フェミニズム

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フェミニズム英語: feminism)とは、女性解放思想、およびこの思想に基づく社会運動の総称であり[1]政治制度、文化慣習、社会動向などのもとに生じる性別による格差、性差別に影響されず男女が平等権利を行使できる社会の実現を目的とする思想または運動である[2][3]男女同権主義に基づく、女権拡張主義、女性尊重主義である[1][4]。第二波以降のフェミニズムは大きく分類すると、最長歴史かつ「フェミニズム」の原型ともなったリベラル・フェミニズム、それを批判して女性差別の原因を「資本主義社会」だとするマルクス主義フェミニズム(社会主義フェミニズム、ソーシャル・フェミニズム)、原因を「資本主義」や諸制度ではなく身体性差で男性自体が抑圧者と批判したラディカル・フェミニズム(急進派フェミニズム)の3大潮流(3つの主潮流)へ分類される[5][6][7]

フェミニズムの対置概念はマスキュリズム(男性解放運動、メンズリブ)。フェミニズムの推進者や同調者を「フェミニスト」と呼ぶ[8]

概略[編集]

著作家のクリスティーヌ・ド・ピザンのように、個人としての活動は中世から存在したが、思想体系・社会運動としてのフェミニズムは、18世紀の欧州において封建的・絶対主義的国家体制の解体と近代社会の実現を目指す市民革命の一環として起こった[9]

フェミニズムの登場(リベラルフェミニズム)[編集]

まず第一波フェミニズム(他のフェミニズムの登場以降にリベラルフェミニズムと呼ばれる)として、19世紀から20世紀前半までの中産階級の女性の精神的自立と経済的自立、教育・職業の機会均等、女性参政権運動を中心とする法的男女平等を求めるから始まったされる[4][10][11]。19世紀の運動や文化に大きく影響を与え、19世紀後半から20世紀、特に第一次世界大戦の間に、多くの国で女性参政権が認められた。ニュージーランドでは、婦人参政権論者ケイト・シェパードの助けによって、1893年に最も早く女性参政権が認められている(なお、アメリカで認められたのは1920年、また日本では1945年である)。

リベラルフェミニズムへの批判と第二波以降[編集]

その後、1960年代から第二波フェミニズムとして、「文化・社会に深く根を張る意識や習慣による性差別と闘い、主に性別役割分業の廃絶、性と生殖における自己決定権など」を主張した運動が展開された[1]。1970年時点の欧米では、妻は就業に夫の許可が必要と法的に定められており、離婚を困難にしている現行の離婚法、中絶の合法化など[12]を含めた社会習慣・意識に根ざす性差別との闘いを中心としていた。その中で歴史的・文化的構築物であるジェンダーの概念を中心に様々な潮流を生み、さらに、異なる文化的・社会的立場から批判、再解釈、再構築されている。より詳細には様々な思想的立場があり、従来の法的平等を求めるリベラル・フェミニズムがある。それを甘いと批判し、女性差別の背景を資本主義社会だとするマルクス主義フェミニズム(社会主義フェミニズム)が登場した。二大潮流であったが、更には3つ目として、女性の抑圧の根源を女性の「身体」と「性」を男性支配が支配していること、男性という存在自体に起因するものとみなすラディカル・フェミニズムがある。これら3つがフェミニズムの主流な潮流となっている[5][6][7]。3大潮流以外にもエコロジーにも目を置いたエコロジカル・フェミニズムなど多様な少数の潮流がある。また、「フェミニズム」が人種的多数派の女性中心主義・中産階級エリート主義で一部のエリート女性が男性と対等になっていたことを反省点として踏まえる者は、人種階級年齢国籍宗教性的指向などの文化的・社会的要素を考慮する[11][13]

ソ連崩壊・冷戦終結以降[編集]

冷戦終結で女性差別の原因を「資本主義」と主張するマルクス主義フェミニズム[5]は急激に衰退したため、フェミニスト間同士の対立の中ではラディカルフェミニストとリベラル・フェミニストによるモノが主流となっている。リベラル・フェミニストは、男性を敵視するラディカルフェミニストの過激な言動が、多数派を占めるノンポリの女性がフェミニズムへの忌避を起こす原因となっていると批判している[14]

2000年代に入ってからは、インターネットSNS上での運動も普及し始めている[15]。その具体例として、#MeTooTime's Up#KuTooなどの運動が展開されてきた。一方で、フェミニストになりすまして炎上を誘発する行為や、ストローマン論法によってフェミニストの発言を捏造する行為が横行していると指摘されている[16]。なりすましの具体例としては青識亜論によるものが知られている。

歴史[編集]

4つの波[編集]

現代の西洋のフェミニスト運動は、4つの波(wave)に分けられる[17][18][19]

第1の波は、19世紀から20世紀初頭の女性参政権運動であり、女性の投票権を促進した。第2の波である女性解放運動(ウーマン・リブ運動)は、1960年代に始まり、女性の法的な平等と社会的な平等を求めるキャンペーンが行われた。1992年頃には、個性と多様性に焦点を当てることを特徴とする第3の波が見られた[20]。さらに、2012年頃から第4の波[21]が始まったと考える人もいる[21]。第四波フェミニズムは、ソーシャルメディアを利用してセクシャルハラスメント女性に対する暴力レイプ文化英語版などと戦うもので、最も有名なのがMe Too運動である[22]

