ラプラスの魔 (コンピュータゲーム)

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ラプラスの魔
ジャンル ロールプレイングゲーム
対応機種 PC-8801mkIISR [PC-88]
PC-98
X68000 [X68K]
MSX
PCエンジン SUPER CD-ROM2 [PCE]
スーパーファミコン [SFC]
開発元 PC版 ハミングバードソフト
[PCE] ヒューマン
[SFC] ビック東海
発売元 PC版 ハミングバードソフト
[PCE] ヒューマン
[SFC] ビック東海
人数 1人
発売日 [PC-88] 1987年7月4日
[MSX] 1989年4月15日
[X68K] 1990年12月21日
[PCE] 1993年3月30日
[SFC] 1995年7月14日
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ラプラスの魔』(ラプラスのま、DIABLE DE LAPLACE)は、1987年ハミングバードソフトより発売された日本のコンピュータゲーム。およびそれ以降に移植、発売されたコンピュータゲーム。『ゴーストハンターシリーズ』の第1弾。

概要[編集]

当時としては珍しい、ファンタジーではなくホラーをテーマとしたロールプレイングゲーム。ハミングバードソフトによる「ゴーストハンターシリーズ」の第1弾作品だが、当初よりシリーズだと告知されていたにもかかわらず、続編の『パラケルススの魔剣』の発売(1994年)まではかなり間が開くことになった。

戦闘中にモンスターの写真を撮影し、それを町で売ることで金を得るというシステムを採用している。レベルアップは、町で経験点を金のように消費する事で行う。また、レベルアップによる基礎能力値の上昇と「スキル」の獲得は分離されており、スキルは経験点と金のどちらかで(どちらを消費するかはプレイヤーが任意に選べる)レベルとは別個に「購入」する。

戦闘には物理戦闘と精神戦闘という属性の概念がある。物理戦闘ではHPが失われ、精神戦闘ではMPが失われる。物理戦闘は剣や銃などの武器によって行われ、精神戦闘は霊能者の持つ超能力や、科学者の操る「機械」によって行われる。物理と精神のどちらかしか通用しない相手と言うのも多数存在する。HPがゼロになったキャラクターは死亡し、MPがゼロになったキャラクターは発狂する。発狂した際の処理は移植バージョンによって異なっており、SFC版では発狂したキャラクターを逆用した特殊なゲーム攻略法も存在する。発狂したプレイヤーキャラクターは死亡している訳ではなく、その状態から更に命までをも失う危険性も残る。敵を発狂させた場合、それは死亡と同義である。

パーティー編成においては職業のバランスが攻略要素に関わり、特定の条件を持つメンバーがパーティーにいなければ打開できない謎も存在する。プレイヤーにおいては、死や発狂の他、キャラクターそのものが喪失してしまう罠も存在する。特定の場所で必ず現れるモンスターも存在し、イベント要素も多い。冒険の舞台は3Dダンジョンになっており、向き(東西南北)の要素もあるが、向きを回転させられる罠も存在する。謎解きの要素が複雑で、難易度が比較的高いゲームといえる。PC-8801対応版発売当時、『コンプティーク』では、付録などを通して半年にわたって本作に関する攻略特集が組まれた。

コンシューマー版は2機種それぞれでアレンジがされているが、スーパーファミコン版ではダンジョンが2D化したり、自作キャラクターではなく小説版のキャラクター固定になるなど、謎解き要素が若干簡易化されている。PCエンジン版には後述する小説版の導入部を再現したオープニングビジュアルが付加され、草壁の声を塩沢兼人、老人の声を天本英世が演じた。またPCエンジン版は発売に先行して、正式なものではない簡易マニュアル(製品版マニュアルをページ順に大判の紙へコピーしたもので、中綴じにするなどのブックレット体裁は採られていなかった)を付属し冒頭部のみプレイできる体験版的なバージョンも非常に少数ではあるが販売された。

ゲーム内容[編集]

192X年のアメリカ東部にある片田舎であるニューカムの街。その街では「ウェザートップ館」という名の古めかしい屋敷で起こる幽霊騒動が話題となっていた。プレイヤーは噂を聞いて集まってきた様々なキャラクターによって編成された探索者を操り、幽霊屋敷に隠された謎に迫る。

最初に館に入った直後に入り口の鍵がかけられ、鍵の解除方法を見つけ出すまでは街に戻れなくなるなど、随所に謎解きが用意されており、単純に敵と戦っているだけではクリアできない作りとなっている。

ゲームシステム[編集]

キャラクター[編集]

基本的にプレイヤーが作成するキャラクタ(プレイヤーキャラクター)と用意されたイベントなどでパーティーに加わるキャラクタ(イベントキャラクター)が存在する。キャラクターメイキングシステムは単純にキャラクターを作成するだけではなく年齢を進めることである程度経験を積むことが可能。年齢が上がれば能力値が上がったり新たなスキルを習得することがあるが、あまり歳を取ると逆に能力が衰えてくる。

