桜島フェリー

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ナビゲーションに移動 検索に移動
桜島フェリーのマーク
鹿児島港(2010年7月21日)
桜島港(2019年4月28日)

桜島フェリー(さくらじまフェリー)は、鹿児島県鹿児島市本港新町にある鹿児島港(桜島フェリーターミナル)と同市桜島横山町にある桜島港との間を結ぶ公営のフェリー

地方公営企業法の全部が適用される地方公営企業である鹿児島市船舶局が運営している[1]。かつては桜島町が運営していたが、2004年に桜島町が鹿児島市に編入されたのに伴い鹿児島市が運営することとなった。

事務所[編集]

概要[編集]

乗降人員推移
年度 一日平均乗降人員
2004 15,075
2005 14,675
2006 15,072

鹿児島市中心部にある桜島フェリーターミナルと、東側の対岸の桜島西端部にある桜島港を結ぶ航路で、国道224号の海上区間である。

1914年大正3年)、桜島の大噴火によって桜島住民は大きな被害を受け、災害復興や教育振興(通学)のために、鹿児島市街地と桜島とを結ぶ定期航路を望む声が上がった。このため、当時の西桜島村(のちの桜島町、現・鹿児島市)が1930年昭和5年)頃より準備を始めて、集落所有の船舶14隻を買い取り、そのうち大型の船舶を使用して1934年(昭和9年)11月19日より運航を開始した[2]。開通時の運賃は片道10銭-15銭であった。その後、次第に便数を増やし、現在では昼間最短10分間隔、夜間30分間隔、深夜60分間隔の24時間運航を行っており、約3.5kmの距離を約15分で結んでいる。

2004年において年間延べ550万人の乗客と164万台の車両を航送している。桜島の人口規模の割にこれだけの利用があるのは、桜島のみならず、鹿児島市中心部と大隅半島中央部・南部との間を行き来する際に陸路に比べ大幅に移動距離が短く、時間を節約できるため。

桜島の噴火災害に備えて、桜島の各所にはフェリーが着岸できる場所が設けられており、災害発生時に住民の避難に利用できるよう準備が整えられている。また、桜島以外においても、平成5年8月豪雨の際は鹿児島市吉野町の竜ヶ水地区に孤立した住民などの救助に参加した。災害発生当時、竜ヶ水地区にはフェリーが着岸できる場所がなかったため、地元の小型漁船の協力を必要とした。

夏季は納涼観光船も運航する。また、貸し切りも可能。洋上結婚式が行われたこともある。2011年3月10日からは「よりみちクルーズ」が鹿児島→桜島間に1本運航されている。「よりみちクルーズ」は通常の航路より南に迂回し、神瀬・大正溶岩原沖の近くを通り桜島に向かう。

やぶ金のうどんと桜島(左奥)
桜島フェリーから見た桜島(2018年5月)

船内には「やぶ金」といううどん屋があり、短時間で食べきらなければならない悪条件ながら、1981年の開店以来多くの利用者から親しまれている。2011年2月には、「いすに座ってゆっくりと食べたい」との声を受けて、九州新幹線全線開業直前というタイミングで鹿児島中央駅前に出店した[3]。なお「やぶ金」で売られているかけうどんは「薩摩揚げ」入りうどんである。

年表[編集]

