峠 (小説)

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ジャンル 歴史小説時代小説歴史映画
小説:峠
著者 司馬遼太郎
出版社 新潮社
発行日 1968年
発売日 1968年
巻数 全2巻
映画:峠 最後のサムライ
原作 司馬遼太郎『峠』
監督 小泉堯史
脚本 小泉堯史
封切日 日本の旗 2022年6月17日
上映時間 114分
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プロジェクト プロジェクト:映画
ポータル 文学映画

』(とうげ)は、司馬遼太郎の長編時代小説。及びその映像化作品。

概要[編集]

作者 司馬遼太郎
日本の旗 日本
言語 日本語
ジャンル 歴史小説
発表形態 新聞連載
初出情報
初出 毎日新聞
初出時の題名
出版元 毎日新聞社
刊本情報
刊行
出版元 新潮社
出版年月日 1968年10月
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1966年昭和41年)11月から1968年(昭和43年)5月まで『毎日新聞』に連載され、1968年10月に新潮社で刊行。

それまでほとんど無名に近かった幕末から戊辰戦争時の越後長岡藩家老・河井継之助の名を、一躍世間に広めることとなった歴史小説である。近代的合理主義を持ち、時代を見据える先見性と実行性を有しながらも、「藩」や「武士」という束縛から自己を解放するまでには至らず、最後には武士として、長岡藩の家臣として、新政府軍に対抗する道を選んだ英雄の悲劇を描く。

『峠』の連載に先立って1964年(昭和39年)1月には「別冊文藝春秋」に河井を主人公にした短編小説「英雄児」を発表している。また、同時期の類似テーマを扱った作品として、同年翌2月には「小説新潮」に大村益次郎を主人公にした短編「鬼謀の人」が発表されており、後に長編小説『花神』として連載されている。

1977年大河ドラマ花神』の原作のひとつ。

2022年には『峠 最後のサムライ』のタイトルで映画版が公開された[1]

あらすじ[編集]

登場人物[編集]

書誌情報[編集]

  • 新潮社 上・下、1968年
  • 新潮社 愛蔵版 全1巻、1993年
  • 新潮文庫 上・下、1975年、改版1997年
  • 新潮文庫 新装版(上中下)、2003年
  • 「全集 19・20」文藝春秋、1972年

作品発表以降の影響[編集]

歴史と創作[編集]

『峠』は歴史小説であり、記述の中には創作も含まれる。ところが本作が「河井継之助といえば『峠』」というほどの大ベストセラーになったため、以後に書かれた河井継之助に関する書籍の中にはそうした『峠』の創作部分を史実と誤って引用していたものが少なくない。

  • 冒頭で河井の人物像が語られる冬の峠越え
  • 河井と福澤諭吉との関係
    • 創作:思想面で共鳴する親密な関係があった。
    • 史実:実際に2人が会った記録はない。
  • 河井が持っていた越後長岡藩の将来像
    • 創作:一藩で武装中立国にする構想を持っていた。
    • 史実:その言動から、尊王でも佐幕でもない中立の一藩にしようとしていたであろうことは想像に難くないが、それを裏付ける史料はない。

その他[編集]

2009年度、航空自衛隊航空支援集団内での准曹士への下半期課題所感文のテーマとしても採用されている。

映画[編集]

峠 最後のサムライ
監督 小泉堯史
脚本 小泉堯史
原作 司馬遼太郎『峠』
製作 伊藤伴雄
関根真吾
製作総指揮 黒田康太
小助川典子
ナレーター 松たか子
出演者 役所広司
松たか子
香川京子
田中泯
東出昌大
芳根京子
坂東龍汰
榎木孝明
渡辺大
AKIRA
永山絢斗
佐々木蔵之介
井川比佐志
山本學
吉岡秀隆
仲代達矢
音楽 加古隆
主題歌 石川さゆり「何処へ」
撮影 上田正治
北澤弘之
編集 阿賀英登
制作会社 松竹撮影所
ディグ&フェローズ
製作会社 「峠 最後のサムライ」製作委員会
配給 松竹
アスミック・エース
公開 日本の旗 2022年6月17日
上映時間 114分
製作国 日本の旗 日本
言語 日本語
興行収入 5億1700万円[2]
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峠 最後のサムライ』(とうげ さいごのさむらい)のタイトルで映画化[1]。監督は小泉堯史、主演は役所広司

前述の通り、大河ドラマ『花神』にて、明治維新前後の日本を描いた司馬の原作5作品の1つだったことはあったが、本作品そのものを単独で映像化するのは今回が初となる。

当初は2020年9月25日に公開が予定されていたが[3]新型コロナウイルスの影響で2021年7月1日公開予定に延期となった[4]。しかし同年5月24日に再び延期が発表され[5]、計3回の延期を経て2022年6月17日に公開された[6]

キャスト[編集]

スタッフ[編集]

脚注[編集]

外部リンク[編集]