海底少年マリン
『海底少年マリン』(かいていしょうねんマリン、Marine Boy)は、1969年1月13日から同年9月22日、同年10月13日から1970年7月27日までフジテレビ系列局で放送されていたテレビアニメである。本項では前身の作品『ドルフィン王子』および『がんばれ!マリンキッド』についても記述するが、特に注釈のない限り『海底少年マリン』のデータとする。
目次
概要[編集]
『ドルフィン王子』は1965年4月4日から同年4月18日までフジテレビ系列局で放送された。虫プロの『ジャングル大帝』に先駆けること半年前に全3話が試験的にカラーで制作・放送され、日本初の本格的な30分カラーテレビアニメとされている[1]。
これを原案として、本格的な連続作品『がんばれ!マリンキッド』が1966年10月6日から同年 12月29日までTBS系列局でカラー放送された。全13話だが、編集担当の中島順三によると実際には26話あり、残り1クール分は日本で売れなかったとのことである。絵コンテをアメリカに送ると英語のテープが送られてくるので、そのテープの長さに合わせて作画するといった方法で作られた[2]。売れなかった分の所在は不明。スポンサーは松下電器産業(現・パナソニック)1社。
『海底少年マリン』は、『がんばれ!マリンキッド』全13話に新作65話を追加する形で放送されたが、その際に『マリンキッド』としての制作分は主題歌や音声を修正するなど、一部編集を加えた上で「マリン」に改題されている。1969年1月13日から同年9月22日までフジテレビ系で月曜18:00枠で36話[3]まで放送後[4]、月曜午前7:15枠に枠移動し1969年10月13日[5]から1970年7月27日[6]まで放送され全78話放送した[注釈 1]。
内容[編集]
マリンが悪者から海を守るというストーリー。7つの海の守りを1人で引き受けている。海中に潜る前に「オキシガム」というガムを噛む。このガムで酸素が補給されるという設定。ハイドロジェットというものを水中の移動に使用。これは、足からジェット噴射が出て水中を推進できるというものである。ブーメランを武器として使用する。以上の内容のほとんどは主題歌の一番で歌われている。
キャスト[編集]
- マリン(『ドルフィン王子』ではドルフィン王子、『がんばれ!マリンキッド』ではマリンキッド)
- 声 - 小原乃梨子
- ネプティーナ(『ドルフィン王子』ではネプチューナ)
- 声 - 松尾佳子
- ホワイティ(『ドルフィン王子』ではシロ)
- 声 - 野沢雅子
- ガラリン
- 声 - 野沢那智
- ブルトン
- 声 - 神山卓三
- アッケラン博士
- 声 - 熊倉一雄
- 指令
- 声 - 大塚周夫
- マリーナ博士
- 声 - 納谷悟朗
スタッフ[編集]
ドルフィン王子[編集]
- 原案 - 岡部一彦、北川幸比古、杉山卓
- 脚本 - 北川幸比古
- 演出 - 杉山卓
- 作画 - 杉山卓、松本元宏、真島文祐、青木たかし
- 美術 - 伊藤主計
- 背景 - 伊藤攻洋
- 撮影 - 辻友一、坂東昭雄、弘野正之
- 製作 - テレビ動画
がんばれ!マリンキッド/海底少年マリン[編集]
- 企画・制作 - テレビ動画(「マリン」番組クレジット上での表記は「フジテレビエンタプライズ」)
- 製作 - 足立実
- 原作 - 杉山卓[7]
- 制作デスク - 児玉征太郎
- 制作担当 - 足立実、八百板努
- 脚本 - 辻真先、松本守正、安藤豊弘、吉岡道夫、草川隆、豊田有恒[8]、大矢敏行[9]
- 演出 - 小山内治夫、遠藤政治、富野喜幸、石黒昇[10]、大矢敏行[9]
- 作画 - 杉浦謙一、青木たかし、北原健雄、平野仁、大竹由次、近藤大理[11]、石黒昇[10]、村田耕一[12]
- 美術 - 伊藤主計
- 背景 - 伊藤攻洋、城戸求、森優、富田明、海老沢一男
- 編集 - 中島順三
- 撮影 - 辻友一、藤田紘一、坂東昭雄、弘野正之、加藤昭治
- 音楽 - 塚原晢夫
- 音響監督 - 江間敏郎
- 録音担当 - 小杉清
- 吹替台本 - 山内弘、平尾ゆりか
- 吹替制作担当 - 横田邦男
主題歌[編集]
がんばれ!マリンキッド[編集]
- オープニングテーマ1 「マリン・キッドの歌」
- 歌 - ボニージャックス、ヴォーチェ・アンジェリカ / 作詞 - 横井弘 / 作曲 - 広瀬健次郎
- オープニングテーマ2 「がんばれ!マリンキッド」
- 歌 - トニーズ / 作詞 - 白鳥朝詠 / 作曲 - 塚原晢夫
海底少年マリン[編集]
- オープニングテーマ「ゴーゴーマリン」
- 歌 - 小原乃梨子、若草児童合唱団 / 作詞 - 白鳥朝詠 / 作曲 - 広瀬健次郎
- エンディングテーマ「ぼくホワイティ」
- 歌 - 若草児童合唱団 / 作詞 - 白鳥朝詠 / 作曲 - 広瀬健次郎
作品リスト[編集]
ドルフィン王子[編集]