1912年、アメリカ合衆国で女性参政権を求める運動

第一波フェミニズム[編集]

フェミニズムの起源は市民革命、とりわけ、18世紀末のフランスに遡る[23]。1789年にフランス革命により「人間と市民の権利の宣言」(フランス人権宣言)が採決されたが、この「人間」とは「男性」のことであり、男性にのみ権利を与えることに対して女性が抗議し、女性の権利を求める運動が欧州各地に広がった。これがフェミニズムの誕生とされる。ただし、ジロンド派の指導者ニコラ・ド・コンドルセがすでに1787年に執筆した論文「ニューヘイヴンのあるブルジョワからヴァージニアの一市民への手紙」[24]および1790年の「女性の市民権の承認について」において女性に参政権を与えるべきであると主張しており、ロベスピエールのようにフェミニズムに敵対的な態度をとった者が多いなかで、コンドルセは唯一、フランスのフェミニズム史上、重要な地位を与えられている[25]。同じくジロンド派を支持した女性作家オランプ・ド・グージュは、1791年憲法で女性の権利が無視されたことに対して、同年、『女性および女性市民の権利宣言』を発表した。イギリスの代表的なフェミニズム作家メアリ・ウルストンクラフトがフェミニズム運動の先駆ともいえる『女性の権利の擁護』を執筆したのは翌1792年である[26]。こうした運動は反対に遭いながらも、徐々に欧州全体に浸透していった。

19世紀半ばになると、女性参政権を求める運動がヨーロッパやアメリカにおいて盛んになっていった。この女性参政権運動の起源となったのは1848年にアメリカ・ニューヨーク州の西部にあるセネカフォールズにおいて、エリザベス・キャディ・スタントンとルクレシア・モットによってセネカフォールズ会議が開催され、その要求の一つに女性参政権が盛り込まれたことである[27]

1848年はまた、フランスにおいても、プロレタリアート主体の二月革命によって成立した臨時政府のもとで、社会主義サン=シモン主義、フーリエ主義)のフェミニストを中心とする「1848年の女性たち」の運動が起こった年であり、この運動を牽引したのがウジェニー・ニボワイエと彼女が創刊した機関誌『女性の声フランス語版』である[28]

18世紀以前は一部の上流階級を除いて、女性は男性と等しく農作業手工業などの労働に就いていたが(戦後の高度経済成長期の日本の地方では、都会で専業主婦が広まってからも女性が農業や漁業などの労働に従事していたように)、産業革命の影響で労働に就いていた中流階級の女性は専業主婦となる事が多かった。20世紀には「結婚して子供を持つ郊外住宅の主婦」が女性の憧れの的とされた。この背景には戦中に若い男性がいない為に工場で労働に従事していた女性を家庭に入れようとするアメリカ政府のプロパガンダがあった[26]。日本も例外ではなく、戦中は男性不足のため若い女性は工場で軍需産業などの労働に就いていたが、戦後はアメリカ型の専業主婦となることが幸福と思う者が、特に日本女性には多かった。しかし、家庭に戻った女性の中には結婚し子供を育てるだけの人生に不満を持つ者もいた。米国における第二波フェミニズム(ウーマンリブ運動)の引き金となった『新しい女の創造』の著者ベティ・フリーダンは同書で当時の女性の心境を語っている。

郊外住宅の主婦、これは若いアメリカの女性が夢に見る姿であり、また、世界中の女性がうらやんでいる姿だといわれている。 しかし、郊外住宅の主婦たちは、密かに悩みと戦っていた。ベッドを片付け、買い物に出かけ、子供の世話をして、 1日が終わって夫の傍らに身を横たえたとき、『これだけの生活?』と自分に問うのを怖がっていた[29]

第二波フェミニズム[編集]

こうした状況にあって、20世紀西欧の女性解放思想の草分けとなったのが、1949年に出版されたシモーヌ・ド・ボーヴォワールの『第二の性』である。ボーヴォワールは本書で実存主義の立場から、本質的な「主体」としての男性に対する女性の「他者性」という概念を提示し、女性の「他者」としてのアイデンティティや根源的疎外が、一方において女性の身体、とりわけその生殖能力から生じ、他方において出産・育児といった歴史的な分業から生じると論じた。『第二の性』の冒頭に掲げられた「人は女に生まれるのではない、女になるのだ」という言葉は、こうした歴史的・社会的・文化的構築物としての「女」を表わす。本書は1950年代から60年代にかけて、主に中産階級の若い女性に強い影響を与え、自立を促すことになった。とりわけ米国では、『第二の性』に影響を受けたケイト・ミレットやベティ・フリーダンらの活動から、第二波フェミニズムが生まれることになった。

1960年代後半から1970年代前半にかけて女性解放運動(米国のウーマン・リブ運動、フランスの女性解放運動 (MLF) など)が世界中に広まり、ニューヨーク、パリなど各地で数十万規模のデモが発生した。この運動により後に多くの国で女性の労働の自由が認められるようになった[26]。これを境にフェミニズムはほとんどの国で政治、文化、宗教、医療といったあらゆる分野で取り入れられるようになる。

