銀河帝国 (スター・ウォーズ)

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銀河帝国(ぎんがていこく、Galactic Empire)は、アメリカ映画『スター・ウォーズ』シリーズに登場する架空の国家。首都はインペリアル・センター(旧共和国時代にコルサントと呼ばれていた惑星)。

概要[編集]

銀河共和国元老院最高議長にして、シスの暗黒卿ダース・シディアスでもあるパルパティーンが、陰謀によってジェダイを抹殺。元老院で自ら帝政を宣言して建国した(『スター・ウォーズ エピソード3/シスの復讐』)。銀河系全体を支配下に置く巨大な全体主義国家で、成立後まもなくして、皇帝自ら「力と恐怖」による独裁政治を宣言し、反対勢力を容赦なく弾圧した。やがてこれに反発し、銀河共和国再興を掲げて立ち上がった反乱同盟軍と激しい戦いを繰り広げる[1]。また、パルパティーンによる帝国元老院(銀河元老院から改称)の解散後は、各星系に総督を派遣し、強権的な武断政治を行なっている。

エンドアの戦い(『スター・ウォーズ エピソード6/ジェダイの帰還』)の最中に、弟子のダース・ベイダーの裏切りでパルパティーンは落命し、帝国は建国後わずか23年で瓦解した。

軍政面では『エピソード5 帝国の逆襲』で、わずかな作戦ミスでも司令官が処刑されるシーンがあり、一般市民のみならず軍人たちもまた恐怖政治で締め付けられていたことが分かる。また軍人はほとんどが人間である。これは銀河帝国が人間以外のエイリアン種族を差別し、多くの種族を厳しい監視下に置いて、一部の種族については公然と弾圧や奴隷化を推し進めているためである。

変革[編集]

帝国の成立[編集]

全ての始まりは通商連合によるナブー侵攻から始まる。ナブー選出の元老院議員パルパティーンは、この時亡命してきたナブーの女王、パドメ・アミダラをそそのかして、当時のフィニーズ・ヴァローラム最高議長に対する不信任案を提出させ、その後の選挙では同情票を集めて自らが新議長に就任する。しかし彼の正体はシスの暗黒卿であり、裏で通商連合を操ってナブーを侵略させたのも彼の仕業だった。

最高権力者の座に上り詰めた彼は、次なる陰謀に着手する。元ジェダイ・マスターであったドゥークー伯爵を暗黒面に転向させ、続けて独立星系連合(CIS)を組織させて、通商連合、コマース・ギルド企業同盟テクノ・ユニオンインターギャラクティック銀行グループなど、主にエイリアン種を中心とする有力な営利企業や国家勢力を取り込んで、共和国に対する敵対行為を始めさせる。

また、同じくドゥークーに命じて、惑星カミーノにて、かつてドゥークーの親友であった、亡きジェダイ・マスター・サイフォ=ディアスの名でクローン軍を発注させる。オビ=ワン・ケノービと弟子のアナキン・スカイウォーカーが、CISの結成を嗅ぎ付けると同時に、クローン軍の存在を内外に公表して、CISを抑止しようとする。クローン大戦の勃発である。

戦争は三年間、銀河系各地で繰り広げられたが、これは所詮、ダース・シディアスの仕組んだ出来レースであり、全ての真実を知るドゥークー伯爵をアナキン・スカイウォーカーに始末させた後、これをダース・ベイダーとして自らの弟子とし、多くのジェダイたちを粛清させた。これは表向き、ジェダイによる共和国転覆の阻止と言うもっともな理由で正当化され、これら残党の制圧と、戦争状態からの復興、分裂状態の銀河系の再統合を目的として、パルパティーンは銀河帝国を成立させた。

皇帝亡き後の帝国[編集]

エンドアの戦いにおいて皇帝を失った帝国だが、反乱同盟軍改め新共和国との戦争はその後1年にもおよび続いた。 その間内部分裂により帝国は大幅に弱体化し、惑星ジャクーにおいて大敗。やがて新共和国との間に、終戦協定「銀河協定」を締結することとなる。 これにより、表面上は新共和国と帝国との平和共存体制が完成した。

