意味していたのである。
セミロングのストレートヘアーを無造作にたらし、ダブついた大き目のセーラー服を着ている。高校生だが、方程式はおろか九九も出来ない。はっきり言って脳の配線がおかしい。しかし性格は常に明るく優しく、さくら組初期段階では、彼女のおかげでクラスの雰囲気が常に明るかった。
声が大きいのが特徴で、本気で大声を出すと殺人的な音量になり、これが武器となっている。
彼女の父は、「彼女はガンであと1年しか生きられないから好きなことをやらせているのだ」と笹錦に説明し、その直後冗談ですと笑うが、本当に約1年後(卒業式の3日後)ガンで死んでしまう。
杉村美雪(すぎむら みゆき)
女生徒。虎子光の最初の犠牲者だったが、その後は彼の親衛隊隊長のような役割を果たす。
前髪を切りそろえ、左右に外はねしているセミロングの髪が特徴。笹錦を敵視しひたすら虐待するが、笹錦はフェミニストなので彼女には一切手を上げない。虎子光に犯される以前から性体験は豊富なようだが、その後次第にその才能は花開き、ついには暴力団のセックスのプロを廃人にしてしまうほど恐るべき性のテクニシャンになる。南海の無人島では、セックスを餌に男子を完全に支配してしまった。最後まで笹錦に敵対していた一人だが、笹錦とのセックスで忘我の境地に至り、以後笹錦を慕うようになる。最終回では、尼僧になっていた。
高山(たかやま)
女生徒。写真とくに盗撮が得意で、雑誌に写真を投稿して停学になったことがある。
セミショートストレートヘア。スリムな体つきで、若干ボーイッシュ。目つきはきつめで、他の女生徒とデザインを若干異にしている。
笹錦に電話して、テレフォンセックスを持ちかけ、まんまと罠にはめる。その時の笹錦の痴態の写真はいつも持ち歩いているらしい。岩尾組との戦争の最中もカメラを回し続けた。本格的な映画撮影も出来、笹錦を国会に送り込むための資金作りの映画「私達の映画」を撮影し、笹錦が編集したものが大ヒットした。
大崎(おおさき)
女生徒。
島本先生のクラスの生徒だったが、次第にクラスの中で孤立化し、すっかり学校へ来なくなっていき、毎晩男と遊び歩くようになってしまう。島本はそれに責任を感じていた。笹錦は島本に協力しようとヤクザに化け彼女を散々脅す。島本はそうとは知らずヤクザにすがり許しを請い、ヤクザ(笹錦)は彼女を解放する。猛烈陳腐な芝居であるが、これがきっかけで彼女も登校するようになり、さくら組となる。
有川祐子(ありかわ ゆうこ)
女生徒。伊福部と仲が良く、彼女の家に居候している。
大きくウェーブしたショートヘア。大きな虹彩を持つ。
両親は音楽家で、彼女自身も音楽の才能を持つ。伊福部・笹錦・藤谷の所属するロックバンド「アイアンギア」ではキーボードを担当しているが、南海の無人島の生活では、手製の管楽器のような物を操っていたので、楽器は選ばないらしい。
藤谷智子(ふじたに ともこ)
女生徒。登場回数は多くなく、第3話と第38話くらいである。ロックバンド「アイアンギア」でベースを担当している。
真弓(まゆみ)
女生徒。
セミショートのストレートヘア。郷田(後述)を慕っているようで、よく傍にいて、彼に声をかけ、郷田が入院したときはただ一人付き添っているが、郷田のほうは彼女のことを何とも思っていないらしい。幼馴染か何か、そんな感じがする二人である。
佐藤貴(さとう たかし)
男子生徒だが、外見は女生徒。
いわゆるニューハーフ。胸はシリコン乳房を作り、髪は伸ばしてセーラー服を着ている。男性器はまだ残っている。笹錦でさえうっとりしてしまったほどの美貌で、家庭訪問した時に貴の姉だと思い込んでしまった。相手をとろかすテクニックは一流で、肌もきめ細かく美しい。普通の女性には無い妖しい魅力をかもし出す。着替えを女生徒と一緒にしようとして一悶着起こす。
暴力団岩尾組の組員岩瀬に囲われている。岩瀬の計画ではモロッコで男性器切除の手術をするつもりらしい。笹錦はクローゼットから二人のセックスシーンを見て、真実を知り驚愕する。彼(彼女?)は今の自由の無い生活を悲しみ、笹錦に助けを求め、美人に甘い笹錦は二つ返事で引き受ける。それ以来、彼は笹錦をひたすら恋い慕うようになり、事あるごとに抱きついて来るが、真実を知ってしまった笹錦は困惑してしまう。
郷田社民(ごうだ シャーミン)
男子生徒。人間離れした巨躯の持ち主で、破壊力抜群、喧嘩が生きがいの乱暴者。
孤高を気取り、河原の土手で一人草を口にくわえて横たわるような、前々時代の不良のポーズをとる。前述の真弓という女生徒だけが彼のことを心配し、よく傍にいる。さくら組の兵力としては、丘野ひろみと彼が2台大砲である。
硬派だった彼だが、佐藤貴を女と思い込みほれ込んでしまい、佐藤と笹錦がいちゃつくのを見ては激怒する。佐藤が男だと発覚して驚愕するが、その後も佐藤に対する愛情は変わらなかった。常に佐藤を守ろうとするとするあまり、暴力団員岩瀬から佐藤を自由にしてやろうとするが、岩瀬は拳法の使い手で逆に病院送りにされてしまう。笹錦はさくら組の生徒の協力の下、岩瀬に徹底的に復讐する。これがもとで、岩瀬の属する岩尾組とさくら組の全面戦争が始まる。
ネーミングはニュースキャスターの幸田シャーミン(女性)に由来。
小溝(こみぞ)
男子生徒。さくら組発足当初の、3人の生徒の一人(所属する生徒はもっといるのだが、他は不登校)。
体が大きく好色。杉村とセックスすることに命を燃やす。
博文(ひろふみ)
男子生徒。極端な引きこもり
笹錦が毎晩も家庭訪問しても、何をしても無表情で、口は利かず、食事もろくにしない。ついに、遺書を書いてビルの屋上から飛び降り自殺するところを笹錦に助けられ、宙吊りの彼が「いやあ」と一言口を利く。その後、登校を始めたようである。南海の無人島で、森に火をつけ大火事にさせた。
高浜万次郎(たかはま まんじろう)
男子生徒。野生児。
山の中で魚などを捕って生活し、ひたすらマウンテンバイクBMX)の練習をし、これで世界一になると意気込む。しかし、大会の日、笹錦の差し金で出場した丘野ひろみに1着を取られてしまい、以後、丘野を生涯のライバルと考え丘野と行動を共にすることが多い。
ネーミングは中浜万次郎に由来。
村山強(むらやま つよし)
男子生徒。典型的いじめられっ子。
ムーミンのような下膨れの顔で、肥満・低身長・気が弱いと、いじめられる要因のフルコースを持っている。しかし、結構「打たれ強い」と言うか痛覚神経が鈍そうである。
ヒロシとマサ
男子生徒(元生徒)。退学になった不良で、常にコンビで登場する。
絵に描いたような古典的不良スタイルをしている。どうせ卒業できないならと、島本圭子を強姦しようとして失敗する。笹錦にソープランドを紹介してもらい、15輪車18時間で100万円の請求をされ、その返済のため笹錦にアルバイトを紹介してもらう。以後、笹錦の舎弟のようになり、彼の手足のようになって暗躍する。岩尾組との戦闘でも活躍し、南海の無人島にも連れていって貰えた。
美濃部温吉(みのべ あつきち)・克吉(かつきち)・達吉(たつきち)・発吉(はつきち)・察吉(さつきち)
男子生徒。一卵性の五つ子。まったく同じ顔をしており、なぜか肌色が黒い。科学・機械などに詳しく、南海の無人島の文明を発達させるのに貢献した。
ネーミングは憲法学者の美濃部達吉・政治家の美濃部亮吉父子に由来。
柔道部の主将
男子生徒。丘野ひろみの属する柔道部の主将。
新入部員だった丘野に負けたことを根に持ち、ねちねちといじめ続け、試合には絶対出してもらえない。「最低」の部類に属する人間。顧問の先生がなぜこういう事態を放置しているかは不明。