女性解放運動は女性を拘束しているとする家族や男女の性別役割分担、つくられた「女らしさ」、更にはこの上に位置する政治・経済・社会・文化の総体を批判の対象にしていた。日本でも1970年代に各地でウーマン・リブの集会が開かれ運動の拠点も作られた。またこの頃、ピル解禁を要求する、榎美沙子が代表の「中ピ連」が結成された。

ウーマン・リブ運動の高揚を受けた国際連合は、1972年の第27回国連総会で1975年を国際婦人年と決議し、メキシコで世界女性会議(1975年)を開催して「世界行動計画」を発表した。続いてコペンハーゲン会議(1980年)、ナイロビ会議(1985年)、北京会議(1995年)などが開催された。

一方、理論面においても、以下のように、その思想的立場から様々な潮流を生み、人種、階級、年齢、国籍、宗教、性的指向などの異なる文化的・社会的立場から次々と批判的な読み解きが行われている。

1970年代以降[編集]

当初は主に欧米で運動が進められ、男女の法的権利の同等(女性が男性と同様に参政権を持つことなど)を求めていたが、それが実現された後、20世紀後半の運動において、文化における性差別の克服が取り込まれ、伝統的な女性概念による束縛からの「女性による人間解放主義」と定義された。70年代のイギリスでは、左派系の女性たちがLWLW(ロンドン・ウィメンズ・リベレーション・ワークショップ)を結成した[30]

1970年代以降の第二波フェミニズムでは、同性愛者であったミシェル・フーコーらによる、男性同性愛者や性的指向についての研究の成果を取り込み、ジェンダーへの関心や、LGBTなどセクシュアル・マイノリティの扱いにまで視点を広げた。

だが、フェミニストとセクシュアル・マイノリティにはそれぞれに立場に違いがあり、対立や論争も発生した。また、性的虐待の問題に関して、新興宗教的な福音派プロテスタントの巨大の宗教団体で、妊娠中絶反対のキャンペーンを張るフォーカス・オン・ザ・ファミリー幼児虐待の問題にも取り組んでいるが、右派でゲイ・中絶反対の団体にフェミニストが好意的になることには問題がある。

フェミニズムは過去、現在の社会関係においての社会理論と政治的慣習の組み合わせであり、主に女性の被抑圧的な体験によって動機付けされた束縛からの解放を目指すものである。一般的には、フェミニズムは性別的不平等論を含み、より具体的には、女性権利の新たな獲得と利益の向上を含む。

フェミニストが論じるのは、ジェンダー、そしてでさえもが、社会的、政治的、経済的な理由によって不平等に構築されているのではないか、という問題である。 政治的に活動するフェミニストが主張するのは、女性参政権、賃金格差の是正、選択的婚姻男女別姓、出産の自己決定権などの問題である。

多くのフェミニストは、女性に関する様々な社会問題が、男性優位の社会構造から生じ、または家父長制無意識に前提視されていることから生じていると主張している。また、女性間の差異を考慮に入れれば、たとえば「黒人」「女性」というように、二重、三重に抑圧されていると捉えることができるため、フェミニズムを複合的な抑圧の集成理論として、また相互に影響する多くの解放運動の流れの一つとして捉えることもできる、と主張している。

フェミニズムの議論は妊娠中絶避妊、出産前のケア、育児休暇セクハラドメスティックバイオレンス強姦近親相姦女子割礼問題なども対象とする。

リベラル・フェミニズム[編集]

一般に個人主義的でリベラル・左派的な傾向を持つ。男女平等は法的手段を通して実現可能で、集団としての男性と闘う必要はないと主張する。ジェンダー・ステレオタイプ、女性蔑視のほか、女性の仕事に対する低賃金、妊娠中絶に関する制限などを男女不平等の原因と考える。ナオミ・ウルフらが代表格である。

マルクス主義フェミニズム[編集]

マルクス主義フェミニズム[31]は、資本主義が女性を抑圧する原因だと考える。資本制的生産様式では男女不平等は決定しているとみなし、女性を解放する方法として資本主義の解体に焦点を合わせる。

セックス・ポジティブ・フェミニズム[編集]

ラディカル・フェミニズム[編集]

1970年代に米国で誕生。公的領域のみならず家庭や男女の関係までも含む私的領域まで急進的な姿勢で問い直すことを主とする。右派と左派が存在する。ラデイカルと呼ぶよりも、保守・右派的な傾向もあり、ポルノグラフィーに対する法的規制運動に熱心である。ポルノグラフィ撲滅運動は、純潔思想からポルノグラフィを糾弾している保守系議員やキリスト教原理主義団体といった反フェミニズム・アンチジェンダーフリー勢力と考え方が一致しており、批判の対象となっている。過激なポルノ規制派のアンドレア・ドウォーキンは、ポルノ弾圧の目的のため、保守派の男女や右派フェミニストとも交流し、リベラルのナオミ・ウルフから批判された[32]

エコロジカル・フェミニズム[編集]

