コンテンツにスキップ

堀川惠子

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
堀川恵子から転送)
ほりかわ けいこ

堀川 惠子
生誕 (1969-11-27) 1969年11月27日(54歳)
日本の旗 日本広島県
教育 広島大学総合科学部卒業
職業
代表経歴 ノンフィクション作家
受賞

〈 主な受賞歴 〉

  • 講談社ノンフィクション賞(2010)
  • 放送人グランプリ(2010)
  • 新潮ドキュメント賞(2011)
  • 放送ウーマン賞(2011)
  • 石橋湛山記念ジャーナリズム大賞(2013,2016)
  • 城山三郎賞(2014)
  • 大宅壮一ノンフィクション賞(2016)
  • 日本記者クラブ賞特別賞(2016)
  • 司馬遼太郎賞(2019)
  • 大佛次郎賞(2021)
テンプレートを表示

堀川 惠子(ほりかわ けいこ、1969年11月27日[1] - )は日本のジャーナリストドキュメンタリーディレクターノンフィクション作家

堀川 恵子[2][3]とも表記する。

来歴

[編集]

1992年広島大学総合科学部外国語コースを卒業し、同年広島テレビ放送報道部に初の女性記者として入社する。記者クラブ(県警、司法、県庁、経済、広島市役所)所属、報道部デスクを経て、2004年に退社した。退社の理由については、デスクになったことに加えて入社時に約束されたニューヨーク特派員が叶わなかったためと語っている[4]。また退社日の前日に社長賞を授与されたエピソードについて、日経新聞夕刊「プロムナード」に書いている[5]

退社後は東京に移り、NHKテレビ朝日日本テレビフジテレビテレビ東京のドキュメンタリー番組を制作しながらノンフィクション作品を発表した。2013年以降は執筆に専念している。ノンフィクション三賞(講談社ノンフィクション賞新潮ドキュメント賞大宅壮一ノンフィクション賞)すべてを異なる作品で受賞した現役の作家は2020年現在、堀川だけである。ノンフィクション作家だが、著書のうち『チンチン電車と女学生』や『戦禍に生きた演劇人たち』はミュージカル化[6]、舞台化[7][8]されている。

放送批評懇談会ギャラクシー賞報道活動部門審査委員、文部科学省芸術祭テレビ・ドキュメンタリー部門審査員、九州大学大学院法学府非常勤講師(刑事政策)。

2022年より読売新聞社・読書委員、広島大学特別招聘しょうへい教授[9]

人物

[編集]

テレビへの出演は固辞しているが、NHK BSプレミアム英雄たちの選択』には出演しており、著作をテーマとする取材は受けている[10]

ロングセラーとなった『教誨師』は、実在した人物の処刑シーンが描かれていることから大手映画会社や独立系プロダクションによる映画化を断っており、2018年に公開された同名の映画『教誨師』にも関与していない。[要出典]

審査員を務めた文部科学省芸術祭の審査では、文科省の担当者がNHKスペシャル『ある文民警察官の死〜カンボジアPKO23年目の告白』について「国からの賞なのに、国を批判するような番組を賞に選ぶのはいかがなものか」と審査員に圧力をかけた経緯を東京新聞の取材に対して実名で明らかにしている[11]

家族

[編集]

夫はNHKの元エグゼクティブ・プロデューサーの林新(1957 - 2017)。堀川がNHKで制作した番組はすべて林がチーフプロデューサーとして参画している[12]

2019年に司馬遼太郎賞を受賞した『狼の義 新 犬養木堂伝』[13]は、林の未完の遺稿を堀川が完成させたもので、この作品のみノンフィクションではなく、林が意図した小説形式で執筆されている[14]

制作番組

[編集]

広島テレビ時代

[編集]

※全てNNNドキュメント

  • 「島で死にたい ある老人ホームの破綻」(1997年 日本テレビ系列)
  • 「マツダ・再生への道 〜日米自動車野郎たち〜(2002年 日本テレビ系列)
  • 「 ニッポンの筆 世界に挑む」(2003年 日本テレビ系列)
  • 「チンチン電車と女学生 〜2003・夏・ヒロシマ〜」(2003年 日本テレビ系列)
  • 「千羽鶴はこうして集まった 〜放火事件から一年〜」(2004年 日本テレビ系列)