岩尾組[編集]

岩尾波平(いわお なみへい)
巨大暴力団岩尾組の頂点に立つ岩尾組組長。口から出る言葉は禅問答のようであり普通の暴力団組長と少し違う。ど
んな窮地に陥っても泰然自若としている。笹錦たちと全面戦争をしたが、真の敵は虎子光組(後述)と理解しており、笹錦とは和解している。
内藤退助(ないとう たいすけ)
岩尾組ナンバー2。超人的な体力・破壊力・運動神経を持つ。
組長をひたすら信じ、組長の言葉は疑わない。さくら組(笹錦)はこの内藤一人に苦戦を強いられた。
入谷(いりや)
組長の参謀。力の内藤、頭脳の入谷という形で組長の両腕となっている。
山下(やました)
岩尾組組員。幹部クラスのようである。岩尾組復讐戦の口火を切った人。
丘野・杉村・長谷川まみの3人を捕らえ裏ビデオを撮影しようとするが、笹錦が救出し、その脱出劇は映画『ターミネーター2』のカーチェイスさながらのものになり、街は大混乱に陥る。どのように痛めつけられても、車の爆発に巻き込まれても不死身のように襲い掛かってくる怪物のような人。
岩瀬(いわせ)
岩尾組組員。同性愛者。さくら組の佐藤貴を囲っている。嫉妬深く佐藤を部屋から出そうとしなかったが、豊胸手術をすることによって登校することを許可した。
組での地位はあまり高くないようだが、拳法を身に付け、郷田を半死半生の目に合わせたことから考えてかなり腕は立つ。笹錦にはめられて、さんざんな目にあうが、その復讐が岩尾組とさくら組との全面戦争の引き金となる。

