ザ・クルセイダーズ
ザ・クルセイダーズ(The Crusaders)は、主に1970年代に活躍したアメリカのフュージョングループ。ジャズ・クルセイダーズを前身とする。
そのサウンドは、トロンボーンとテナーサックスという管楽器によるアンサンブルに、スティックス・フーパーとゲスト・ベーシストによるリズム隊、ジョー・サンプルのフェンダー・エレクトリック・ピアノがからむことで醸しだされる、洗練されたサウンドである。
70年代後半のフュージョンはおろか、70年代前半のクロスオーバーという言葉もなかった時代から、ジャズという既成概念にとらわれず、さまざまなジャンルの音楽を取り込んできた。ラリー・カールトン[1]という、のちのフュージョン・シーンで有名になる技巧派ギタリストを、グループの結成初期から準メンバーとして参加させていた。
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歴史[編集]
もともとはテキサス州のハイスクールで同級生だったウェイン・ヘンダーソン(Tb) ウィルトン・フェルダー(T.Sax) ジョー・サンプル(Key) スティックス・フーパー(Dr) の4人が結成したグループで、何度かグループ名を変更した後、1961年にジャズ・クルセイダーズとしてアルバム「フリーダム・サウンド」でメジャーデビューした。音楽ファンによっては、フュージョン・グループになったクルセイダーズ時代よりも、ジャズ・クルセイダーズ時代を好むファンも存在する。
その後1971年にグループ名を「ザ・クルセイダーズ」とし、アルバム「パス・ザ・プレイト」を発表。1972年に「クルセイダーズ1」、続いて「セカンド・クルセイド」「アンサング・ヒーローズ」を発表しジャズ・クロスオーバーのコアなファンに知られるようになった。だが、ポピュラー・ミュージックのファン層には知られず、1970年代半ば以降のフュージョンの時代になって、初めて知名度がアップした。ブロードキャスターのピーター・バラカンは、「スクラッチ」や「サザン・コンフォート」時代のクルセイダーズの大ファンだったという。
1972年にはクルセイダーズ・プロダクションを設立し、後に事業拡大しレコード・レーベルとして、クルセイダーズ・レコードを発足する。主要メンバーが属していたが、このレーベルは短命に終わる。
その後も次々とアルバムを発表するが、1976年に結成以来のオリジナル・メンバーであるウェイン・ヘンダーソンと、最初期から準メンバーとして参加しており1974年に正式メンバーとなっていたラリー・カールトンが脱退した。だが、知名度がアップしたのはそれ以降で、79年にはランディ・クロフォードをゲストに迎えた「ストリート・ライフ」、80年にはビル・ウィザースをヴォーカルに迎えた「ソウル・シャドウズ」が小ヒットした。1983年にはスティックス・フーパーが脱退し、グループとしての形態は維持できなくなり、ウィルトン・フェルダーとジョー・サンプルのユニットに、そのつどゲストミュージシャンを参加させるというスタイルで活動を続けていた。
その活動も、1991年に発表された「ヒーリング・ザ・ウーンズ」を最後に事実上停止していたが、1992年に突如としてウェイン・ヘンダーソンとウィルトン・フェルダーが「ネクスト・クルセイド」を名乗ってアルバム「バック・トゥ・ザ・クルーヴ」を発表。さらに1995年、「ジャズ・クルセイダーズ」名義で、アルバム「ハッピー・アゲイン」を発表する。
新生ジャズ・クルセイダーズとして数枚のアルバムが発表された後、今度は2002年にウィルトン・フェルダー、ジョー・サンプル、スティックス・フーパーによって「ザ・クルセイダーズ」名義で「ルーラル・リニューアル」が発表され、ほぼオリジナル・メンバーからなるグループ再結成(活動再開)が成った。
ディスコグラフィー[編集]
ジャズ・クルセイダーズ時代[編集]
- フリーダム・サウンド (1961)
- ジャズ・クルセイダーズ (1966)
- ライヴ・アット・ザ・ライトハウス66 (1966)
- ウー・ハー (1967)
- ウーガ・ブーガルー/ライトハウス68 (1968)
- ライトハウス69 (1969)
- オールド・ソックス、ニュー・シューズ (1970)
クルセイダーズ時代[編集]
- パス・ザ・プレイト (1971)
- クルセイダーズ1 (1972)
- ハリウッド (1972)
- セカンド・クルセイド (1973)
- アンサング・ヒーローズ (1973)
- スクラッチ(ライヴ) (1974)
- サザン・コンフォート (1974)
- チェイン・リアクション (1975)
- 南から来た十字軍 (1976)
- 旋風(かぜ)に舞う (1977)
- イメージ (1978)
- ストリート・ライフ (1979)
- ラプソディー&ブルース (1980)
- スタンディング・トール (1981)
- 音楽会(ライヴ) (1981)
- ロイヤル・ジャム(ライヴ) (1982)
- ゲットー・ブラスター (84)
- グッド・アンド・バッド・タイムス (1986)
- ライフ・イン・ザ・モダン・ワールド (1988)
- ヒーリング・ザ・ウーンズ (1991)
新生ジャズ・クルセイダーズ時代[編集]
※ネクスト・クルセイド名義を含む
- バック・トウ・ザ・グルーヴ (1992)
- スケッチズ・オブ・ライフ (1993)
- ハッピー・アゲイン (1995)
- ルイジアナ・ホット・ソース (1996)
- ブレイクン・ダ・ルールズ (1998)
新生クルセイダーズ時代[編集]
- ルーラル・リニューアル (2002)
- ライヴ・イン・ジャパン(ライヴ) (2003)