エレクトリックベース

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エレクトリックベースギター
別称:エレクトリックベース、エレキベース、ベースギター、ベース
各言語での名称
Electric Bass Guitar
Elektrischer Bassgitarren
Guitare basse électrique
Chitarra Basso Elettrico
エレクトリックベースギター
エレクトリックベースギター
分類

弦楽器撥弦楽器リュート属

関連楽器

エレキギターコントラバス

エレクトリックベースギター(electric bass guitar エレクトリックベースエレキベースとも)とは電気楽器の一種であり、低音部の撥弦楽器である。日本では「エレクトリック・ベースギター」と略さずに呼ばれることは少なく、エレキベース、ベースギター、あるいは単にベースと呼ばれる(本項本文では主にエレキベースと表記する)。は基本的に4本[1]。5本や6本以上のものは多弦ベースとも呼ばれる[2]。ポピュラーな楽器だが、1940年代に登場した際には非常に高価な楽器だった。ベース弦もギター弦に比べると高価である[3]。また左利き用ベース本体価格は新品の場合、右利き用の概ね25%程度の価格増しとなる。

世界初のフレット付きのエレキベースは、1951年に発売されたフェンダー社プレシジョンベース(現テレキャスターベース)である[4][5]

概要[編集]

「エレクトリックベース」とは、「エレクトリックのベースギター (electric bass guitar) のことである。本来「エレクトリックベース」は「電気信号を別個の増幅発音機器に送る低音域用の弦楽器」という意味で、「それ自体に音を拾う機能(ピックアップ)がある低音域用の弦楽器」である「アコースティック・ベース」の対義語である。しかし、エレキベースが世に出た当初は、他にこのような電気信号式のベースはなかったことから、ほぼ排他的に「エレクトリックのベースギター」を指す語となった。70年代以降は従来のパッシブベースに比してノイズが少なく周波数帯域が広いミュージックマンスペクターEMGバルトリーニTCTに代表されるプリアンプ回路やアクティブピックアップを持ったアクティブベースも普及している。

米国での「フェンダーベース」という呼称は初めて量産されたフェンダー社のプレシジョンベース、及びその後継機種であるジャズベース[6]の流通量の豊富さ、ミュージシャンの使用頻度の高さによるものと思われる。

電気楽器の「ベースギター (bass guitar)」の他に電子楽器シンセ・ベースも存在する、かつてエレクトリック・ギターや同ベースは混同されて通称「エレキ」とも呼ばれたが、これらは単にギターとかベースと呼ぶことも多い。

ベース奏者のことを「ベーシスト (Bassist)」、「ベースマン」と呼ぶ。

著名な奏者[編集]

著名なベーシストとしては、ファンクR&B系ではブーツィー・コリンズ[7]、フレッド・トーマス(JBズ)、ラリー・グラハムジェームス・ジェマーソンモータウン)、ドナルドダック・ダンスタックス)、マーク・アダムス(スレイブ)、バーナード・エドワーズ(シック)、ロバート・クール・ベルトミー・コグビル[8]ジェリー・ジェモット、マーシャル”ロック”ジョーンズ(オハイオ・プレイヤーズ)[9]ルイス・ジョンソンチャック・レイニー、フイル・チェンらがいた。

また、ロック系ではアンディ・フレイザー[10]、メル・サッチャー[11][12]グランド・ファンク・レイルロード)、ロジャー・グローヴァーポール・マッカートニービル・ワイマンジョン・ポール・ジョーンズジョン・エントウィッスル[13]らが、ジャズ・クロスオーバーフュージョンでは、エイブラハム・ラボリエルマーカス・ミラーウィル・リーポール・ジャクソンスタンリー・クラークジャコ・パストリアスらがいる。

エイブラハム・ラボリエルはエイブ・ラボリエル名義で、ハーブ・アルパート「ライズ」でベースをプレイしている。また、フィル・チェンはロッド・スチュアート「アイム・セクシー」でベースを担当した[14]。R&B系・ジャズ・クロスオーバー系のベース奏者は録音スタジオでセッションミュージシャンとしても働く者が多く、初見に強かった。ジェームス・ジェマーソン(モータウン)は、ポール・マッカートニーら、他のベーシストに大きな影響を与えた。ウィルトン・フェルダー、スティーヴ・ワシントン(元スレイブ)、フィル・アップチャーチらは、ベースだけでなく、他の一部の楽器も同様のレベルで演奏できる、マルチ・プレイヤーだった。フュージョン・バンドでは、スタッフは東海岸を拠点にし、ベースはゴードン・エドワーズが担当していた。ザ・クルセイダーズは西海岸を拠点に活動していたが、ロバート・ポップウェルらが交代でベースを担当し、固定的なベーシストを置かない傾向があった[15]

詳細/調弦[編集]

