1.5GHz帯

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1.5GHz帯(いちてんごギガヘルツたい)は、およそ 1427.9 - 1510.9 MHz周波数範囲の周波数帯である。波長は、25cm程度である。

概要[編集]

この帯域は、第2世代移動通信システム (2G) [注釈 1] 等で利用されていた周波数で、2Gでの利用が終了する際に再編を行った後に再割り当てが行われている。この周波数帯は過去には日本独自の割り当てであり、iPhone等のグローバル端末では利用することが出来なかった(iPhone7以降対応)。しかし、2015年平成27年)の世界無線通信会議 (WRC-15) にて1.5GHzがグローバルバンドとして追加された[1]

3GPPが、W-CDMAおよびLTE向けに設定した帯域としては、NTTドコモに割り当てられた部分がバンド21、KDDI / 沖縄セルラー電話連合とソフトバンクモバイルに割り当てられた部分がバンド11にあたる。

歴史[編集]

  • 1987年(昭和62年)〜1988年(昭和63年) - 「準マイクロ波帯開発部会」が、準マイクロ波帯陸上移動伝搬特性の解明のための実験を実施。
  • 2010年(平成22年)3月31日 - 今まで提供されていた全ての第2世代通信システム (2G) の免許が失効。
  • 2011年(平成23年)2月25日 - ソフトバンクモバイル (現・ソフトバンク)が、DC-HSDPA方式のULTRA SPEEDを開始。
  • 2012年(平成24年)11月2日 - KDDI/沖縄セルラー電話 (au) が、 LTEサービスau 4G LTE用の周波数帯として使用開始。
  • 2012年(平成24年)11月16日 - NTTドコモ が、 LTEサービス Xi 用の周波数帯として使用開始(ただし、デジタルMCAの免許が失効するまでは主に東名阪以外での展開となる)。
  • 2014年(平成26年)3月31日 - デジタルMCAの免許が全て失効。
  • 2014年(平成26年)4月1日 - デジタルMCAの免許失効に伴い、NTTドコモに割り当てられた帯域が東名阪地域においても全て利用可能になる。
  • 2017年(平成29年)3月31日 - ソフトバンクが当帯域での3Gサービスを停波。
  • 2017年(平成29年)4月以降 - ソフトバンクが当帯域でのLTEサービスを開始予定。

利用周波数[編集]

  • ソフトバンク(3GPP バンド11)
    • 基地局送信 : 1475.9 MHz - 1485.9MHz (10MHz)
    • 移動局送信 : 1427.9 MHz - 1437.9MHz (10MHz)
  • KDDI/沖縄セルラー電話(3GPP バンド11)
    • 基地局送信 : 1485.9 MHz - 1495.9MHz (10MHz)
    • 移動局送信 : 1437.9 MHz - 1447.9MHz (10MHz)
  • NTTドコモ(3GPP バンド21)
    • 基地局送信 : 1495.9 MHz - 1510.9MHz (15MHz)
    • 移動局送信 : 1447.9 MHz - 1462.9MHz (15MHz)

NTTドコモのみ、デジタルMCAの利用が終了する2014年(平成26年)3月末まで東名阪地域において、後半各7.5MHz幅分が使用不可となっていた。なお、現在は全キャリアとも制限なく使用可能である。

提供中のサービス[編集]

NTTドコモ[編集]

  • Xi(クロッシィ)
    • LTE方式により最大下り112.5Mbps・上り37.5Mbpsとなるサービス。
    • 本帯域は、2012年冬モデル以降の全てのLTE端末で対応している(iPhone 7未満のiPhone、スマートフォン for ジュニアシリーズを除く)。

KDDI / 沖縄セルラー電話 (au)[編集]

  • au 4G LTE
    • LTE方式により最大下り75Mbps・上り25Mbpsとなるサービス。
    • 本帯域は、iPhoneなどのアップル製品の一部を除き、2014年夏モデルのSOT21、およびKYY23KYY24を含む2014年春モデル以前の全てのLTE端末が対応している。

ソフトバンク(SoftBankブランド)[編集]

  • ULTRA SPEED
    • HSPA+DC-HSDPAを使った最大下り42Mbps・上り5.7Mbpsとなるサービス。2017年3月末を目処に停波され、その後、当帯域でLTEサービスを開始予定。
  • ソフトバンクWi-Fiスポットのバックボーンとしての利用(システムはULTRA SPEED)。
    • グローバル端末(iPhone等)が利用できない周波数帯であったため、2GHz帯に比べて余裕があった。そのため、有効利用としてWi-Fiスポットのバックボーンとして活用し、固定回線の敷設を行うことなくWi-Fiスポットを設置可能としていた。なお、最新のWi-Fiスポット用端末は、より高速で回線に余裕のあるSoftBank 4G(AXGP)にも対応し、SoftBank 4G(AXGP)を優先的に使用する仕様となっている。

BSデジタル放送との干渉[編集]

2012年(平成24年)3月より本放送が開始されたBS放送(BS21ch及びBS23ch)の試験電波発射時から、他社に先行して携帯電話通信用に1.5GHz帯を利用していたソフトバンクモバイルULTRA SPEEDにおいて、接続できない・速度が低下するといった影響が一部で確認された。原因は、個人宅などに設置されたBSアンテナが受信した電波を中間周波数BS-IFに変換(BS-21: 1419.58〜1446.58MHz、BS-23: 1457.94〜1484.94MHz)した際、これがブースターの不良・配線の施工不良等によって外部に漏れ出し、ULTRA SPEEDの1.5GHz帯と干渉して電波障害を起こしたものであった[2][3][4]。2008年(平成20年)には総務省からも干渉が起こる可能性があると発表されていた[5]が、アンテナ設置者などへの周知が徹底されていなかった。

これについてソフトバンクモバイルでは総務省と協力して対策に乗り出しているが、個人宅などに設置された受信機が原因となっているため対策完了までには時間がかかることが予想されている[注釈 2][6]

なお、NTTドコモ (Xi) 及びKDDI・沖縄セルラー (au 4G LTE) へ割り当てられている周波数帯でもULTRA SPEEDと同様に干渉することが予想されており、個人宅等の設備に起因する事だけに、こちらにも影響する恐れがある。

脚注[編集]

注釈[編集]

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  1. ^ 具体的にはシティフォン(シティオ)、ツーカーSoftBank 6-2。また、通常800MHz帯で運用されていたmovaでも、1.5GHz帯が輻輳対策として併用されていた。
  2. ^ 本来は電波障害の発生源側の責任で対策をすべきだが、電波法の対象となる機器ではないので、電波法上では発生源側で対策を取る義務はないため民事上の問題となってしまうことと、日本全国に数多く存在することもあり、当初は誰の責任で対策を行うかで調整が難航していた。しかしBS21・23chが放送できなくなるとBSの放送免許を持つ株式会社放送衛星システムの経営に大きな支障が生じる事から、最終的には同社の費用負担で対策を行った。

出典[編集]

関連項目[編集]