フリー転身後

[編集]
  • ハイビジョン特集「ヒロシマ・戦禍の恋文 〜女優・森下彰子の被爆」(2005年 NHK)
  • 日経スペシャル ガイアの夜明け「風雲!きのこ三国志 〜夢のキノコで覇権を握れ〜」(2005年 テレビ東京)
  • NNNドキュメント '06「おひとりさま物語 私がケッコンしない理由」(2006年 日本テレビ)
  • 日経スペシャル ガイアの夜明け「華麗なるブライダル戦争 〜 二極化時代の“幸せの選択”〜」(2006年 テレビ東京)
  • 田原総一朗スペシャル「 BC級戦犯124通の遺書」(2007年 テレビ朝日系列)
  • ハイビジョン特集「新藤兼人95歳 人生との格闘果てず」(2008年 NHK)
  • 課外授業 ようこそ先輩「君はウソをついていないか」〜96歳の映画監督・新藤兼人の教え〜(2008年 NHK)
  • ETV特集「死刑囚 永山則夫 〜獄中28年間の対話〜」(2009年 NHK)
  • ETV特集「『死刑裁判』の現場 〜ある検事と死刑囚の44年〜」(2010年 NHK)
  • ETV特集「死刑執行 法務大臣の苦悩」(2011年 NHK)
  • ETV特集「永山則夫100時間の告白 〜封印された精神鑑定の真実〜」(2012年 NHK)

著書

[編集]

単著

[編集]

共著

[編集]

受賞

[編集]

テレビ

[編集]

広島テレビ時代

[編集]
  • 2003年NNN年間賞(日本テレビ系ニュースネットワーク) - 「マツダ・再生への道 〜日米自動車野郎たち〜」
  • 平成15年度日本民間放送連盟賞・テレビ教養番組部門優秀賞、第40回ギャラクシー賞・テレビ部門選奨 - 「ニッポンの筆 世界に挑む」
  • 平成16年度日本民間放送連盟賞・テレビ教養番組部門最優秀賞、第30回放送文化基金賞・ドキュメンタリー番組賞 - 「チンチン電車と女学生 〜2003・夏・ヒロシマ〜」
  • 厚生労働省児童福祉文化財推薦 - 「千羽鶴はこうして集まった 〜放火事件から一年〜」

フリー転身後

[編集]
  • 第23回ATPテレビグランプリ・ドキュメンタリー部門優秀賞 - 「ヒロシマ戦禍の恋文 〜女優 森下彰子の被爆」(NHK)
  • 第47回ギャラクシー賞テレビ部門大賞、アメリカ国際ビデオフィルム祭・テレビドキュメンタリー部門銀賞 - 「死刑囚 永山則夫 〜獄中28年間の対話」(NHK)
  • 第13回石橋湛山記念早稲田ジャーナリズム大賞・文化貢献部門大賞、ギャラクシー賞テレビ部門選奨 - 「永山則夫100時間の告白 封印された精神鑑定の真実」(NHK)

この他、過去の制作実績に対して、第38回放送ウーマン賞(日本女性放送者懇談会)、第9回放送人グランプリ(放送人の会)など

出版

[編集]

この他、過去の実績に対して、第1回守屋賞(刑事司法及び少年司法に関する教育・学術研究推進センター)、2016年日本記者クラブ賞特別賞(日本記者クラブ)など

脚注

[編集]
  1. ^ 尾崎真理子・読売新聞文化部長に日本記者クラブ賞 特別賞はジャーナリストの堀川惠子氏に” (PDF). 日本記者クラブ. 2023年5月3日閲覧。
  2. ^ 出久根達郎 (2018年6月8日). “「永山則夫―封印された鑑定記録」書評 100時間のテープ、心の闇に迫る”. 好書好日. 朝日新聞社. 2023年5月3日閲覧。
  3. ^ 堀川恵子のプロフィール”. HMV&BOOKS online. ローソンエンタテインメント. 2023年5月3日閲覧。
  4. ^ 大鹿靖明『ジャーナリズムの現場から』講談社講談社現代新書 2276〉、2014年8月、319-320頁。ISBN 978-4-06-288276-7 
  5. ^ 2020年4月7日掲載
  6. ^ “劇団往来の音楽劇「チンチン電車と女学生」にmisono、上田堪大、塩月綾香”. ステージナタリー. (2017年10月4日). https://natalie.mu/stage/news/251371 2023年4月30日閲覧。 
  7. ^ 公演記録 チンチン電車と女学生-1945年8月6日・ヒロシマ-”. 関西芸術座. 2023年5月3日閲覧。
  8. ^ 第157回公演『獅子の見た夢―戦禍に生きた演劇人たち』”. 劇団東演. 2023年5月3日閲覧。
  9. ^ 「ピンチをチャンスに変える生き方」について堀川惠子氏が講演。第4回「世界に羽ばたく。教養の力」を実施しました。”. 広島大学. 2022年5月11日閲覧。
  10. ^ 日本放送協会. “英雄たちの選択 - NHK”. 英雄たちの選択 - NHK. 2021年5月19日閲覧。[リンク切れ]
  11. ^ 東京新聞2017年9月9日[要文献特定詳細情報]
  12. ^ 単行本『狼の義』ハードカバー表紙の裏面に掲載。
  13. ^ 司馬遼太郎賞 - 司馬遼太郎記念館(「これまでの受賞作品・受賞者」を参照)
  14. ^ 司馬遼太郎財団の第23回司馬賞選評に説明あり[要出典]

関連項目

[編集]

外部リンク

[編集]