エコフェミニズムとも。男性による自然支配と女性支配を同根と定め、自然保護の立場から戦争、女性への暴力、女性支配、先住民への差別、環境破壊に反対する。

「エコフェミニズム」という言葉の生みの親とされるフランソワーズ・ドボンヌは、1978年にエコロジー・フェミニズム協会を設立。この運動は、当時、フランスではほとんど反響を呼ばず、オーストラリアや米国において引き継がれ、大きな広がりを見せることになった[33]

  • 1974年、『フェミニズムか、死か (Le Féminisme ou la mort)』(フランソワーズ・ドボンヌ)- 本書でエコフェミニズムを提唱。
  • 1978年、『女性と自然』(スーザン・グリフィン)
  • 1980年、『自然の死』(キャロリン・マーチャント;団まりなほか訳 1985 工作舎 ISBN 4-87502-109-7
  • 1994年、『フェミニズムとエコロジー』(青木やよひ)

第三波フェミニズム[編集]

ポスト・フェミニズム(バックラッシュ)[編集]

ポスト・フェミニズムとは第三波のフェミニズムに対する批判として生まれた複数の見解を指す。明確にはアンチ・フェミニズムではないが一波と二波の確立した女性の権利を肯定するとともに三波の立場を総じて批判する集団で構成された。1980年に現れバックラッシュと表現された集団が使い出した言葉である。上野千鶴子の書籍を、図書館から排除させようとする動きなどが存在した。

バイオ・フェミニズム/サイボーグ・フェミニズム[編集]

第四波フェミニズム[編集]

ツイッター・フェミニズム[編集]

日本[編集]

明治維新からの女性解放政策[編集]

明治維新からは女性解放政策が打ち出されたが、反発も起こり十年ほどで急速にしぼんでしまう。

推進政策[編集]

反発政策[編集]

  • 1885年、第一次伊藤博文内閣の文部大臣森有礼が「良妻賢母教育」こそ国是とすべきであると声明。翌年それに基づく「生徒教導方要項」を全国の女学校と高等女学校に配る。
  • 1890年7月公布の「集会及政治結社法」にて女性の政治活動を禁止。女子は政談演説を聴きに行くことも禁じられ、戸外で三人以上集まる時は警察に届けなければならなくなった。

日本初の女性参政権[編集]

1878年(明治11年)、区会議員選挙で楠瀬喜多という一人の婦人が、戸主として納税しているのに、女だから選挙権がないことに対し高知県に対して抗議した。しかし県には受け入れてもらえず、喜多は内務省に訴えた。そして1880年(明治13年)9月20日、日本で初めて(戸主に限定されていたが)女性参政権が認められた。その後、隣の小高坂村でも同様の条項が実現した。

この当時、世界で女性参政権を認められていた地域はアメリカ合衆国ワイオミング準州や英領サウスオーストラリアやピトケアン諸島といったごく一部であったので、この動きは女性参政権を実現したものとしては世界で数例目となった。しかし4年後の1884年(明治14年)、日本政府は「区町村会法」を改訂し、規則制定権を区町村会から取り上げたため、町村会議員選挙から女性は排除された[34]

女性解放運動家の登場[編集]

政府の反発政策に対して平塚雷鳥女性解放運動家が誕生し、政治的要求を正面に掲げた最初の婦人団体である「新婦人協会」もできる。女性に不利な法律の削除運動、女性の参政権獲得運動などがさかんになる。完全な女性参政権の獲得という大目標の達成には至らなかったが、女性の集会の自由を阻んでいた治安警察法第5条2項の改正(1922年・大正11)や、女性が弁護士になる事を可能とする、婦人弁護士制度制定(弁護士法改正、1933年・昭和8)等、女性の政治的・社会的権利獲得の面でいくつかの重要な成果をあげた。

戦後の女性解放運動[編集]

戦前から選挙権獲得運動を推進していた市川房枝などの女性運動家によって、終戦から10日後の1945年8月25日に「戦後対策婦人委員会」が組織され、日本政府とGHQに対して婦人参政権と政治的権利を要求した。その後も「主婦連合会(主婦連)」など、女性が担い手となった政治結社がいくつも作られたが、この時期の組織は食糧獲得や物価高騰への抵抗など、生活を再建させる上での主婦という性別役割を完全に果たすたことが動機である「婦人」たちの組織だった[35]

こうした性別役割に基づく婦人運動は第二波フェミニズム(ウーマンリブ運動)以降の女性運動家からは、「男に認められたい女」の組織として全面否定された[35]。しかし、「女・子ども」の言い分と切り捨てられる文化風土に対して、女性が自律的な活動をする上で「母」の観念は強力なエートスとなりえた。

1960年代の安保闘争以降、女性が政治運動に参加する中で、主婦や母といった性別役割分業への疑問や葛藤が表面化し始めた[35]。それは1970年代のリブ運動の到来とともに一挙に明らかとなった。なかでも、1975年の国際婦人年は大きな契機となり、女性であるがゆえに免れない不利な状況を克服するための諸問題を打破するために、公的な場への女性の登用を目的として41の女性団体が共同行動を起こした[36][37]

フェミニズムの影響[編集]