コンシューマー版では小説版のキャラクターでプレイする。

基本的にイベントキャラクターは、プレイヤーキャラクターと区別され、操作することが出来ない。そのため、パーティのプレイヤーキャラクターが全員死亡等で行動不能となると、パーティー全滅となる。

酒場で雇うイベントキャラクターは、冒険の途中で逃げ出すこともあり、また冒険途中で出会うイベントキャラクターは、イベント達成でパーティを離れてしまうため、持っているアイテム等を失う場合がある。また、イベントキャラクターと見せかけたモンスター『ドッペルゲンガー』も存在する。

草壁 健一郎(くさかべ けんいちろう)
霊能力者。特殊キャラクター。プレイヤーが探索を開始する前にニューカムに現れ、ウェザートップ館に向かうが消息を絶つ。探索の最中に某所で仲間に加える事が出来る。強力なキャラクターだが、NPC扱いなのでプレイヤーキャラクターが全員戦闘不能になった時点でパーティは全滅してしまう。歳を取らない。彼を発見しなくともゲームはクリア出来るが、彼がパーティに加わっている状態だと最終ボスのパラメーターが下がると言う恩恵が得られる。

ニューカムの街[編集]

ホテル
データをセーブする。モンスターの写真を売ることができる。
酒場
キャラクターが19歳以上であれば、酒をアイテムとして買うことができる。情報を得たり、ギャンブル(ブラックジャック)を行うことができる。
武器屋
武器の売買ができる。
道具屋
医療箱、護符、カメラ、フィルムなどアイテムを売買できる。
占師の店
レベルアップとスキルアップを購入できる。
図書館
アイテムやゲームのヒントを購入できる。
教会
死、発狂などのステータス異常を回復できる。キャラクターを喪失したり、歳を取ることがある。
幽霊屋敷
冒険の入り口となる場所。五芒星を経由して城へ移動する。

職業[編集]

探偵
殴ったり銃を使ったりといった物理攻撃が得意なキャラクター。戦闘関係のスキルのほか、尋問なども獲得が容易。HPの成長が著しい反面MPの伸びは少なく、終盤は厳しい職業だが「尋問」が得意なために外す事ができない。
霊能者
精神攻撃が得意なキャラクター。物理攻撃が効かない相手に強い。アイテムを使った特殊なスキル獲得を除けば、精神戦闘スキルを獲得できる唯一の職業。精神戦闘能力は科学者の「機械」を遥かに凌駕する威力を誇るものの、行使には自身のMPを消費する諸刃の剣。HPは殆ど伸びないが、MPの成長は著しい。ちなみに武器は最弱であるナイフすら装備する事ができない。
ジャーナリスト
戦闘中はあまり役に立たないが、遭遇した怪物の写真を撮影することでパーティの収入源となる。本作では敵を倒しても金はもらえないので、必須キャラクター。捜索や交渉のほか、一応戦闘関係のスキルを習得する事も可能で、写真を撮影した後にカメラを銃に持ち替えて戦闘に参加する事もできる。基礎能力値の伸びはそこそこ。
科学者
「機械」を使用した精神戦闘が行える。HPの回復が得意で、他にも一応戦闘系のスキルが習得可能。移植バージョンによっては様々な効果のある発明品を作成できる。「機械」も、オリジナル版では精神戦闘しか行えないが、SFC版では部品を交換する事で様々に効果を変える事ができる。
ディレッタント
アイテムの鑑定ができる「謎解き」を習得できる。捜索系や回復系のスキルのほか、一応戦闘関係や機械操作などのスキルも習得できる。MPの伸びが割と優秀。器用貧乏になりやすく、目論み通りの強化には金のかかる職業。

スキル[編集]

占師の店で購入する。職業によって半額で取得出来るスキルが存在する。

武器(剣)
剣や斧などを使った戦闘を支援するスキル。レベルが上がると複数回攻撃も可能になる。レベルによる攻撃回数の増加具合は武器ごとに設定されている。
武器(銃)
銃器を用いた戦闘を支援するスキル。レベルが上がると複数回射撃も可能になる。
格闘
素手での戦闘を支援するスキル。
捜索
トラップやシークレットドアなどの捜索を支援するスキル。
医療手当
医療箱を使ったHP回復を支援するスキル。レベルが上がるごとに回復量が増える。
機械操作
機械を使った精神戦闘を支援するスキル。レベルが精神戦闘におけるポイントレベルに相当する。
交渉
フィールドで出遭った相手と会話する為のスキル。レベルが上がるとワンダリングモンスターとも交渉出来るようになる。戦闘を回避したり情報を引き出したり、降伏を成功させたりするのに必要。
写真
写真撮影を支援するスキル。レベルが上がるごとにピンボケの可能性が下がる。
尋問
戦闘で降伏した敵の尋問を支援するスキル。このゲームでは、敵のアイテムドロップは基本的に尋問の成功によってしか発生しないので、非常に重要なスキル。
謎解き
アイテムの鑑定や図書館での情報集めを支援するスキル。
心理療法
護符によるMPの回復を支援するスキル。レベルが上がるごとに回復量が増える。医療箱と違い、護符は心理療法のスキルが1以上なければ使用する事が出来ない。
精神戦闘
精神戦闘を支援するスキル。レベルが上がるごとに使用可能なポイントレベルの上限が増える(レベルの3倍+1ポイント)。最大で28ポイントレベルの行使が可能になる。精神攻撃時には使用ポイントレベルの5倍のMPを消費する。バックファイヤーを起こす危険があり、その場合は味方に精神攻撃が降りかかる。
精神捜索
霊視を支援するスキル。レベルが上がるとトラップやシークレットドアを発見する確率が上がる。通常の捜索スキルよりも成功率が高い。
精神移動
五芒星やアイテムによる転移を支援するスキル。レベルが上がるごとに消費MPが少なくなって行き、最大まで上げるとMPを消費しなくなる。最低限1レベル以上なければ、転移先を選ぶ事すら出来ない(館と城1Fの往復固定)。

