ナイアーラトテップ

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ナイアーラトテップ

ナイアーラトテップ (Nyarlathotep) は、クトゥルフ神話などに登場する架空神性日本語では他にナイアーラソテップナイアルラトホテップニャルラトホテプニャルラトテップなどとも表記される。

概要[編集]

オーガスト・ダーレスの体系付けたクトゥルフ神話においては旧支配者の一柱にして、アザトースを筆頭とする旧支配者に使役される外なるメッセンジャーでありながら、旧支配者の最強のものと同等の力を有する土の精であり、人間はもとより他の旧支配者達をも冷笑し続けている。

がない故に千もの異なる顕現を持ち、特定の眷属を持たず、狂気混乱をもたらすために自ら暗躍する。彼が与える様々な魔術や秘法、機械などを受け取った人間は大概自滅している。天敵であり唯一恐れるものは火の精と位置づけられる旧支配者クトゥグアのみ。また、ノーデンスとも対立している。

旧支配者の中で唯一幽閉を免れている、他の旧支配者と違い自ら人間と接触するなど、クトゥルフ神話において特異な地位を占める神性であり、クトゥルフ神話におけるトリックスターとも言える。

アザトース息子と言われる。は大鹿の女神イホウンデー従姉妹[1]影の女悪魔と呼ばれる女神マイノグーラがいる。

配下にシャンタク鳥忌まわしき狩人が存在する[2]

また、ドリームランド地球の下級の神々を保護する一団「異形の神」の一柱として活躍する[3]

初出はハワード・フィリップス・ラヴクラフトの短編『ナイアルラトホテップ』。

神性[編集]

ナイアーラトテップの誕生には、ダーレスの作品とラヴクラフトでかなりの違いがある。ラヴクラフトがその作品や作家仲間への手紙の中で書いた内容は、以下の通り。

この宇宙の中心、正常な物理法則が通用しない混沌とした世界には、絶対的な力をもった存在アザトース(Azatoth)が存在し、その従者の吹き鳴らすフルートに合わせて絶えず不定形な巨体を蠢かしているとされる。アザトースはとてつもなく巨大で絶対の力をもった存在だが、盲目白痴なので、自らの分身として三つのものを生んだ。闇からシュブ=ニグラス、無名の霧からヨグ=ソトースそして使者たる這いよる混沌ナイアーラトテップである。ナイアーラトテップは、自らの主人であり創造主であるアザトースら異形の神々に仕え、知性をもたない主人の代行者としてその意思を具現化するべくあらゆる時空に出没する。

H・P・ラヴクラフト短編『未知なるカダスを夢に求めて』では、簡単にひねり潰せるはずのランドルフ・カーターを騙して自滅に追いやろうとするなど、ラヴクラフト神話ではトリックスター的な役割を当初から担わされており、このあたりはその後のクトゥルフ神話と変わらない。

また、『未知なるカダスを夢に求めて』においてカーターを陥れなかったさいにはカダスに戻り神々を罵っていた。

化身[編集]

無貌なるがゆえにナイアーラトテップは様々な化身をとる。の姿をとるときには、長身痩躯で漆黒の肌をした人物、エジプトから来た高貴なファラオのごとき預言者核兵器研究を推進する物理学者、星の知恵派教団神父(ナイ神父)、魔女を操る暗黒の男などの姿で現れ、人の世に混乱とをもたらす前触れとなる。サバトにしばしば現われる「黒い男」もまたナイアーラトテップの化身であるとされ、古代エジプトにおいて「暗黒のファラオ」と呼ばれた王、ネフレン=カはナイアーラトテップのためのあまりにも忌まわしい祭祀を行ったため、その名を歴史から抹殺された。一方で這い寄る混沌と呼ばれる姿は触腕鉤爪が自在に伸縮する無定形のの塊と咆哮する顔のない円錐形の頭部によって特徴付けられる。輝くトラペゾヘドロンから顕現した際には、黒いと三つに分かれた燃え上がるが闇に浮かびあがったという。

千の異なる顕現は同時に地球上に存在可能である。中には普通に人間として暮らしている者も少なくなく、そうした顕現の一人が何者かに殺され、その謎を追う別な顕現の一人称で展開する暗黒小説風の短編もある[4]

土地[編集]

ンガイの森(Wood of N'gai)
ウィスコンシン州の北部中央のリック湖周辺の深い森。
ナイアーラトテップが七太陽の世界から地球に降り立つ際の住処で、森の中央部には顔の無い無定形の生物(夜に吠ゆるもの)の似姿が刻み込まれた古い平石がある。
1940年クトゥグアの部下である炎の精によって焼き払われた。

別名一覧[編集]

  • 「這い寄る混沌 (Crawling Chaos)」
  • 「無貌の神 (The Faceless God)」
  • 「暗黒神」
  • 「闇に棲むもの (Dweller in Darkness)」
  • 「大いなる使者」
  • 「燃える三眼」
  • 「顔のない黒いスフィンクス」
  • 「強壮なる使者」
  • 「百万の愛でられしものの父」
  • 「夜(月)に吠ゆるもの (Howler in the Dark)」
  • 「盲目にして無貌のもの」
  • 「魔物の使者」
  • 「暗きもの (Dark One)」
  • 「ユゴスに奇異なるよろこびをもたらすもの」
  • 「古ぶるしきもの」
  • 「膨れ女 (Bloated Woman)」

など

ナイアーラトテップが主題の作品[編集]

クトゥルフ神話作品[編集]

  • ナイアルラトホテップ(ハワード・フィリップス・ラヴクラフト
  • 壁のなかの鼠(ラヴクラフト)
  • 尖塔の影(ロバート・ブロック
  • アーカム計画(ブロック)
  • 魔女の家の夢(ラヴクラフト)
  • 無貌の神(ブロック)
  • 暗黒のファラオの神殿(ブロック)
  • 闇に棲みつくもの(オーガスト・ダーレス)
  • 蠢く密林(デヴィッド・ドレイク)
  • 闇をさまようもの(ラヴクラフト)
  • 未知なるカダスを夢に求めて(ラヴクラフト)

その他の作品[編集]

関連事項[編集]

脚注・出典[編集]

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  1. ^ E・P・バーグランド『Wings in The Night』(「SHARDS OF DARKNESS」(ISBN 0965943364)所収。
  2. ^ ハワード・フィリップス・ラヴクラフトの『未知なるカダスを夢に求めて』
  3. ^ 「エンサイクロペディア・クトゥルフ」の異形の神の項より
  4. ^ 「Noir-Lathotep」LINDA・L・DONAHUE=「CTHULHU UNBOUND」(Permited Press)ISBN 1934861138