1917年、「大統領、私たち女性は自由を手に入れるためにいったいどれだけ待たなければいけないのか」と書かれたプラカードを持ちながら、全米女性党(NWP)の党員がホワイトハウスにて抗議活動を実施した。

フェミニズム運動は、女性が家庭外で働くこと、そして女性が積極的に政治に参加する上で重要な役割を果たしている。また、職場やその他日常における性的嫌がらせを問題化する、セクシャルハラスメントの概念(詳しくはセクシャルハラスメントの項を参照)の成立にも影響を及ぼした。フェミニズム運動によって社会状況に変化がもたらされたり、具体的な制度が成立した例としては、以下のようなものが挙げられる。

女性の政治参加[編集]

19世紀末期から女性参政権を求める運動が高まり、1893年ニュージーランド[38](被選挙権は1919年から)を皮切りに、世界各国で女性参政権が認められるようになった。日本では1925年に男性のみの普通選挙が実現しているが、これより以前から女性参政権を求める婦人運動も活発化していた。戦後、新選挙法が制定され、女性の参政権が認められている。

1970年代以降、フェミニズムによって女性議員の数は大幅に増加した。世界各国では女性議員は通常2割程度存在し、2000年から2005年度までのIPUの調査によれば、地域別でみるとEUの31.0%がトップ、南北アメリカ18.4%、アジア15.5%、サハラ以南アフリカ14.9%、アラブ諸国6.0%となっている[39]。世界で最も女性議員の議会に占める割合が高い国家はアフリカのルワンダであり、2013年における女性議員の割合は56.3%と半数を超えている[40]。なお、日本における2015年衆議院の女性議員割合は9.5%であり、先進国中では最も低い水準となっている[41]

ノルウェースウェーデンドイツイギリスの社会民主主義政党では1981年にクォータ制が導入され、政治家のほぼ半数が女性である。

女性の労働[編集]

日本では、1933年に弁護士の性別要件が削除されて女性の弁護士への道が開かれ、1940年には初の女性弁護士が誕生[42]。女性の職業選択の面で重要な成果を挙げた。1999年には男女雇用機会均等法の大幅な改正によって、雇用上の女性の権利、育児休暇の権利が獲得された。また、改正男女雇用機会均等法では、企業に対してセクシャルハラスメント防止を配慮する義務も課せられた。ノルウェーでは、2006年度に女性の私企業へのクォータ制が義務付けられ、企業役員の40%を女性とすることが定められた。

また、ポリティカル・コレクトネスの観点から、性別が特定されたイメージを持つ職業名を男女両者に使用できる語へと変える動きもある(具体例として、「スチュワーデス」→「客室乗務員」、「看護婦」、「看護士」→「看護師」など)。英語圏でも例えば「fireman」→「fire fighter」、「policeman」→「police officer」、「stewardess」→「flight attendent」などの言い換えが行われている。この背景には、男女が同じ職業に就くようになってきた事と、男女を同じ呼称とすることで性別による賃金格差などの差別をなくそうという意図がある。

賃金格差については、日本は先進国で最下位レベルであり、正社員であっても女性は男性の75%ほどの賃金となっている[43]。原因としては、女性の管理職の少なさや就職時の差別等もあげられる。例えば、2014年の新卒採用において、総合職で採用された学生のうち、20%が女性であり、労働機会は平等とは言えない現状がある[44]

GEM指数という基準を用いた場合、他の先進諸国と比較すると男女平等政策に遅れを取っているという見方がされるが、過去には、日本の女性の場合「寿退職」なる言葉が存在したように「年に500ポンド(約6万5千円)の収入と、鍵のかかる部屋」を与えられ賃金労働に従事していても、女性の自由意思で職場を去り、専業主婦の道を選ぶ者も多かった。[要検証]

労働においてフェミニズムへの批判として、GEM指数等の基準は一面的なものにすぎず、女性を一括りにしてその幸福感をはかる基準とするには不適切であると指摘されることがある。例えば、企業や団体の管理職で激務に従事するよりも家庭で子育てに専念できるほうが幸福と考え、専業主婦となることを志向する女性が多ければ、GEM指数は低くなる。このため、女性の労働者化のみを基準に政策を進めることは、すべての女性(特に、家庭での育児を中心に考えている女性、激務を望まない女性など)の意見を反映していないという批判である[45]。しかし、フェミニズムは、専業主婦の女性を働かせようとしている訳ではなく、「女性」というだけで、労働に置いて差別や不利益を受けることをなくすことを目的としている。そのため上記のような批判は、的を射ていないと言える[46]

現代社会を構成している様々な分野の職業において、男性が多数を占めるものは多く、例えば、国会議員、裁判官、検察官、弁護士、医師、建設業、漁業、電気・ガス・熱供給・水道業、運輸業・郵便業、などでは8割前後が男性となっている[47][48]

教育[編集]

