ミスカトニック大学

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動先: 案内検索

ミスカトニック大学(ミスカトニックだいがく、Miskatonic University)は、ハワード・フィリップス・ラヴクラフトなどの作品に登場する架空の大学。クトゥルフ神話に関連した様々な作品に登場する事により、作品世界の相関を印象づけるモチーフの1つともなっている。

概要[編集]

ラブクラフトの小説『死体蘇生者ハーバート・ウェスト』で初登場した。設定では、アメリカ合衆国マサチューセッツ州アーカム1797年に創立された総合大学とされる。

モデルとなったのは、マサチューセッツ工科大学や、コロンビア大学などに並ぶアイビー・リーグの名門校であり、ラヴクラフトの故郷、ロードアイランド州プロビデンスにあるブラウン大学(1764年創立)と言われている。ラヴクラフト自身、十代の頃はブラウン大学への入学を熱望していたが、健康問題などでこの願いはついに叶うことはなかった[1]

大学の機構としては、学部(Department)として、考古学部、人類学部、歴史学部、動物学部、化学部、数学部、物理学部、政治経済学部、心理学部および医学部などの存在が言及されているが、これらは日本の大学で言えば学科(Division)に相当する教育単位と思われる。

実際に、コロンビア大学やブラウン大学でも、日本の学部に相当するのは、教養学校(College)、工科学校(School of Engineering)、総合研究校(School of General Studies)といった少数の区分のみであり、この下に非常に多岐に渡る学科(学部)が配置されている構造をとっている。

学部(Undergraduate school)の上に大学院(Graduate school)が設置されていることもラヴクラフトの作品中で言及されている(『狂気の山脈にて』など)。医学部(Medical school)は、一般に米国では大学院の扱いであり、作品中でもそのような前提で描写されている模様である。

ミスカトニック大学の図書館は、ブラウン大学のジョン・ヘイ図書館をモデルにしたものだと言われている。ただし、作品世界では、固有名称はなく「ミスカトニック大学付属図書館」と呼ばれている。図書館には、世界に数冊しかないネクロノミコンラテン語版ほか、稀覯書、魔道書が多く収蔵されているが、本は厳重に管理されており、簡単に閲覧することはできないとされている。

一部のオンラインショップではコレクターズアイテムとして、自分やハーバート・ウェストなど登場人物の名前を入れた卒業証明書を販売している[2]

関連人物[編集]

  • ハーバート・ウェスト - 医学部卒(死体蘇生者ハーバート・ウェスト)
  • アラン・ハルゼイ - 医学部長(死体蘇生者ハーバート・ウェスト)
  • ヘンリー・アーミテイジ - 図書館長(ダニッチの怪)
  • ウォーレン・ライス - 言語学教授(ダニッチの怪
  • フランシス・モーガン - 考古学教授(ダニッチの怪)
  • ウィリアム・ダイアー - 地質学教授。1930年の南極探検の責任者(狂気の山脈にて)。後のオーストラリア砂漠探検にも同行(時間からの影
  • ナサニエル・ウィンゲート・ピースリー - 政治経済学教授、後に心理学教授。1935年にオーストラリアの砂漠で「偉大なる種族」の遺跡を発掘(時間からの影
  • フランク・H・ピーバディ - 教授 - 工学科。ミスカトニック大学南極探検隊の4人の指導者のひとり。南極探検隊用の地質調査用ドリルを考案した。(『狂気の山脈にて』)
  • レイク - 教授(推定) - 生物学科。南極探検隊の4人の指導者のひとりであり、教授職と推定される。南極で損傷の無い古のものの個体を発掘してしまい、その犠牲となる。(『狂気の山脈にて』)
  • アトウッド - 教授(推定) - 物理学科。気象学者(meteorologist)でもある。南極探検隊の4人の指導者のひとりであり、教授職と推定される。レイク教授とともに古のものの犠牲となる。(『狂気の山脈にて』)
  • ダンフォース - 大学院生 - 南極探検隊員。有能なパイロットであり、ダイアー教授ととも航空機で巨石都市への着陸を敢行し、そこで恐怖の体験をする。このショックと「ネクロノミコン」を最後まで読み通していたことが災いして、精神に異常を来たす。(『狂気の山脈にて』)
  • アパム - 教授 - 数学科(推定)。ギルマンの指導教官と思われる。(『魔女の家の夢』)
  • エラリイ - 教授 - 化学科(推定)。ギルマンが異世界から持ち帰った古のものの小像の化学分析を実施。(『魔女の家の夢』)
  • ウォルター・ギルマン - 学生 - 数学科(推定)。『魔女の家の夢』の主人公。リーマン方程式など非常に専門的な科目を履修していることから、数学科と推定される。また、エルウッドとの関係から、この事件が起こったのは、ギルマンの学部生としての最終学年と推定される。
  • フランク・エルウッド - 学生 - 数学科(推定)。ギルマンの友人。ギルマンに微分方程式について教えを請うていることから、数学科の同学年と推定される。また、ギルマンの死のショックから休学したが、次の年に卒業していることから、ギルマンの死はエルウッドの学部生としての最終学年に起こったと推定される。(『魔女の家の夢』)
  • アルバート・N・ウィルマース - 英文学助教授でアマ民俗学者、「ユゴスよりもの」の暗躍に深入りする(闇にささやくもの)。ウィルマース・ファウンデーションの祖(地を穿つ魔
  • ラバン・シュリュズベリイ - 哲学教授で人類学者。一時教鞭をとっていた(永劫の探求
  • ネーデルマン - 人類学者。カナダの森林でウェンディゴ(イタカ)の怪異に遭遇(クトゥルフの呼び声 (TRPG)、性別選択可プレイヤー)
  • セネカ・ラファム - 人類学教授(スレッショルドのルーカ

登場作品[編集]

脚注[編集]

  1. ^ Ross Wells. 2002. EXploZion! iUniverse. p. 15
  2. ^ Miskatonic University Diplomas(2008年12月15日時点のアーカイブ

関連項目[編集]

外部リンク[編集]