スタッフ[編集]

  • 原作、シナリオ:安田均
  • 音楽:小坂明子
  • キャラクターデザイン:弘司(スーパーファミコン版のみ)

小説版[編集]

『ラプラスの魔』イラスト:結城信輝(1988年、角川文庫ISBN 978-4044601010
安田均が原案、山本弘が執筆。これが山本の長編デビュー作となる。基本的な設定はゲーム版に基づいているが、探索者として小説版オリジナルの登場人物たちが主人公となっており、後に出たコンシューマーゲーム版や『パラケルススの魔剣』では自作キャラクターの代わりに主人公となっている。また、クトゥルフ神話とリンクするシーンも多い。
『ラプラスの魔―ゴーストハンター』 イラスト:弘司(2002年、角川スニーカー文庫ISBN 978-4044601102
『ラプラスの魔』の新装版。あとがきによれば、修正は最小限にとどめたとのこと。
『ラプラスの魔外伝 死のゲーム』LOGOUT ノベルスペシャル(1993年)
ウェザートップ館で遊んでいた子供たちが惨殺・行方不明となった事件を描いた短編。当初は小説版のプロローグとして書かれたが、推敲の過程で削除された部分が外伝として発表された。雑誌に掲載されただけで単行本収録はされていない。

小説版登場人物[編集]

モーガン・ディラン
当時としては珍しい女性新聞記者(ジャーナリスト)。その職業にふさわしく、進歩的かつ行動的な女性。
アレックス・クイン
元警官の探偵。行方不明となった少女の父より依頼を受けて屋敷を訪れた。
ビンセント・ホフマン
変わり者だが優秀な青年科学者。自作の発明品で幽霊騒動を検証するため館を訪れた。
ジョアンナ・サリバン
黒髪の美女。本業はモデルだが霊能者であり、失踪した恋人を追い求めて、夢で霊視した館を訪れる。
ラモント・ブラックウッド
神秘学研究家(ディレッタント)。学はあるが、女性を蔑視したり有色人種を差別視したりといった古い考え方に凝り固まった人物。
ディック・オーガスト
インチキ霊媒師。ハリー・フーディーニによって舞台上でインチキが暴かれ人気が急落。今回の事件を利用して人気を取り戻そうともくろむ。
草壁 健一郎
東洋人の魔術師。事件が起こるしばらく前にウェザートップ館を訪れたが、そのまま消息を絶っていた。
ベネディクト・ウェザートップ
ウェザートップ館の主で魔術師。自分の母親を生き返らせることを目的に、禁断の魔術に手を出し行方不明となる。
ピエール=シモン・ラプラス
物語後半で登場する「もう一つの世界」の支配者。ナポレオンのヨーロッパ征服を助け、その死後に起こった後継者争いをうまく立ち回ることでフランス帝国の皇帝となる。
名前なき者
ラプラスによって遥か深遠の宇宙より召喚された超越的パワーを持つ魔物であり、クトゥルフ神話のハスター。現実に出現したラプラスの魔であり、「もう一つの世界」は彼が視ている夢であるため、この世界のラプラスはそれを通じて未来の出来事を予知することが出来る。

漫画版[編集]

1989年に発刊された、MEIMUによる漫画版。レーベル角川書店コンプコミックス

ゲームブック版[編集]

1987年に発刊された、下村家惠子・作、安田均・監修によるゲームブック版。編集はアスキー出版局

地図と本を組み合わせてプレイする形式で、ゲームシステムは安田均が考案した。テーブルトークRPGのソロシナリオ的な側面を持つ。システムやストーリーは練り込まれていたものの、マップと本の両方で誤記や脱落した箇所が多数に上り、まともにプレイする事は不可能な代物になってしまった。

他のバージョンに比べて、エログロやオカルト色が強く、総じて大人向けの雰囲気となっている。

関連書籍[編集]

シリーズ[編集]