第二次世界大戦前の教育制度上、女性の大学進学を難しくしていたのは旧制中学、旧制高等学校が女子の入学を認めなかったことで、旧制中学に対応する高等女学校はあったが、大学に進むコースとしては、女子師範学校などを卒業するという必要があった。3つの帝国大学、2つの官立大学などが女性の入学を認めていたが女性の学生は少なかった。学生の改革によって、戦後、女子の大学進学数は男性に追いつくペースで年々増加し、平成16年度に短大を含めると48.7%の女性が大学へと進学している。男子は47.8%(男女共同参画局調べ)であり、女子の方が進学率が高くなっている。女子の短大進学率は平成7年の24.6%をピークに15年度には13.9%と激減している。他国の例としては米国の女性の大学進学率は男子を上回り、女子学生への学位授与数が全体の54%を占め、英国、北欧でも同様の女子優位が起きている。

一方で、2018年に発覚した不正入試のように、女子生徒を入学試験において不利に扱う問題は依然として残っている。

フェミニズムは学問を女性の視点から見た女性学の概念を生み出した。

宗教[編集]

カトリック教会では女性は司祭には叙階されない。しかし近年ではフェミニズムによって聖公会等の他の教派には女性司祭が誕生するなど、徐々に男性と同等の権利を獲得しつつある局面もある。しかしながらこうした状況に反発する保守派が形成されてもいる。イスラム教では、女性が男性を導くことができるかどうかという討論が起きている。

自由主義神学には、人工妊娠中絶を女性の権利とする主張がある[49][50]

性意識と性規範[編集]

性意識や性規範などの社会的なジェンダーに関する認識もフェミニズムにおいて研究されている。女性は男性に比べ、素肌の露出に対する社会的な規範が厳しい。特に大きな違いとして、女性は乳房乳首は衣服で隠すべきであるという規範が多くの地域で存在する。近年では「乳首は性器ではない。どうして女だけが、乳首を隠さなければならないのか?」との問題が定義され、女性が男性同様に上半身を露出する権利を訴える「フリー・ニップル運動」がアメリカを中心に盛んになっている。2016年8月28日、<Go Topless(ゴー・トップレス)>という上半身露出の権利に関する催事が行なわれアメリカ南アフリカ韓国ペルーイギリスなど世界各国で老若男女が自身の胸部をさらけ出す形で催事のパレードに参加している[51]。また、インスタグラムなどのSNSにおいて、女性の乳首だけが検閲の対象となっている事について抗議が行われている[52]

フェミニズムの帰結[編集]

男女の力関係を対等にすべきであるというフェミニズムのテーゼは一見平等主義的に聞こえるが、女性は男性よりも性行為のコストが大きく、性的な欲求が弱い事[53]等の理由により、交際相手に自分より高い経済力や社会的地位などを求める傾向があるため[54][55]、女性は女性の経済力や社会的地位が上昇しても自分よりも高い経済力や社会的地位を持った男性を望み続ける事から、男女の力関係を対等にするとマッチング・ミスが生じて交際相手を見つける事が困難になり、未婚率の上昇、少子高齢化、主に未婚男性や既婚女性の幸福度や健康状態の大幅な悪化、それに伴う性犯罪や家庭内暴力の増加など、多くの深刻な負の影響が引き起こされる事が分かっている。

婚姻[編集]

Yue Qian(2016)は米国の1980年の国勢調査と2008年から2012年の間の地域社会調査データを用いて、新婚夫婦の交際相手選択のジェンダー非対称性を調査した所、女性の高学歴化に伴い、自分より低学歴の男性と結婚する女性が増加した一方で、女性が自分よりも所得の高い男性と結婚する傾向は持続しており、特に、女性の学歴が夫と同等かそれ以上である場合、女性は自分よりも高収入の男性と結婚する傾向が高かったと報告している。[56]

Margarita Chudnovskaya(2020)はスウェーデンの戸籍データを利用し、女性の学歴と結婚相手の経済力や社会的地位の関係を調査したところ、男女の賃金格差を調整しても、女性は学歴に関わらず自分よりも高収入の男性を選好する傾向がある事を報告している[57]

Ana Rodríguez-González(2021)はフィンランドのデータを用いて、女性の高学歴化と結婚、出生等の結果の関係を調査した所、女性の高学歴化が進むと、男性の子供が少なくなり、40歳までに結婚出来る可能性が低くなる事を発見し、これらの結果は男女の学歴分布のマッチングミスにより引き起こされ、低学歴の男性の健康状態や精神的健康に悪影響を及ぼす可能性がある事を報告している。[58]

Vincent Harinam(2021)は女性の経済力や社会的地位が上昇すればするほど女性が結婚から得られる恩恵は減少してしまう事を指摘し、これは経済学における収穫逓減の法則の様なものであると述べている。[59]

離婚[編集]

Marika Jalovaara(2003)はフィンランドのデータを利用し、配偶者の社会経済的地位が離婚のリスクに及ぼす影響を調査した所、男性の収入が高い事は離婚のリスクを低下させる一方で、 女性の収入が高い事は配偶者の収入水準に関わらず離婚のリスクを上昇させる事、更に、女性の収入が男性の収入よりも高い場合、離婚のリスクが大幅に増加する事を発見している。[60]

Guiping Liu(2004)はスウェーデンのデータを利用し、配偶者の収入と離婚率の関係を調査したところ、女性の収入の割合が増加するほど離婚率が高くなる事を発見している。[61]

関係満足度[編集]