桜島港旧フェリーターミナル(2018年5月4日)
桜島港新フェリーターミナル(2018年5月4日)
  • 1930年8月 - 昭和丸(定員70名)進水。
  • 1934年11月19日 - 運航を開始。
  • 1939年10月 - 村営バスとの連絡を開始。
  • 1941年 - 桜島丸(貨物自動車3台積載可能)進水[2]
  • 1944年7月1日 - 岸壁の整備が完成し自動車の航送を開始[2]
  • 1951年10月 - ルース台風により2隻が被災。
  • 1960年8月 - 桜島フェリー初の鋼船である第六桜島丸が竣工[2]
  • 1962年12月から1970年3月まで水中翼船を運航していた。
  • 1969年10月 - 桜島港フェリーターミナルが完成(2018年3月まで使用)[4][5]
  • 1974年 - 10分間隔の運航を開始。
  • 1976年4月1日 - 地方公営企業法の全部を適用する[6]
  • 1978年7月 - 観光遊覧船(納涼船)の運航を開始[2]
  • 1984年4月 - 24時間運航を開始[2]
  • 1993年8月6日 - 平成5年8月豪雨により竜ヶ水地区周辺で孤立した被災者の救助活動に参加[2]。。
  • 2004年8月21日 - 長渕剛桜島コンサートの観客輸送のため普段より増便し、午前7時から夜8時までピストン運航を行った。朝6時から夜8時40分の間に鹿児島港から桜島へ渡る乗客は4万9千人にのぼり、ピーク時には待ち時間が1時間以上にもなった。多くの乗客を運送するため、便によっては車両の航送を中止し、車両甲板にも乗客を収容して運んだ[7]
  • 2004年11月1日 - 桜島町が鹿児島市に編入合併したため、桜島町営から鹿児島市船舶部に移管。
  • 2007年4月1日 - ICカード式の鹿児島共通乗車カードRapiCa」の利用が可能になった。
  • 2008年6月1日 - いわさきグループいわさきICカード、鹿児島市発行の敬老パス[注 1]SUNQパス(全九州+下関版)の利用が可能になった。
  • 2011年
    • 3月10日 - 「よりみちクルーズ」の運航開始。
    • 4月1日 - 鹿児島市船舶部が鹿児島市船舶局に改組。
  • 2013年9月 - 「錦江湾魅力再発見クルーズ」の運航開始[2]
  • 2018年
    • 3月19日 - 桜島港の新フェリーターミナル(鉄筋コンクリート造4階建)の運用を開始。総事業費は約13億4,000万円。旧フェリーターミナルは午前0時出航の便をもって運用を終了した[8][5]
    • 4月1日 - SUNQパス(南部九州版)が新たに発売され、従来の全九州版とともに利用が可能となる。
    • 9月25日 - 各種電子マネー・クレジットカードでの運賃支払いが可能となる。

乗車カード[編集]

鹿児島地区の市電・バス用乗車カード(RapiCaいわさきICカード)、交通系電子マネー(SUGOCAKitacaPASMOSuicamanacaTOICAICOCAnimocaはやかけん[注 2]nanacoWAON楽天EdyQUICPayの利用が可能。ただし、フェリー内でのICカード/電子マネーのチャージは出来ない[9]

就航フェリー[編集]

  • 第十五櫻島丸 - 1995年1月竣工、1,134トン、全長56.1m、愛称: チェリークイーン。
  • 第十六櫻島丸 - 1999年1月竣工、997トン、全長54.2m、愛称: ドルフィンライナー。
  • 第十八櫻島丸 - 2003年2月竣工、1,279トン、全長56.1m、愛称: プリンセスマリン、バリアフリー仕様。
  • 桜島丸 - 2011年2月竣工、1,330トン、全長57.1m、愛称:サクラエンジェル、バリアフリー仕様、電気推進船
  • 第二桜島丸 - 2015年3月竣工、1,404トン、全長59m、愛称:サクラフェアリー、バリアフリー仕様、電気推進船[10]

なお、一部の就航船は全面禁煙となっている。

かつての就航フェリー[編集]

  • 櫻島丸 - 1941年5月竣工、113.11トン、全長25.00m。
  • 第三櫻島丸 - 1951年5月竣工、74.34トン、全長20.78m。
  • 第五櫻島丸 - 1953年9月竣工、234.65トン、全長29.95m。
  • 第六櫻島丸 - 1960年9月竣工、495.60トン、全長48.83m。
  • 第二櫻島丸 - 1963年3月竣工、438.38トン、全長45.73m。
  • 第八櫻島丸 - 1964年10月竣工、491.99トン、全長48.60m。
  • 第五櫻島丸 - 1967年11月竣工、468.29トン、全長43.00m。
  • 第三櫻島丸 - 1969年9月竣工、485.44トン、全長43.03m。
  • 第十櫻島丸 - 1972年10月竣工、588.05トン、全長50.01m。
  • 第六櫻島丸 - 1977年2月竣工、582.18トン、全長47.02m。
  • 第八櫻島丸 - 1979年12月竣工、647.39トン、全長47.03m[11]
  • 第五櫻島丸 - 1990年3月竣工、600トン、全長53m。2015年3月まで運航[12]
  • 第十三櫻島丸 - 1992年2月竣工、731トン、全長53m。2017年3月まで運航[10]

