ルルイエ異本

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ルルイエ異本(ルルイエいほん、R'lyeh Text)は、クトゥルフ神話作品に登場する架空の書籍。

概要[編集]

初出は『ウィアード・テイルズ』1939年3月号に掲載されたオーガスト・ダーレス作の『ハスターの帰還』で、ダーレスの設定したクトゥルフ信仰に関する魔導書であり、ダーレス作品に度々登場する[1]。  

来歴[編集]

アーカムの研究家エイモス・タトルがアジア内陸部(おそらく王朝領東トルキスタン)で10万ドルで購入した漢文で書かれた写本で、人皮で装丁されている。元本は夏王朝時代の“螺湮城本伝(教本)”という文書だといわれる。王朝時代に甲骨文字で書かれた山と海の神々への祭祀文献として、伯益が著したと伝えられる『山海経』があるが、現存のものは王朝・王朝時代に甲骨文から隷書体へ書き換えられ、本文も大幅に変えられて、九頭龍召喚の呪文などは一切記されていない。ルルイエ異本=螺湮城本伝は山海経のオリジナルバージョンと推測される。装丁に使用された人皮は夏王朝最後の暴君による虐殺の被害者のものであろう。現存の山海経には螺湮城(ルルイエ)が沈む南極海淵(昆侖南淵)の位置を示すらしい「昆侖の南の淵は深さ三百仞」という記述がある。[2]。エイモスの死後、甥のポール・タトルによりミスカトニック大学に寄贈される。

原本は紀元前3000年頃、人類以前の言語で記されていたとされる。甲骨に書かれたオリジナルがあるといわれるが、すでに破壊され、上述の漢文で書かれた人皮巻物と、英語訳、ドイツ語訳、イタリア語訳が存在する。イタリア語訳は14世紀にマルコ・ポーロが中国から持ち帰ったものを15世紀に魔術師フランソワ・プレラーティが部分的にイタリア語へと翻訳し、それをナポレオン・ボナパルトが所持していたという説がある[3]

内容は大いなる九頭龍(クトゥルフ)を主に、その眷属と海の関わり、異界のものを召喚する呪文、崑崙大陸(ムー)と螺湮城(ルルイエ)の沈没について記述されている。

ミスカトニック大学の哲学教授ラバン・シュリュズベリイ博士は、ルルイエ異本を詳細に研究し、『ルルイエ異本を基にした後期原始人の神話の型の研究』(An Investigation Into the Mythpatterns of Latterday Primitives With Especial Reference to the R'lyeh Text)という論文を書いている(「永劫の探求」)[2]

登場作品[編集]

  • 「ハスターの帰還」 The Return of Hastur (オーガスト・ダーレス)1939年
  • 「破風の窓」 The Gable Windowハワード・フィリップス・ラヴクラフト&オーガスト・ダーレス) 1957年
    • 『クトゥルー 闇の黙示録』大瀧啓裕:訳、青心社、1980年、ASIN B000J81JSK。
    • 『クトゥルー 1』大瀧啓裕:訳、青心社《暗黒神話大系シリーズ》、1980年、ISBN 4-915-33350-7
  • 「永劫の探求」 The Trail of Cthulhu (オーガスト・ダーレス)1944年から1952年の連作短編
    • 『クトゥルーⅡ永劫の探求 』大瀧啓裕、岩村光博:訳、青心社、1981年、ASIN B000J7U7EI。
    • 『クトゥルー 2』大瀧啓裕、岩村光博:訳、青心社《暗黒神話大系シリーズ》、1988年、ISBN 4-915-33351-5
  • 「丘の夜鷹」 The Whippoorwils in the Hills (オーガスト・ダーレス)1948年
    • 『クトゥルー 3』大瀧啓裕:訳、青心社《暗黒神話大系シリーズ》、1989年、ISBN 4-915-33353-1
  • Fate/Zero虚淵玄 2006年-2007年

脚注[編集]

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  1. ^ 東(1995)p220
  2. ^ a b 東(1995)pp.180-181
  3. ^ 山本(1988)p89 『ゲームシナリオのためのクトゥルー神話辞典』森瀬遼、2013年6月、ISBN 4-7973-7429-2 によればこの設定は同書を初出とする山本のオリジナルであるが、後にはFate/Zeroのようにこの設定を取り込んだ作品が発表されている。

参考文献[編集]