Huiping Zhang(2012)は夫婦の年齢差や社会経済的地位が関係満足度に及ぼす影響を調査した所、妻が年下の男性は妻が同年代の男性よりも関係満足度が高いが、妻が主要な稼ぎ手である場合には関係満足度が低下する事、妻が年上である場合には男性の関係満足度が低くなる事、年上の夫を持つ女性は同年代の夫を持つ女性よりも関係満足度が高いが、女性の学歴が夫よりも高くなると関係満足度が低下する事を発見している。[62]

Jae-Hyun Kim(2015)は夫婦の年齢差が高齢者の抑うつ症状に与える影響を調査した結果、夫婦の年齢差は妻が年上の夫婦において抑うつ症状の増加と関連している事、抑うつ症状の程度は女性の方が大きかった事を発見している。[63]

Niels Blom(2019)はオーストラリアのデータを用いて、女性が稼ぎ手となる事と関係満足度の関係性を調査した所、夫が稼ぎ手で妻が専業主婦の家庭が最も関係満足度が高く、共働き家庭に移行すると男女の関係満足度が低下する事を発見した。[64]

2021年に、David W. Lawsonらは、18歳未満での女性の児童婚が一般的なタンザニアの横断的な調査データを用いて、夫が年上の配偶者の年齢差が女性にとって不利益になるのかどうかを調査した。その結果、潜在的な交絡因子を調整した場合、配偶者の年齢差は出生率や離婚のリスクとは関係していない事、また女性の精神的な健康や家庭内の意思決定における自律性は、同年代同士または妻が年上の結婚という稀な事例に比べて、夫が年上の結婚の方が高い事、さらに、配偶者の年齢差の大きさは、夫が年上の結婚の圧倒的多数において、女性の幸福度のいずれの指標とも関連していなかった事を発見した[65]

家庭内暴力、女性憎悪殺人[編集]

フェミニズムの仮定の下では、男女の力関係の非対等性が女性に対する家庭内暴力や女性殺人を引き起こすと見なされ、女性に対する家庭内暴力や殺人事件を減らすために女性のエンパワーメントを促進する事が必要であると主張される[66]。しかしながら、科学的研究は一貫して社会一般及び家庭内における女性の社会的、経済的な地位が高くなるほど、男性のバックラッシュ現象により家庭内暴力や致死的な暴力の被害が増加する事を示している。これは経済的、社会的に劣位の立場に置かれた男性は腕力に訴える事で失われた優位性を取り戻そうとするからである。Bijou Yang(1988)は米国における既婚女性の労働力参加率と個人的暴力の発生率の関係を調査した所、既婚女性の労働力参加率の高い州ほど殺人発生率が高くなる事を発見している。[67]2018年に、Eleonora Guarnieriらは、第一次世界大戦の終わりから1961年までカメルーンの西部領土がフランスとイギリスの間で恣意的に分割されていたことを利用し、女性のエンパワーメントを促進する政策や制度が親密なパートナーの暴力に与える影響を調査した。その結果、普遍的な学校教育システムの恩恵を受け、有償雇用の機会が与えられていたイギリス領の女性は、少数の行政エリートを教育し、男性の雇用が支配的なインフラ部門への投資を中心としていたフランス領の女性よりも家庭内暴力の被害者になる確率が30%も高い事を発見した[68]。2019年に、Enrique Graciaは、測定の同等性を確保する為の予備的な調査を行った上で、ジェンダー平等指数の高いスウェーデンとジェンダー平等指数の低いスペインのデータを比較したところ、スウェーデンの女性はスペインの女性よりも親密なパートナーからの身体的、性的な暴力を受ける確率が高い事を報告している[69]。2019年に、Erwin Bulteらは、ベトナムのデータを利用し、女性のエンパワーメントを促進する政策が家庭内暴力に与える影響を調査した。その結果、ジェンダーと起業家精神のトレーニングプログラムに参加した女性は対照群の女性よりも頻繁に家庭内暴力被害に遭う事を発見した[70]。2020年に、Punarjit Roychowdhuryらは、インドのデータを利用し、妻の経済的地位と家庭内暴力の因果関係を調査した。その結果、妻の経済的地位が夫の経済的地位と同等以上である場合に、家庭内暴力が大幅に増加する事を発見し、女性のエンパワーメントとジェンダー平等を促進する政策は、かえって女性の家庭内暴力被害を増加させる可能性があると結論している[71]。2020年に、Sonia R. Bhalotraらは、2005年から2016年までの発展途上国のデータを利用し、失業率の変動と親密なパートナーからの暴力との関連を調査した。その結果、男性の失業率が1%増加すると、女性に対する身体的暴力の発生率が2.75%増加し、女性の失業率が1%増加すると、女性に対する身体的暴力の発生率が2.87%減少する事を発見した[72]。2020年に、Colleen E. Millsらは、ジェンダー平等の推進と男性の暴力との関連を調査し、ジェンダー平等の推進が男性による極右的暴力の増加と関連している事を発見している[73]。2021年に、Joseph A Kilgallenらは、18歳未満での女性の児童婚が一般的なタンザニア北部のコミュニティにおける親密なパートナーからの暴力に関する行動と態度についての横断的な研究を行った。その結果、親密なパートナーからの暴力は、夫よりも高いレベルの教育を受けた女性の間でより頻繁に報告され、一般に女性のエンパワーメントを促進すると考えられている配偶者の年齢差が比較的小さい事は逆に親密なパートナーからの暴力を経験するリスクの増加と関連している事を発見した[74]。2021年に、Bernard Moscosoは、エクアドルにおいて女性のエンパワーメントとフェミニサイドに関する法令の施行が自治体間で均一ではなかった事を利用し、これらの政策が女性に対する致死的な暴力に与える影響を調査した。その結果、新しくフェミニサイドを厳罰化する法令を施行した自治体や女性のエンパワーメントが進んでいる自治体においてジェンダー暴力の発生率が増加している事を発見した[75]。2021年に、Bilge Ertenらは、トルコの各州におけるシリア難民流入の差異を外生的な労働市場へのショックとして利用し、女性の雇用機会の減少が親密なパートナーからの暴力に与える影響を調査した。その結果として、女性の雇用機会の減少は、女性に対する親密なパートナーからの暴力を減少させることを発見した[76]。2022年に、Sanna Bergvallは、スウェーデンの高品質な行政記録を利用し、女性側の潜在的な相対的な所得の増加は、彼女が暴行に関連した負傷の為に病院を訪れる可能性を増加させることや、夫がストレス、不安、薬物乱用、暴行に関連する理由で病院に訪れる確率を増加させることを発見した[77]。2022年に、Sowmya Dhanarajらは、インドの都市部における、既婚女性の有給労働参加と親密なパートナーからの暴力の関係を調査し、有給労働に従事している女性は、専業主婦の女性に比べて有意に高いレベルの家庭内暴力に直面している事を発見した。さらに、女性が有給の仕事を行う事で得られる自律性が家庭内暴力を減少させるという証拠は見当たらなかったと報告している[78]