- 赤い渦の秘密
- 海からの呼び声
- 海星人の襲来
がんばれ!マリンキッド[編集]
放送された話すべてが後に『海底少年マリン』においても放送されている。
- 怪獣ゴンドラス
- バチスカーフ危機一髪
- さまよえる幽霊船
- 海の忍者
- 緑の恐怖
- 海底グランプリレース
- 黒い潜水艦
- 五本の魔手
- 海の魔王
- のろいのヤック
- のこぎり鮫の襲撃
- 深海のギャング団
- 恐怖の海底遊園地
海底少年マリン[編集]
- 海の忍者
- 50億のダイヤ
- 深海の気狂い博士[注釈 2]
- 太平洋占領作戦
- おしゃべりホワイティ
- 深海の獅子
- 海へび海峡
- 海底の魔術師
- 大盗賊
- 鮫男爵
- 消えたスワン号
- 太平洋王国
- 太平洋ギャング同盟
- 追跡せよホワイティ
- 千里眼のインスピー
- 魔のデインジャー海峡
- 海底大サーカス団
- がんばれポンコツ
- 海の毒ぐも
- 海底灯台応答なし
- 恐怖の海底遊園地
- 海賊ゴールドタイガー
- のろいのヤック
- 恐怖の水中ショー
- のこぎり鮫の襲撃
- クリクリトリオ突撃
- ロケットを奪還せよ
- ガメランの海竜
- 海底列車強盗
- ハロークリクリ
- 謎の氷山
- 設計図を捜せ
- 盗まれた楽園
- 海底要塞
- ロボット強奪計画
- 霧の中の罠
- 二人の漂流者
- イルカ海軍
- 宝島発見
- 不思議な誘導音波
- 海のやんちゃ坊主
- ねらわれた海底牧場
- ゴーストタウンの決闘
- 見えない敵
- 海の錬金術
- 24時間の闘い
- ロボット海峡
- ふたごの悪魔[注釈 3]
- 消えたフロッグメン
- 百万トンを撃て
- 真紅のジャングル
- 生きている海
- 俺は天下の海賊マッド
- 謎の水棲人
- 偉大なるZ
- 北海のヴァイキング
- 黄金の海藻
- 熱帯魚の秘密
- 巨鯨虹を吹く
- 秘密結社フラッシュ
- 太平洋の最後
- 巡洋艦死神号
- 眠れる一億年
- 大暴走
- 脱獄囚を追え
- 狂った閃光
- 氷の艦隊
- まぼろしの海
- 謎のパトロール艇
- 深海のギャング団
- 黒い潜水艦
- 怪獣ゴンドラス
- 緑の恐怖
- さまよえる幽霊船
- 五本の魔手
- バチスカーフ危機一髪
- 海底グランプリレース
- 海の魔王
放送局[編集]
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ドルフィン王子[編集]
がんばれ!マリンキッド[編集]
- TBS:木曜 19:00 - 19:30
- 北海道放送:木曜 19:00 - 19:30[15]
- 青森放送:木曜 19:00 - 19:30[15]
- 岩手放送:木曜 19:00 - 19:30[15]
- 秋田放送:木曜 19:00 - 19:30[15]
- 山形放送:木曜 19:00 - 19:30[15]
- 東北放送:木曜 19:00 - 19:30[15]
- 福島テレビ:木曜 19:00 - 19:30[15]
- 新潟放送:木曜 19:00 - 19:30[15]
海底少年マリン[編集]
- フジテレビ:月曜 18:00 - 18:30 → 月曜 7:15 - 7:45
- 青森放送:月曜 - 土曜 6:25 - 6:55[16]
- 秋田テレビ:金曜 18:00 - 18:30 [17]
- 東北放送:日曜 9:30 - 10:00[18]
- 福島テレビ:月曜 - 金曜 17:15 - 17:45[19]
- 石川テレビ:月曜 18:00 - 18:30[20]
- 関西テレビ:月曜 18:00 - 18:30[注釈 4]
- 岡山放送:月曜 18:00 - 18:30[注釈 5]
フィルムの現存・ビデオソフト化について[編集]
ビデオソフトは、1980年代初頭に株式会社ポニービデオ(現・ポニーキャニオン)から、第1話「海の忍者」、第13話「太平洋ギャング同盟」、第34話「海底要塞」を収録[22]した全3巻が主に業務用として発売されたのみで、全話を視聴するのは永らく困難であった。
2005年に全話を収録したDVD-BOXがi-cfから発売された。DVD収録の映像は、唯一現存が確認されている著しく退色・劣化した放送用ポジフィルムを元に補正を行ったのもので、本放送当時の色調は失われている。近年のCS等での再放送も、このDVDと同じ素材を基にして放送している。
海外には輸出された複製ネガフィルムが現存しているようで、近年でも鮮明な発色の放送が行われている。2013年、北米でDVD-BOXが発売された[23]。
前身の作品『ドルフィン王子』および『がんばれ!マリンキッド』については現在までに一切ビデオソフト化されたことがなく、制作元のテレビ動画が既に解散していることもあってフィルムの所在も不明となっている。
その他[編集]