通常弦は全て巻弦ラウンドワウンドフラットワウンドがあり演奏するジャンルによって選択される。音高ギターでいう3-6弦の1オクターブ下が1-4弦に相当する[16]音域が低いため、楽譜上はヘ音記号で記譜する。5弦の場合、主にローB(Low-B)がE弦から4度低い音程として設定される(ハイC(High-C)の場合はG弦より4度高い音程となる)。ライブでは4弦ベースの演奏性と音色を損なわず(5弦ベースはネックの質量が増える為に4弦よりも倍音が減る)にローBの音域を得る為、G弦を張らず4弦ベースに下からB、E、A、Dの各弦を用いて調弦したものも見られる。これは男声ボーカルモノを女声用アレンジに変更する場合(逆もある)やポール・チェンバースなどコントラバス奏者とその時代においても(調弦や録音のミス等もあるが)ハード・バップ等のモダンジャズで所謂ローDに相当する音が使われる事もあった為、それらにも対応する演奏性を考慮した工夫と言える。他にはE弦のペグをワンタッチでD音に落とすベース用Dチューナー(所謂ヒップショット、変則チューニングとなり慣れが必要)やフィリップ・クビキ・ファクターベースのようにE弦ヘッド部にストリングクラスプ「D」ストリングチューニングメカニズムを用いてテンションや押し弦のポジションを変えることなくローDを得られる仕組みを持った物もあった。ジミ・ヘンドリックスなどロック系で多く見られた半音下げ(4弦の場合、全てを♭E♭A♭D♭Gとする)ものもある。

標準的な4弦ベースのチューニング。もっとも低い4弦(一番下)の最低音はE1

コントラバスとの比較[編集]

エレキベースは、音域や演奏上のパートから見ればコントラバスの電気信号型と見なすこともできるが、その用途、構造、形状、発音方式、増幅方式などは概ねエレキギターに準じており、実態は低音域を演奏することに特化したエレキギターとも言える。

エレキベースとコントラバスの主な違いは以下の通り:

コントラバス エレキベース 備考
サイズ EconHall4May07Stringbass.jpg
・等身大ほどの大きさ
Playing bass.jpg
・通常のギターとほぼ同等 [1]
両者は弦長(スケール)が異なる為に、指板を押さえるポイントが異なる。またテンションが違う為に演奏性や音質が異なる。
演奏形態 ・楽器脇に立って弾く
・専用の椅子に座って弾く
・立って肩から吊るして弾く
・着席し膝の上に乗せて弾く
奏法 ボウイング
ピッツィカート
スラッピング
グリッサンド
タッピング
ピッキング
スラッピング
タッピング
グリッサンド
独特の音響効果を得るためにエレキギターでボウイングをすることは稀にあるが、エレキベースでボウイングをすることはまずない。
フレット ・ない ・ある [2] フェンダー社最古のエレキベース商標は「プレシジョン・ベース」である。「プレシジョン」とは英語で「正確」という意味で、フレットを付けたことにより誰でも容易に正確な音程を出せるようになったことを表した命名である。コントラバスにはフレットがないので、ある程度の修練を積んだ者でなければ正確な音程で弾くことは難しい。
1. ^ アコースティックギターのような厚みがなく、ネックの部分はやや長め(詳細は「クラシックギターとエレキギター」の項を参照)。
2. ^ ただしフレットのついていない特殊なエレキベースも存在する(詳細は「フレットレス ベース」の項を参照)。


エレキベースの種類[編集]

4弦ベース Höfner500/1 "violin bass"

4弦のものが一般的であるが、5弦(ジャズ・R&B系や唄モノではよく見られる)より弦の多い多弦ベースとも呼ばれるものもある。6弦までのものが一般的であるが、中には15弦ベースといったものもある[17]

エレクトリック
アップライト
ベース


脚注[編集]

[脚注の使い方]
  1. ^ エレキベースとは? ベースの初心者
  2. ^ <Cap, Ariane (2018). Music Theory for the Bass Player: A Comprehensive and Hands-on Guide to Playing with More Confidence and Freedom. CapCat Music Media. p. 10. ISBN 978-0-9967276-3-1. Retrieved May 12, 2020.
  3. ^ ベース弦はなぜ高い? スタジオラグへおこしやす
  4. ^ フェンダーベースの特徴と種類別おすすめベース5選+弦・アンプ” (日本語). ピカップ. 2018年9月21日閲覧。
  5. ^ About | Fender Musical Instruments”. 2018年9月21日閲覧。
  6. ^ エレキベースのメーカー  ベースの初心者
  7. ^ ジェームス・ブラウンのJBズのあと、Pファンクに移ったファンク・ベーシスト
  8. ^ アレサ・フランクリンらの録音に参加した南部のベーシスト
  9. ^ “Ohio Players bassist Marshall Jones dies at 75”. Philadelphia Tribune. (2016年5月27日). https://www.phillytrib.com/ohio-players-bassist-marshall-jones-dies-at/article_c79f340a-8065-5877-88ff-59424940f483.html 2021年9月8日閲覧。 
  10. ^ アンディ・フレイザー ディスコグラフィー 2021年8月7日閲覧
  11. ^ Grand Funk Railroad”. NME. 2021年8月7日閲覧。
  12. ^ Mel Schacher”. Theamericanband.com. 2021年8月7日閲覧。
  13. ^ 世界の有名ベーシスト スタジオラグへおこしやす
  14. ^ ジミー・ジェイムズ&ヴァガボンズ出身のフィル・チェンは「ホット・レッグズ」でもベースをひいている。また彼はボブ・マーレー、レイ・チャールズ、ピート・タウンゼントなど、多くの音楽家と共演している
  15. ^ ウィルトン・フェルダー、スティックス・フーパーらがメンバー
  16. ^ 『ビートルズ・ロック・ベース教室』シンコー・ミュージック、初版、1996年8月12日。45頁。ISBN 4-401-12023-X
  17. ^ Inc., mediagene「15弦ベースってどんな音がするの?」『』、2017年11月5日。2018年9月21日閲覧。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]