自殺[編集]

P Mayer(2000)は26か国のデータを利用し、ジェンダー平等と自殺率の関係を調査した所、ジェンダー関連開発指数と自殺率に正の相関がある事を発見している。[79]

Allison Milner(2010)は35か国における社会経済的変数と男女の自殺率の関係を調査した所、女性の労働力参加率の増加と出生率の低下が、男性の自殺率の増加と強く関連している事を発見している。[80]

Matthew D. Moore(2021)はジェンダー平等と自殺率の関係を調査した所、ジェンダー平等指数が高くなるほど、男女の自殺率が上昇し、女性の教育水準と労働参加率が上昇すると自殺率も上昇する事を発見している。[81]

売春[編集]

フェミニズムの仮定の下では売買春は女性に対する搾取と暴力、性差別の一形態と見なされ、自己の性を買われる(売らされる)側の女性を被害者とみなして買う(売らせる)側の男性を加害者として処罰し、同じく斡旋業者、その他の便宜供与者などを搾取者ないし共犯者とみなして厳しく処罰するとともに、売春従事者の離脱と転職を支援し、被買春女性が必要とする生活上・教育上・医療上・精神上のさまざまなサービスと支援を積極的に提供することによりその廃絶を目指す事が主張され、北欧諸国では、実際にこの認識の下に買春する男性を処罰する法律が制定されている(北欧モデル)。

しかしながら、複数の研究が売春規制は売春に従事する女性を社会的、経済的に孤立した脆弱な立場に追いやり、女性に対する性的、身体的暴力、性感染症を増加させる事[82][83][84][85][86]、特に購入男性を取り締まる北欧モデルは男性によるレイプ犯罪の急激な増加を引き起こす事[87] [88] [89][90]を報告している(詳しくは売春#北欧モデル(平等モデル))。

旧統一教会関連団体による批判[編集]

旧統一教会関連団体である国際勝共連合はフェミニズムを共産主義の亜種である「文化共産主義」として批判している。同団体はフェミニストも文化共産主義の尖兵として批判の対象としており、その主要任務はジェンダーフリーといった政策で資本主義の文化基盤を破壊したり、「自然な家族」の解体や、妊娠中絶などの普遍化の推進であるとされる。フェミニストは国連創設時にエレノア・ルーズベルト国連人権委員会委員長に就任し「世界人権宣言」を起草し、国連の人権委員会や関連期間の事務局に多数送り込まれ、文化共産主義の隠れ蓑になってきたと同団体は主張する。また、勝共連合は地方自治も家族解体策を自治体に導入させる仕組みとして敵視している。そこでは首長や議長を操れる協議会を設置し、そこに文化共産主義者が公募市民として入り込み、条例作りや補助金給付先を誘導するとされる。勝共連合はNPONGOも敵視しており、それは左翼人権団体が委員会に名を連ね、左翼人権政策を行政に押し付けることが可能になるとされるからである[91][92][93]

また、勝共連合は文化共産主義を主導する頭目として、参議院議員福島瑞穂を名指しで批判している[91]

著名なフェミニスト[編集]

海外[編集]

日本[編集]

脚注[編集]

[脚注の使い方]

注釈[編集]

出典[編集]

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参考文献[編集]

関連項目[編集]

外部リンク[編集]