Xcode
開発元 | アップル |
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最新版 | 11.2.1 / 2019年11月12日 |
対応OS | macOS Mojave v10.14.4以降 |
種別 | 統合開発環境 (IDE) |
ライセンス | プロプライエタリ |
公式サイト |
developer |
Xcode(エックスコード)は、ソフトウェアを開発するためのアップルの統合開発環境 (IDE) であり、かつてはMac OS Xに付属する形で配布されていた。Mac OS X v10.3のリリースと共に2003年10月24日に初めて紹介されたこのソフトは、NeXTの資産を受け継ぐMac OS Xの初期IDE「Project Builder」を進化させる事となった。
Macintosh (macOS) にてmacOSあるいはiOS用のアプリケーションを開発する場合、またソースコードで配布されているUNIX用ソフトウェアをインストールする場合に、Xcodeが必要になる。初期状態ではXcodeはインストールされておらず、Mac App Storeからの無料ダウンロードでインストールを行う。
目次
特徴[編集]
Xcodeではユーザインタフェースを作成するために使用するグラフィカルツール、Interface Builder(NeXT社の資産)を用いて、UI画面の設計ができる。バージョン4.0以前は、Interface Builderは、Xcodeと独立したツールで、開発者は、XcodeとInterface Builderを行き来して、コーディングしていた。しかし、バージョン4.0で、Interface Builderは、Xcodeに統合された。
Xcode はGNU Compiler Collection (GCC) を含み、Cocoa, Carbon、Javaに制限されることなく、多様なプログラミング・モジュールを含むC、C++、Objective C++、Java、AppleScript、そしてオブジェクト指向記述言語Objective-CおよびSwiftのソースコードをコンパイルできる。サードパーティーはGNU Pascal [1]、Free Pascal [2]、Ada [3]向けの追加サポートを行っている。
Xcodeは主にプロジェクト管理、コード編集、デバッグを行う為のソフトである。この他にクラスブラウザやドキュメントブラウザなどが統合されている。DelphiやVisual Basicと異なり単体ではRAD的なツールではないが、Interface Builderとよく連携しており、簡易なテキストエディタなどであれば一行のコードも書く事なく開発できる。
distccによる分散ビルドをサポートし、Bonjourによるネットワーク検索及び構築を行う。
さらに10.4付属のVersion 2.0からはCore Data/WebObjectsで用いるUMLに準じたモデルエディタが統合された。
ファイル管理は同社のiTunesなどに準じた形式でやや癖があるが、全体としてはよく整理されており、比較的プログラマ臭のしないツールである。
その他の特徴としてZeroLinkが挙げられる。これはコンパイル後のリンク過程を実行時まで遅延することで高速なソフトの再起動を行なうもので、DelphiやC#ほどではないが、かなりの速度でソフトを再構築できる。
Xcodeバージョン歴[編集]
2.x[編集]
2.0[編集]
Xcode 2.0はMac OS X 10.4 Tigerと共に、2005年4月29日にリリースされた。
- Mac OS X SDKサポート利用による Mac OS X v10.1、Mac OS X v10.2 (Jaguar)、Mac OS X v10.3 (Panther)、およびMac OS X v10.4 (Tiger) 向け開発サポート。
- GCCコンパイラの新しいバージョン (4.0) が含まれる。
2.1[編集]
Xcode 2.1は WWDC 2005 にて2005年6月6日にリリースされた。
- Mac OS X SDKサポート利用によるMac OS X v10.4.1 上でのPowerPCおよびインテル設計のためのユニバーサル・バイナリ (Universal binary) 制作サポート。
- WebObjects開発ツールがオプションでのインストールでXcodeツールに追加される。
2.2[編集]
Xcode 2.2は2005年11月11日にリリースされた。
- gccが4.0.1にバージョンアップ。
- 日本語リソースが再び含まれるようになった。