ファースト・オーダー[編集]

帝国の主戦派は銀河協定による終戦をよしとせず、多くの物資、人員と共に銀河未知領域へと逃げ延びた。 彼らはそこに「ファースト・オーダー」を結成し、大規模な軍国化に成功することとなる。

最上位には最高指導者スノークと名乗る人物が君臨しており、『フォースの覚醒』の小説版ではファースト・オーダーの設立にも関わっている事を示唆する発言をしているが、その詳細については明らかになっていない。

成立の要因[編集]

たいした抵抗もなくパルパティーンが帝国を成立させることができたのは、次のような理由による。

政治・経済の衰退[編集]

まず、共和国はクローン大戦が始まる以前から、政治、経済の両面において急速に衰退していた。

政治面では、元老院は議員による収賄が横行し、自身や自身の出身惑星の利益を優先。また、硬直化した官僚機構の弊害で、個々の惑星まで統括し切れておらず、大いに不満が高まっていた。

共和国の衰退を表す顕著な例として、惑星タトゥイーンでは、共和国の通貨である共和国クレジットが通用せず、共和国の法律で禁止されているはずの奴隷制度もまかり通っていたということが挙げられる[2]。人々は共和国に対して、これらの問題改善を期待していたと思われるが、官僚や元老院議員たちの派閥等の様々な利害が複雑に絡み合い、統治能力の落ちた共和国にとっては最早不可能なことであった。

そのような長年の鬱屈した不満の爆発がクローン大戦であり、これによって、当時の銀河はハイパースペース航行が始まって以来の深刻な混乱状態となった。

戦争に伴う経済と交通の混乱、治安の悪化、交易の衰退などで、各惑星は次第に疲弊していった。

ジェダイへの不信[編集]

これに加えて、ジェダイの反乱が起きたということも、多くの人々を納得させるには十分であった。

当時のジェダイの人数は約1万人程度。コルサントを含んだ銀河の中央地域でもない限り、ジェダイを見ることなどはめったになく、多くの人々にとって、彼らは怪しい魔法使いと同じ程度にしか認識されていなかったし、彼等が使う神秘的な力フォースもトリックやインチキだと多くの人々は思っていた。また、当時のジェダイ騎士団が、多くの戒律などによって縛られ、組織が硬直化し、閉鎖的になっていた。

さらにクローン大戦中にはジェダイ聖堂を爆破して多くのジェダイや一般職員を殺害したバリス・オフィーや、クローン大戦が原因でダークサイドに魅了され共和国を裏切ったジェダイ・マスターであるポング・クレル等、戦争が原因で問題行動を起こすジェダイが多く現れており、人々のジェダイに対する不信感を一層助長させる事となった。

その上、クローン大戦の間ジェダイの騎士のほとんどはその驚異的な能力を生かし、新設された共和国軍の主力であるクローン・トルーパーを直接指揮する将軍として銀河各地に赴いており、誰を将軍として派遣するかは主にジェダイの評議会が決定していたため、その気になれば軍隊を指揮して共和国に対するクーデターを起こすことが可能なほどの軍事力を保持していた。実際、評議会の長であるメイス・ウィンドゥヨーダは、最高議長のすぐ近くにシスの存在があることが確定的となったためとはいえ、事態が打開されるまで議長を逮捕・追放して元老院を一時統治下に置こうと計画していた。

帝国の成立へ[編集]

堕落した元老院と官僚、行き詰まった経済、治安の悪化、戦争で荒廃した社会。こうした不満が積もりに積もり、市民にとって最早共和国は無用の存在となっていた。

ここでパルパティーンは、自身の始めた戦争を自ら終わらせ、銀河の秩序回復を約束する。人々はこのタイミングで出された、理想に満ちた銀河再編案を素直に受け入れた。それが、銀河帝国だったというわけである。