- アメリカやイギリスなどへは「Marine Boy」のタイトルで輸出された。
- 1970年代には業務用に16mmフィルムが販売され、現在でも図書館等で所蔵・貸出されていることがある。
- 2006年にはニューギンからパチンコ「CR 海底少年マリン」がリリースされた。
- 2012年現在、著作権は株式会社シネマパラダイスが保有している。
- 杉山卓の著書『青春アニメ・グラフィティ テレビ編』(1981年8月15日 / 集英社)に「ドルフィン王子」についての記述などが見られる。
脚注[編集]
注釈[編集]
出典[編集]
- ^ リスト制作委員会編「ANIMEはじめてコラム24 日本初のカラーTVアニメ」『アニメポケットデータ2000』徳間書店、2000年、p58
- ^ 『熱風』2013年7月号p47
- ^ ファイル:1969年9月22日付の新聞.jpg
- ^ 1969年7月21日はアポロ11号特別番組「ちびっこ月世界作戦」のため休止
- ^ ファイル:1969年10月13日付の新聞.jpg
- ^ File:1970年7月27日付の新聞.jpg
- ^ 『まんだらけZENBU NO.47 杉山卓インタビュー』まんだらけ出版部、2010年。
- ^ “想い出のアニメライブラリー 第53集 海底少年マリン HDリマスター DVD-BOX BOX1”. TCエンタテインメント株式会社. 2019年4月13日閲覧。
- ^ a b 『アニメ&コミックのための絵コンテ作法』代々木アニメーション学院・出版局、1998年。
- ^ a b 『まんだらけZENBU NO.14 石黒昇インタビュー』まんだらけ出版部、2002年。
- ^ “プロフィール”. 近藤大理. 2019年3月30日閲覧。
- ^ 『まんだらけZENBU NO.32 村田耕一インタビュー』まんだらけ出版部、2006年。
- ^ 『福島民報』1965年4月4日付朝刊、テレビ欄。
- ^ 『福島民報』1965年6月24日 - 6月26日付朝刊、テレビ欄。
- ^ a b c d e f g h 『河北新報』1966年10月6日 - 10月27日付朝刊、テレビ欄。
- ^ 『河北新報』1972年2月3日 - 4月1日付朝刊テレビ欄。
- ^ 『河北新報』1971年9月3日 - 1972年10月27日付朝刊テレビ欄。
- ^ 『福島民報』1970年11月8日 - 1971年4月25日付朝刊、テレビ欄。
- ^ 『福島民報』1970年10月14日 - 1971年2月5日付朝刊、テレビ欄。
- ^ 『北國新聞』1970年2月2日付朝刊テレビ欄より。
- ^ サンケイ新聞近畿D版テレビ欄
- ^ 「ビデオコレクション1982」1981年、東京ニュース通信社、「週刊TVガイド」臨時増刊12月2日号
- ^ Amazon_com Marine Boy The Complete First Season Marine Boy Movies & TV http://www.amazon.com/Marine-Boy-Complete-First-Season/dp/B00DJYK0OK
フジテレビ系列 日曜19:30枠 | ||
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(1965年1月10日 - 1965年3月28日) |
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(1965年4月4日 - 1965年4月18日) |
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がんばれ!マリンキッド
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(1968年4月8日 - 1969年1月6日) |
海底少年マリン
(1969年1月13日 - 1969年9月22日) |
こどもマンガ劇場(月曜)
(1969年10月 - 1975年9月) |
フジテレビ 月曜7:15枠 | ||
新ジャングル大帝 進めレオ! 再放送
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海底少年マリン
(1969年10月13日 - 1970年7月27日) |
マッハGoGoGo 再放送
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日本テレビ 平日17:00枠 | ||
光速エスパー 再放送
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海底少年マリン 再放送
(1971年5月11日 - 1971年9月2日) |
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