- Deploymentビルドがクラッシュした際にもデバッガに接続してくれるようになった。ただしデバッグシンボルが存在しないため、スタックトレースのみとなる。
2.2.1[編集]
Xcode 2.2.1は2006年1月10日にリリースされた。
- バグ修正 : Xcode IDE、cctools、デバッガ、コンパイラのバグが修正された。
- Mac OS X 10.4.4での開発のために10.4u SDKに更新された。
- CHUDが4.3.0に更新された。
2.3[編集]
Xcode2.3 は2006年5月23日にリリースされた。
- DWARFデバッグフォーマットに対応し、デバッグ精度とディスク利用効率の向上を実現した。
- 新しい分散ネットワークビルド (New Distributed Network Build, DNB) によるスケーラブルなビルドアーキテクチャ。
- Xcode IDE、ビルドシステム、Code Senseの安定性と性能の向上。
2.4[編集]
Xcode 2.4は2006年8月7日にリリースされた。
- 64ビットのIntel Mac上での開発をサポートするようになり、インテルとPowerPCの両CPUでの32ビット/64ビットの、計4つのアーキテクチャのアプリケーション開発を可能とするようになった。
- DWARFバイナリのデバッグ時の著しい段階的な動作が切り詰められ、分散ネットワークビルドにも修正が加えられた。
- Mac OS X v10.4.7での開発のために10.4u SDKも更新された。
- CHUDが4.4.0に更新された。
2.4.1[編集]
Xcode 2.4.1は2006年11月1日にリリースされた。
- DWARFデバッグにおける幾つかの問題を解決し、総合的な安定性と安全性を向上させた。
- CHUDが4.4.3に更新され、Xcodeとは独立してリリースされるようになった。
- 10.3.9 SDKと10.4u SDKも更新された。
2.5[編集]
Xcode 2.5は2007年9月5日に、Mac OS X v10.5 Leopardに先駆けリリースされた。
- Mac OS X v10.4と10.5において起動可能。しかしMac OS X v10.5上では一部の機能が制限を受ける。
- Mac OS X v10.5をターゲットとした開発環境ではなく、Xcode 3.0へのプロジェクトの移行を目的とする。
- Mac OS X v10.2.8とMac OS X v10.3.9、Mac OS X 10.4のOSにおけるユニバーサルアプリケーションを開発対象とする。
3.x[編集]
3.0[編集]
Xcode 3.0は2007年10月26日にMac OS X v10.5 Leopardと共にリリースされた。
- Mac OS X v10.5において起動可能。それ以前では動作しない。
- Objective-C 2.0での開発が可能となり、Xcode 3.0自体もObjective-C 2.0で開発されている。
- GarageBandと似たユーザインタフェースを持つInstrumentsというパフォーマンスツールが付属する。
- Mac OS X v10.5からMac OS X v10.3.9までのOSを対象としたアプリケーション開発環境として推奨されている。
3.1[編集]
Xcode 3.1は2008年7月11日にリリースされた。
- iPhone OSのようなMac OS X以外をターゲットとするSDKがサポートされた。
- Mac OS X v10.5向けの開発においてGCC 4.2またはLLVM GCC 4.2がオプションで使用できる。
3.1.2[編集]
Xcode 3.1.2は2008年11月24日にリリースされた。
3.1.3[編集]
Xcode 3.1.3は2009年6月17日にリリースされた。
3.1.4[編集]
Xcode 3.1.4は2009年9月10日にリリースされた。
3.2[編集]
Xcode 3.2は2009年8月27日にリリースされた。
- Mac OS X v10.6においてのみ動作する。
- Mac OS X v10.6からMac OS X v10.4までのOSを対象としたアプリケーションを開発できるが、デフォルトではMac OS X v10.4のサポートは有効にされない。
- Mac OS X v10.6向けの開発においてGCC 4.2がデフォルトになった。
4.x[編集]
4.0[編集]
Xcode 4.0は2011年3月9日にリリースされた。
- Mac App Storeで600円で販売される(Developer Programsの会費を払っている場合は無料でダウンロードできる)。