実際の地球の歴史上でも、アドルフ・ヒトラーナポレオン・ボナパルトなど、非常事態により民主政が機能不全に陥り、議会や民衆が合法的に進んで一人に独裁権力を与えてしまう例は見られる。監督のジョージ・ルーカス自身、パルパティーンによる権力掌握もそれらを基にしていると語っている。

統治機構[編集]

新秩序(New Order)
共和制の廃止と共に、武力による統治を宣言
君主
皇帝であるパルパティーンが国権を総攬
経済
クローン大戦終結後、ドゥークー伯爵の結成した独立星系連合幹部らを粛清。これらカルテルの資産を全面接収。通商連合等の企業団体は以後完全に国有化
立法
旧共和国の遺産である帝国元老院と元老院議員(議長は皇帝が兼任。後に永久解散)
行政
中央政府から派遣されたモフと呼ばれる総督による直接統治
軍隊
後述・Imperial Officer Ranks Matrix参照。

帝国の軍隊[編集]

帝国軍は、大別して地上軍と宇宙軍からなっている。両者は皇帝直属の司令部の下で活動していると思われるが、詳しい指揮系統は不明である。最盛期の宇宙軍は、インペリアル級スター・デストロイヤーを25,000隻保持していたといわれている。また、最盛期の地上軍も20億ものストームトルーパーを擁していた。

インペリアル級2隻で1個機動艦隊、インペリアル級6隻と、その他の巡洋艦、フリゲート艦などでセクター艦隊を編成し、セクター艦隊4個で宙界艦隊を編成したといわれている。もちろん、銀河系全域にまでこのような完全編成の艦隊を配備することはできなかったようで、ほとんどの帝国艦隊は銀河系中心部に配備されていたといわれている。

地上軍について、その具体的な編成は明らかではないが、1個師団は9,700人、1個大隊は820人のストームトルーパーで編成されている。

基本的に帝国軍は旧共和国軍の延長線上にあり、その初期においては、共和国軍で運用されていたヴェネター級スター・デストロイヤー、V-WINGファイターなどを継承していた。インペリアル級はヴェネター級、ヴィクトリー級からの発展型であり、TIEファイターはV-WINGファイターから発展したものである。

TIEファイター等の小型戦闘機、極端に大型化した宇宙戦艦スター・デストロイヤーシリーズ、惑星を一撃で破壊する超兵器デス・スター等の宇宙戦力と、巨大な四足歩行兵器AT-AT、二足歩行の偵察用のAT-ST、全銀河の善良な市民たちの恐怖の的であるストームトルーパー等の地上戦力からなる。

スター・ウォーズ登場兵器一覧も参照。

主要人物[編集]

非正史(レジェンズ)[編集]

エピソード7以降に繋がる正史(カノン)とは異なる非正史(レジェンズ)でのエピソード6以後を描いたスピンオフでは、有力な提督たちによって割拠した「帝国」も、反乱同盟軍やその後身である新共和国軍によって各個殲滅され、パルパティーンの死後数年で最盛期の四分の一にまで領土を縮小させてしまう。しかし未知領域から帰還したスローン大提督や、クローン体で復活したパルパティーンなどの暗躍により、一時は旧領の三分の二までを奪還したものの、その後指導者の暗殺や幹部の内紛などに加えて、新共和国の反撃により瓦解し、わずかな領域にまで追い詰められる。もはや勢力挽回は不可能であるとの見方から、抗戦か講和かで国論は一旦分裂しかかったものの、最終的にはギラッド・ペレオン帝国艦隊最高司令官と新共和国との和平協定により長きにわたる戦いはついに終わりを告げ、ここに銀河内乱は完全に終結。以後帝国政府は、惑星バスティオンを首都とするインペリアル・レムナントやその後継政府であるフェル帝国として存続する事となった。

注釈[編集]

  1. ^ ただし、実態はともかくとして、銀河帝国は法律上は銀河共和国からの平和的な再編であり、共和国を引き継いだ法的な正当性を有している銀河の正統な政府である。
  2. ^ アナキンシミのスカイウォーカー母子も、ワトーの所有する奴隷であった。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]