ノーデンス

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動先: 案内検索

ノーデンス(Nodens)は、ハワード・フィリップス・ラヴクラフトの幾つかの作品に登場する神格である。ラヴクラフトの『未知なるカダスを夢に求めて(幻夢境カダスを求めて)』における描写から、人間に対して比較的好意的な存在と解釈されるため、クトゥルフ神話的には「旧神」(Elder Gods)の一柱とされることが多い。

アーサー・マッケンは『パンの大神』の中でケルト神話の神「ノーデンス」に言及しているが、ラヴクラフトはこれから着想を得てノーデンスを産みだしたと考えられている[1]。もっともラヴクラフト作品のノーデンスの性質はマッケンのそれとは大きく異なっている。

ラヴクラフトの『霧の中の不思議の館』においては、白髪と灰色の髭をもつ老人の姿で現れ、貝殻の形をしたチャリオットを操る、海の神のような性格を持つ。

また、同時期に執筆されたとされる『未知なるカダスを夢に求めて(幻夢境カダスを求めて)』においては、幻夢境(ドリームランド)の地下に広がる暗黒世界「偉大なる深淵」を治めており、「偉大なる深淵の主」(Lord of the Great Abyss)とも、「大帝」とも呼ばれる。 TRPGクトゥルフの呼び声では、夢にとり憑く黒く痩せこけた顔のない魔物、夜鬼(ナイトゴーント)を召喚して使役する設定になっている。

「ラヴクラフト作品には見られない」と評される旧神のイメージは、『未知なるカダスを夢に求めて』のラストに登場するノーデンスから作られたのではないかとの見方もできる。ラヴクラフトの楽しみとして書かれたとされるこの作品では、他の作品とは異なり、明らかに「救世主」的な役回りでノーデンスが登場している。

その他[編集]

ハドソンのゲームであるアースライトでは、最強クラスの能力を持つ宇宙戦艦にノーデンスの名が付けられている。

[編集]

  1. ^ ハームズ 2007, p. 209.

出典[編集]

  • ハームズ, ダニエル 『エンサイクロペディア・クトゥルフ』 新紀元社、2007年ISBN 477530531X