その他[編集]

元祖虎子光秀一郎(がんそ こしひかり しゅういちろう)
日本を影から操る実力者。日本を意のままに動かさないと気がすまない。
後継者は、実子ではなく、知力・体力あらゆる面で優れ厳しい試練に耐えたものを自分の若い頃そっくりの顔に整形し、そうして集めた十数人をさらに競争させ、一人を後継者にし、残りを影武者にする予定だったが、結局全員始末してしまった。
笹錦が国会議員になったことを不快に思い激怒し、彼を告訴させ懲役刑にしてしまう。虎子光組という秘密戦闘部隊を配下に持ち、非合法活動をさせる。虎子光組は岩尾組と敵対していた。
二階堂由紀子(にかいどう ゆきこ)
虎子光家の諜報部員兼特殊工作員。
美人でグラマー。強いウェーブのショートヘア。肌の色は常に浅黒い。初め虎子光の指示で笹錦の調査もしくは暗殺を試みるも、笹錦にもてあそばれて失敗。
元祖虎子光の指示で、国会議員となった笹錦を告訴する検事となるが、笹錦と法廷でセックスしてしまう。その後笹錦は有罪となったが、彼女の尽力で他の生徒等は無罪となる。
ガーデン圭介という恋人を目の前で殺された悲しい過去を持ち、笹錦はあたかも自分が圭介であるかのような錯覚を起こさせることで、彼女の心をつかんでしまう。これが本当に錯覚なのか、事実圭介と笹錦は同一人物なのか謎のままである。
豪徳寺彦兵衛(ごうとくじ ひこべえ)
千葉県警八曲警察署所長。明北高校近辺が所轄の警察署の所長。
岩尾組の山下と笹錦等のカーチェイスで起きた大混乱の収拾に努める。東大時計台事件の時も、管轄内なのかわからないが、陣頭指揮を執っている。

執筆の経緯[編集]

本作でのデビュー前で本宮ひろ志のアシスタントを勤めていた際、高校を舞台にしたギャグ漫画『DON'T GIVE UP』という短編作品を描き上げる。その作品を気に入った本宮が集英社・小学館・講談社などの編集部に見せると、コミックモーニングの編集部が注目。江川が元教師であることにも注目し、「主人公を高校教師にする」という条件があったものの、連載の仕事をもらう。当初、江川は教師が主人公である漫画を描くことは時期尚早であると考えていたため、連載を悩むこととなる。しかし、この好条件を逃すとチャンスはないと思い、編集部の条件を受け入れ、本作を生み出す。

映画版[編集]

BE FREE!
監督 中田新一
脚本 一色伸幸
原作 江川達也
音楽 芳野藤丸
主題歌 WALTHER「BELIEVE IN FREE」「RUNNING BOOGIE」
撮影 奥村正祐
編集 西東清明
製作会社 東映東京撮影所
配給 東映
公開 日本の旗 1986年8月9日
上映時間 91分
製作国 日本の旗 日本
言語 日本語
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概要[編集]

1986年に『ビー・バップ・ハイスクール 高校与太郎哀歌』との併映として東映製作・配給で映画化。
最初に東映からオファーを受けた横山博人は「都会的でしゃれた映画にしろ」と指示を受け脚本を書いたが、シナリオを読んだ岡田茂東映社長が激怒し横山を降板させ[2]、代わりに中田新一を東映に招聘して製作させた[3]硬派な『ビー・バップ・ハイスクール 高校与太郎哀歌』との併映だったため、「軟派な方、ちょっとエッチな青春ものをやって欲しい」と頼まれ本作が映画化された[3]。原作の江川達也は当時新人であり、映画化を伝えると「こんなので映画になるんですか?」と喜んでいたという[3]。なお、横山博人は1995年に『眠れる美女』を完成させた後、「観て欲しい」と岡田に試写室に呼び、励ましの言葉を受けた。岡田は横山を降ろしたことはすでに忘れていたという[4]

スタッフ[編集]

キャスト[編集]

教師[編集]

生徒[編集]

管理職[編集]

生徒の家族[編集]

その他[編集]

書籍情報[編集]

脚注[編集]

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  1. ^ 原作での校舎は江川達也の出身高校である名古屋市立北高等学校がモデル
  2. ^ 『卍』と『フリーター』のあいだ 1 映画監督 横山博人ブログ 2004-07-28
  3. ^ a b c 中田新一 『奔れ! 助監督~奮闘昭和映画史~』 早稲田出版、2010年、202-205頁。ISBN 978-4-89827-371-5
  4. ^ 『眠れる美女』への長い道のり 3 映画監督 横山博人ブログ 2004-08-05