アクセス[編集]

鹿児島港(桜島桟橋)[編集]

鹿児島中央駅[編集]

  • 東4のりば カゴシマシティビュー・まち巡りバス かごしま水族館前下車 徒歩1分
  • 東5のりば [16][25]水族館前・[25]ドルフィンポート・[24]北埠頭・[160]高速船ターミナル行 水族館前下車 徒歩1分
  • 鹿児島市電 鹿児島駅前行 水族館口下車 徒歩5分
  • 車で約15分(4km)[13]

鹿児島駅[編集]

鹿児島空港[編集]

  • 2番のりば 鹿児島市内行 空港連絡バス 金生町下車 徒歩15分[13]

桜島港[編集]

桜島港からは、路線バス(鹿児島市営・三州自動車)と周遊バス(市営)が運行している。

一般路線バス

方面 番号 行先 運行
桜島支所・温泉センター [60] 東白浜 市営
塩屋ヶ元
旬彩館・桜島病院

古里温泉・桜島口

[60] 桜島苑
福祉センター
桜島病院
桜島口・垂水港 三州

サクラジマアイランドビュー(周遊バス)

  • 桜島港→ビジターセンター→烏島展望所→湯之平展望所→桜島港

脚注[編集]

[ヘルプ]

注釈[編集]

  1. ^ 敬老パス利用の場合、読み取り機にカードをかざすと積み増し金額から自動的に自己負担分の50円が差し引かれる仕組みになっている。
  2. ^ 電子マネーの相互利用に対応していないPiTaPaを除く交通系ICカード全国相互利用サービス対応カード。

出典[編集]

  1. ^ 鹿児島市船舶事業の設置等に関する条例
  2. ^ a b c d e f g h かごしま市民のひろば 2015年(平成27年3月号)574号」、鹿児島市、2015年2月。
  3. ^ “桜島フェリー「名物うどん」鹿児島中央駅前にオープン”. 読売新聞. (2011年3月10日). オリジナルの2011年3月15日時点によるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20110315231236/http://www.yomiuri.co.jp/gourmet/news/cooking/20110309-OYT8T00843.htm 
  4. ^ 梅下陽一「桜島港フェリーターミナル あす新たな船出 営業49年で移転 利便性向上に期待」『南日本新聞』2018年3月18日25面。
  5. ^ a b 島崎周 (2018年3月24日). “鹿児島)新しい桜島フェリーターミナル完成”. 朝日新聞. https://www.asahi.com/articles/ASL3R3W2SL3RTLTB00K.html 
  6. ^ 地方公営企業年鑑(総務省)
  7. ^ 南日本新聞』 - 2004年8月16日、22日、23日、24日
  8. ^ 梅下陽一・勝目博之「桜島港フェリーターミナル運用開始 半世紀ぶり建て替え」『南日本新聞』2018年3月20日19面。
  9. ^ 桜島フェリーでクレジットカード・電子マネーが使えるようになります。 (PDF)”. 桜島フェリー. 2019年4月25日閲覧。
  10. ^ a b 各フェリー紹介”. 桜島フェリー. 2019年4月25日閲覧。
  11. ^ 桜島フェリー80周年記念誌』(PDF)鹿児島市船舶局、2014年。
  12. ^ 各フェリー紹介”. 桜島フェリー. 2016年4月4日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年4月25日閲覧。
  13. ^ a b c のりば・アクセスの概要 桜島フェリー

参考文献[編集]

  • 桜島町郷土誌編さん委員会編 『桜島町郷土誌』 横山金盛(桜島町長)、1988年

外部リンク[編集]