- Mac App Store で Mac OS X v10.7 を購入した場合も無料となる。
4.0.1[編集]
Xcode 4.0.1は2011年3月25日にリリースされた。
- 起動に失敗する問題を修正。
4.1[編集]
デフォルトコンパイラがgccからllvm-gcc 4.2になった。値段が600円から無償になった。
4.2[編集]
デフォルトコンパイラがllvm-gccからllvm clang 3.0になった。
4.3[編集]
各種ツールセットが単一のXcodeとして配布されるようになった。
4.4[編集]
OS X 10.8対応。
4.5[編集]
iOS 6対応。
4.6[編集]
iOS 6.1対応。
5.x[編集]
5.0[編集]
Xcode 5.0は2013年9月18日にリリースされた。
- iOS 7.0 SDKのサポートが追加された。
- ツールバーが小さくなってフラットデザインになるなどのユーザインタフェースの改良も行われた。
- 新規プロジェクトの作成からはARCのメモリ管理がデフォルトで採用されるようになり、ARCがオプション扱いではなくなった。
- 実行時にデバッグエリアにメモリやCPUの使用状況が表示されるようになった。
- OpenGL ES 3.0のサポートが追加された。
- Xcode 4.xでは自動的に追加されていたAuto Layoutの制約が、自動的には追加されなくなっている。
5.1[編集]
Xcode 5.1は2014年3月10日にリリースされた。
- iOS 7.1 SDKのサポートが追加された。
- 全てのconstraintタイプをサポートする新しいAuto Layout constraint inspectorが追加された。
- カスタムオブジェクトタイプのためのデバッガーのQuick Lookサポートが追加された。
- Instruments内でのsymbol解決能力が向上した。
- iOS standard architecture settingsに64ビットを含むよう更新された。
- 不具合の解消により安定性が向上した。
6.x[編集]
6.0[編集]
- OS X v10.10 Yosemiteのサポート
- 新たな開発言語として、Swiftがサポートされた。
- iOS 8.0 SDKがサポートされた。
- iOS用には、ユニバーサル・ストーリーボードがサポートされた。
6.1[編集]
- Xcode 6.0で問題のあった巨大なストーリーボードを取り扱えない、というバグが解消された。
6.2[編集]
- iOS 8.2とWatchKitのサポート、セキュリティアップデート[1]。
7.x[編集]
- iOS 9とOS X El Capitan、Swift 2がサポートされた。
8.x[編集]
- iOS 10とmacOS Sierra、Swift 3がサポートされた。
9.x[編集]
9.0[編集]
- 2017年9月19日リリース、iOS 11とmacOS High Sierra、Swift 4がサポートされた。
9.1
9.2
- 2017年12月5日リリース、iOS 11.2とmacOS High Sierra 10.13.2, watchOS 4.2, tvOS 11.2がサポートされた。
9.3
- 2018年3月29日リリース、Swift 4.1、iOS 11.3とmacOS High Sierra 10.13.4, watchOS 4.3, tvOS 11.3がサポートされた。
9.3.1
- 2018年5月11日リリース、Playgroundが遅くなる、 Apple ID再入力を要求する問題の修正。
10[編集]
10.0
- 2018年9月17日リリース、Swift 4.2、iOS 12, watchOS 5, tvOS 12, macOS Mojaveとダークモードがサポートされた。
10.1
10.2
10.2.1
10.3
11[編集]
11.0
- 2019年9月20日リリース。iOS 13.2, macOS Catalina 10.15, watchOS 6.1, tvOS 13.2がサポートされた[2]。
11.1
11.2
11.2.1
- 2019年11月12日リリース
脚注[編集]
- ^ About the security content of Xcode 6.2
- ^ “Xcode 11 Release Notes | Apple Developer Documentation”. developer.apple.com. 2019年11月19日閲覧。
関連項目[編集]
外部リンク[編集]
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